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第79回東京箱根間往復大学駅伝競走
2003年の箱根駅伝 ウィキペディアから
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第79回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい79かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、2003年(平成15年)1月2日から1月3日までに開催された第79回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。
実施日程
変更点
- 今大会から出場枠が20チームに拡大され、予選通過校は前回から4校増の10校となった。これに加え、オープン参加の関東学連選抜チームが編成された。
- 予選会の順位決定方法も見直された。予選会に参加する各校には関東インカレの順位とエントリー数を反映した関東インカレポイントが与えられ、7位以下の順位は上位10人の合計タイムからインカレポイントに応じたタイム(1P=10秒)を減算した結果で決定することとなった。
- これまで上位9校に与えられていたシード権を上位10校に拡大。次回の予選通過校は9校となる。
- 選手エントリーの人数が14人から16人に拡大された。区間エントリー発表時に出走予定者10人と補欠4人を選ぶ形式となった。
- これまでの監察車に代わり、各校1台の運営管理車が導入された。運営管理車には監督・コーチが同乗し、選手に助言を与えることができるようになった。第64回大会まで存在した監督車の復活と言える。
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参加大学
1 | 駒澤大学 | 前年1位 | 37年連続37回目 |
---|---|---|---|
2 | 順天堂大学 | 前年2位 | 46年連続46回目 |
3 | 早稲田大学 | 前年3位 | 27年連続72回目 |
4 | 中央大学 | 前年4位 | 74年連続77回目 |
5 | 大東文化大学 | 前年5位 | 36年連続36回目 |
6 | 神奈川大学 | 前年6位 | 12年連続35回目 |
7 | 亜細亜大学 | 前年7位 | 2年連続26回目 |
8 | 帝京大学 | 前年8位 | 6年連続6回目 |
9 | 山梨学院大学 | 前年9位 | 17年連続17回目 |
10 | 東海大学 | 予選1位/前年14位 | 31年連続31回目 |
11 | 東洋大学 | 予選2位/第76回 15位 | 3年ぶり61回目 |
12 | 法政大学 | 予選3位/前年棄権 | 5年連続67回目 |
13 | 日本大学 | 予選4位/前年10位 | 6年連続74回目 |
14 | 中央学院大学 | 予選5位/第75回 13位 | 4年ぶり4回目 |
15 | 日本体育大学 | 予選6位/前年11位 | 55年連続55回目 |
16 | 拓殖大学 | 予選7位/第77回 12位 | 2年ぶり30回目 |
17 | 國學院大学 | 予選8位/第77回 14位 | 2年ぶり2回目 |
18 | 関東学院大学 | 予選9位/前年12位 | 2年連続5回目 |
19 | 専修大学 | 予選10位/前年13位 | 2年連続60回目 |
20 | 関東学連選抜 | (オープン参加/区間記録のみ公認) |
概要
要約
視点
戦前予想
前哨戦の全日本大学駅伝で2連覇を達成し、2連覇を狙う駒澤大学を筆頭に、前哨戦の出雲駅伝で優勝した山梨学院大学が対抗馬になると予想された。
区間エントリー時に山梨学院大学は2人の留学生に加えて、日本人エース格の橋ノ口・高見澤の2枚看板を1〜4区に配置。往路で駒澤大学にどれだけの貯金を作り復路に望めるかが焦点になると、レース前には目されていた。
往路
1区
前回大会と同様スローペースの展開となり、誰一人遅れることなく一団のまま六郷橋を上る。橋の中間地点で学連選抜・坂齋亨が仕掛けると、直後に駒大・内田直将が一気にスパート。食らいつく山梨学大・橋ノ口滝一を19.3kmで振り切りトップでタスキリレー。駒大の1区区間賞は初めて。
橋ノ口を吸収した2位集団からは残り1kmで神大・下里和義が抜け出し、12秒差でタスキリレー。3位の橋ノ口以降は大混戦となり、最後尾の関学院大までわずか1分01秒の間に20本のタスキがリレーされた。
2区
先頭の駒大・松下龍治は快調なペースでスタートを切るが、15秒差の3位でタスキを受けた前年区間賞を獲得している山梨学大のオンベチェ・モカンバが猛烈な突っ込みを見せわずか2kmで松下に追いつく。さらに20秒差の11番手でタスキを受けた日大・清水将也もハイペースで突っ込み、5.9kmで先頭に並ぶ。18秒差の9番手でタスキを受けた中大・藤原正和も7.2kmで追いつき、4人の先頭集団が形成された。
後方でも激しい順位変動が起こっており、39秒差の16番手でタスキを受けた中央学大・福山良祐が、6番手でスタートした東洋大・三行幸一を引き連れながら10kmで11人を抜き5位に浮上。さらに50秒差の19番手でタスキを受けた順大・中川拓郎と、1分01秒差の最後尾でタスキを受けた関学院大・尾田賢典が併走しながら12人を抜き7位に浮上。前を行く福山を射程に捉える。中川と尾田はこの時点で東農大・服部誠が第50回大会で記録した12人のごぼう抜き記録に並んだ。さらに中川は12.6kmで尾田を振り切り福山と三行に追いつくと、16.9kmで単独5位に浮上する。
先頭争いは15kmで清水が脱落。21kmでモカンバも遅れ、松下と藤原の一騎打ちとなる。残り1kmで藤原がスパートをかけ松下を突き放し、中大が戸塚中継所を35年ぶりにトップでタスキリレー。藤原は8人抜きの快走で区間賞を獲得した。松下が9秒差、モカンバが28秒差で続いた。
追いすがる福山を振り切った中川は21.9kmで清水を捉え、歴代最多となる15人をごぼう抜きし1分20秒差の4位に浮上した。福山は19.8kmで三行に抜き返されたものの9人抜きで7位、尾田は12人抜きで8位に浮上。17番手でタスキを受けた早大・森村哲は序盤に中川と尾田にあっさりと抜かれるなど、権太坂までは16位と苦戦していたが、終盤急激にペースを上げ8人を抜き、序盤に抜かれた尾田にも5秒差にまで詰め、9位にジャンプアップした。一方、拓大と大東大は7人、法大と学連選抜は9人、亜大は14人、神大は原田恵章が区間19位のブレーキで17人に抜かれ(1区間で17人に抜かれたのは、現在もワースト記録となっている)、それぞれ大きく後退した。
3区
先頭の中大・池上誠悟は積極的な走りで駒大の1年生・佐藤慎悟を突き放し、藤沢の定点で両者の差は43秒に広がる。その佐藤は3位の山梨学大・高見澤勝に藤沢で7秒差まで詰められるも、中盤からは15秒ほどの差をキープする。
3区でも中・下位の混戦は続く。17番手でタスキを受けた大東大・田子康晴と、最後尾でタスキを受けた國學院大・山岡雅義が池上以上のハイペースでぐんぐん順位を上げていく。
池上は最後まで安定した走りで区間3位と好走し、中大が平塚中継所を16年ぶりにトップでタスキリレー。佐藤は終盤盛り返し29秒差、高見澤は49秒差でタスキを繋ぐ。
田子は17番手から9人を抜き8位に浮上。山岡も最後尾から9人を抜き11位に浮上した。区間賞争いは山岡が田子を1秒抑え、國學院大史上初の区間賞を獲得した。一方専大は7人に抜かれ19番手、法大も6人に抜かれ最後尾に後退している。
4区
3位でタスキを受けた山梨学大のデビット・カリウキが、20秒前を行く駒大・塩川雄也を3kmで捉えると、併走ののち4kmで突き放す。さらに先頭の中大・池永和樹も6.5kmで捉え、7kmで単独首位に浮上する。後方では1分47秒差の5位でタスキを受けた日大・藤井周一が快走。5.0Kmで順大・和田真幸を、16.8Kmで塩川をかわすと、18.7kmで池永も捉え2位に浮上する。
カリウキは区間記録に36秒と迫る歴代2位の快走を見せ、山梨学大が小田原中継所を9年ぶりにトップでタスキリレー。藤井も区間2位の好走で1分30秒差の2位でタスキを繋ぐ。3位中大は1分50秒、4位駒大は1分57秒の差をつけられた。
中位争いでは神大・藤本聖が学連選抜を含めて6人を抜き、16位から11位に浮上している。
5区
3位の駒大・田中宏樹がハイペースで前を追い、7.5kmで日大をかわし2位に浮上。トップの山梨学大・森本直人との差を20秒以上詰めるも、森本は堅実な走りでそれ以上差を詰めさせない。一方、タスキリレー直後に田中にかわされた中大・高橋憲昭は序盤から非常に苦しい走りとなり、ズルズルと順位を下げてしまう。
森本は区間4位の好走で後続を寄せ付けず、山梨学大がこれまでの往路記録を2分34秒も更新する往路新記録で、第70回大会以来9年ぶりの往路優勝を飾った。1分39秒差の2位駒大も往路新記録。田中は区間2位の走りを見せたが、森本との差は18秒しか縮まらなかった。
日大が3分13秒差の3位。大東大は馬場周太が3人を抜き4分34秒差の4位。東海大の1年生・中井祥太はこれまでの記録を7秒上回る区間新記録の快走で10位から5位に順位を押し上げた。2区以降中位争いに食らいついた日体大が6位に入り、第71回大会以来久しぶりに上位に食い込んだ。
シード権争いは7位順大から14位拓大までが3分以内にひしめく大混戦。2区を終わって18位だった神大は三宅達也が3人を抜き8位まで盛り返し、4区を終わって16位だった早大も五十嵐毅が6人抜きの快走でシード圏内の10位でゴール。3年ぶり出場の東洋大は4区まで5位につける健闘で往路9位、4年ぶり出場の中央学大は3区以降も粘って11位につけた。中大・高橋は区間19位の大ブレーキで9人に抜かれ12位まで順位を落とした。
学連選抜・亜大・関学院大・法大・専大の5チームが復路一斉スタートとなった。
復路
6区
芦ノ湖は第61回大会以来18年ぶりに大雪となり、路面にうっすらと雪が積もる状況で山を駆け下ることになった。
首位争いは、前回6区区間2位の駒大・吉田繁が大きく差を詰めてくるものと思われたが、山梨学大・川嶋洋平も快調なペースで駆け下ると終盤の平地で逆に吉田を突き放し、小田原中継所を8年ぶりにトップでタスキリレー。その差は1分41秒となった。
往路をまさかの12位で終えた中大は、野村俊輔が8.3kmでシード圏内の10位に浮上すると、2分半近い差があった順大を17.2kmで捉え、4人抜きで8位に浮上。野村は厳しいコンディションのなかで唯一人58分台の激走を見せ、区間2位に1分33秒の大差をつけ区間賞を獲得した。
シード権争いは早大が10位をキープし、拓大が14位から11位に浮上。東洋大が9位から12位、中央学大が11位から13位に後退したが、10位早大から15位帝京大まで1分30秒以内にひしめく混戦が続く。
7区
2位の駒大・糟谷悟がハイペースで突っ込み、トップとの差を6kmで28秒詰める。しかし山梨学大・岩永暁如は安定した走りで中盤から糟谷を突き放し、その差を1分53秒に広げてタスキリレー。区間賞を獲得する快走であった。
上位争いは15km地点で4位日体大から9位順大まで25秒以内の混戦。10位でタスキを受けた早大は、前回7区区間賞の空山隆児が故障で当日エントリー変更された影響もあり15位まで後退。シード権争いは拓大と東洋大が10位を併走する展開となる。残り1kmで東洋大・奥田孝志がスパートし10位でタスキリレー。7秒差で拓大が続き、およそ1分の差で帝京大・中央学大・國學院大が追う。
8区
先頭の山梨学大・北原英一は序盤をスローペースで入ったのに対し、駒大・太田貴之は1km3分のイーブンペースを守り続け、12kmでその差はついに1分を切る。しかし北原も中盤以降粘ってそれ以上差を詰めさせず、山梨学大が戸塚中継所を9年ぶりにトップでタスキリレー。太田は区間賞の快走を見せ、58秒差でタスキを繋いだ。
上位争いは13km地点で6校が再び30秒以内に接近する大混戦。その中で中大・家高晋吾が9位から6位に浮上、神大は6位から9位に後退する。
シード権争いは東洋大と拓大の併走が10km以上に渡って続いていたが、帝京大の1年生・佐藤拓也が区間3位の好走で1分あった差を詰め、15kmで2人をまとめてかわし10位に浮上する。さらに中央学大・藤本昌也も中継所手前で2人を捉え、9秒差の11位。東洋大は10位と19秒差の12位、拓大は10位と26秒差の13位に後退した。
9区
7区以降止んでいた雪が再び舞い始め、朝方よりもさらに冷え込むコンディションとなった。
主将対決となった首位争いは、駒大・島村清孝が権太坂を過ぎて一気に差を詰め、15.8kmで山梨学大・清家健を捉えると並ぶ間もなくスパートし首位逆転。あっという間に清家を突き放すと、区間記録更新を狙ってさらにペースを上げ、山梨学大に1分31秒の差をつけトップでタスキリレー。島村は区間記録にあと2秒と迫る激走を見せた。
上位争いは7位でタスキを受けた大東大・山脇拓哉がわずか3kmで4位に浮上すると、区間2位の快走で後続との差を広げ、上位を確実なものとする。後方では9位でタスキを受けた神大・島田健一郎が前を行く順大・三原幸男と競り合いながら6位まで順位を上げる。一方で東海大は5位から8位、日体大は4位から9位に順位を下げズルズルと後退していく。
シード権争いは大混戦となり、2.2kmで帝京大・中央学大・東洋大・拓大の4校が10位集団を形成。10km以上の併走の末15.2kmで帝京大が脱落すると残る3人はさらにペースを上げ、8区終了時点では3分以上前を走っていたはずの日体大を目の前に捉える。鶴見中継所では9位日体大、3秒差の10位に中央学大、2秒遅れて11位東洋大、直後に12位拓大と雪崩れ込むようにタスキリレー。8位東海大を含めてもわずか32秒の間に5校がひしめく混沌とした展開となった。帝京大は10位から1分15秒離され、4年連続のシード権獲得は厳しくなった。
下位校も粘りの走りを見せ、繰り上げスタートまで残り1分30秒を切ったところで17番手以下の4チームが相次いでタスキリレー。全てのチームが繰り上げスタートなく一本のタスキを繋ぎきったのは、第63回大会以来16年ぶりであった。
10区
雪がさらに激しくなり気温も氷点下となるなか、トップの駒大・北浦政史は序盤から区間記録を上回るペースで積極的に飛ばす。2位の山梨学大・森和治もハイペースで追っていたが、北浦との差は全く縮まらず10km以降はペースを落としてしまう。
後方では東洋大・日体大・中央学大の3校が10位集団を形成し、競り合いながら前を行く東海大を追う。拓大は3校についていけずシード権争いから脱落した。
北浦は最後までペースを落とすことなく後続を突き放し、駒大が2年連続3回目の総合優勝を飾った。北浦は区間記録を24秒上回る1時間09分54秒の区間新記録を樹立し2連覇に花を添えた。駒大は8区以降3連続区間賞で復路2連覇も果たした。
山梨学大は4分41秒差の2位。8年ぶりの総合優勝は逃したが3年連続9位から躍進した。3位日大は5区中盤から一人旅となったが、7区と9区で区間2位となるなど復路でも力のあるところを見せ2年ぶりのシード権獲得。日大は第68回大会以来11年ぶりの3位以内。2区を終わって16位だった大東大、往路12位だった中大はそれぞれ大きく盛り返して4位・5位でゴールした。
シード権争いは最後の最後までわからない大混戦となった。3人の10位集団からはまず10kmで中央学大・魚崎裕司が後退。さらに17kmで東洋大・岩田豪が日体大・青野宰明を突き放し、前を行く東海大・影山淳一を捉える。その前方ではペースの上がらない神大・町野英也と順大・春田真臣がズルズルと落ちてきており、岩田はそのまま神大・順大を相次いでかわし6位でゴール。岩田の区間2位・10区歴代最多の5人抜きの快走で、東洋大は4年ぶりのシード権を獲得した。東洋大の6位は第58回大会以来21年ぶり。続いて岩田に食らいついた影山が7位でゴール。東海大も3年ぶりのシード返り咲きとなった。
順大・春田は区間17位と苦しみながらもなんとか粘って8位でゴール。しかし神大・町野の失速は止まらず、20.5kmで青野に捉えられ10位に後退する。そのすぐ後ろでは魚崎が粘りの走りを続けており、21.4kmで魚崎が町野を逆転した。日体大は9区以降苦しみながらも、青野が区間4位の走りを見せ第72回大会以来7年ぶりにシード権を獲得。中央学大は4回目の出場で初めてタスキを一本で繋ぐとともに、魚崎の区間3位の好走で初のシード権も獲得した。予選会を通過した10校のうち5校がシード権を獲得する大激戦であった。
神大は9区終了時点で6位。10位中央学大とは2分22秒の大差をつけていたが、町野が区間最下位・5人に抜かれる大ブレーキでまさかのシード落ちとなった。神大のシード落ちは途中棄権となった第72回大会以来7年ぶり、それを除くと第68回大会以来11年ぶり。
帝京大は13位で4年ぶりのシード落ち。前回3位の早大は復路で苦戦し、15位と惨敗。前回久々にシード権を獲得した亜大は2区以降見せ場を作れず17位と低迷した。関東学連選抜は16位相当の記録を残した。
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成績
要約
視点
- 総合優勝
- 駒澤大学 11時間03分47秒(2年連続3回目)
- 往路優勝
- 山梨学院大学 5時間31分06秒(9年ぶり3回目)
- 復路優勝
- 駒澤大学 5時間31分02秒(2年連続4回目)
総合成績
- (「-」はオープン参加のため順位なし)
- ※10位以内の大学は次大会のシード校
- *1 復路一斉スタート
往路成績
- (「-」はオープン参加のため順位なし)
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
復路成績
- (「-」はオープン参加のため順位なし)
- *1 復路一斉スタート
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
個人記録
区間賞
國學院大学の山岡雅義は大学史上初めての区間賞獲得。
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
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予選会
成績
個人成績(上位10名)
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外部リンク
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