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マラヤーラム文字 (Unicodeのブロック)
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マラヤーラム文字(マラヤーラムもじ、英語: Malayalam)は、Unicodeの31個目のブロック。
解説
インド南西部のケーララ州で話されているドラヴィダ語族のマラヤーラム語を表記するためのマラヤーラム文字を収録している。
マラヤーラム文字はデーヴァナーガリーなどの他の多くの南アジアの文字体系と同様に、ブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では短母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。母音記号はものによっては文字の左側に付けられたり、子音字を左右から挟む形で付加されるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。
また、デーヴァナーガリー同様頭子音を伴わない単独の母音にも子音字同様に独立した文字が充てられており、子音連続など子音のみで発音する場合は半子音字(英語: half-form)と呼ばれる形に変化したり、特殊な子音字同士の合字を形成したり、あるいは単に殺母音記号であるチャンドラッカラ(candrakkala)という記号を子音字の右上に付加したりする。
書字方向はラテン文字やキリル文字などと同様に左から右へと横書き(左横書き)し、下に行を送り、単語毎に分かち書きをする。なお、デーヴァナーガリーやベンガル文字とは異なり文字の上部に水平線(シローレーカー)は持たない。
子音字は有声音と無声音の弁別に加えて、有気音であるか無気音であるかを区別する。そのため、各調音点における破裂音には計4種類の子音字が存在する。また、母音字については母音の長短によって文字が分けられている。
符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。
加えて、アラビア文字やタイ文字などと同様に独自の数字体系(マラヤーラム数字)を有している。
Unicodeのバージョン1.0においても「マラヤーラム文字(Malayalam)」というブロック名で制定されていた[1]。
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収録文字
要約
視点
「ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(および一部はIAST)に従う。
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小分類
要約
視点
このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs)、「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「ヴィラーマの異体字形」(Variant shape viramas)、「サンスクリット語用の追加」(Addition for Sanskrit)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「2要素からなる母音記号」(Two-part dependent vowel signs)、「ヴィラーマ」(Virama)、「点状のレプ」(Dot reph)、「測量単位記号」(Measurement symbol)、「追加の歴史的なチル文字」(Additional historic chillu letters)、「小さな分数」(Minor fractions)、「追加の歴史的な母音字」(Additional historic vowel)、「サンスクリット語用の追加母音字」(Additional vowels for Sanskrit)、「予約済」(Reserved)、「数字」(Digits)、「マラヤーラム数値」(Malayalam numerics)、「分数」(Fractions)、「日付記号」(Date mark)、「チル文字」(Chillu letters)の10個となっている[10]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。
各種記号(Various signs)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
独立母音字(Independent vowels)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
子音字(Consonants)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、基本的な子音字が収録されている。子音字は何も母音記号が付かない場合は母音/-a/を伴って発音される。
Unicode公式文書において一部の文字については、その正体を明確にするために別名として別のローマ字表記が示されている[2]。
ヴィラーマの異体字形(Variant shape viramas)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、ヴィラーマの異体字形が収録されている。
サンスクリット語用の追加(Addition for Sanskrit)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、サンスクリット語の表記に用いられる記号1種のみが収録されている。
従属母音記号(Dependent vowel signs)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。組み合わせる先の子音字によっては特殊な合字を形成することがある。
2要素からなる母音記号(Two-part dependent vowel signs)
これらの母音記号には、子音の両側にグリフ部分があり、論理的な順序で子音に続くため、ほとんどの処理では 1 つの単位として扱われる[2]。
ヴィラーマ(Virama)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、チャンドラッカラ(candrakkala)(殺母音記号)と呼ばれる、子音字の持つ母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号1つのみが収録されている。この記号はレンダー上は子音字を半子音字形(half-form)に変形したり、後続する別の子音字と合字を形成するための制御文字として働くことが多い。ただし、文字によっては半子音字形を持たずただ単にハラントが子音字の上に付く場合もある。
なお文字名および小分類名の「ヴィラーマ(virama)」とはデーヴァナーガリーにおける同様の機能を持つ記号の名称である。
点状のレプ(Dot reph)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、子音/r/が別の子音/C/に先立ち子音列/rC-/を形成する時の子音字RA(U+0D30 ര MALAYALAM LETTER RA)の特殊な形状であるレプ(reph)と呼ばれる形状の古い形(上付きの点のような形状)1文字のみが収録されている。
測量単位記号(Measurement symbol)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち米の測量に用いられた単位記号1種のみが収録されている。
追加の歴史的なチル文字(Additional historic chillu letters)
この小分類にはマラヤーラム文字のうちチル文字(chillu letter)と呼ばれる、通常の子音字とは異なり暗黙の随伴母音/-a/を伴わずに子音だけで発音される文字の中でも歴史的に使用され、現在は使われなくなった文字が収録されている。
小さな分数(Minor fractions)
マラヤーラム文字で用いられる分数の記号のうち、比較的小さな値を表すものが収録されている。
いくつかの小さな分数は通常の文字で表される。例えば分数の「320分の1」を表す"muntiri"は音節/pta/ (0D2A 0D4D 0D24 പ്ത) で表される。[2]
追加の歴史的な母音字(Additional historic vowel)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、歴史的に用いられた母音字1文字のみが収録されている。
サンスクリット語用の追加母音字(Additional vowels for Sanskrit)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、サンスクリット語の表記に用いられる音節主音化した母音字としての流音の文字が収録されている。
予約済(Reserved)
この小分類には現在は文字が収録されていないが、将来的な追加のために領域が予約されている。デーヴァナーガリーにおける「インド諸文字用の一般句読点(Generic punctuation for scripts of India)」に相当する。
なお、ヴィラム(viram)句読点には、デーヴァナーガリー文字ブロックにある一般的なインド諸文字用の句読点の U+0964 । と U+0965 ॥ を使用する[2]。
数字(Digits)
この小分類にはマラヤーラム文字で用いられる固有の数字が収録されている。
マラヤーラム数値(Malayalam numerics)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、10以上の数を表すための数字が収録されている。
なお、Unicodeにおいて本小分類名に含まれる"numerics(数値)"は通常の10進数表現で用いられる数字を意味する"digits(数字)"とは異なり、10以上の数値や小数値・分数値などの10進数表現で用いられるものとは異なる数字体系を表すために用いられる言葉である。
分数(Fractions)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、分数を表す記号が収録されている。
日付記号(Date mark)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、日付の表記に用いられる記号1つのみが収録されている。
チル文字(Chillu letters)
この小分類にはマラヤーラム文字のうち、チル文字(chillu letter)と呼ばれる、通常の子音字とは異なり暗黙の随伴母音/-a/を伴わずに子音だけで発音される文字が収録されている。
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文字コード
マラヤーラム文字(Kannada)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+0D0x | ഀ | ഁ | ം | ഃ | ഄ | അ | ആ | ഇ | ഈ | ഉ | ഊ | ഋ | ഌ | എ | ഏ | |
U+0D1x | ഐ | ഒ | ഓ | ഔ | ക | ഖ | ഗ | ഘ | ങ | ച | ഛ | ജ | ഝ | ഞ | ട | |
U+0D2x | ഠ | ഡ | ഢ | ണ | ത | ഥ | ദ | ധ | ന | ഩ | പ | ഫ | ബ | ഭ | മ | യ |
U+0D3x | ര | റ | ല | ള | ഴ | വ | ശ | ഷ | സ | ഹ | ഺ | ഻ | ഼ | ഽ | ാ | ി |
U+0D4x | ീ | ു | ൂ | ൃ | ൄ | െ | േ | ൈ | ൊ | ോ | ൌ | ് | ൎ | ൏ | ||
U+0D5x | ൔ | ൕ | ൖ | ൗ | ൘ | ൙ | ൚ | ൛ | ൜ | ൝ | ൞ | ൟ | ||||
U+0D6x | ൠ | ൡ | ൢ | ൣ | ൦ | ൧ | ൨ | ൩ | ൪ | ൫ | ൬ | ൭ | ൮ | ൯ | ||
U+0D7x | ൰ | ൱ | ൲ | ൳ | ൴ | ൵ | ൶ | ൷ | ൸ | ൹ | ൺ | ൻ | ർ | ൽ | ൾ | ൿ |
注釈
|
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履歴
要約
視点
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
Wikiwand - on
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