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特別警備隊 (海上自衛隊)
海上自衛隊の特殊部隊 ウィキペディアから
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特別警備隊(とくべつけいびたい、英:JMSDF Special Boarding Unit:SBU)は、2001年に創隊された海上自衛隊の特殊部隊で、全自衛隊初の特殊部隊として創設された部隊でもある。本部は広島県江田島市の海上自衛隊江田島地区。自衛艦隊の直轄部隊である。海上自衛隊内部では、特警隊と呼ばれている[2]。英称の「Special Boarding Unit」から、SBUと表記されることもある。
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任務

能登半島沖不審船事件の教訓を基に2001年3月にアメリカ海軍のNavy SEALsをモデルにした特殊部隊として創設された部隊で、海上警備行動発令時におけるヘリコプターや高速ボートによる不審船への移乗強襲、武装解除および無力化を主任務としている。また、潜水による水中浸透の訓練、空挺降下の訓練、野戦、森林戦、市街戦等の地上戦の訓練なども行っている。状況により護衛艦搭載哨戒ヘリコプターのSH-60JやSH-60Kを使用する場合もある。MCH-101では1機あたり1個小隊16〜24名が搭乗し、ラペリングまたはファストロープにより対象船舶に対する強襲降下が可能である。
教育
特別警備課程は年に一度、募集要項が海自全部隊に通達され、職種に関わらず応募できる。応募に際しては、原則として3等海曹以上、30歳未満の隊員が対象。射撃能力、運動能力、水泳能力に優れていること等が要件とされる。特別警備課程において海士長の学生も存在する。水中処分隊の爆発物処理員(EOD)、陸警隊出身者が比較的多いが、警務官(警務隊員)から航空機操縦士、降下救助員・整備員などさまざまな職種から選抜されている。部隊創設時にはイギリス海兵隊の特殊舟艇部隊(SBS)から教官を招聘し、訓練を受けた。
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部隊編成
部隊人員数は2015年の時点で約90名である[1]。
主要幹部
関連年表
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)
- 2月~3月:江田島第1術科学校にて、前年に選抜された基幹要員が招聘したイギリス海兵隊の特殊舟艇部隊(SBS)教官から基礎訓練を受ける。
- 2001年(平成13年)
- 2004年(平成16年)
- 2006年(平成18年)
- 週刊文春の元記者で作家の麻生幾による[5]と、実行はされなかったものの、イラク日本人人質事件で誘拐された3人の人質を奪還するために特別警備隊員をバグダッド駐留米軍に派遣して米軍部隊との合同で救出する「バビロンの桜」計画が立案されたとしている。
- 2007年(平成19年)
- 6月28日:マスメディアに対して初めて公式に訓練が公開される。広島県宮島周辺海域にて、哨戒ヘリコプター「SH-60J」と高速ゴムボート「特別機動船(RHIB)」から、不審船に見立てた水中処分母船に乗り移り制圧する内容。海上自衛隊では特別警備隊の訓練の公開は「これが最初で最後」としている。
- 2008年(平成20年)
- 9月9日:特別警備隊の第1901期応用課程において学生1人が、15人を連続で相手にする格闘訓練中相手のパンチを顎で受け意識不明となり後日急性硬膜下血腫で死亡した。死亡した学生(3等海曹)は応用課程学生を辞めることを希望していた(死亡が確認されたのは9月25日)。11月27日、事故の詳細調査のため現隊長を12月17日付で呉地方総監部付とし、後任に第3代隊長を再任させる防衛省人事を発令した。指導にあたっていた主任教官付2等海曹は武道有段者(少林寺拳法初段、剣道初段)であったが死亡した3曹が疲労して防御できなくなっていたのに、漫然と格闘を続けさせた過失があったなどとして業務上過失致死罪で起訴され罰金50万円の略式命令を受けた。
- 2009年(平成21年)
- 2010年 (平成22年)
- 2016年 (平成28年)
- 5月26日、27日:第42回先進国首脳会議時、洋上警戒を行う護衛艦に乗艦していた。不審船などによる海上からのテロを想定しており、有事の際には武装解除の役割を担っていた[7]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 6月から8月にかけて行われた環太平洋合同演習(RIMPAC)に特別警備隊員が参加し、アメリカ陸軍特殊部隊群第1特殊部隊グループをはじめとする各国の特殊部隊の隊員と共同訓練を行った[9]。
- 2019年(令和元年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 6月から8月にかけて行われた環太平洋合同演習(RIMPAC)2022に参加し、アメリカ陸軍特殊部隊群第1特殊部隊グループ、ドイツ海軍Seebataillon(海兵大隊)海上阻止行動中隊、大韓民国海軍特殊戦旅団、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)等と共同訓練を実施した[12][13][14][15][16][17]。
- ・11月7日、8日:横須賀沖で行われた日米印豪共同訓練(マラバール2022)に参加し、アメリカ海軍特殊戦コマンド、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)と共同訓練を実施した[18][19][20]。
- 2023年(令和5年) 8月11日〜21日 : オーストラリアにて行われた日米印豪共同訓練(マラバール2023)に参加し、アメリカ海軍特殊戦コマンド、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)、オーストラリア海軍特殊作戦部隊と共同訓練を実施した。
- 2024年(令和6年)
- 4月16日:海上自衛隊は特警隊の隊員をインド太平洋地域に派遣し、海上保安機関に対し立ち入り検査などに関する能力構築の支援を行うと公表した。自衛隊の特殊部隊が海外機関に能力構築の支援を行うのは初めてである[21]。
- ・5月20日〜26日:令和6年度インド太平洋方面派遣(IPD24)に特警隊の派遣特別警備小隊が参加し、コロニアにおいてミクロネシア連邦海上警察と立入検査訓練および舟艇整備訓練といった親善訓練を実施した。ミクロネシア連邦との親善訓練は今回が初であった。
- ・7月:嘉手納基地において、特殊作戦群長、特別警備隊長等は統合特殊作戦コマンド(JSOC)司令官、アメリカ空軍特殊作戦コマンド(AFSOC)司令官、太平洋特殊作戦コマンド(SOCPAC)司令官、在韓特殊作戦コマンド(SOCKOR)司令官と様々な意見交換を実施し、インド太平洋地域の戦略環境への認識を改めて一致させるとともに、今後の協力のあり方について議論した。
- ・環太平洋合同演習(RIMPAC)2024に参加
- 1日:アメリカ海軍特殊戦コマンド、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)と市街戦の共同訓練を実施。
- 5日:アメリカ海軍特殊戦コマンドと退役船で梯子の引っ掛け及び登攀の共同訓練を実施。
- 10日:アメリカ海軍特殊戦コマンド、インドネシア海軍KOPASKA(フロッグマン部隊コマンド)、ペルー海軍FOES(特殊作戦部隊)とFRIES(ファストロープ・インサーション・エキストラクション・システム)の共同訓練を実施。
- 11日:アメリカ海軍特殊戦コマンド、大韓民国海軍特殊戦旅団、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)、インドネシア海軍KOPASKA(フロッグマン部隊コマンド)、ペルー海軍FOES(特殊作戦部隊)と臨検、移乗、捜索、押収の共同訓練を実施。
- 16日:アメリカ海軍特殊戦コマンド、ペルー海軍FOES(特殊作戦部隊)と密林偵察の共同訓練を実施。
- 26日:アメリカ海軍特殊戦コマンドと近接戦闘の共同訓練を実施した。
- ・9月25日〜27日:シドニーにおいて、オーストラリア主催のPSI(拡散に対する安全保障構想)訓練「パシフィック・プロテクター24」に参加し、日米豪韓共同立入検査訓練を実施した。
- ・10月8日〜18日:インドにて行われた日米印豪共同訓練(マラバール2024)に特警隊のIPD24派遣特別警備小隊が参加し、アメリカ海軍特殊戦コマンド、インド海軍MARCOS(海軍特殊作戦部隊)、オーストラリア海軍特殊作戦部隊と共同訓練を実施した。
- ・10月26日 : 日米共同統合演習「キーン・ソード25」に参加し、徳之島においてアメリカ海軍特殊戦コマンド、アメリカ空軍特殊作戦コマンド第21特殊作戦飛行隊、カナダ軍特殊部隊、陸上自衛隊水陸機動団等と共同訓練を実施した。

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装備
個人被服・装具
- RIMPAC 2022にて、海上自衛隊特別警備隊が迷彩服3型を着用していることが確認できる。
- 特別警備隊がマルチカム迷彩を使用していることが判明している。
自動小銃
- 折曲銃床式。任務の特性上、小回りが利く折曲銃床式が適しているからだと考えられる。
短機関銃・機関拳銃
- 試験用機関けん銃及び試験用9mm普通弾(MPX)が防衛装備庁で調達されている。[27]
拳銃
狙撃銃
その他
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服装
特別警備隊員は、任務の特殊性故に独自の装備品が支給されている。海上自衛官服装細則(昭和40年12月25日海上自衛隊達第90号)第5条、第5条の4、第5条の5、第17条の6、第21条の2、別表第2の20によれば、特別警備服装(顔面覆又は作業帽(准海尉以上は冬略帽)若しくは立入検査帽、特別警備服、特別警備服上衣、特別警備手袋、特別警備靴、特別警備き章、略章)がその着用品とされている。立入検査帽についてはプレスオープンされた立入検査隊の訓練で形状や色調は明らかにされている。特別警備隊の徽章はコウモリとサソリを配したデザインである[28]。

特別警備服装
- 顔面覆か作業帽
- 立入検査帽
- 特別警備服
- 特別警備服上衣
- 特別警備手袋
- 特別警備靴
- 特別警備き章
- 略章

右腰にホルスターを装着しているが、拳銃を携行しない状態
登場作品
脚注
関連項目
外部リンク
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