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Intel Graphics
インテルによるプロセッサ内蔵グラフィックコントローラ (GPU) のシリーズ名 ウィキペディアから
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インテルグラフィックス(英: Intel Graphics)[1] とは、インテルが開発・製造・販売をてがける汎用プロセッサ(CPU)に内蔵された、統合グラフィックスプロセッサ(Integrated Graphics Processor/IGP, iGPU)製品のシリーズ名である。最初のシリーズIntel HD Graphicsは、単にHD Graphicsと呼ばれることもある。

Intelの統合型GPUのブランドは当初「HD Graphics」のみだったが、第4世代Coreプロセッサで「Intel Iris Graphics」「Intel Iris Pro Graphics」のブランドが[2]、第7世代Coreプロセッサで「Intel Iris Plus Graphics」のブランドが[3]、第8世代Coreプロセッサで「Intel UHD Graphics」のブランドが、それぞれ与えられた。本項では、これらの派生ブランドも取り扱う。
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概要
Intel HD Graphicsは、同社のグラフィックコントローラ Intel Graphics Media Accelerator (Intel GMA) シリーズを置き換えるもので、同社の開発したCPUに統合される形で設計されている。
Intel HD Graphicsは、単体のGraphics Processing Unit (dGPU) ではない。主にコストの削減や消費電力の低減を目的として、高いグラフィックス性能を必要としない安価なコンピュータにおけるオンボードグラフィックス(オンダイグラフィックス)に用いられている。専用のVRAM(ビデオメモリ)は搭載せず、メインメモリをCPUと共有するユニファイドメモリアーキテクチャ(Unified Memory Architecture)である。
Intel HD Graphicsが登場するまで、Intelは内蔵グラフィックスをマザーボード上のノースブリッジに組み込んでいた。これにはIntel Extreme GraphicsやIntel GMAが含まれる。後のPlatform Controller Hub (PCH) の登場により、プラットフォーム刷新の一環としてノースブリッジが除去され、これらのグラフィックスの処理機能はCPUに移された。
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世代
要約
視点
公式情報:[4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
GPUの世代番号はIntel HD Graphics以前の世代を含めた番号であり、CPUの世代番号とは無関係である。
箇条書き内で一部太字の箇所は、新しく対応した規格やバージョンを簡略的に示したもの。ただし、同じハードウェア世代であっても提供されているデバイスドライバーの関係上、サポートするAPIバージョンや機能レベルが異なるGPUもある。個別のサポート状況は公式ドキュメントを参照のこと[13]。
第5世代
Westmere
2010Q1~2011Q3発売 製造プロセス:Intel 45nm CPU:第1世代Coreプロセッサー
初のHD Graphicsであり、GPUとCPUのSiP(CPUは32nmプロセス[14])。モバイルのみDynamic Frequency技術に対応し、GPUとCPUの負荷バランスを見ながらGPUの動作クロックもTDPの枠内で上下させるようになった[15]。前世代のGMA 4500シリーズから実行ユニットが2基増加した。内蔵GPUの機能を活用するには対応するチップセットを実装したマザーボードとの組み合わせが必要。
- DX 10.1(FL 10_1)、OGL 2.1
- eDP[注 1][16]、DP 1.1a、HDMI 1.3a、DVI、LVDS、VGA、HDCP、2画面出力[17]
- CVT HD[注 2][16]、WiDi[注 3]
第6世代
Sandy Bridge
2011Q1~2013Q2発売 製造プロセス:Intel 32nm CPU:第2世代Coreプロセッサー
GPUがCPUのチップ(ダイ)に内蔵され、Last Level Cache (LLC) も共有できるようになりパフォーマンスが向上。デスクトップやサーバーでもDynamic Frequency技術に対応し最大動作クロックが上がった。実行ユニット1基で8FLOPS/Clockに強化された。サーバー向けのP3000はECCメモリの対応と業務向けアプリケーションの最適化と認定が追加されている[18]。また、P3000はC206チップセットと組み合わせることで使用することができる。
- DX 10.1(FL 10_1)、OGL 3.1(Win)/3.3(mac/Linux)
- eDP[注 1]、DP 1.1a、HDMI 1.4a、DVI、LVDS、VGA、HDCP、2画面出力[19]
- QSV[注 4]、CVT HD[注 4]、InTru3D[注 4]、Insider[20][注 4]、WiDi[注 4][注 5]。 VC-1のハードウェアデコードに対応。
第7世代
Ivy Bridge
2012Q2~2013Q3発売 製造プロセス:Intel 22nm(Tri-gate) CPU:第3世代Coreプロセッサー
実行ユニット1基で16FLOPS/Clockに強化された。
- DX 11.0(FL 11_0)、Metal 2、OGL 4.0(Win)/4.1(mac)/4.2(Linux)、OCL 1.2
- eDP、DP 1.1a、HDMI 1.4a、DVI、LVDS、VGA、HDCP、3画面出力[注 6][注 7][21]。 4K出力に対応[注 8][22]。
- QSV 2[注 4]、CVT HD[注 4]、InTru3D[注 4]、Insider[注 4]、WiDi[注 4][注 9][23]
Bay Trail
2013Q3~2014Q3発売 製造プロセス:Intel 22nm CPU:Celeron N2xxx/J1xxx, Pentium N35xx/J2xxx
- DX 11.0(FL 11_0)、OGL 4.0(Win)/4.2(Linux)、OCL 1.2
- eDP、DP 1.1a、HDMI 1.4a、DVI、VGA、HDCP、2画面出力[24]
- QSV 2、CVT、WiDi[25]
第7.5世代
Haswell
2013Q2~2015Q1発売 製造プロセス:Intel 22nm CPU:第4世代Coreプロセッサー
CMAA(Conservative Morphological Anti-Aliasing、従来のMSAAよりも性能が向上しているアンチエイリアス)の追加と、Adaptive Rendering Control(バッテリーを使って最大パフォーマンスを選択せずにゲームをしている時に変化が無いシーンの再レンダリングを控えて消費電力を抑える機能)の追加[26][27]。GT3ではスライス単位でパワーゲーティングができ、メディアタスク等で演算性能が一定以下しか必要とされない場合は、2個のスライスのうち片方をシャットダウンしてリーク電流を抑える[28]。GT3e (Crystal Well) ではCPU+GPU全体にL4キャッシュとしてeDRAMをパッケージ上に搭載[29](128MB、片方向51.2GB/s、双方向102.4GB/s[30])することで帯域を必要とする処理が高速化。
なお、HaswellおよびBroadwellは、Windows 10にて導入されたDirectX 12 (Direct3D 12) に初めて対応する世代となった[31]。DirectX 12 APIがサポートされる環境では、同時にDirectX 11.3 APIもサポートされる[32]。ただし、Haswellについてはのちに特権昇格の脆弱性が発見され、15.40.44.5107以降のドライバーではDirectX 12のサポートが無効化された[33]。
- DX 12[32][34](FL 11_1)、Metal 2、OGL 4.3(Win)/4.1(mac)/4.6(Linux)、OCL 1.2
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4a、DVI、VGA、HDCP、3画面出力[注 10][注 11][35]。 HDMI 1.4の4K (24Hz) 出力に対応[36][注 3][37]。LVDSが廃止された。
- QSV 3、CVT HD[注 4]、InTru3D[注 4]、Insider[注 4]、WiDi[注 4]
第8世代
Broadwell
2014Q3~2015Q2発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:第5世代Coreプロセッサー
実行ユニット1基で8 IOPS/Clockに強化された。共有仮想アドレス領域がハードウェアでサポートされ、CPUコアとGPUコアの間のデータ交換が容易になった[38]。
- DX 12(FL 11_1[39])、Metal 2、Vulkan 1.1(Linux)、OGL 4.4(Win[注 12])/4.1(mac)/4.6(Linux)、OCL 2.0(Win[注 13])/1.2(mac)/2.1(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4a、DVI、VGA、HDCP、3画面出力[注 10][40]。 DP 1.2の高解像度出力の強化[36]。
- QSV 4、CVT HD[注 14]、WiDi。 VP8のハードウェアデコードに対応。
Braswell
2015Q1~2016Q1発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:Celeron N/J30xx~31xx, Pentium N/J37xx
- DX 12[41](FL 11_1)、Vulkan 1.1(Linux)、OGL 4.4(Win)/4.6(Linux)、OCL 2.0(Win)/1.2(Linux)
- eDP、DP 1.1a、HDMI 1.4b、HDCP、3画面出力[42]
- QSV 4、CVT HD、WiDi。 H.265/HEVCのハードウェアデコードに対応。
第9世代
Skylake
2015Q3~2016Q4発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:第6世代Coreプロセッサー
CPUとGPUの連携やマルチタスクに重要となる機能が強化された。また、実行モデルはAOS/Packed型モデルが廃止され、SOA/Scalar型 (=SIMT:Single Instruction, Multiple Thread) モデルのみとなった[43]。eDRAMの制御がシステムエージェントに移された[44]。
- DX 12(FL 12_1[45])、Metal 2、Vulkan 1.3(Win/Linux)、OGL 4.6(Win/Linux)/4.1(mac)、OCL 2.0(Win[注 13])/1.2(mac)/3.0(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4b[注 16]、DVI、HDCP、3画面出力[注 17][46]。 VGAが廃止された。
- QSV 5、CVT HD、WiDi
Apollo Lake
2016Q3発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:Celeron N/J33xx~34xx, Pentium N/J42xx
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3(Win/Linux)、OGL 4.6(Win/Linux)、OCL 2.0(Win)/3.0(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4b、MIPI DSI、HDCP、3画面出力[47]
- QSV 5、CVT HD。 VP9のハードウェアデコードに対応。WiDiのダウンロードとサポートが終了し、Miracastへの移行がアナウンスされた。
第9.5世代
Kaby Lake
2016Q3~2019Q1発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:第7世代Coreプロセッサー
Windows Mixed Realityに対応した(必要スペックはi5 7200UのHD Graphics 620以上とされる)[48][49]。
- DX 12(FL 12_1)、Metal 2、Vulkan 1.3、OGL 4.6(Win/Linux)/4.1(mac)、OCL 2.1(Win)/1.2(mac)/3.0(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4b[注 16]、DVI、HDCP[50]、3画面出力[注 17][51]
- QSV 6、CVT HD。 ポストプロセッシングがハードウェア化された[52]。
Kaby Lake-R/Amber Lake/Coffee Lake/Whiskey Lake/Comet Lake
2017Q3~2021Q1発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:第7世代の一部を含む第8/第9/第10世代Coreプロセッサー
- DX 12(FL 12_1)、Metal 3、Vulkan 1.3、OGL 4.6(Win/Linux)/4.1(mac)、OCL 2.1(Win)/1.2(mac)/3.0(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 1.4b[注 16]、DVI、HDCP、3画面出力[注 18][53][54][55][56]
- QSV 6、CVT HD
Gemini Lake
2017Q4~2019Q4発売 製造プロセス:Intel 14nm CPU:Celeron N/J40xx~41xx, Pentium N/J5xxx
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3、OGL 4.6(Win/Linux)、OCL 2.0(Win)/3.0(Linux)
- eDP、DP 1.2a、HDMI 2.0a[57]、MIPI DSI、HDCP、3画面出力[58]
- QSV 6、CVT HD
第10世代
Cannon Lake
Cannon Lakeマイクロアーキテクチャに組み込まれたものが第10世代であったと言われている[59]が、Cannon LakeはGPUが有効にされた製品が出荷されないまま事実上キャンセルされたため、該当する製品は存在しない。
第11世代
Ice Lake
2019Q3~2020Q4発売 製造プロセス:Intel 10nm CPU:第10世代Coreプロセッサー
- DX 12(FL 12_1)、Metal 3、Vulkan 1.3、OGL 4.6(Win/Linux)、OCL 3.0(Win/Linux)
- eDP、DP 1.4a、HDMI 2.0b、DVI、HDCP、3画面出力[60]
- QSV 7、CVT HD
Jasper Lake
2021Q1発売 製造プロセス:Intel 10nm CPU:Celeron N45xx~51xx, Pentium N6xxx
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3、OGL 4.6(Win/Linux)、OCL 3.0(Win/Linux)
- eDP、DP 1.4a、HDMI 2.0b、MIPI DSI、HDCP、3画面出力[61]
- QSV 7、CVT HD
第12世代以降
Tiger Lake/Rocket Lake
2020Q3~2021Q3発売 製造プロセス:Intel 10nm(Tiger Lake), Intel 14nm(Rocket Lake)
CPU:第11世代Coreプロセッサー(ノート向け・デスクトップ向け)
Intel XeベースのGPUが内蔵された。
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3、OGL 4.6、OCL 3.0
- eDP、DP 1.4a、HDMI 2.0b、MIPI DSI、HDCP、3画面出力[注 19][62][63]
- QSV 8、CVT HD。 AV1のハードウェアデコードに対応。
Alder Lake/Raptor Lake
2021Q4~2025Q1発売 製造プロセス:Intel 7 CPU:第12/第13/第14世代Coreプロセッサー
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3、OGL 4.6、OCL 3.0
- eDP、DP 1.4a、HDMI 2.0b、MIPI DSI、HDCP、4画面出力[注 20][64][65]
- QSV 8、CVT HD
Alder Lake-N/Twin Lake
2023Q1~2025Q1発売 製造プロセス:Intel 7 CPU:Intel Processor N5x~2xx, Core i3 N3xx, Core 3 N3xx
- DX 12(FL 12_1)、Vulkan 1.3、OGL 4.6、OCL 3.0
- eDP、DP 1.4a、HDMI 2.0b、MIPI DSI、HDCP、3画面出力[66]
- QSV 8、CVT HD
Meteor Lake/Arrow Lake
2023Q4~2025Q1発売 製造プロセス:TSMC 5nm CPU:Core Ultra プロセッサー(シリーズ1/シリーズ2)
- DX 12(FL 12_2)、Vulkan 1.3、OGL 4.6、OCL 3.0
- eDP、DP 2.1、HDMI 2.1、HDCP、4画面出力[注 21][67][68][69]
- QSV 9、CVT HD
Lunar Lake
2024Q3発売 製造プロセス:TSMC 3nm CPU:Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)
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脚注
関連項目
外部リンク
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