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バイクシュキー文字 (Unicodeのブロック)
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バイクシュキー文字(バイクシュキーもじ、英語: Bhaiksuki)は、Unicodeのブロックの一つ。
解説
19世紀ごろに現在のインド北東部のビハール州及び西ベンガル州、並びにバングラデシュの一部に相当する地域においてサンスクリット語の仏教文献の記述のためにかつて用いられたバイクシュキー文字を収録している。チベット、ネパール、ミャンマーでも記録が見つかっている。
この文字は、英語では「Arrow-Headed Script(矢頭文字)」または「Point-Headed Script(点頭文字)」、ドイツ語では「Pfeilspitzenschrift(プファイルシュピッツェンシュリフト)」、ヒンディー語および現代サンスクリット語では「Śaramātr̥kā Lipi(シャーラマートリカー・リピ)」など、様々な名称で知られており、より古くはチベットにおいて「Sindhura(シンドゥラ)」という名称が3世紀にわたって使われていた[1]。
現在、この文字で書かれた碑文は11点、写本は4点のみであることが知られており、アビダルマサムッチャヤカーリカー(Abhidharmasamuccayakārikā)、マニチューダジャータカ(Maṇicūḍajātaka)、チャンドラーランカーラ(Candrālaṃkāra)、そして少なくとももう1つの仏教経典の写本に用例が確認されている。このうちアビダルマサムッチャヤカーリカーの写本はかつてチベットに保管されていたが、現在はアクセスできず、正確な保管場所は不明となっている。また、4番目の写本はチベットで発見され、2013年ごろに中国のドキュメンタリーで紹介されたが、この写本に関する情報は限られている[1]。
バイクシュキー文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、U+11C43 𑱃 BHAIKSUKI WORD SEPARATOR
を用いて単語毎に分かち書きをする。
加えて、アラビア文字やタイ文字などと同様に独自の数字体系(バイクシュキー数字)を有している。
符号位置の順序はおおむね伝統的なバイクシュキー文字の順序に従っている。
Unicodeのバージョン9.0において初めて追加された。
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収録文字
要約
視点
「ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。
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小分類
このブロックの小分類は「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「約物」(Punctuation)、「隙間埋め記号」(Gap fillers)、「数字」(Digits)、「数値」(Numbers)の8つとなっている[6]。
独立母音字(Independent vowels)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
子音字(Consonants)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、基本的な子音字が収録されている。
従属母音記号(Dependent vowel signs)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。
各種記号(Various signs)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
約物(Punctuation)
隙間埋め記号(Gap fillers)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、空いたスペースを埋めるための記号が収録されている。
数字(Digits)
この小分類にはバイクシュキー文字で用いられる固有の数字が収録されている。
数値(Numbers)
この小分類にはバイクシュキー文字のうち、位取り記数法を用いず、単位数字を並べて表現する数値記号(Unicode上では10進法の位取り記数法を用いる"digit"とは区別される)が収録されている。
これらの数字は縦書きに積み重ねるようにして書かれ、100以上の数値を表す場合はU+11C6C 𑱬 BHAIKSUKI HUNDREDS UNIT MARK
が一番上に、100の位の値を表す数字に対応する1の位の数字がU+11C6C 𑱬 BHAIKSUKI HUNDREDS UNIT MARK
の右隣に書かれ、10以下の位の数字が通常通りU+11C6C 𑱬 BHAIKSUKI HUNDREDS UNIT MARK
の下に書かれる。なお、このシステムは理論的には1~999の範囲のすべての数字を表記できるようになっているが、264を超える数字は現存する写本には確認されていない[1]。
文字コード
バイクシュキー文字(Bhaiksuki)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+11C0x | 𑰀 | 𑰁 | 𑰂 | 𑰃 | 𑰄 | 𑰅 | 𑰆 | 𑰇 | 𑰈 | 𑰊 | 𑰋 | 𑰌 | 𑰍 | 𑰎 | 𑰏 | |
U+11C1x | 𑰐 | 𑰑 | 𑰒 | 𑰓 | 𑰔 | 𑰕 | 𑰖 | 𑰗 | 𑰘 | 𑰙 | 𑰚 | 𑰛 | 𑰜 | 𑰝 | 𑰞 | 𑰟 |
U+11C2x | 𑰠 | 𑰡 | 𑰢 | 𑰣 | 𑰤 | 𑰥 | 𑰦 | 𑰧 | 𑰨 | 𑰩 | 𑰪 | 𑰫 | 𑰬 | 𑰭 | 𑰮 | 𑰯 |
U+11C3x | 𑰰 | 𑰱 | 𑰲 | 𑰳 | 𑰴 | 𑰵 | 𑰶 | 𑰸 | 𑰹 | 𑰺 | 𑰻 | 𑰼 | 𑰽 | 𑰾 | 𑰿 | |
U+11C4x | 𑱀 | 𑱁 | 𑱂 | 𑱃 | 𑱄 | 𑱅 | ||||||||||
U+11C5x | 𑱐 | 𑱑 | 𑱒 | 𑱓 | 𑱔 | 𑱕 | 𑱖 | 𑱗 | 𑱘 | 𑱙 | 𑱚 | 𑱛 | 𑱜 | 𑱝 | 𑱞 | 𑱟 |
U+11C6x | 𑱠 | 𑱡 | 𑱢 | 𑱣 | 𑱤 | 𑱥 | 𑱦 | 𑱧 | 𑱨 | 𑱩 | 𑱪 | 𑱫 | 𑱬 | |||
注釈
|
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履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
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