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必殺からくり人・富嶽百景殺し旅
必殺シリーズの第13作、必殺からくり人シリーズの第4作且つ最終作 ウィキペディアから
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『必殺からくり人 富嶽百景殺し旅』(ひっさつからくりにん ふがくひゃっけいころしたび)は1978年8月25日から11月24日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に全14回が放映された、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)の共同制作による時代劇。主演は沖雅也[1]。
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概要
本作は第11作『新 必殺からくり人』の続編として、作品世界が構築されている。
前作で山田五十鈴が演じた「泣き節お艶」は、本作では「出雲のお艶」と名を変えて登場。同じく、芦屋雁之助が演じた一座の番頭格「火吹きのブラ平」も、劇中で同一人物とは明言はされないが「どじょうの宇蔵」として登場するなど、前作のイメージを受け継いでいる。
本作の新メンバーは3名で、そのうちの2名は出雲太夫一座に属している。一人は一座の芸人兼密偵役の虫の鈴平(江戸家小猫)、もう一人は一座の踊り子兼密偵役のうさぎ(高橋洋子(第1 - 4話)[2]、真行寺君枝(第5 - 14話))。この他に、一座の見届け人として、永寿堂与八配下の凄腕の殺し屋 唐十郎(沖雅也)が参加する。沖は第2作『必殺仕置人』、第6作『必殺仕置屋稼業』に続き、3度目の登板となり、主水シリーズ以外の作品に初出演となった。唐十郎は、沖が過去に演じた棺桶の錠や市松の様なエキセントリックなキャラクターに比べ、連絡係兼密偵という役割もあり、常識人として描かれている。
前作では絵師の安藤広重が描いた「東海道五十三次」をモチーフとしたのに対し、本作では葛飾北斎が描いた「富嶽百景」(本当は「富嶽三十六景」が正しい。北斎の「富嶽百景」は102画から成る「〇×(洞中など)の不二」のように場所(地名)が特定できない別作品[3])をモチーフにしている。
殺しの依頼があぶり出しで絵に表れるというアイデアを引き継いでいるが、前作と違い、第1話で頼み料と仕事料を依頼者(本作は永寿堂)から受け取る描写がなく、『必殺からくり人』の様に無料で仕事をしている様に見える[4]。前作と異なる点は江戸との間を連絡係の唐十郎が往来して、旅先に絵を運ぶシステムになっているため、毎回の仕事料はその際に渡されている節がある[5]。
北斎の娘・おえい役の吉田日出子は、実際の登場は第1話と第14話(最終話)の2回のみだが、オープニング ナレーションを担当している[6]。吉田は第9作『必殺からくり人・血風編』(第1 - 7話)でレギュラーを務めていた他、必殺シリーズには3回、ゲスト出演している。
本作の特徴としては、「裏稼業のメンバーが誰も死なない」という点が挙げられる。第3作『助け人走る』以降、シリーズ中盤ないしは最終回において、裏稼業のメンバーが死ぬのが定番となっていたが、本作は全員生き残る。次回作の『翔べ! 必殺うらごろし』では従来の殉職パターンが受け継がれており、裏稼業のメンバーに死者が出ない作風は第16作『必殺仕舞人』からしばらく踏襲されるようになる[7]。
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あらすじ
前作『新 必殺からくり人』で、天保太夫一座が絵師の安藤広重の依頼を受け、「東海道五十三次殺し旅」を遂行してから、1年の歳月が流れたある日のこと。天保太夫一座の座長 泣き節お艶(えん)は「出雲のお艶」と名前を変え、一座自体も「出雲太夫一座」と名称を変え、江戸で、小屋掛けの芸人一座を続けていた。
そんな時、舞台の演目に「淫らで不届き」なものがあるとして、お艶たちは奉行所から「江戸十里四方所払い」を言い渡された。突然のことに戸惑う一座だが、役人はさらに小屋を打ち壊し、追い討ちをかける。
小屋も身の回りの物も失い、途方に暮れる一座に、江戸の闇の殺し屋の大元締 西村永寿堂与八が、お艶たちの前に突如現れた。永寿堂はお艶たちが「東海道五十三次殺し旅」を遂行したことを知った上で、江戸の名絵師の葛飾北斎が描く連作風景画『富嶽百景』(『富嶽三十六景』のこと)の絵の中に秘めた一連の悪人退治を依頼してきたのだ。
お艶たちは永寿堂の依頼を受け、永寿堂配下の殺し屋であり、殺しの見届け役兼助っ人として出向参加する唐十郎を仲間に加え、「富嶽百景殺し旅」へと旅立つ。
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登場人物
出雲太夫一座
- 一座の座長。
- 宇蔵 - 芦屋雁之助
- 一座の番頭格で、お艶の用心棒的存在。
- 虫の鈴平 - 江戸家小猫(江戸家猫八 (4代目))[9]
- 一座の芸人で裏稼業の密偵役。
- 一座の踊り子で、裏稼業の密偵役。
永寿堂一派
- 唐十郎 - 沖雅也
- 西村永寿堂配下の殺し屋。一座に連絡係兼助っ人として加わる。殺し屋になる前は板前だった。
- 江戸の殺しの大元締。表稼業は浮世絵の版元であり、実在した三代目西村屋与八にあたる。出雲太夫一座に唐十郎を助っ人加入させる。
北斎親子
- 浮世絵師。富士の青色を出すのに最適な南蛮渡りの高額な絵の具ベロリン(ベロ藍)を求め、戯作者滝沢馬琴の紹介で永寿堂の仕事を請ける。前作で安藤広重の描いた「東海道五十三次」の絵に隠された秘密を教えられ、自らも「富嶽百景」(「富嶽三十六景」のこと)の絵に殺しの依頼を仕込む。
- 北斎の娘。史実では葛飾応為と号した浮世絵師であるが、本作では絵師としての描写はない。
ナレーション
- オープニング - 吉田日出子
- 作 - 早坂暁
- 次回予告 - 野島一郎
ゲスト
- 第1話 「江戸 日本橋」
- 第2話 「隠田の水車」
- 第3話 「駿州片倉茶園ノ不二」
- 第4話 「神奈川沖浪裏」
- 第5話 「本所立川」
- 第6話 「下目黒」
- 第7話 「駿州江尻」
- 第8話 「甲州犬目峠」
- 第9話 「深川万年橋下」
- 本間左近- 岡崎二朗
- 堀田忠典- 横森久
- 大五郎- 木村元
- おたき- 井原千寿子
- 徳兵ヱ - 成瀬昌彦
- ともえ - 田中綾
- 水嶋 - 湯沢勉
- 浪人 - 伴勇太郎
- 易者 - 堀北幸夫
- 老番太 - 伊波一夫
- 悪党の若侍 - 宮川珠季
- 悪党の若侍 - 美鷹健児
- 悪党の若侍 - 広田和彦
- 悪党の若侍 - 加藤正記
- 辰己一家の子分 - 馬場勝義
- 辰己一家の子分 - 橋本和博
- 辰己一家の子分 - 新郷隆
- 辰己一家の子分 - 東悦次
- 辰己一家の子分 - 扇田喜久一
- 辰己一家の子分 - 丸尾好広
- 小倹使 - 松尾勝人
- 目明し - 平井靖
- 連太郎 - 藤川勝也
- 清一郎 - 井野辺亮介
- 子供 - 松本正樹
- 子供 - 松浪一仁
- 第10話 「隅田川関屋の里」
- 第11話 「甲州三坂の水面」
- 第12話 「東海道金谷」
- 第13話 「尾州不二見原」
- 第14話 「凱風快晴」
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殺し技
- 唐十郎
- 釣竿に仕込まれた針で、悪人の首筋を刺す。
- 普段は一尺足らずの筒状だが、伸縮自在で、殺しの際は数メートルにも伸びるため、遠距離戦でも威力を発揮した。釣竿の先の針は接近戦の時に持ち手部分から引き抜き、悪人の首筋を突き刺す。また、この道具を用いる際には必ず右手に紐留めの赤い手袋をはめる。
- 例外的に相手から奪った刀を使用し、斬り倒したこともある(第7話)。
- 撮影前の設定は元侍で、刀を得物とする予定だったが、制作スタッフがこれを良しとせず、元板前として、殺し技も変更された[14]。
- 宇蔵
- 一座の演目に使う、魚釣りの大型魚籠(びく。内側は金属で出来ている)を悪人の頭部に被せたまま、怪力で魚籠を締め上げながら、相手の頭蓋骨を粉砕する。その際、頭蓋骨がバラバラに砕け落ちる様子を、アニメーションなどで表現している[15]。
- 鈴平
- 殺しは行わないが、一座の演目に使う巧みな動物や虫の声帯模写(馬、コオロギなど)を使い、情報収集を行う。
- うさぎ
- 鈴平同様、殺しは行わないが、緑(ふち)の部分が発火するザルを投げ付け、悪人たちを威嚇・牽制する[16]。
- 第1話の冒頭では、唐十郎を味方とは知らなかったため、彼の目前で威嚇に使用している。
- 出雲のお艶
- 三味線の撥で、悪人の喉を斬り裂き、首筋を突き刺す。
- 本作では撥に加え、至る所が武器となる仕込み三味線を使用。弦が外れた後、仕込んである太い針や槍の刃で悪人の急所を刺す(第2話他)。他にも弦の糸で首を絞めて動きを止めたり、糸巻きの部分に太めの針が仕込んであり、これを手裏剣代わりに悪人目掛けて投げ付けたり(第9話)、相手の首筋を刺し殺したりもした(第13話)。
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スタッフ
主題歌
放送日程
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ネット局
- 系列は放送当時のもの。
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脚注
前後番組
外部リンク
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