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第36回ホープフルステークス (中央競馬)
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第36回ホープフルステークス (GI、英:36th Hopeful Stakes) は、2019年12月28日に千葉県船橋市の中山競馬場で施行された中央競馬の競走である。
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競走前の状況
要約
視点
主な前哨戦の結果
競走馬名が太字強調の馬は、本項の競走に出走する競走馬であることを示す。

第54回札幌2歳ステークス (GIII)
芙蓉ステークス (OP)
アイビーステークス (L)
萩ステークス(L)
第24回東京スポーツ杯2歳ステークス (GIII)
登録馬
本競走に登録されたのは17頭であった[6]。除外・抽選対象はなく登録馬全頭が出走できる見通しであったが4頭が回避し、最終的に13頭での出走が確定した。重賞優勝馬は、メイクデビュー、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)と無敗の2連勝中のコントレイル。札幌2歳ステークス(GIII)を制したゴールドシップ産駒のブラックホールの2頭[7]。オープン競走優勝馬は、ホープフルステークスと同じ舞台である芙蓉ステークスを無敗で制したオーソリティ。萩ステークス(L)を無敗で制したヴェルトライゼンデ。アイビーステークスを無敗で制したワーケア。父ディープインパクト、母アパパネと三冠馬同士の配合で誕生し中京2歳ステークス優勝、東京スポーツ杯2歳ステークスでもコントレイルと1.5秒差の3着となったラインベックの4頭。その他、1勝クラスの紫菊賞2着の実績を持つブルーミングスカイ。前走新馬戦(メイクデビュー)を制し、連勝を狙うガロアクリークなどが顔を揃えた[7]。
- 回避
天候
中山競馬場では、第64回有馬記念が行われた12月22日に18.5ミリメートル (mm)、23日に12.0ミリ、27日に1.0ミリの降水量を記録[24]。当日の船橋市は、晴れの予報で降水確率は0パーセント[25]。日本中央競馬会が発表した中山競馬場の天候も、当日第1競走から「晴」で催され[26]、第11競走のホープフルステークスまで「晴」が続いた[27]。
馬場状態
2019年5回目の中山競馬場開催は8日目となり、芝コースは開催当日までの使用となるAコース(内柵を最も内側に設置する)を使用[25]。馬場状態は「3角(第3コーナー)から4角(第4コーナー)および正面にかけて、コース内側に傷みがある」と発表された[24][25]。
芝の草丈は野芝が約6 - 8センチ、洋芝は約10 - 14センチに設定され[24]、レース前日の27日午前8時時点での含水率は、ゴール前では11.1パーセント、第4コーナーでは11.5パーセントを記録した[24]。
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出走馬と枠順
要約
視点
12月26日、枠順が確定。勝馬投票券は出走前日の27日から発売が行われた[28]。
- 全国のJRAの競馬場、ウインズなど場外勝馬投票券発売所(ウインズ盛岡・水沢・三本木・浦和・川崎、エクセル田無・伊勢佐木を除く)、インターネット投票にて発売[28]。
牡・牝 2歳 除未出走馬及び未勝利馬 負担重量:馬齢重量
4番ガロアクリークについて、騎乗予定であった野中悠太郎が前々日の26日午後に、インフルエンザを発症をしたため、野中の所属する根本康広厩舎の兄弟子である丸山元気に乗り替わりとなった[33]。
出走馬のなかでも2019年7月30日に急死し、ホープフルステークス出走時点でのリーディングサイアー、2歳リーディングサイアーでもあったディープインパクトの産駒が、コントレイル、ブルーミングスカイ、ラインベックと最多の3頭[34]。その他の出走馬の父はそれぞれ異なる。2019年の新馬戦より産駒がデビューした新種牡馬は、オーシャンブルー産駒のクリノブレーヴ[34]。ゴールドシップ産駒のブラックホールの2頭[34]。新種牡馬以外ではオルフェーヴル産駒(オーソリティ)、ドリームジャーニー産駒(ヴェルトライゼンデ)が、それぞれ産駒として初めてホープフルステークス出走を果たした[35]。
単勝オッズ10倍以内の上位人気馬は4頭で、単勝オッズ2.0倍の1番人気に推されたコントレイルが2枠2番[36]。同馬を管理する矢作は「前に壁を作りたかったので、大外は嫌だったけど、内の(ゲートに後から入ることのできる)偶数ならいい」と歓迎[37]。6.9倍の3番人気に推されたヴェルトライゼンデが4枠5番。そして3.7倍の2番人気のワーケアが5枠7番[36]。同じハーツクライ産駒であり、2017年の第34回ホープフルステークスを制したタイムフライヤーと同枠となった[37]。担当する助手は、「外すぎなくてよかった。ちょうどいい。(先入れの)奇数(馬)番も特に気にならない」とした[37]。外目7枠11番には7.2倍の4番人気に推されたオーソリティ[36][38]。管理する木村は「決められた枠で頑張るだけですよ」と平常心を見せた[39]。
その他、最内枠の1枠1番にはブラックホール[40]。反対に大外枠の8枠13番にはラインベック。「13頭立てなのが救い。スタートが速いタイプだが、ここからだと周りを見ながら運ぶことになる」とした[37]。が収まった[41]。
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本馬場入場時
- 1:ブラックホール
- 2:コントレイル
- 3:ブルーミングスカイ
- 4:ガロアクリーク
- 5:ヴェルトライゼンデ
- 6:ナリノモンターニュ
- 7:ワーケア
- 8:クリノブレーヴ
- 9:パンサラッサ
- 10:ディアセオリー
- 11:オーソリティ
- 12:ラグビーボーイ
- 13:ラインベック
ベストターンドアウト賞

「最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩舎スタッフ」の努力を称え表彰する『ベストターンドアウト賞』の審査が、松山康久(元JRA調教師)、棚橋弘至(プロレスラー)、獣神サンダー・ライガー(プロレスラー)の3名の審査委員によって行われた[42][43]。棚橋と獣神サンダーライガーは当日の中山競馬場のゲストとして、ホープフルステークスのプレゼンター。さらに同日に開催された2019ヤングジョッキーズシリーズファイナルラウンド中山の表彰式のプレゼンターにも参加した。審査の結果、ヴェルトライゼンデが選定され、同馬を管理する池江泰寿厩舎所属の橋口浩調教助手が受賞した[44]。
- 審査員
- 獣神サンダー・ライガー(レース当日、中山競馬場)
- 棚橋弘至(レース当日、中山競馬場)
展開
全馬大きな出遅れなくスタートを切ると、9番パンサラッサが外から抜け出してハナを主張し逃げの手を打ち、ブルーミングスカイとラインベックが進出して逃げるパンサラッサの後ろにつける。内で比較的前にいたブラックホールやコントレイル、ガロアクリークは逃げ馬についていかずに控え、それらのさらに後方ヴェルトライゼンデ、オーソリティ、ワーケアとともに中団を形成した。ラグビーボーイとクリノブレーヴが最後方で待機する形で最初の第1コーナーを迎えた。
体制は大きく変わらないまま向こう正面を進み、先頭のパンサラッサが前半1000メートルを60.9秒で通過。そこから第3コーナーにかけ、コントレイルが率いる中団がまとめて進出し先行勢と差を縮めた。差し切りを狙う中団では、コントレイルを筆頭にヴェルトライゼンデやオーソリティが追い上げ、後方にブラックホール、ガロアクリーク、ワーケアなどが位置。追い込みを狙う最後方は中団との差は縮まらなかった。
残り600メートル付近で先行勢から脱落したブルーミングスカイを、中団勢が飲み込み、続いて最後の直線入り口ではラインベックが飲み込まれた。直線では逃げるパンサラッサ、2番手にコントレイル、3,4,5番手に粘るラインベック・ブルーミングスカイや、差し切りを狙うヴェルトライゼンデ・オーソリティがつけ、その後方ワーケアは馬場の外側からの追い込みを狙うという構図が形成、ワーケアより後方のブラックホール、最後方のクリノブレーヴらは前方と差を縮められなかった。
残り200メートル付近で2番手のコントレイルが逃げ粘っていたパンサラッサを捕えて先頭となると、それにつれてヴェルトライゼンデが2番手に浮上した。後方で追い込むワーケアやオーソリティ、もうひと踏ん張りするラインベックとの差は広げたが、コントレイルに並びかけられなかった[45]。先頭のコントレイルはそのまま後方を寄せ付けずに1着で入線し、その1馬身2分の1離れた2着にヴェルトライゼンデ。ワーケアやオーソリティ、ラインベックは前方に届かず3頭で競り合い、ワーケアが3着となった。

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競走結果
要約
視点
着順
制裁
ラインベックに騎乗した岩田康誠は、発走後まもなく内側に斜行したため戒告処分[47]。(被害馬: 11番オーソリティ・8番クリノブレーヴ・7番ワーケア)
レーティング
優勝したコントレイルのレーティングは「115」[48]。2歳のレーティング首位は第71回朝日杯フューチュリティステークスを勝利したサリオスが記録した「116」[48]。
第36回ホープフルステークスのレースレーティングは「110.50」[49]。これは、2019年サートゥルナーリアが優勝した第35回ホープフルステークスの「111.50」と比べて「-1.00」[49]。2018年タイムフライヤーが優勝した第34回ホープフルステークスの「110.00」と比べて「+0.50」とGI昇格後2番目のレーティングを記録[49]。なお競走の質を表し、格付け審査に用いられる指標である過去3年間(2017年から2019年)の平均は、「110.67」を記録した[49]。
- 以上の着順はnetkeiba.comの情報に基づく[50]。
- レースレーティングは、1月23日に日本中央競馬会 (JRA) が発表した「2019年度JPNサラブレッドランキング」の発表に伴うもの[51][52]。
競走に関するデータ

ハロンタイム[50] | 12.6 - 11.5 - 12.4 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 12.5 |
1000m通過タイム[53] | 60秒9(パンサラッサ) |
上がり4ハロン[53] | 48秒4 |
上がり3ハロン[53] | 36秒4 |
優勝馬上がり3ハロン[50] | 35秒8(コントレイル) |
上がり3ハロン最速[50] | 35秒8(コントレイル・ヴェルトライゼンデ) |
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配当
要約
視点
払戻金
なお単勝式については、「秋の2歳単勝」が適用。通常払戻金に売上の5パーセント相当額が上乗せして払い戻しが行われた[55][30]。
ホープフルステークスの売り上げは、142億7816万7700円で[56][30]、前年の123億8286万6400円と比較し、15.3パーセント増加となった[56][57]。
レース当日の中山競馬場の総入場者数は4万2062人(うち有料入場人員3万7277人)[56][30]、前年と比べて41.3パーセント増加となった[56]。
当日のWIN5(5重勝単勝式)
WIN5(5重勝単勝式)の発売票数は743万6547票、発売金額は7億4365万4700円となった[58]。
的中馬番は、「10-2-7-15-11」の組み合わせで、的中は1万5001票。配当は、3万9440円[58]。
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達成された記録



コントレイル
- コントレイルはGI初出走で初制覇。重賞は東京スポーツ杯2歳ステークスに次ぐ2勝目、通算3戦3勝とした[59]。
- 単勝1番人気の勝利が2016年から(レイデオロ、タイムフライヤー、サートゥルナーリア)4年連続勝利で、通算11勝目[59]。
- 栗東トレーニングセンター所属が2017年から(タイムフライヤー、サートゥルナーリア)3年連続勝利、通算成績は栗東所属が31勝、美浦トレーニングセンター所属馬4勝、地方競馬所属1勝[59]。
- 2枠から出走し勝利を挙げたのは2016年(レイデオロ)以来、通算7勝目[59]。
- 2番から出走し勝利を挙げたのは2016年(レイデオロ)以来、通算6勝目[59]。
- 福永祐一騎手は、通算2勝目のホープフルステークス勝利。2012年のエピファネイア以来7年ぶりの勝利でGI昇格後は初勝利[59]。
- JRA-GIは、インディチャンプに騎乗して勝利した第69回安田記念以来で、2019年は3勝目、通算25勝目[59]。
- この勝利で、JRAで実施されている2歳GI(朝日杯フューチュリティステークス[注釈 1]、阪神ジュベナイルフィリーズ[注釈 2]、ホープフルステークス)を完全制覇[59]。
- 矢作芳人調教師は、ホープフルステークス初勝利。
- ノースヒルズは2018年に京都競馬場で施行されたJBCスプリント(グレイスフルリープ)以来17度目(うちJ-GI2勝)のJRA-GI勝利[60]。平地の芝GIに限定すると2014年の東京優駿(ワンアンドオンリー)以来[60]。
- ディープインパクト産駒は、前身のラジオNIKKEI杯2歳ステークスも含めて通算5勝目のホープフルステークス勝利[59][63]。2015年ハートレー[64]、2014年シャイニングレイ[65]、2011年アダムスピーク(前身)[66]、2010年ダノンバラード(前身)[67]。
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競走後

2019年度JRA賞最優秀2歳牡馬の行方は、無敗の3連勝でホープフルステークスと同じ2歳牡馬GI、朝日杯フューチュリティステークスを制したサリオスとの一騎打ちムードとなった[68]。投票はコントレイル197票、サリオス77票の120票差でコントレイルが最優秀2歳牡馬を獲得[69]。阪神3歳ステークスが牝馬限定戦の阪神3歳牝馬ステークスとなった1991年以降、朝日杯フューチュリティステークスまたは朝日杯3歳ステークス優勝馬以外から初めて最優秀2歳牡馬を受賞した[68]。
競走に関するエピソード
関連項目
脚注
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