トップQs
タイムライン
チャット
視点

大年寺山

宮城県仙台市太白区にある山 ウィキペディアから

大年寺山map
Remove ads

大年寺山(だいねんじやま)は、宮城県仙台市太白区にあるである。山の名は江戸時代からこの山にある黄檗宗両足山大年寺に由来する。古くは野出口山、また茂ヶ崎と呼ばれた。大年寺公園とその一部である仙台市野草園があり、他に放送局のテレビ塔3本が建つ。標高は約120メートル

概要 全ての座標を示した地図 - OSM ...
Thumb
伊達家の墓所(2007年11月)
概要 大年寺山, 標高 ...

地理

大年寺山は、仙台市都心部から見て南側、広瀬川愛宕山、大窪谷地を隔てた所にある。大年寺山の南側には長町地区が広がる。

山の形は東北東から西南西に長い。この山の最高点とされてきた二等三角点「大年寺」(北緯38度14分15秒 東経140度52分25秒)は標高119.55メートルだったが、現在は停止(移転)している。

南西斜面に東北工業大学長町キャンパス(北緯38度14分4.6秒 東経140度52分26.5秒)がある。北西側斜面に仙台市野草園(北緯38度14分19.7秒 東経140度52分25.7秒)があり、山の東側は大年寺公園で、伊達氏代々の墓所(北緯38度14分25.9秒 東経140度52分46.8秒)がある。北東側の山裾は広瀬川に近い。

歴史

要約
視点

古墳時代にはこの山の中腹にたくさんの横穴墓が作られた。山の北側に大年寺山横穴墓群、南側に二ツ沢横穴墓群茂ヶ崎横穴墓群、そのほか愛宕山横穴墓群宗禅寺横穴墓群などがあり、全体で「向山横穴墓群」と称す[1]

中世には茂ヶ崎と呼ばれ、茂ヶ崎城が置かれた。

1696年元禄9年)、伊達綱村廃寺になっていた仙英寺を茂ヶ崎に移し、大規模な寺院の造営に乗り出した。翌年、黄檗宗の鉄牛和尚が招かれ両足山大年寺を開いた。これ以後、江戸で死去した者を除く伊達家代々の墓所となり、江戸時代にはその保護を受けて広壮な伽藍を営んだ。当時の大年寺は、全国の黄檗宗の寺院の中でも規模が大きいものであった。明治になってから廃仏毀釈の風潮を受けて伊達家が仏式を止めたため、荒廃した。今も残る建築物は南の入り口にある惣門(北緯38度14分13.1秒 東経140度52分44.3秒)だけである。

1918年大正7年)には、労働者60余人が大年寺山に立てこもった。これは名取郡長町村の東北板紙での労働争議によるものであり、労働者は賃上げを要求して勝ち取った。日本と宮城県の労働運動黎明期の一事件である。

伊達家との関係が切れた黄檗宗は、昭和の初めに大年寺を再興した。これが現在の大年寺で、昔の門前にあたる山麓にある(北緯38度14分13.4秒 東経140度52分46.7秒)。

1934年(昭和9年)11月に北隣の八木山とあわせて308.32ヘクタールが「八木山大年寺風致地区」に指定され、仙台近郊の緑地として開発を抑制された[2]

伊達家の墓所があることから大年寺山では長い間、樹林の伐採は行われていなかった。しかし、第二次大戦中から戦後にかけて木材の需要が急増した影響で、大年寺山の樹林の伐採が行われた。1950年(昭和25年)に伊達家がここの山林を売却したために樹林の伐採が進み、大年寺山の景観は一変するほどだった[3]

1950年(昭和25年)に植物園の計画が持ち上がり、1954年(昭和29年)7月21日に仙台市野草園が開園した。この敷地は1945年(昭和20年)に地すべりを起こしていた所であり、野草園の設置はその有効活用という側面を持ち合わせていた[3]1956年(昭和31年)3月21日、NHK仙台総合テレビジョンの開局を先駆けに、山頂には各社のテレビ放送の塔が立ち並んだ。

仙台市は石井亨市長のもとで伊達家の墓所も含め大年寺山に公園を整備する構想を立て、土地取得を進めた。この過程で仙台市が1991年平成3年)と1992年(平成4年)に4倍の費用で土地を購入したことが1993年(平成5年)9月に明るみに出た。市民団体仙台市民オンブズマンは、土地を売却した4社を相手取って代金返還代位請求訴訟11月に起こした。最高裁まで争われたこの裁判では、予算決算報告を起点にして計算した請求期間1年をすぎてからの住民監査請求は認められないとの判決2003年(平成15年)に確定した。

Remove ads

テレビ塔

要約
視点
概要 節内の全座標を示した地図 - OSM ...
Thumb
テレビ塔が立ち並ぶ大年寺山

外観上の特徴は、山上に立つ3本のテレビ塔である。東から、

通称:「ミヤテレタワー
高さ:138メートル
概観:白
夜間ライトアップ:翌日の天気予報が、晴れならオレンジ色、曇りなら白色、雨・雪は緑色の照明となる。
鉄塔の中層部には仙台市街地向けの情報カメラが設置されている。
高さ:150メートル
概観:白
夜間ライトアップ:なし
2001年に地上デジタルテレビ放送の整備に合わせ、建て替え。同時にKHBのアナログ送信アンテナがMMTの鉄塔から移設された(MMTのデジタルテレビ放送用アンテナを設置するため)。
3局の地上デジタルテレビ放送とNHK-FMラジオ放送の送信施設として運用されている。2012年3月31日までは、NHKとKHBの地上アナログテレビ放送も運用されていた。
こちらには、NHKの情報カメラが南側(長町南駅方向)を向けて設置されている。
通称:「仙台スカイキャンドル」(2012年6月命名)
高さ:147.7[4]メートル
概観:赤白
夜間ライトアップ:1時間単位で照明の色が変化する。
2004年11月までは、塔下にあるスタジオから番組を送り出していた。
2016年6月30日まではモバキャスNOTTV)の送信設備が設置されていた。

上記の3つの鉄塔がある大年寺山の西隣の八木山にテレビ塔として運用されていた鉄塔がある。

通称
通称:トリシャイン
高さ:120メートル
概観:赤白
夜間ライトアップ:3色の照明で模様をつくる。
2012年3月31日まで、地上アナログテレビ放送の送信施設として運用されていた。
2017年5月よりFMラジオ放送の送信施設として運用を開始。

八木山の東北放送を含めた4本中3本の「テレビ塔ライトアップ」は、第10回仙台市都市景観大賞を受賞した[5]東京からの東北新幹線下りの車中から「テレビ塔ライトアップ」は非常に良く見え、仙台到着のランドマークとなっていることが受賞理由となっている。

なお、仙台空港航空法制限表面のうち円錐表面と外部水平表面は仙台市中心部には設定されておらず、これらのテレビ塔は建設が可能であった(参照[6]

宮城県の地上デジタル放送におけるリモコンキーIDは、全国で唯一、系列局の割り当てが鹿児島県と同一になっている。

また、本項では、2012年12月14日から2016年6月30日まで運用されていたジャパン・モバイルキャスティング運営のNOTTV仙台送信所についても併せて記述する。

地上デジタルテレビジョン放送送信設備

さらに見る ID, 放送局名 ...

地上アナログテレビジョン放送送信設備

さらに見る チャンネル, 放送局名 ...
  • NHKとKHBは共同でアナログ・デジタル共用。
  • OXとMMTはそれぞれ単独設置で、いずれもアナログ・デジタル共用。OXは旧本社跡に送信所を残す。
  • TBCは八木山の本社敷地内にアナログテレビ送信所を設置していた。詳細は東北放送の項目を参照の事。

FMラジオ放送送信設備

さらに見る 周波数 (MHz), 放送局名 ...
  • NHKは、3局共用のテレビ放送施設にFM放送の設備を設置。
  • Date fmは、OXの設備を間借りしている。
  • TBCは八木山の本社敷地内にFM補完中継局(93.5MHz、5kW)を設置している。詳細は東北放送の項目を参照の事。

マルチメディア放送送信設備

  • 2016年6月30日放送終了・廃止。
さらに見る 周波数, 放送局名 ...
  • モバキャス仙台送信所は、東北初の送信所であった。
  • 出力は25kWと最大級。出力が強いのはかなりのエリアをカバーするためであった。

歴史

Remove ads

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads