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謝依旻

台湾の囲碁棋士 ウィキペディアから

謝依旻
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謝 依旻(しぇい いみん[注 1]1989年11月16日 - )は、台湾出身の囲碁女流棋士日本棋院所属、七段。黄孟正九段門下。

概要 謝依旻 七段, 名前 ...
概要 謝依旻, プロフィール ...

名誉女流本因坊名誉女流名人名誉女流棋聖の称号を保持。史上初の女流五冠独占、女流グランドスラム達成などを誇り、女流タイトル獲得数歴代1位。非公式戦ではあるものの、第1回若鯉戦で女流棋士史上初の男女混合棋戦優勝。2006年より棋道賞女流賞を7年連続、通算9度受賞。2010年・2011年に女流棋士史上初の棋道賞優秀棋士賞を受賞。

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略歴

要約
視点

5歳から兄の通っていた囲碁教室で囲碁を始める。7歳の時に、韓国で行われた四都市対抗少年少女囲碁団体戦に台北チームの五将として出場し、3戦全勝する。8歳の海峰杯全国児童囲碁大会で優勝したのをきっかけに、鄭銘琦に目を掛けられ、当時日本棋院院生師範だった黄孟正を紹介され2002年に日本棋院の院生になる。

2004年に入段。14歳4ヵ月でのプロ入りは、当時女流棋士最年少記録[注 2]。また女流棋士特別採用ではなく、男女混合の一般採用試験の結果によるプロ入りであり、女流棋士で本選リーグより入段したのは、加藤啓子以来5年ぶり4人目、台湾からの女流棋士は、潘坤鈺(古川こんゆ)に次ぐ2人目となった。

2006年若鯉戦初代優勝者となる。30歳・五段以下という条件付の棋戦ではあるが、男女混合の棋戦で女流棋士が優勝したのは、日本棋院史上初である[注 3]。同年、女流最強戦にも優勝。女流棋戦初タイトル奪取と同時に女流公式棋戦の最年少獲得記録(17歳1ヵ月)となった(以前の記録は中澤彩子の19歳1ヵ月)。これらの活躍により、棋道賞女流賞を獲得した。

2007年、自身初のNHK杯テレビ囲碁トーナメント(第55回)に女流最強位として出場。4月1日一回戦第一戦として放送され、林子淵に10目半勝ちし、2回戦に進出するも王立誠に敗れる。女流本因坊戦本戦初出場で矢代久美子を破り、タイトル奪取(17歳11ヵ月・史上最年少女流本因坊)[1]。他に敗者復活戦から女流名人戦挑戦者になるなどの活躍を見せ、勝ち星ランキング3位(女流では1位)となる40勝16敗の好成績を残し2年連続の棋道賞女流賞を獲得した。

2008年リコー杯ペア碁選手権戦では河野臨天元とのペアで準優勝。女流名人を獲得し小林泉美に次ぐ歴代2人目の女流本因坊・名人となり、女流4大タイトル制覇(残るは女流棋聖)に王手をかける。女流本因坊戦の防衛・日本棋院主催の女流棋戦大和証券杯ネット囲碁レディースで優勝など良績を残し、3年連続の棋道賞女流賞並びに棋道賞新人賞を受賞。第10期女流最強戦では2年ぶりの決勝進出も、加藤啓子に2連敗で敗退。第33期新人王戦予選突破、本戦初出場(第34期よりシード棋士となる)。賞金ランキングで自己初のトップ10入り(女流棋士だけでなく全棋士のランキングで)。

2009年、前年保持したタイトルの全てで防衛に成功する。(女流名人戦知念かおり、女流本因坊戦青木喜久代)大和証券杯ネット囲碁レディース2連覇。第57回NHK杯テレビ囲碁トーナメントでは、山田規喜・溝上知親に勝ち、優勝する結城聡に敗れるも自身最高の、3回戦(ベスト16)に進出した。また4年連続となる棋道賞女流賞を受賞した。

2010年代

2010年1月28日梅沢由香里から2-0のスコアで女流棋聖位を奪取し、史上初の女流三冠独占を果たす[2]女流本因坊女流名人女流棋聖[注 4]。終局直後のインタビューでは、重圧からの解放と念願のグランドスラム達成に涙を流した。その後、2連覇中のネット囲碁レディースでは本戦1戦目で奥田あやに敗退。シード棋士として、第1回おかげ杯本戦出場(出場歴は3回連続中)。女流本因坊・女流名人では、向井千瑛の挑戦を退け、棋界初の名誉女流本因坊に王手を掛ける。これら活躍により、女流初の棋道賞優秀棋士賞と5年連続棋道賞女流賞を受賞した。

2011年王銘琬とのペアでペア碁選手権戦で優勝。女流棋聖戦では、梅沢由香里の挑戦を2-0で退け、女流歴代トップタイのタイトル10期となる[3]。(他に杉内寿子、青木喜久代、小林禮子、小林泉美)。女流名人戦では、3月2日挑戦者向井に第1局で敗れ、第2局の3月11日は日本棋院東京本院で対局をしていたが、東北地方太平洋沖地震に見舞われ、女流名人戦初の打ちかけとなった。この勝負は3月24日再開され、謝が勝利した。3月25日、1勝1敗の五分の星で迎えた第3局を中押しで勝ち、女流歴代単独トップのタイトル11期を達成。また、2年連続で向井千瑛を挑戦者に迎えた女流本因坊戦では10月24日に3-1で向井を降し、史上初の5連覇を達成して名誉女流本因坊資格を得る。これらの活躍により、棋道賞特別賞、棋道賞優秀棋士賞と6年連続の棋道賞女流賞を受賞した。第59回NHK杯テレビ囲碁トーナメントでは、3回戦で山田規三生NHK杯に中押し勝ちし、女流初のNHK杯8強入り。4強入りを賭けた準々決勝では羽根直樹碁聖と対戦したが、中押し負けに終わった。

2012年、前年に引き続き王銘琬とペア碁選手権戦で優勝。女流棋聖戦では、通算女流タイトル10期の実力者・青木喜久代の挑戦を受ける。初戦を勝つも、2・3戦目を落とし女流棋聖から陥落。女流三冠は2年で終了した。続く女流名人戦では、3年連続となった向井千瑛の挑戦を2-0で退け、5連覇を達成[4]。この勝利により史上初の名誉女流名人を名乗る資格を得る[5]。高梨聖健、瀬戸大樹と3人で、音楽ユニットMONOTONEを結成。i★GOにて、CDデビューを果たす。同作ではヴォーカルの他、中国語訳詞とイメージDVDでは演技に挑戦している。

2013年、女流棋聖戦では、前年に謝からタイトルを奪取した青木喜久代に挑戦。2連勝で復位と同時に女流三冠に返り咲き、タイトル15期に自身の記録を更新した。2連覇でペア解消し、新たにペアとなった小林覚とペア碁選手権で優勝。11月27日、女流本因坊戦で向井千瑛の挑戦を受け2勝3敗で敗れ、最多連覇記録6で終了とともに8ヵ月あまりで再び二冠に後退した。

2014年、女流棋聖戦では前年と同じ相手である青木喜久代の挑戦を2連勝で防衛。3月24日、加藤啓子の挑戦を2-1で退け、女流名人位7連覇を果たした。

2015年11月、女流本因坊戦で藤沢里菜を3勝2敗で勝利し3年ぶりに女流本因坊を獲得。賞金ランキング自己最高の5位。

2016年3月、平安女学院大学文化創造センターの客員教授を委嘱される[6]。女流名人戦では青木喜久代の挑戦を2-1で退け9連覇。女流棋聖戦では吉原由香里に対し2連勝し3連覇を果たす。6月に会津中央病院杯に初優勝。更に7月にはこの年から創設された扇興杯にも優勝。女流タイトル5冠の独占を達成した。しかし10月24日、女流本因坊戦で藤沢里菜に1勝3敗で敗れタイトルを失う。賞金ランキング2年連続の5位。

2017年2月、女流棋聖戦ではタイトル戦初挑戦の牛栄子を2勝1敗で下し防衛し5連覇により、史上初の名誉女流棋聖の有資格者となる[7]。しかし、女流名人戦では藤沢里菜の挑戦を受け0勝2敗で敗退、女流立葵杯(旧会津中央病院杯)でも藤沢の挑戦を受け1勝2敗で敗退と立て続けに失冠。トーナメント制の扇興杯では決勝戦に進出したが、ここでも藤沢との対戦となり敗退、女流5冠の独占から一転して女流棋聖のみの1冠となり、逆に藤沢が女流4冠を保持する状況となった。11月の女流本因坊戦では藤沢に挑戦して3勝2敗で勝利し女流本因坊のタイトルを奪取[8]、意地を見せた。

2018年1月、5連覇中の女流棋聖戦でタイトル戦初挑戦の上野愛咲美を迎えるが、0勝2敗で敗れ失冠[9]。12月、女流本因坊戦でも藤沢里菜に1勝3敗で敗れ無冠となる。長年女流囲碁界を牽引し続けてきた謝であったが、2007年10月の女流本因坊獲得以来続けてきた女流タイトル保持が途絶え、11年1か月ぶりに無冠となった[10]

2019年2月、第31期女流名人戦で藤沢里菜女流名人に挑戦するも1勝2敗で敗れ、奪取には至らず[11]。また、第4回扇興杯では決勝戦まで進出するも、ここでも決勝戦で藤沢に敗れ[12]、2019年もタイトル獲得には至らなかった。一方で12月23日、第39期女流本因坊戦予選決勝で知念かおり六段に勝利し自身通算400勝目(278敗)を挙げた[13]。入段から15年8か月、30歳1か月での400勝到達はいずれも日本棋院の女流棋士では最短・最年少記録[13]

2020年代

2020年、扇興杯では2年連続決勝に進出も上野愛咲美に敗れ、他棋戦では挑戦に至らなかった。

2021年、第47期名人戦最終予選で決勝まで進出するも、伊田篤史に敗れて女流棋士初の名人戦リーグ進出を逃した。

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良績

要約
視点

獲得タイトル

他の棋士との比較は、囲碁の女流タイトル在位者一覧 を参照。

タイトル番勝負 獲得年度 登場 獲得期数 連覇 名誉称号
女流本因坊 五番勝負
10‐11月
2007-12,15,17 11 8期
(歴代1位タイ)
6
(歴代1位)
名誉女流本因坊
女流名人 三番勝負
3月
2008-16 10 9期
(歴代1位)
9
(歴代1位)
名誉女流名人
女流立葵杯 三番勝負
6‐7月
2016 4 1期
女流棋聖三番勝負
1-2月
2010-11,13-17 9 7期
(歴代1位)
5
(歴代1位)
名誉女流棋聖
扇興杯 決勝一番
7月
2016 4 1期
獲得合計27期[注 5]=歴代1位
さらに見る 女流棋士タイトル獲得数ランキング, 順位 ...

非公式戦

その他主要な良績

  • 2006年:第3回中野杯U20選手権準優勝(優勝は井山裕太七段)
  • 2008年:第10期女流最強戦準優勝
  • 2008年:第1回ワールドマインドスポーツゲームズ男女ペア戦銀メダル周俊勲中華台北代表ペアで出場)[14]
  • 2009年:第4回大和証券杯ネットオープン本戦入り(非公式戦)
  • 2009年:第4回若鯉戦3位(非公式戦)
  • リコー杯ペア碁選手権戦準優勝(2008年度(河野臨)・2009年度(井山裕太))
  • 2010年:第16回アジア競技大会囲碁種目 女子団体戦銅メダル(黒嘉嘉、張正平王景怡と中華台北代表)
  • 2012年:第8回大和証券杯ネットオープン本戦入り(公式戦)
  • 2007年:賞金ランキング第14位、女流第1位(2006年は第23位、女流第3位)
  • 2008年:賞金ランキング第10位、女流第1位(女流棋士で初めてトップ10入り)
  • 2009年:賞金ランキング第9位、女流第1位
  • 2010年:賞金ランキング第8位、女流第1位
  • 2011年:賞金ランキング第6位、女流第1位(2027万)★女流棋士で初めて賞金2千万円突破
  • 2012年:賞金ランキング第7位、女流第1位
  • 2013年:賞金ランキング第6位、女流第1位(☆7年連続女流第1位)
  • 2014年:賞金ランキング第9位、女流第2位
  • 2015年:賞金ランキング第5位、女流第1位
  • 2016年:賞金ランキング第5位、女流第1位
  • 2017年:賞金ランキング第8位、女流第2位(☆10年連続トップ10入り)

受賞履歴

  • 2006年:棋道賞女流賞
  • 2007年:棋道賞女流賞
  • 2008年:棋道賞女流賞、棋道賞新人賞
  • 2009年:棋道賞女流賞
  • 2010年:棋道賞優秀棋士賞(★女流棋士受賞は初めてとなる)、棋道賞女流賞
  • 2011年:棋道賞特別賞、棋道賞優秀棋士賞(☆2年連続受賞)、棋道賞女流賞
  • 2012年:棋道賞女流賞(☆7年連続受賞)
  • 2015年:棋道賞女流賞
  • 2016年:棋道賞女流賞
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昇段履歴

  • 2002年 院生
  • 2004年 初段
  • 2005年 二段(賞金ランクによる)
  • 2006年 三段(賞金ランクによる)
  • 2008年 四段(賞金ランクによる)
  • 2010年 五段(賞金ランクによる)
  • 2012年 六段(賞金ランクによる)
  • 2021年 七段(勝数規定)[15]

年表

  • タイトル戦の欄の氏名は対戦相手。うち、色付きのマス目は獲得(奪取または防衛)。色付きは名誉称号獲得。青色は挑戦者または失冠。黄色はリーグ入り。
  • 棋道賞は、最優 : 最優秀棋士賞、 優秀 : 優秀棋士賞、 特別 : 特別賞、勝率 : 勝率一位賞、 勝利 : 最多勝利賞、 対局 : 最多対局賞、 連勝 : 連勝賞、国際 : 国際賞、 新人 : 新人賞、 女流 : 女流賞、秀哉 : 秀哉賞
  • 賞金&対局料は、年度区切りではなく1月 - 12月の集計。単位は万円。色付きの年は全棋士中1位。は女流棋士1位。
  • 女流〇冠は、各年間内で最大保持数時の女流タイトル数(三冠以上)
さらに見る 女流棋聖, 女流名人 ...
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人物

趣味はヒップホップダンスで、イベントなどでも披露している[16]

出演歴

テレビ

脚注

関連項目

外部リンク

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