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日本の小説家 (1949-) ウィキペディアから
(くろかわ ひろゆき、1949年3月4日[2] -)は、日本の小説家・推理作家。愛媛県今治市生まれ[3]。大阪府羽曳野市在住(2014年時点)[3][4]。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。妻は日本画家の黒川雅子。
1949年、愛媛県今治市に生まれる。6歳の頃[5] に大阪に移り住んだため、「大阪人」を自認している[6]。中学校の後輩には柴崎友香がおり[5]、後にそれぞれ直木賞と芥川賞を同日に受賞することとなる[7]。大阪府立泉尾高等学校卒業後[7]、京都市立芸術大学美術学部彫刻科に学び、同学部の日本画科に通っていた妻・雅子と23歳で学生結婚する[8]。
大学卒業後、ダイエーに入社するが[9][10] 会社勤めは性に合わず、妻が中学教師になっていたこともあり教員免許を取得[8]、1977年から大阪府立東淀川高等学校に美術教師として勤める[11]。
暇つぶしのつもりで小説に手を染め、1983年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作に選ばれ、翌年同作で小説家デビュー。佳作の次は大賞が獲りたいとより熱心に小説に打ち込むようになり[8]、1986年に『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞受賞。この時選考委員を務めていた田辺聖子について「恩人である」と述べている[12]。ほどなくして二足のわらじ生活が辛くなり、1987年に教師の職を辞して作家専業となる[8][11]。
その後は軽妙な大阪弁が特徴の警察小説やハードボイルド小説で好評を博し、1996年に「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞するなど作家としての地位を固める。一方で、吉川英治文学新人賞や直木賞の候補に再三挙げられるも落選が続く。特に2001年の第126回直木賞では、北朝鮮を舞台とする異色の力作『国境』が多くの選考委員の支持を集めるも「残念、あと一息」[13] で受賞を逃し、半月の間仕事が手につかなくなるほどのショックを受ける[5]。
2004年、大阪府警シリーズを原作とし、舞台を神奈川県に移した2時間ドラマ「刑事吉永誠一 涙の事件簿」シリーズが、船越英一郎主演によりテレビ東京系『水曜ミステリー9』でスタート。水曜ミステリー9史上最高の視聴率を記録する人気作となり、後に連続ドラマ化されている。2011年には『週刊現代』の記事に名誉を傷つけられたとして訴訟を起こし、勝訴している(後述)。
2014年、『破門』で7年ぶりに候補になった第151回直木賞を受賞。選考委員の伊集院静は「圧倒的な支持だった。忍耐力と小説家の魂を作品以外のところで評価した選者がいた」と述べた[14]。候補になること6回目、初めて候補になってから実に18年を経ての栄冠であった。自身落選の経験が多いことから、受賞会見の場では他の候補者を気遣うような発言もあった[5]。「もう候補にならないのが一番ありがたい」とも述べている[2]。
太字が受賞したもの
2011年11月10日、20回にわたる週刊現代の連載記事でグリコ・森永事件の真犯人として扱われたとして、名誉毀損とプライバシー侵害を理由に、出版元の講談社と週刊現代編集長、および筆者のジャーナリスト岩瀬達哉に損害賠償などを求め、東京地裁に提訴した[19]。
2011年12月、愛知県警警部脅迫事件をきっかけとして愛知県警の捜査員らの住民票や戸籍謄本が、東京都内の司法書士らのグループによって不正取得される事件が発覚したが、その中に黒川の住民票も含まれていた。黒川は前述の週刊現代の記事の中で居住地などを詳細に記載されていたことから不審に感じたという[20]。
2013年8月30日、東京地裁は講談社と当時の編集長、および執筆者の岩瀬達哉に、計583万円の支払いを命じた[21]。その後に二審の東京高裁でも黒川が勝訴、講談社側は最高裁判所に上告したが、2014年11月11日に最高裁判所が下級審判決を支持して講談社側の上告を棄却する決定を下した。これにより黒川の勝訴が確定した[22]。提訴時点で講談社は6冊の黒川の著書を刊行している、親密な版元の一つであったが、妥協することなく裁判へ持ち込み、残存していた文庫化契約はすべて他社へ移された。
「」内が黒川博行の作品
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