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ラオス文字 (Unicodeのブロック)

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ラオス文字(ラオスもじ、英語: Lao)は、Unicodeの34個目のブロック

概要 範囲, 面 ...

解説

要約
視点

東南アジアラオス人民民主共和国の公用語であるラーオ語を表記するためのラオス文字を収録している。

ラオス文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。隣国タイで用いられるタイ文字とは近縁関係にある。

母音記号はものによっては文字の左側に付けられたり、子音字を左右から挟む形で付加される。なお、このような母音記号は多くのブラーフミー系文字では実際の発音の順序に合わせてレンダー位置が入れ替わることが多いが、タイ文字同様にラオス文字では文字が書かれる順序通りに入力することとなっている。

デーヴァナーガリー文字などのインドの文字とは異なり、頭子音のない独立した母音を表す文字が存在しない。代わりに頭子音のない母音を表す場合は無子音、あるいは声門破裂音[ʔ]を表す子音字オー・オー(U+0EAD ອ)を用いて表現する。また、子音連続は単に子音字を連続して書くことで表され、南アジアの文字体系で用いられるヴィラーマのような記号は通常は使われない(例外的にパーリ語の音訳においては似たような記号が用いられる。U+0EBA ຺ LAO SIGN PALI VIRAMAを参照)。

書字方向ラテン文字キリル文字などと同様に左から右へと横書き(左横書き)し、下に行を送る。分かち書きは原則しない

子音字は元々有声音無声音の弁別に加えて、有気音であるか無気音であるかを区別していた。そのため、各調音点における破裂音には計4種類の子音字が存在していた。なお、現在のラーオ語では有声無気音及び有声有気音は廃字となっており、上座部仏教の聖典言語であるパーリ語の音訳など限定的な用法でしか用いられなくなっている。現在はこれらの有気音/無気音、有声音/無声音の弁別の代わりに声調の規則の変化が対応付けられており、子音字にはその規則ごとに中子音字・高子音字・低子音字の3つのグループに大別される。子音字は末子音としても振舞うことがあり、その場合一部の文字については発音が変化する。また、母音字については母音の長短によって文字が分けられている。

符号位置の順序はおおむねブラーフミー系文字の文字順に由来する伝統的なラオス文字の順序に従っている。なお、文字名についてはタイ文字ブロックとは異なり、ラオス文字の伝統的な文字名ではなく、子音に随伴母音/-o/を伴った文字名で命名されている。同じ発音に対して高子音字と低子音字で文字が分かれている場合については高子音字には"SUNG"、低子音字には"TAM"という単語が付けられている。

加えて、アラビア文字やデーヴァナーガリーなどと同様に独自の数字体系(ラオス数字)を有している。

Unicodeのバージョン1.0においても「ラオス文字(Lao)」というブロック名で制定されていた[1]

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収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はラオス文字のラテン文字への翻字方式の一つであるALA-LC ラテン文字翻字法英語版に従う。

さらに見る コード, 文字 ...
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小分類

要約
視点

このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「記号」(Signs)、「母音記号」(Vowels)、「ヴィラーマ」(Virama)、「繰り返し記号」(Repetition mark)、「声調記号」(Tone marks)、「数字」(Digits)、「二重音字」(Digraphs)、「クム語用子音字」(Consonants for Khmu)の9つとなっている[3]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

子音字(Consonants

この小分類にはラオス文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

記号(Signs

この小分類にはラオス文字のうち、記号約物などの類が収録されている。

母音記号(Vowels

この小分類にはラオス文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。U+0EC0-0E44の文字については、視覚的な順序では子音の前にある。[3]他のブラーフミー系文字では子音の左側にレンダーされる母音記号を発音順に入力する方式を取っているものが多いが、タイ文字では文字が書かれる順番通りに入力することとなっている。そのため、文字の符号化文字列とレンダー位置とか入れ替わることは無い。

ヴィラーマ(Virama

この小分類にはラオス文字のうち、パーリ語の表記において子音のみで発音することを表すヴィラーマ記号を翻字する際に用いられる記号1つのみが収録されている。

繰り返し記号(Repetition mark

この小分類にはラオス文字において直前の単語を2回繰り返して読むことを表す繰り返し記号1つのみが収録されている。

声調記号(Tone marks

この小分類にはラオス文字のうち、子音の声調を変化させるための記号が収録されている。なお、1つの声調記号に対して声調が一対一で対応しているわけではなく、付けられた先の子音が高子音字・中子音字・低子音字のうちいずれのグループに属するかによって声調の規則が異なる。

数字(Digits

この小分類にはラオス文字で用いられる固有の数字が収録されている。

二重音字(Digraphs

この小分類にはラオス文字のうち、高子音字化するためにホー・ハーン(U+0EAB ຫ)と合成された鼻音の子音字の合字二つが収録されている。

クム語用子音字(Consonants for Khmu

この小分類にはラオス文字のうち、ラオス国内に居住する少数民族が話すオーストロアジア語族クム語英語版の表記に用いられる拡張子音字2つが収録されている。Unicodeのバージョン6.1で追加された。

文字コード

ラオス文字(Lao)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+0E8x
U+0E9x
U+0EAx
U+0EBx
U+0ECx
U+0EDx
U+0EEx
U+0EFx
注釈
1.^バージョン15.1時点

履歴

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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