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水木しげる漫画大全集

日本の漫画全集 ウィキペディアから

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水木しげる漫画大全集』(みずきしげるまんがだいぜんしゅう)は、水木しげる漫画作品を収録した個人全集京極夏彦の監修のもとで講談社から2013年6月から2019年11月にかけて全103巻と、別巻全5巻・補巻全5巻・索引全1巻が刊行された。

概要 水木しげる漫画大全集, ジャンル ...

概要

本全集は水木しげるの貸本デビュー作から最新作、未発表作、漫画に類するものと判断された絵物語や画報など、全ての漫画作品を網羅的に収録するものである。作品は水木しげるの意図に沿って初出時の状態やカラー原稿などを再現し、媒体別・発表順を基本として収録される。なお、水木しげる名義の全ての『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズが収められるのは、今回が初めてとなる[1][注 1]

各月3日頃に2〜3冊ずつ、3期に分けて刊行。A5判・並製、ページ数は約300〜600ページ。索引を除く全113巻の総ページ数は57000ページに及ぶ[2]

2016年8月より電子版の配信も開始されている。

各巻末には各界の著名人による解説を掲載。また、収録作品のエピソードや解説などが掲載された月報「茂鐵新報」(もてつしんぽう)が封入されている。全巻予約購入者の特典としては、未発表原稿や描き下ろし新作などを収録した別巻などが用意されている。加えて、妖怪画を発表媒体ごとに収録した補巻が別途刊行された。

水木は全集の刊行を喜んでおり[3]、メジャーデビューした『少年マガジン』と同じ出版社から全集が出ることに、大きな意味を感じていたという[4]

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編集

調査
水木作品は幼年誌から成人向け雑誌、業界紙、お菓子のオマケ、カプセルトイなど幅広い媒体で発表されている上に改編が多いため、作品の全体像をつかむのが困難といわれている[5]。過去に全集の企画が何度も上がりながら実現に到らなかった要因でもあり、刊行を何期かに分けて行うのは出版社の都合だけではなく、調査に必要な期間ともされている[6]
編集作業は準備だけで1年以上を要しており、準備段階から編集委員会(京極夏彦、梅沢一孔、村上健司[7]を立ち上げ、作品の洗い出しや編集方針などを水木プロや講談社と相談しながら進められた[5]
収録方法
基本は発表年代の古いものから発表媒体別に分け、シリーズ連載されていたものはシリーズでまとめて掲載する。従来の単行本では『世界怪奇シリーズ』『河童シリーズ』『水木氏のメルヘン』などのシリーズものは短編作品としてバラバラに収録されており、発表順に全編収録されるのは今回が初めてとなる。
初出の再現
過去の単行本化の際に改変・改稿されたページは初出の状態に戻し、原稿が現存しない部分は当時の雑誌をスキャンしてデジタルリマスターで復元をする[8]。ただし、発表後に原稿が着色された場合はカラー原稿の方を採用。改稿部分や後に描き足されたコマなどは資料として別途掲載する。また、かつて印刷所で施されていたハーフトーンなども再現し、水木しげるが指定した本来の形に修復。これらの作業やデザインワーク全般は、坂野公一をはじめとする「welle design」や京極夏彦が行っている[9][10]
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書誌情報

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備考

  • 刊行記念イベント「バオーンの夕べ」が開催。第1回は2014年1月25日(東京都)[11]、第2回は2015年2月14日(鳥取県米子市)[12]、第3回は水木の一周忌にあたる2016年11月30日(東京都)[13]、第4回は2017年11月30日(東京都調布市)[14]、第5回は2018年6月24日(東京都)[2]京極夏彦をはじめ編集委員会のメンバーから制作秘話などが語られた。
  • 単行本『猫又』に収録されていた短編「太郎稲荷」は、星新一作品「福の神」[15]とのストーリーの類似が指摘され、水木は盗作を認めて謝罪。朝日ソノラマが和解金を星に支払い、単行本『猫又』は「太郎稲荷」が削除された版が刊行されていた[16]。だが、当全集の『「忍法秘話」掲載作品〔全〕』が2013年に刊行された際に、「太郎稲荷」は何の説明もなくそのまま収録されてしまい、星新一の遺族からの抗議をうけ、第3刷から『原作・星新一「福の神」(新潮文庫刊『妖精配給会社』所収)』と作品内に表記することで対応した[17]
  • テレビ東京系列『開運!なんでも鑑定団』のコーナー「幻の逸品買います」に、編集委員会を代表して京極夏彦が出演。「水木しげる肉筆の紙芝居」を上限1000万円で依頼した[18]
  • 第3期刊行記念として「水木しげる漫画大全集Tシャツ化プロジェクト」が開始。希望する単行本のページをTシャツにプリントできる企画で、対象作品が2017年1月から毎月発表されている[19]
  • 水木しげるは全集の全巻刊行を見届けたい旨をインタビュー等で語っていたが、刊行途中の2015年11月30日に亡くなったため、叶わなかった。2018年6月24日、覚證寺(東京都調布市)にある水木の墓前で、京極夏彦や水木夫人の武良布枝ら関係者約40人が全集完成の報告会を開いた[20]
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脚注

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参考文献

外部リンク

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