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日本の人口統計

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日本の人口統計
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日本の人口統計(にほんのじんこうとうけい)は、総務省統計局がまとめる国勢調査または各都道府県による人口動態統計を表したもの。日本の総人口は、2022年令和4年)10月1日の時点で124,946,789人である[1]。これは世界11位に相当し、1億人以上の人口を抱える14か国のうちの一つである[注釈 1]

概要 人口, 人口密度 ...
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日本の総人口は2008年平成20年)に1億2,808万人でピークを迎え、この年以降人口減少社会に突入した。これは出生率の低下と、移民流入の少なさが大きく影響している。2023年時点で合計特殊出生率は1.20、普通出生率は6.0となっており、共に世界の中で低位にある。国民全体に占める外国人の割合は、年々増加傾向にあるものの2.7%にとどまっており、先進各国の中では最低水準である。

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統計一覧

人口の推移

要約
視点
さらに見る 人口推移, 年 ...

先史・古代

日本初の戸口調査は『日本書紀』によれば崇神天皇十二年三月に行われたとされるが、記述に後世の律令時代の影響が見られる[8]

7世紀には全国戸籍「庚午年籍」や「庚寅年籍」が作成され、この制度は平安時代初期まで続いていた。

現代の歴史人口学研究の推定では、日本の人口は奈良時代には500万~700万人程度[9]

中世・近世

11世紀以降の荘園経済の時代は調査が行われなくなり資料が乏しい[9]

1000万人を越えたのは中世後期、早くとも15世紀以降と考えられている。

1600年(慶長5年)頃に1200万か1800万人程度[9]

江戸時代に入ると宗門人別改帳制度が成立した。本格的な全国人口調査が始まったのは18世紀江戸幕府徳川吉宗時代からである。

江戸時代前半の17世紀に急増し、18世紀から19世紀は3000万人前後で安定化した。

近代

開国後に日本の人口の急増が始まった。これは明治以降の保健・医療など公衆衛生水準の向上、農業生産力の増大、工業化による経済発展に伴う国民の所得水準の向上と生活の安定などの要因により発生した人口爆発だった。1872年(明治5年)の段階では3480万人だった日本の人口は1912年(明治45年)に5000万人を突破した[10]

明治5年(1872年)に壬申戸籍を編纂した際、総人口は3311万人と集計されたが、役所の戸籍簿の集計で直接の人口調査ではない。また1919年大正8年)までの人口統計は、壬申戸籍に対する増減をもとに算出したものであるため正確性に疑問がある。

1920年(大正9年)の第1回国勢調査により、日本で初めて直接調査が行われた。

戦前の人口統計には、日本本土の集計とは別に植民地・租借地・委任統治領を含めた統計も存在した。植民地・租借地・委任統治領であった地域における当該期の人口に関しては国勢調査 (日本)#外地・租借地・委任統治領での各種センサスを参照のこと。

現代

20世紀後半

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人口ピラミッドの推移(1888年から2019年)

戦時中の出産先送り現象のため、終戦直後の1940年代後半にはベビーブームが起き、出生数は年間約270万人に達した。ちなみに、1947年(昭和22年)の合計特殊出生率は4.54。1948年(昭和23年)に人口8000万人だったのが、1956年(昭和31年)には9000万人、1967年(昭和42年)に1億人を超えた。当時において日本は中国インドアメリカソ連インドネシアパキスタンに次ぐ第7位の人口を有する国となった。100年の間に総人口が3倍に増えた計算となる[10][11]

しかし、出生数でみると、1950年代には希望子供数が減少し、1948年(昭和23年)に優生保護法により合法化された人工妊娠中絶産児制限運動の普及をバネに出生数は急減し、1961年(昭和36年)には、出生数159万人(合計特殊出生率1.96)にまで減少した[12]

その後、出生数が若干回復傾向を示し、1960年代から1970年代前半にかけて高度成長を背景に出生率は2.13前後で安定する[注釈 2]。このとき、合計特殊出生率はほぼ横ばいであったが、出生数は増加し、200万人以上となったため第二次ベビーブームと呼ばれた。

1973年(昭和48年)がピーク(出生数約209万人、合計特殊出生率 2.14)であり、1974年(昭和49年)には人口問題研究会が主催し、厚生省(現:厚生労働省)と外務省が後援して世界人口会議に先駆けた第1回日本人口会議では、人口爆発により発生する問題への懸念から「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択するなど人口抑制政策を進めた。国際連合総会では1974年(昭和49年)を「世界人口年」とする決議をし、ルーマニアブカレストで開催された世界人口会議では主として発展途上国の開発との関連において人口対策を論議し、先進国、発展途上国共に人口増加の抑制目標を定めて人口対策を実施する旨の「世界人口行動計画」を満場一致で採択した。第一次オイルショック後の1975年(昭和50年)には出生率が2を下回り、出生数は200万人を割り込んだ。以降、人口置換水準を回復せず、少子化状態となった。[13][14][15][16][17]

その後さらに出生率減少傾向が進み、1987年(昭和62年)には一年間の出生数が丙午のため出産抑制が生じた1966年(昭和41年)の出生数約138万人を初めて割り込み、出生数は約135万人であった。1989年(昭和64年・平成元年)の人口動態統計では合計特殊出生率が1.57となり、1966年(昭和41年)の1.58をも下回ったため「1.57ショック」として社会的関心を集めた[18]。同年、民間調査機関の未来予測研究所は『出生数異常低下の影響と対策』と題する研究報告で2000年(平成12年)の出生数が110万人台に半減すると予想し日本経済が破局的事態に陥ると警告した[19]。一方、厚生省(現・厚生労働省)の将来人口推計は出生率が回復するという予測を出し続けた[20]1992年度(平成4年度)の国民生活白書で「少子化」という言葉が使われ、一般に広まった。さらに、1995年(平成7年)に生産年齢人口(15-64歳)が最高値(8,717万人)、1998年(平成10年)に労働力人口が最高値(6,793万人)を迎え、1999年(平成11年)以降、減少過程に入った。

21世紀

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2022年(令和4年)時点の日本の都道府県
人口密度
※単位は、人/km2
  0–100
  101–200
  201–300
  301–400
  401–500
  500–1000
  1000–5514

深刻な景気低迷の中、第三次ベビーブームは幻に終わる。出生率の減少傾向は続き、2005年(平成17年)には、出生数が約106万人、合計特殊出生率は1.26と1947年(昭和22年)以降の統計史上過去最低となり[12]、総人口の減少も始まった。2005年(平成17年)には同年の労働力人口は6,650万人、ピークは1998年(平成10年)の6,793万人であったが、少子化が続いた場合、2030年には06年と比較して1,070万人の労働力が減少すると予想された[21]。そして、2008年に1億2808万人でピークを迎え人口減時代に突入した[10]

その後、若干の回復傾向を示し、2010年(平成22年)には出生数が約107万人、合計特殊出生率が1.39となった[22]。なお、2011年(平成23年)の概数値は、出生数が約105万人、合計特殊出生率が1.39であった[23][24]

しかし15歳から49歳までの女性の数が減少しているため合計特殊出生率が上昇しても出生数はあまり増加せず、2005年(平成17年)に出生数が110万人を切って以降、出生数は110万人を切り続けていた[12]が2016年(平成28年)の出生数は推計で98万人で、1899年(明治32年)の統計開始以降初めて、100万人を割り込み2017年(平成29年)の出生数が94万人、2018年(平成30年)の出生数が91万人、2019年(令和元年)の出生数が86万人[25]と100万人の割り込みが続いている[26][27][28][29]

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人口動態統計

要約
視点

1873年(明治6年)から現在に至るまでの人口統計[31][32][33][34][35][36]

さらに見る 年, 総人口 ...
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出生数と死亡数

要約
視点
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日本の出生数(赤線)と死亡数(青線)

厚生労働省の人口動態統計によると、1980年(昭和55年)以降20代の出生率は低下し、30代の出生率は上昇しているが、全体の出生率は下がり続けている。また、1980年(昭和55年)ごろまでは、20代後半で産む割合が5割以上であったが、それ以降減少し、2003年(平成15年)には30代前半よりも低くなり、2009年(平成21年)には、約3割にまで減少している。さらに、30代後半で産む割合が増加傾向であり、2009年(平成21年)には約2割にまで上昇している。1980年(昭和55年)以降、未婚率、平均初婚年齢、初産時平均年齢は上昇している。1972年(昭和47年)から2002年(平成14年)までの調査では、完結出生児数は2.2人前後と安定した水準を維持しており、合計特殊出生率は低下しても、結婚した女性に限れば産む子供の平均の数は変わらなかったが、2005年(平成17年)の調査から出生児数の低下がみられ、2015年(平成27年)の完結出生児数は1.94人まで低下した[37]

2002年(平成14年)の第12回出生動向基本調査によると、結婚持続期間が0-4年の夫婦の平均理想子供数と平均予定子供数は上の世代より減少しており、少子化の加速が懸念される。

2017年の人口推計では、沖縄県以外のすべての都道府県で死亡者数が出生数を上回り、自然増減率がマイナスに転落した。2018年の推計では、沖縄県は自然増減、社会増減ともプラス、南関東4県、愛知県、福岡県は自然減少を社会増加で補ってプラスを維持しているが、大阪府や島根県など8府県は社会増加よりも自然減少の方が大きい。それ以外の32道県は自然増減、社会増減ともマイナスとなっている。

合計特殊出生率

日本の合計特殊出生率は、1974年(昭和49年)に2.1(人口置換水準)を下回ってから、現在まで人口置換水準以下の水準が続いている。2005年(平成17年)には1.26にまで落ち込んだ。その後、2006年(平成18年)には1.32と6年ぶりに上昇した。ただし、2015年に1.45に達した後はピークアウトし、2022年には再び1.26まで低下した。

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地域特性と少子化

以前より大都市を含む都道府県は、合計特殊出生率が低いことが知られていたが、近年はむしろ西高東低の傾向が著しい[40][41]。これは1995年以前には無かった傾向で、2005年に初めて指摘されると[42]、2015年にかけて西日本が大幅に回復する形で年々東西格差が進行した。新型コロナウイルスの感染拡大が進んだ2020年、21年の出生率低下も東日本が中心とされている[43]

厚生労働省の令和3年(2021)人口動態統計月報年計[44]によると、最も合計特殊出生率の高い県は沖縄県で1.80、次いで鹿児島県1.65、宮崎県1.64であった。上位10県のうち7県を九州地方が占め、中四国地方も島根県、香川県、鳥取県が上位10県にランクインするなど総じて高かった。いっぽう最も低いのは東京都の1.08で、次いで宮城県1.15、北海道1.20であった。新潟県を含む北日本と関東地方を合わせた15都道県は全て下位18都道府県内に入ってしまった。

また、平成25年~平成29年人口動態保健所・市区町村別統計によると、上位50市町村のうち、九州地方の市町村が大半の46をも占めた[45]。これらを受けて、2014年には九州各県が人口予測を上方修正するなどといった報道も見られた[46]

このような傾向がみられる要因として、西日本の方が東日本よりも女性の社会進出率[47]や女性の幸福度が高いことなどが挙げられているが[48][49]、一方で幸福度ランキングでは専業主婦が会社員・会社役員より高かったり、子供が多いと高いという傾向もあり[50]、明確なことはわかっていない。

なお、戦前の1925年の統計では、合計特殊出生率上位5県が東北北海道で占められ、沖縄県が全国最低水準、その他下位も三府を除けば、兵庫県、岡山県、福岡県、高知県、山口県であり、現在とは逆の傾向であった。

男女比

さらに見る 年齢グループ, 2006年 ...

1960年代後半から男児の出生割合が低下しているが[51][52]東北大学国立環境研究所の研究グループでは妊婦の血中の濃度と男児の出生割合に関連が見られることから、国内で有鉛ガソリンが規制され空気中の鉛濃度が減少したことが影響しているという説を提唱している[52]。同様にアメリカでも1960年代後半から男児の出生割合が減少している[51]

結婚・離婚

婚外子の少ない日本では、非婚化は出生率低下に直結する[53]

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国籍別人口

日本国籍

2021年(令和3年)10月1日時点の日本人の数は122,780,487人である[54]。日本は人口減少社会に突入している。

外国籍

2021年末時点での外国籍者数は2,760,635人となっている[55]。最も外国人比率の高い都道府県は東京都で3.44%であった(2020年)。

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在日外国人(2023年)[56]
さらに見る 地域グループ, 人数 ...

無国籍

2012年以降、無国籍者の600~700人台で推移してきた。 特に0歳児の増加が大きく乳幼児の割合が大きい[58]

2020年末時点での無国籍者数は627人となっている[59]

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年齢別人口

要約
視点
さらに見る 年, 人口 ...
さらに見る 年齢グループ, 男性 ...
性別および年代別の推計人口(01.VII.2020) (推計値は2015年の統計による):[61]

年齢3区分別の人口は、年少人口(0-14歳)は1502万8千人で前年に比べ18万5千人の減少、生産年齢人口(15-64歳)は7449万2千人で57万9千人の減少となっているのに対し、老年人口(65歳以上)は3619万1千人で30万6千人の増加となった。

総人口に占める割合は、年少人口が12.0%、生産年齢人口が59.3%、老年人口が28.8%となり、前年に比べ、年少人口が1.22ポイント、生産年齢人口が0.77ポイントそれぞれ低下し、老年人口が0.85ポイント上昇している。

総人口に占める割合の推移は、年少人口は、1975年(昭和50年)(24.3%)から低下を続け、2020年(令和2年)(12.0%)は過去最低となっている。生産年齢人口は、1982年(昭和57年)(67.5%)から上昇を続けていたが、1992年(平成4年)(69.8%)をピークに低下している。一方、老年人口は、1950年(昭和25年)(4.9%)以降上昇が続いており、2020年(令和2年)(28.8%)は過去最高となっている。

元号別総人口

2019年10月時点の総務省の推計で、元号別の日本人人口は以下のようになっている。

さらに見る 元号, 割合 ...
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平均寿命

1865年–1949年

さらに見る 年 ...

1950年–2015年

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1865年からの日本の平均寿命
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1960年からのジェンダー別平均寿命
さらに見る 年代, 平均寿命 ...

最新の生命表である「平成27(2015)年完全生命表」によると、平均寿命(0歳における平均余命)は、男性:80.75年、女性:86.99年で、前回2010(平成22)年の完全生命表と比較して、男性は1.20年、女性は0.69年上回った。

平均寿命の年次推移をみると、第二次世界大戦前は50年を下回っていたが、戦後初の1947年(昭和22年)の第8回生命表の平均寿命は男性:50.06年、女性:53.96年と50年を上回った。その後、約60年経過し、男は28.50年、女は31.56年延びている。65歳における平均余命は、男性:19.41年、女性:24.24年となっており、平均余命の年次推移をみると各年齢とも回を追うごとに延びている。

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将来の人口推計

要約
視点

将来の日本の人口推計は、機関によってさまざまであるが、総人口は長期的に減少していく一方で高齢者人口は増加を続けるとされる。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の2023年推測では、総人口は2056年までに一億人を下回る見込み(出生・死亡中位推計)。高齢者人口は、内閣府の推測では2042年に3878万人でピークを迎えその後は減少に転じると推計される[63]。また、東京一極集中の激化も予想されている。

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総人口の将来予想(国立社会保障・人口問題研究所,2023年)。出生率および死亡率について、それぞれ高/中/低ケース別に予測されている。

予測の正確性

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2100年までの人口ピラミッド推移予測

将来人口推計は決定する要因が出生数・死亡数・転出入数の3点のみであり、GDP為替などに比べると比較的予測が当たりやすいとされる。とはいえ、ある程度の誤差は発生し、数年~10年程度の期間であっても時には無視できない差となる。

社人研は2017年推測で純転入(転入数から転出数を引いた人口)を年間約6.9万人で横ばいと仮定していたが、実際は2016年~2019年の純転入は年平均16.4万人であり[67]、これに伴って総人口も予測より上振れしている。なお2020年以降は新型コロナウイルス感染症の流行によって一時的に転出超過に転じたが、2022年には再び転入超過に戻っている[68]。この間、合計特殊出生率は中位推計よりも下振れしているが、純転入の増加がそれ以上に人口の上振れに寄与する格好になっている。

さらに見る 年, 社人研推測人口(千人) ...

その他の機関では、国際連合も世界各国の人口推計を公表しているが、2023年初の日本の総人口を123,625,072人と推計している[70]のに対し、総務省統計局による2023年1月の概算値[71]は124,770,000人と、やはり実績が上振れしている。

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脚注

参考文献

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関連項目

外部リンク

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