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小さなバイキング

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小さなバイキング』(ちいさなバイキング、スウェーデン語原題:: Vicke Viking)は、スウェーデン出身の作家にしてジャーナリストであるルーネル・ヨンソン原作による児童文学シリーズである。

日本語訳

要約
視点

学習研究社より「少年少女・新しい世界の文学」シリーズの1巻として刊行された他、評論社から「児童図書館・文学の部屋」シリーズとして6冊刊行された。また、アニメ放送に合わせて、朝日ソノラマより2巻シリーズとして発行された。

学習研究社版
  • ルーネル・ヨンソン『小さなバイキング』大塚勇三訳、学習研究社〈少年少女・新しい世界の文学 1〉、1967年7月。ISBN 4-05-003676-2
朝日ソノラマ版
評論社版
  • ルーネル・ヨンソン『ビッケと赤目のバイキング』石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 1〉、1974年。ISBN 4-566-01040-6
  • ルーネル・ヨンソン『ビッケと空とぶバイキング船』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 2〉、1974年。ISBN 4-566-01041-4
  • ルーネル・ヨンソン『ビッケと弓矢の贈りもの』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 3〉、1974年。ISBN 4-566-01042-2
  • ルーネル・ヨンソン『ビッケと木馬の大戦車』エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社〈児童図書館・文学の部屋・バイキングのビッケシリーズ 4〉、1974年。ISBN 4-566-01043-0
評論社新版
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テレビアニメ

要約
視点

フジテレビ版

1972年にドイツZDF日本ズイヨー映像の共同制作によるテレビアニメとして製作された[1]。日本版タイトルは『小さなバイキングビッケ』。当初ZDFが人形劇アニメを計画したが、後に、国際共同制作として瑞鷹にテレビアニメーション製作を依頼し、1972年から1974年にかけて1話23分の全78話と、85分の長編アニメを製作した。

ドイツでは1974年1月31日から8月8日までZDFで『Wickie und die starken Männer』として26話が放送され、残りの52話は1975年3月5日から放送された。オーストリアでは1974年2月17日からORFにて放送された。日本では1974年4月3日から1975年9月24日にかけてフジテレビ系で放送された。

テレビアニメはヨーロッパを中心に全世界に輸出された。タイトルは国や放送局によって異なる。英語圏では『Vicky the Viking』である。2009年にはテレビアニメを元にした実写映画が製作された (後述の実写映画を参照) 。

主人公の名前はZDFのドイツ版や英語版などでは「ヴィッキー」となるが、日本版では原作和訳版を元にした「ビッケ」が用いられる。

同じく海賊を題材にした作品『ONE PIECE』の作者尾田栄一郎は本作をきっかけに海賊好きになったと述べている[2]。なお、1999年より同作がテレビアニメ化された際、奇しくも本作と同じ局・同じ放送枠で開始した。

ステレオタイプについて

本作においては、バイキング (ヴァイキング) が海賊であるという見解に沿って描写されているが、史実とは異なる。

作中において「角のついた兜を被る」[注釈 1]「捕鯨民族であるバイキングがクジラを助ける (27話) 」[注釈 2][疑問点]といった、細かな点においても考証ミスがある。なお、「角のついた兜を被る」というのは欧米におけるバイキングのステレオタイプなイメージであり、本作によってそれが日本にも定着したと言える。

また、オープニング映像に登場するアメリカ・インディアンの描写についても考証ミスが見られる[注釈 3]

声の出演

さらに見る 役名, 日本版 ...

スタッフ

主題歌

ドイツ
「Hey, hey, Wickie! Hey, Wickie, hey!」
作曲 - Christian Bruhn / 作詞 - Karel Svoboda / 作曲・歌 - Bläck Fööss
日本
オープニングテーマ
「ビッケは小さなバイキング」
作詞 - 丘克美 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 栗葉子とザ・バイキング
エンディングテーマ
「チッチの歌」
作詞 - 雨宮雄児 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 松金よね子
「フラーケ族の歌」
作詞 - 雨宮雄児 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - テアトル・エコー
「ちっちゃなビッケと大きな父さん」
作詞 - 高垣葵 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 栗葉子とザ・バイキング

各話リスト

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放送局

さらに見る フジテレビ系 水曜 19:00 - 19:30, 前番組 ...

ディズニー・チャンネル版

2011年にはベルギーのstudio100により「VIC THE VIKING」のタイトルで3Dアニメとしてリメイクされ[19]、日本では「ビッケはちいさなバイキング」のタイトルで2014年5月5日にディズニー・チャンネルで先行放映された後、5月26日から月~木曜午前11時半~11時45分に同チャンネルで本放送される[20]。な毎日の放送時間帯は朝の特別枠ディズニー・ジュニアの範囲内だが、同チャンネルの公式サイトでは、放送番組のジャンルではディズニー・ジュニアではなく普通のアニメーションに属している。

声の出演

さらに見る 役名, 日本版 ...

各話リスト

  1. てっぺんをめざせ!
  2. バイキングのまもりがみ
  3. どうくつのかいぶつ
  4. はぐるまだいさくせん
  5. ビッケとながれぼし
  6. ウルメのにんぎょうげき
  7. ハルバルのとりひき
  8. はらぺこかいじゅう
  9. かぜの女王
  10. オオカミのおやこ
  11. まほうの大がま
  12. 女王リアノンのしま
  13. ハルバルがへんしん?

スタッフ

その他

第43話で、『みつばちマーヤ』の登場キャラであるマーヤとウイリーがゲスト出演している(ただし通りすがりのキャラ扱いで、ウイリーがスノーレの鼻を刺してすぐに飛び去った)。

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ゲーム

実写映画

コメディアンのミヒャエル・ヘルビークが監督した実写版映画『Wickie und die starken Männer』 (ヴィッキーと強い男たち) が2009年9月にドイツで公開され記録的な大ヒットとなった。

日本では『小さなバイキング ビッケ』の邦題で、2010年に第18回キンダー・フィルム・フェスティバル (東京)[22][23]、第23回東京国際映画祭にてライブ吹き替え上映された[24]ほか、京都HISTORICA2010では日本語字幕付きで上映され[25][26]、2012年12月に日本版DVDが発売された。

2011年にはクリスティアン・ディッター監督による続編『Wickie auf großer Fahrt』(ヴィッキーの大きな旅)が3D映画として製作された。

日本ではこの2作目も『ビッケと神々の秘宝』の邦題で、第20回キンダー・フィルム・フェスティバル (東京)[27]で上映され、2012年の京都ヒストリカ国際映画祭でも上映され[28]、2015年12月に日本版DVDが発売された。

第3作目として『Wickie und der große Wettkampf』(ヴィッキーの大競争)の製作が2011年に予告されていたが、映画の重要キャストであった「恐ろしいスベン」役俳優ギュンター·カウフマンの急逝により製作が頓挫、その後制作会社も解散した。

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アニメーション映画

要約
視点
概要 映画 小さなバイキング ビッケ, 監督 ...

小さなバイキング ビッケ』(ちいさなバイキング ビッケ、: Vic the Viking and the Magic Sword[29])のタイトルで、2020年10月2日CGアニメーション映画として公開された[30]

魔法の剣によって黄金に変えられてしまった母を救うために、ビッケが海賊の父親とその仲間たちとともに魔法の剣の秘密を解き明かす、原作と異なるオリジナルストーリーである[30][29][31]

登場キャラクター

  • ビッケ(Vic)
    • 伊藤沙莉[29](日本語版吹き替え)、デクラン・ミーレ・ハウエル[32](英語版)
  • ハルバル(Halvar)
  • レイフ(Leif)
  • イルビ(Ylvi)
  • スベン(Sven)
  • ウローブ(Urobe)
    • 前田雄(日本語版吹き替え)、デビッド・ゴッジ[32](英語版)
  • ファクセ(Faxe)
    • 鷲見昂大(日本語版吹き替え)、ダン・ラッセル[32](英語版)
  • ゴルム(Gorm)
  • ウルメ(Ulme)
  • スノーレ(Snorre)
    • 長瀬ユウ(日本語版吹き替え)、ローランド・ストーン[32](英語版)
  • チューレ(Tjure)
  • イルバ(Ylva)
    • 矢尾幸子(日本語版吹き替え)、エヴァ・サヴェージ[32](英語版)
  • ソー(Thor)

スタッフ

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2018年度大学入試センター試験の出題を巡る騒動

要約
視点

経緯

2018年1月13日日本大学入試センター試験(本試験)の地理Bの第5問-問4で、アニメ版「小さなバイキングビッケ」に関する問題が出題され、インターネット上で話題を呼んだ[34]

出題において議論された点

ビッケの舞台はどこなのか

出題された問題には「(『ムーミン』と『小さなバイキングビッケ』は)ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」と記されている。しかし、ビッケの原作者ルーネル・ヨンソンはスウェーデンの作家であり、ビッケが拠点とする「フラーケ」も原作本文中で「(ビッケたちが大規模な駆除を行ったので)フラーケはスウェーデンではじめてオオカミのいない地方になったのでした[35]」や「ハルバル(注:ビッケの父)はスウェーデンのフラーケ地方に住むバイキングの族長[36]」と明記されていた[37]。このことにより、出題が妥当であるかどうかの議論が起きた。

出題後の反応

駐日スウェーデン大使の公式Twitterは以下のコメントを記した。

ムーミンもいいけど…ビッケは?

ビッケはスウェーデン人作家ルーネル ヨンソンの作品ですよ。

スウェーデン大使館も今後周知に努めます。スウェーデン大使館Twitter 「スウェーデン大使館さんのツイート」による

出題内容に対する見解

朝日新聞は大学入試センターに「『小さなバイキングビッケ』の舞台はノルウェーと言えるのか。原作には主人公たちが住む村はスウェーデンのフラーケ地方にあるという記述がある」という内容の質問を行った。それに対し、大学入試センターは「バイキングの表記から海が結氷せず、海上活動が盛んだったノルウェーやスウェーデンを含むスカンディナビア半島の沿岸や周辺海域が類推されます。バイキングは現在のスウェーデンを含む地域においても活動していましたが、設問の設計上スウェーデンはすでに例示しており、また、フィンランドとは関連が薄いことから、ノルウェーが類推されます。」と回答した[38][39]

センターの回答では、アニメの舞台にふれていないため、改めて朝日新聞が電話取材をしたところ、センターは「舞台がノルウェーであることを明確に示す出典は確認できていません。その意味では『ノルウェーを舞台にしたアニメーション』との記述は、厳密な意味で正確なものではありません」と答えた。ただ、センターは「知識・思考力を問う設問として支障はなかった」としており、出題ミスではないとしている[40]。一連の騒動を踏まえ、センターの大塚雄作・試験・研究統括官は「設問の趣旨を受験生に分かりやすく示すため、単純化した記述としたものであることをご理解いただきたい」とコメントした[40]

アニメ制作会社

アニメの著作権を持つ瑞鷹(東京都)は、「ビッケたちの拠点は架空の『フラーケ村』で、具体的な国名は不明[注釈 5]。海賊なので色々な地を巡ります[注釈 6]」と答えた[41]

なお、オープニング主題歌の「ビッケは小さなバイキング」の歌詞では、出かけていく先を羅列する部分で「イギリス オランダ ブルガリア」「グリーンランド」(以上1番)「フリースランド[注釈 7]」(2番)「イタリア アメリカ デンマーク」「アイスランド」(以上3番)とある[42]

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脚注

外部リンク

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