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株式会社スガイディノス(英: SUGAI DINOS, Inc.)は、かつて存在したゲームセンター・ボウリング場・映画館などを運営していた日本の企業。
本社が入居していたノルベサ(2008年6月) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒060-0063 北海道札幌市中央区南3条西5丁目1番1号 ノルベサ6階 |
設立 | 2018年12月19日 |
廃止 | |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 1430001077968 |
事業内容 | エンターテイメント事業の運営[1] |
代表者 |
|
資本金 | 1000万円[1] |
発行済株式総数 | 200株[1] |
決算期 | 11月30日[1] |
主要株主 | スガイディノスホールディングス 100%[2] |
特記事項:2018年12月19日にSDエンターテイメントから会社分割 |
なお、フジサンケイグループの通信販売を手がけるDINOS CORPORATIONとは無関係。
SDエンターテイメント株式会社は、須貝興行[5]株式会社時代から映画館事業・ボウリング場事業・ゲームセンター事業を長年にわたって手がけてきた。しかし、SDエンターテイメントにおける事業は、北海道のみで手がけているエンターテイメント事業(映画館事業・ボウリング場事業・ゲームセンター事業)と全国展開しているフィットネスや保育などウェルネス(健康)関連事業に経営資源が分散されている状態であった他、エンターテイメント事業自体も不振の状態が続いていた。さらに、SDエンターテイメントの親会社であるRIZAPグループの2019年3月期における決算予想も、約70億円の最終赤字となる見通しとなった[1][6][7]。
SDエンターテイメントは2018年11月13日に、エンターテイメント事業(映画館事業・ボウリング場事業・ゲームセンター事業)を手がける新会社として、同年12月19日に株式会社スガイディノスを設立することを発表。スガイディノスは同年12月19日付でSDエンターテイメントからエンターテイメント事業を新設分割で譲受した。本社はSDエンターテイメントと同じディノス札幌中央ビルに置かれる[1][6]。翌12月20日付でスガイディノス全株式はSDエンターテイメントから投資会社である北海道SOキャピタル株式会社が出資したスガイディノスホールディングス株式会社へ譲渡された[2]。これに伴い、SDエンターテイメントは、須貝興行時代から続けてきたゲームセンター事業・ボウリング場事業・映画館事業から撤退した。
スガイディノスは、ノルベサの5階にあるディノスパークノルベサを2019年2月17日に閉鎖した他、ディノス札幌中央ビル内にあるスガイディノス札幌中央(ディノスパーク札幌中央・ディノスボウル札幌中央・ディノスシネマズ札幌劇場)を同年6月2日に閉鎖するなどの事業再構築を図る[8][9]。
スガイディノス札幌中央の閉鎖に先んじて、スガイディノスの本社も2019年3月にディノス札幌中央ビルからディノスボウルノルベサが入居しているノルベサ6階へ移転した。スガイディノスはスガイディノス札幌中央の閉鎖の理由として、ディノス札幌中央ビルの所有者であるタツミプランニングとの契約が満了を迎えること、ディノス札幌中央ビル自体が築51年と老朽化していたことなどを挙げている[10]。閉鎖前日である同年6月1日にはゲーセンミカドとのコラボ企画が行われた他[11]、閉鎖当日である同年6月2日には、札幌市出身の高橋名人も駆けつけ、23時の閉店と同時に、小笠原一郎会長、三浦尚久社長、高橋名人、来場者が「スガイ、ディノス!」の掛け声と同時にシャッターが閉まり、前身である札幌座時代から、同地における101年の歴史に幕を下ろした[12][13]。
スガイディノス札幌中央の代替地については、狸小路商店街などの代替地を探すとしていたが[14]、2020年2月1日に、札幌プラザ2・5を所有する株式会社谷井と賃貸借契約を締結[15][16]。同年3月にゲームセンターが先行開業した他、同年7月に4スクリーンの映画館「サツゲキ」が開業した[15][16][17]。
しかし、事業展開の投資資金が不足したため、経営的にも苦しい状況が続いた[18]。追い打ちをかけるかのように、新型コロナウイルスの感染拡大による施設の臨時休業や時短営業により来店客が減少。2019年11月期の売上高は38億円で、営業利益は1億5200万円だったのが、2年間で売上高が25億円台に減少し、営業損益は2020年が6億円、2021年が6億7200万円の赤字に転落。このため、2007年3月に開業したラウンドワンスタジアム旭川に若年層のボウリング客を奪われ、新型コロナウイルスの影響によりボウリング客がさらに減少したディノス旭川2階にあったディノスボウル旭川を2020年9月に閉鎖したが[19]、資金繰りが更に逼迫し、ディノスボウル札幌麻生における定期借家契約の更新が不可能となった[20]。三浦社長は、すでに片岡尚GENDA会長に対して事業譲渡を打診していた。この時点では片岡GENDA会長は三浦社長に対して「ゲームセンター事業だけなら譲受してもいい」と返答した[18]。
三浦社長は須貝興行時代から続けているシネマ事業やボウリング事業への未練もあった事から、片岡GENDA会長の提案は一旦は断り、別のパートナーを探した上で個別のスポンサー付き民事再生を行う事を決断[18]。スガイディノスは2022年5月30日に札幌地方裁判所へ民事再生法適用を申請[21][22]。翌31日、映画配給会社や飲食関連業者への説明、今後の配給計画などを調整するため、運営する映画館4館のうちサツゲキを除いた3館を一時休館する措置を取った[23]。
6月17日、休館していた映画館を再開。室蘭市在住の坪川拓史監督の『モルエラニの霧の中』、『美式天然』。北海道出身の安田顕、品川徹、長谷川初範も出演する『リング・ワンダリング』を上映[24]。しかし、休館以前に予定していた多くの映画は上映中止、または保留となった[25]。
スガイディノスの民事再生法申請を知った片岡GENDA会長は三浦社長に電話を入れ、三浦社長に対して「うちにもスガイディノスと一緒になる権利があるのでは」と伝えた[18]。片岡GENDA会長は札幌地方裁判所にも働き掛けた結果、公募制の民事再生へ移行する事になった[18]。民事再生スポンサーは競争入札により決定することになり、ゲームセンター事業、ボウリング事業、シネマ事業の3事業を一括で引き継ぐことを条件に、民事再生スポンサーの選定を進めることになった[18][26]。
債権者集会が開催された2022年6月7日時点では[26]、GENDAグループの企業であり、全国で「SEGA」「GiGO」「宝島」などのゲームセンターを運営しているGENDA GiGO Entertainmentなど北海道外の企業3社が民事再生スポンサーに名乗りを上げていた[27][28]。その後北海道外の企業4社も民事再生スポンサーに名乗りを上げ、最終的に民事再生スポンサーは7社による競争入札によって決定する事になった[27]。7社による競争入札の結果、最高額を付けたGENDA GiGO Entertainmentを民事再生スポンサーに選定した[18][29][30][31]。スガイディノスは2022年7月25日にGENDA GiGO Entertainmentとの間で事業譲渡契約を締結した[29][30][31][32]。
ゲームセンター事業、ボウリング事業に関しては、GENDA GiGO Entertainmentは受け皿会社を設立せずにGENDA GiGO Entertainment直轄による運営とする他、GENDA GiGO Entertainmentは同年8月22日、シネマ事業を譲受する新会社として、株式会社ディノスシネマを設立[33][34]。スガイディノスが運営しているゲームセンター13店舗、ボウリング場6店舗、「THE GOLF BAR ナイスショット」1店舗、映画館4館の内、ディノスパーク旭川、ディノスシネマズ旭川、ディノスパーク札幌狸小路、ディノスボウル札幌白石の4施設はGENDA GiGO Entertainment並びにディノスシネマへの譲渡対象外となった[35][36]。これに伴い、ディノスパーク旭川、ディノスシネマズ旭川、ディノスパーク札幌狸小路の3施設は同年9月19日に閉鎖された他、ディノスボウル札幌白石も同年10月2日に閉店する事になった[35][36]。GENDA GiGO Entertainmentはゲームセンター11店舗、ボウリング場5店舗、「THE GOLF BAR ナイスショット」1店舗の計17店舗をスガイディノスから譲受する他、ディノスシネマもサツゲキ、ディノスシネマズ室蘭、ディノスシネマズ苫小牧の映画館3館をスガイディノスから譲受する事になった[29][30][31][32]。スガイディノスは同年9月29日、ディノスボウル札幌白石を千葉県八千代市に本社を置き、ボウリング用品店である「プロショップVEGA」を運営している有限会社ベガへ譲渡した上で、同年10月上旬を目途にVEGA札幌白石ボウルとして再開業する事を発表した[37][38]。ディノスパーク旭川、ディノスシネマズ旭川が入居していたビルの転貸をスガイディノスに対して行っていたSDエンターテイメントは、ディノスパーク旭川、ディノスシネマズ旭川の閉鎖に関連して、1億4300万円の特別損失を計上した[39]。
スガイディノスが手掛けていた事業は、2022年10月1日付でゲームセンター事業とボウリング事業が1億8100万円でGENDA GiGO Entertainmentへ譲渡され[40]、ゲームセンター11店舗、ボウリング場5店舗、「THE GOLF BAR ナイスショット」1店舗の計17店舗はGENDA GiGO Entertainment直轄による運営となった他、シネマ事業並びにサツゲキ、ディノスシネマズ室蘭、ディノスシネマズ苫小牧の映画館3館は同日付でディノスシネマへ譲渡した上で、シネマサンシャインを運営する佐々木興業の子会社である佐々木総合管理へディノスシネマの株式の85.1%が譲渡されたと同時に、3館はディノスシネマによる運営となった[33][41][42]。スガイディノスに所属していたブロボウラーもGENDA GiGO Entertainmentへ移籍した。ポイントサービスである「SDバリューカード」の新規発行並びにポイント付与は同年9月30日で終了した他、GENDA GiGO Entertainmentとディノスシネマへ事業譲渡後も利用可能であった「SDバリューカード」のポイント利用並びに会員優待は2023年3月31日をもって終了した[43]。GENDA GiGO Entertainmentへの譲渡対象外となったディノスボウル札幌白石も同年10月2日に閉店したと同時にベガへ譲渡され、同年10月16日にVEGA札幌白石ボウルとして再開業した[38][44]。これにより、スガイディノスは、SDエンターテイメント創業から104年続けてきた映画館事業・ゲームセンター事業・ボウリング事業の歴史の幕を下ろす事になった。三浦社長は事業譲渡と同時に、GENDA GiGO Entertainment執行役員兼北海道東日本営業本部本部長に就任した[18]。
GENDA GiGO Entertainmentは、宝島函館店の1店舗しかなかった北海道へ本格的に進出したと同時に、GENDAグループ内の商品調達力やGENDA GiGO Entertainmentのノウハウを取り入れた上でスガイディノスが運営していた店舗の黒字化を図る[18][45]。スガイディノスが手掛けていた事業は、GENDA GiGO Entertainmentとディノスシネマによって再建が図られることになる。GENDA GiGO Entertainmentへ譲渡された店舗は、事業譲渡後も「ディノスパーク」「でぃのぱ!」「ディノスボウル」の名称は残されていたが、GENDA GiGO Entertainmentは2023年9月11日、スガイディノスから譲受した全店舗を「GiGO」ブランドへ順次転換する事を発表[46]。同年9月23日にディノスパーク苫小牧・ディノスボウル苫小牧がそれぞれGiGOイオンモール苫小牧・GiGOボウル苫小牧へ転換したのを皮切りに、同年12月までの間に16店舗を「ディノス」ブランドから「GiGO」ブランドへの転換を実施した[47]。これにより、SDエンターテイメント時代から続いてきた「ディノスパーク」「でぃのぱ!」「ディノスボウル」のブランド名は消滅する事になった。
札幌地方裁判所は2022年12月19日、スガイディノスが提出していた再生計画案を認可した。債権者への弁済率は5%となる[48]。スガイディノスは清算手続を進め、2024年2月28日に法人格が消滅した[49]。
スガイディノスの親会社であったスガイディノスホールディングスも、スガイディノスの借入保証を行っていた事から資金繰りが悪化。スガイディノスホールディングスは2024年3月25日に札幌地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[3][50][51]。
全て北海道内に所在していた。GENDA GiGO Entertainmentへ譲渡された店舗に関しては、譲渡後も店舗名の名称は維持されていたが、前述の通り2023年9月から12月にかけて「GiGO」ブランドへ転換された[46][47]。
※ 北海道外では映画館併設の店舗が存在しなかった。
全て北海道内に所在していた。GENDA GiGO Entertainmentへ譲渡された5店舗に関しては、譲渡後も店舗名の名称は維持されていたが、前述の通り2023年9月から12月にかけてGiGOボウルへ転換された[46][47]。札幌・帯広エリアでは、団体向けに送迎バスを運行するサービスをGENDA GiGO Entertainmentへの譲渡後も継続して行う。
スクリーン | 座席数(車椅子席) | 音響設備 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 200(1) | 7.1ch | 4K上映対応 |
2 | 28 | 7.1ch | |
3 | 48 | 7.1ch | |
4 | 170(1) | 7.1ch | 4K上映対応 |
スクリーン | 座席数 | 音響設備 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 154 | SRD 5.1ch | |
2 | 126 | SRD 5.1ch | |
3 | 100 | SRD 5.1ch | |
4 | 100 | SRD 5.1ch |
スクリーン | 座席数(車椅子席) | 音響設備 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 144(2) | SRD-EX,DTS 7.1ch | 3D上映対応 |
2 | 144(2) | SRD-EX,DTS 5.1ch | |
3 | 101(2) | SRD-EX,DTS 5.1ch | |
4 | 102(2) | SRD-EX,DTS 5.1ch | |
5 | 95(1) | SRD-EX,DTS 5.1ch | |
6 | 161(2) | SRD-EX,DTS 7.1ch | |
7 | 302(2) | SRD-EX,DTS 7.1ch |
スクリーン | 座席数 | 音響設備 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 223 (以前は250席) | SRD,DTS | ブルーレイ上映対応 |
2 | 108 (以前は120席) | SRD,DTS | |
3 | 95 (以前は119席) | SRD,DTS | |
4 | 39 (以前は45席) | SRD | 旧スクリーン6 |
5 | 59 (以前は82席) | SR | ブルーレイ上映対応 |
6 | 41 (以前は60席) | SRD | 旧スクリーン4 |
スクリーン | 座席数 | 音響設備 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 247 | SRD-EX,DTS | 3D上映対応 |
2 | 188 | SRD-EX,DTS | 3D上映対応 |
3 | 141 | SRD-EX,DTS | |
4 | 139 | SRD-EX,DTS | |
5 | 129 | SRD-EX,DTS | |
6 | 139 | SRD-EX,DTS | |
7 | 106 | SRD-EX,DTS |
スクリーン | 座席数 | 音響設備 | 椅子の色/カーテンの色 |
---|---|---|---|
1 | 100 | DOLBY SR | 紫/薄紫 |
2 | 48 | DOLBY SR | 赤/赤 |
3 | 48 | DOLBY SR | 緑/ピンク |
館名 | 座席数 | 音響設備 |
---|---|---|
グランドシネマ | 230 | DOLBY STEREO |
シネマアポロン | 88 | DOLBY STEREO |
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