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全米オープン (ゴルフ)

ゴルフのメジャー選手権 ウィキペディアから

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全米オープン選手権(ぜんべいオープンせんしゅけん、英語: United States Open Championship, U.S. Open)は、ゴルフメジャー選手権の一つで、アメリカのゴルフ競技団体全米ゴルフ協会主催で、毎年6月中旬に開催する地区を毎年変えて実施している。選手権は大会の順延がない限り父の日(6月第3日曜日)を最終日と基準として開催されている。日本では単に全米オープンと呼ばれる事が多い。優勝者にはフェデックスカップポイント750点が加算されるほか、OWGRポイント100点が加算される。

概要 全米オープン選手権 U.S. Open, トーナメント情報 ...
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概説

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全米オープン優勝トロフィー(複製)

この選手権にはアメリカ国内の各地をはじめ日本やイギリスで予選会があり、最終予選を通過した選手が出場資格を得られることから“オープン”と呼ばれる。地区予選会に出場するアマチュア選手のハンディキャップは「1.4以下」と定められている。彼らが世界各地の賞金ランキング上位選手や、世界ランキング上位選手たちと互角に渡り合って戦う姿は、全米オープン最大の見どころのひとつと言えよう。プロゴルファーに匹敵する力量を持ちながら、あえてプロの道を選ばずにアマチュアゴルファーの道を貫くベテランのアマチュア選手たちを見ることもできる。

全米オープンの開催コースは、大会の5年以上前から定められ、それに合わせてコース設定を調整していく。セッティングの特徴は、非常に深いラフと狭いフェアウェイであり、近年では優勝スコアをイーブンパーと想定してコースを作っている。マスターズを含む他のトーナメントが派手なバーディーの取り合いによるエンターテイメント性を否定せず、ミスはその後で取り返すことを許すのに対し、全米オープンは選手にひたすらパーを積み重ねることを要求し、落としたスコアを取り戻すのは困難を極める。メジャーの中でも、とりわけ選手たちの「忍耐力」が試され、「最強のゴルファー」に栄誉を与えるトーナメントと言える。それを象徴するかのように2006年、2007年と優勝スコアは5オーバーという結果であった。余りに厳しいセッティングは、選手から「ナイスショットを打ってもラフやバンカーにボールが飛び込み、フェアではない」との愚痴をこぼさせるほどである。[注 1]

予選ラウンド終了時(2日目終了時)において、60位タイ以上、およびトップから10ストローク以内のプレイヤーのみが、3日目以降の決勝ラウンドに進むことができる。

なお、72ホール(4ラウンド)終了時にトップが2人以上いた場合は、2ホールの合計ストロークで競うプレーオフを行う。2ホール終了してなお同スコアの場合はサドンデスに突入する[1]。2017年までは翌日18ホールのプレーオフで実施していた。

優勝選手にはジャック・ニクラス・メダルと優勝トロフィーがUSGA会長から授与される。また、5年間のPGAツアーシード権が与えられるが、1970年までの優勝者はPGAツアー永久シードが与えられていた[2]

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本選出場資格

要約
視点

全米オープンは年齢や男女を問わず[3]あらゆるプロ、もしくはUSGA男子ハンディキャップインデックスが 1.4 [3]未満のあらゆるアマチュアに出場申し込み資格がある。予選免除資格を満たしている者および予備予選を勝ち上がった者が本戦に出場できる。本戦には総勢156名が出場する。

本戦出場者のほぼ半数は予選免除資格者である。現在の予選免除資格は[4][5]

アマチュア選手の予選免除枠は当該選手が本戦スタート前およびプレー中を通してアマチュアであることが条件となるが[6]、全米アマ優勝資格は2020年大会よりプロ転向後も出場が可能になる予定。

2011年以前は OWGR 招待枠は「大会3週間前の時点で上位50名」だったが、2011年から「大会当日において50位以内」での招待枠が追加された。これは明らかに元のカットオフ日から3週間の間にトップ50に入ってくる選手(2010年のジャスティン・ローズリッキー・ファウラーはこの規定があったら本戦出場できた)を意識したものだ。

2011年までは PGA、欧州、日本、オーストラリア / アジアのツアーにおける賞金獲得上位者、および当該年の全米オープンまでの期間の PGA ツアー試合で2回以上優勝した者も招待されていた。だがこれらは OWGR の招待枠が60位までに拡大されたことを受けて廃止された。また、2012年より当該年の欧州ツアーであるBMW PGA選手権優勝者にも招待枠が設けられた。これはその大会が米国におけるプレーヤーズチャンピオンシップと同格であるとの判断による。

予選免除資格を満たさない選手は2段階の予備予選大会に出場しなければならない。近年ではおよそ9,000人がエントリー申込を行っている。1段階目はローカル予選 (Local Qualifying) と呼ばれ、米国内の100か所以上のゴルフ場で18ホールのストロークを競い、およそ550名が次の段階の予選に進出できる。このローカル予選は規定によりそれまでの実績等によって多くの選手が免除される。次いでセクショナル予選 (Sectional Qualifying) と呼ばれる1日で36ホールの最終予選があり、ローカル予選通過者に加えてローカル予選免除者により争われる。実施コースは米国内数か所と欧州および日本のそれぞれ1か所となっている。本戦に出場できる者の総数は予選免除資格者の数によって毎年異なり、また、セクショナル予選実施コースの難度によっても通過者の数は異なる。この通過者人数は予選エントリー申込終了後にUSGAにより公示される。各コースでの通過者の最終順位が同じ(タイ)選手が複数いる場合には、直ちにホールバイホールでのプレーオフが行われる。

これら予備予選において、最少スコア者およびセクショナル予選では最少スコアのアマチュアには銀のメダルが授与される。また、ローカル予選においてUSGAの定めた当該コースのコースレートに対して8以上多く打った場合、次年から参加申し込みができなくなる。

前述ワールドゴルフランキング60位以内の2回目のカットオフが行われ予選免除者数が確定したのち、棄権者等により空席が発生した場合には予備予選の補欠者が充当される。2012年、出場予定だったポール・ケーシーが大会開始数日前に出場辞退したためセクショナル予選出場者からの補欠繰り上げが行われ、中国出身のアンディ・ジャンが最年少の14歳で本戦出場した。

USGAによる特別招待枠

USGAは1966年以降これまでに 34名の選手に対して52回の特別枠招待を行っている。この中で複数回の招待を受けた選手としては: アーノルド・パーマー(1978, 1980, 1981, 1983, 1994年)、セベ・バレステロス(1978、1994年)、ゲーリー・プレーヤー(1981, 1983年)、リー・トレビノ(1983, 1984年)、ヘール・アーウィン(1990, 2002, 2003年)、ジャック・ニクラウス(1991, 1993, 1995, 1996, 1997, 1998, 1999, 2000年)、トム・ワトソン(1993, 1996, 2000, 2010年)、タイガー・ウッズ(2024年)などが挙げられる。

ヘール・アーウィンは1990年の全米オープンにこの特別招待枠で出場して優勝した。2016年にはかつてのチャンピオン レティーフ・グーセン が招待された。2018年にはジム・フューリクアーニー・エルス(いずれも優勝経験者)の二人が招待された。

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歴代優勝者

要約
視点

第1回大会(1895年)よりストロークプレーにより優勝者が決定された。第3回大会(1897年)までは1日で36ホール(1日制)、第4回大会(1898年)以降は2日で72ホール(2日制)、第30回大会(1926年)以降は初日と二日目は18ホールずつ、最終日は36ホール(3日制)、第65回大会(1965年)以降は毎日18ホールの4日制。

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今後の開催予定地

要約
視点
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Sources:[7]

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記録

1968年リー・トレビノ(69–68–69–69, par 70)
1970年トニー・ジャックリン(71-70-70-70, par 72)
1993年リー・ジャンセン(67-67-69-69, par 70)
1994年カーティス・ストレンジ(70-70-70-70, par 71, 4位)
2011年ローリー・マキロイ(65-66-68-69, par 71)、ロバート・ギャリガス(70-70-68-70, 3位T)
2017年ブルックス・ケプカ(67-70-68-67, par 72)、チャーリー・ホフマン(70-70-68-71, 8位)、ブラント・スネデカー(70-69-70-71, 9位T)
2019年ゲーリー・ウッドランド(68-65-69-69, par 71)、ブルックス・ケプカ(69-69-68-68, 2位)、ジョン・ラーム(69-70-70-68, 3位T)
  • 18ホールの最高スコア:63、ジョニー・ミラー(1973年最終日)、ジャック・ニクラス(1980年初日)、トム・ワイスコフ(同)、ビジェイ・シン(2003年2日目)、ジャスティン・トーマス(2017年3日目)
  • 最多開催コース:オークモント・カントリークラブ(9回、1927, 1935, 1953, 1962, 1973, 1983, 1994, 2007、2016)
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放送

要約
視点

日本

日本に於ける放映権については、先ず1977年にTBS(現・TBSテレビ)が買い取るも、翌1978年からはNHKに、更に1997年からはテレビ朝日に、それぞれ譲渡されていった[8]

テレビ中継時に限り『グッド!モーニング』(『おはよう朝日です』〈朝日放送テレビ〉等地域ローカル情報番組も含む)は日本時間で金曜(初日)・月曜(最終日)が休止[注 2]となり、土曜の『週刊ニュースリーダー』(『おはよう朝日土曜日です』〈朝日放送テレビ〉等地域ローカル情報番組を含む)、日曜の『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日・朝日放送テレビ・メ〜テレ共同制作)、朝日放送テレビ制作日曜朝8時30分枠のアニメ(現在は『プリキュアシリーズ』)も休止になった。ただ、西海岸開催時には『スーパーヒーロータイム』(日曜日)、『モーニングショー』(最終日のみ)などが休止、『サンデーLIVE!!・第3部』(日曜日)、『ワイド!スクランブル・第1部』(最終日のみ)も短縮放送[注 3]になった。

また、2008年までの最終日では『スーパーモーニング』を当時ネットしていた山梨放送北日本放送福井放送高知放送四国放送(以上日本テレビ系列)・山陰放送宮崎放送(以上TBS系列)でも日本時間8:00から放送していたが、2009年は上記の局での放送が取り止め、『スーパーモーニング』が始まるまでの8:00 - 8:30の間は各局個別で単発番組を設定することになった(ただし、8:30以降も中継が続く場合、2009年当時スパモニを系列外ネットしていた全5局(いずれも日本テレビ系列)はその時間から中継を同時ネット予定だったが、実際は未放送)。

2009年は、大会1日目が雨天中止順延になり、2008年大会のプレーオフの模様の再放送をメインに放送。2日目に1日目の模様を3日目に2日目の模様をそれぞれを放送、本来の最終日である4日目は3日目の模様と最終日の冒頭の模様を放送した。このため全選手が最終ホールまで到達できないと判断、8:26.30で中継を打ち切った。急遽5日目を4:55 - 6:30の予定で大会最終日の模様として放送することにし、そこで優勝者が決定。

2005年以前まで土曜の午後に「予選ハイライト」・日曜の「サンデープレゼント」枠で「3日目ハイライト」・月曜のネオバラエティ枠で「最終日ハイライト」を放送したが、2006年以降の放送はなし。

また、ゴルフネットワークでも現地の日中に当たる日本時間深夜から翌日早朝(もしくは未明・早朝から昼)にかけて生放送される。

なお、2001年2008年のように月曜日の18ホールプレーオフにもつれた場合、ゴルフネットワークとテレビ朝日は深夜の番組を一部中止し、生中継で試合終了まで放送する。

しかし、2016年以降の放映権を巡り、テレビ朝日とUSGAとの契約が難航していた。テレビ朝日での放映ができない場合は、TBSテレビやNHKで放送の可能性があるとされたが[9]、同年5月24日、テレビ朝日において2016年大会を放送することが決定した。しかし同時期にUEFA EURO 2016の中継も放送するため、予選ラウンドは後半部分を放送せず、木曜深夜から金曜未明、金曜深夜から土曜未明での放送となったため主力選手のプレー生中継ができなかった。また、1日目は3度の雨による中断&現地日没によるサスペンスデッドでプレーができないまま1日目が終わった選手やホールアウトできない選手も多くいた[注 4]。3日目は先述のUEFA EURO 2016の生中継優先の関係で、中継終了後の6:10 - 8:00までの放送だった。最終日は月曜2:40 - 8:30まで6時間近くの生中継で対応していたが、中継が8:30までに収まらず、後続番組『羽鳥慎一モーニングショー短縮版』(8:30 - 9:55)内で継続中継を9:18.03まで行った[注 5]

2017年大会の最終日は当初月曜2:40 - 5:50の予定だったが、2:40 - 4:55はローカルセールスでの放送となり、4:55に一部系列局向けの飛び乗りポイントを設けたうえ、終了時間を9:30に繰り下げて放送した。

2018年大会は1日目の放送を6月15日の2:40 - 4:55、2日目は6月16日の2:25 - 8:00、3日目は6月17日2:35 - 8:30、最終日は6月18日の2:20 - 7:30で放送されたが、最終日は時間内に終了できず7:41まで11分延長し、放送した。

2019年大会は1日目の放送を6月14日の2:20 - 4:55、2日目は6月15日の2:20 - 8:00、3日目は「サンデーLIVE!!」を30分早終了後6月16日8:00 - 11:00で放送。最終日は6月17日3:55 - 10:30に放送した[注 6]

2020年大会は新型コロナウィルスの影響で107年ぶりの9月開催となったが、1日目の放送を9月18日の3:06 - 4:55、2日目は9月19日の2:50 - 8:00、3日目は9月20日の2:00 - 8:00、最終日は9月21日の2:00 - 7:00で放送された。コメンタリー陣を以下に記す。

だが、2021年大会については、新型コロナウイルスの影響が長期化しているため、テレビ朝日とUSGAとの契約がまとまらず、地上波からの中継が消滅する見通しになった[10]。その後、DAZNでの生配信が行われることになった[11]

2022年大会も地上波からの放送は行わない。ネット配信を『DAZN』と新たに『ABEMA』も追加されることになった。2023年からはBS松竹東急でも中継を行っている[12]

2000年代の一時期、ココリコ遠藤章造が応援団長を起用し、「全米シニア」「全米女子」と共に最終日ハイライトも多数のタレントを出演してのバラエティ形式の路線を行ってきたが、この形式は「全米OP」しか行われず、翌年、元に戻った[注 8]

なお、BS朝日では全米オープンの中継は行っていない。

日本以外

  • アメリカでは1954年から1965年までNBC、1966年から1994年までABCで放送されていたが、1995年から2014年まではNBCで中継されていた。(予選ラウンドは午後3時から午後5時(ET)までの2時間生中継し、それ以外の時間はESPNで生中継)2006年までフォーマットが緑を基調にした表示だったが、2007年から2010年までは白とオレンジを基調にしたフォーマットに大幅に変更した。プレーオフになった際も序盤はESPNで、それ以降をNBCで放送していた。ただし2011年から2014年まではゴルフ・チャンネルのフォーマットを使用して放送されていた。
  • 2015年から2026年まではUSGAの放送権契約を持つFOXスポーツとFS1で放送。しかし2020年6月29日契約破棄。残りの契約期間をNBCで放送される予定。
  • 西海岸開催時には週末の時間は東部時間でプライムタイムで放送される。
  • なお最終日最後の1時間はロレックスが協賛してCMなしで放送する。
  • ラジオではESPNラジオとシリウスXM PGAツアーラジオで放送されている。
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脚注

関連項目

外部リンク

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