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第83回東京箱根間往復大学駅伝競走
2007年の箱根駅伝 ウィキペディアから
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第83回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい83かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、2007年(平成19年)1月2日から1月3日までに開催された第83回目の東京箱根間往復大学駅伝競走である。
実施日程
区間
- 往路
- 第1区(21.4km)大手町読売新聞東京本社前~鶴見
- 第2区(23.2km)鶴見~戸塚
- 第3区(21.5km)戸塚~平塚
- 第4区(18.5km)平塚~小田原
- 第5区(23.4km)小田原~箱根町芦ノ湖駐車場入口
- 復路
- 第6区(20.8km)箱根町芦ノ湖駐車場入口~小田原
- 第7区(21.3km)小田原~平塚
- 第8区(21.5km)平塚~戸塚
- 第9区(23.2km)戸塚~鶴見
- 第10区(23.1km)鶴見~日本橋~大手町読売新聞東京本社前
主な変更
- これまでオープン参加だった関東学連選抜が今大会から正式参加となり、参考記録扱いだった総合成績・往路成績・復路成績も公認扱いとなった(区間記録は当初から公認扱い)。さらに学連選抜が10位以内に入ると、翌年の予選会からの出場枠が1校増えることになった。
- 第79回以降、16人のチームエントリーから区間エントリー10人と補欠4人を選ぶ形式であったが、今回から補欠の人数が6人となった。なお当日エントリー変更はこれまでと変わらず4人まで。
参加大学
全ての大学が連続出場を果たした。
予選会では拓殖大が上位10人の合計タイムで7位につけたものの、関東インカレポイントによる減算で城西大・大東大・国士大の3校に逆転を許し、2年連続次点で本戦出場を逃した。9位の国士大とはわずか1秒差であった。
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概要
要約
視点
往路
1区
スタート直後から東海大の佐藤悠基が飛び出す。1km2分50秒を切るとてつもないハイペースで、唯一人食らいついた東洋大・大西智也を2kmで突き放し、独走態勢を築く。一方の3位集団は1km3分15秒近くかかる極端なスローペースとなったこともあり、佐藤はわずか5kmで大西に34秒、3位集団に2分09秒の大差をつけた。
一人旅となった大西は12kmから右脇腹を抑えペースダウン。蒲田の定点では佐藤と2分33秒の大差がついてしまう。しかし大西を追う3位集団も一向にペースが上がらず、蒲田では佐藤から4分27秒も離された。
佐藤はその後も区間記録を遥かに上回るペースで独走を続けていたが、16km手前から腕に痙攣を起こし苦しい表情になる。六郷橋に入ると今度は脚に痙攣を起こし、太股を抑え立ち止まりそうになってしまう。それでも20kmでは区間記録を40秒も上回るタイムを刻み、そのままトップでタスキリレー。佐藤は第70回大会で渡辺康幸が記録した1時間01分13秒を13年ぶりに更新する、1時間01分06秒の区間新記録を叩き出した。
3位集団は六郷橋の上りで専大・長谷川淳が仕掛けると、橋の中間地点から城西大の1年生・高橋優太がスパートし、ペースの落ちた大西を視界に捉える。それでも大西がなんとか逃げ切り2位でタスキリレー。しかし佐藤とは4分01秒の大差がついた。高橋は4分12秒差の3位、長谷川が4位で続いた。5位以下は団子状態で中継所に雪崩れ込み、大西から20位の国士大までわずか1分の間に19チームがタスキを繋いだ。
2区
大逃げとなった東海大は、2区の伊達秀晃も区間2位の好走。4分以上のリードを保ったまま3区に繋いだ。後方では11位でタスキを受けた山梨学大のメクボ・ジョブ・モグスが序盤から猛烈なペースで飛ばし、3.4kmで9人を抜き2位に浮上する。3位争いは早大・竹澤健介と東洋大・黒崎拓克が8km手前から激しい争いを繰り広げる。
モグスは18kmを区間記録より1分41秒も早いタイムで通過し前を追っていたが、20km手前から急失速。残り1km地点で黒崎と竹澤に相次いでかわされると、残り350mで専大・座間紅祢、日体大・保科光作にも抜き返され、6位でタスキを渡した。
22km手前で竹澤を突き放した黒崎が4分11秒差の2位でタスキリレー。竹澤は区間賞を獲得する快走で6人を抜き、4分20秒差の3位で続いた。前回往路優勝の順大は12位、2年ぶりの優勝を狙う駒大は13位、前回総合優勝の亜大は16位、前回復路優勝の法大は18位と苦しい序盤戦となる。
3区
17位でタスキを受けた中大・上野裕一郎が猛追を見せ、13.3kmで10人を抜いて7位に浮上する。17km過ぎから脚を叩く仕草を見せペースを落とし、中央学大・篠藤淳に抜き返されたものの、9人抜きを演じて自身初の区間賞を獲得した。なお、13年後の第98回大会で吉居大和が1区で区間賞を獲得するまで中大勢の区間賞獲得から遠ざかっていた。
日大のギタウ・ダニエルも4人を抜き4位に浮上。
一方首位をひた走っていた東海大は、藤原昌隆が中盤以降ペースが上がらず、区間18位と失速。 2位争いは、早大の藤森憲秀が3kmで東洋大の山本浩之に追い付くと、そこから併走し、残り200mでスパートを掛けると、2位に浮上。東海大との差を2分13秒まで縮め、3位の東洋大も2分17秒差にまで縮めた。
4区
東海大は小泉元が区間4位の危なげない走りで首位をキープ。早大との2位争いから抜け出した東洋大に2分19秒の差をつけ山登りへ。日大は1年生中原知大が区間2位の好走を見せ3位に浮上する。
後方では順大・佐藤秀和が区間賞の走りで4人を抜き5位に浮上。トップと4分09秒差で今井正人にタスキを渡した。駒大・高井和治も5人を抜き9位に浮上する。
一方、前回小田原中継所をトップで通過した中大・小林賢輔は右足底の故障を起こし失速。10人に抜かれ18位に転落する。
5区
5位でタスキを受けた順大・今井は、2秒後方でタスキを受けた日体大・北村聡と併走しながら、前年の再現を見るかのような猛烈なペースで山を登っていく。8.3kmで日大をかわし3位に浮上すると、追いすがる北村を9kmで突き放し、9.8kmで東洋大をかわして2位に浮上。16kmで東海大・石田和也を捉え首位を奪還した。今井は自身の区間記録を25秒更新する区間新記録で、順大が2位東海大に1分42秒の差をつけ往路連覇を果たした。北村が3分20秒差の3位に入った。
4区まで2位につけていた東洋大は、1年生の釜石慶太が区間17位のブレーキで10位に転落した。駒大は5分32秒差の7位、亜大は7分16秒差の13位と苦しい往路になり、ともに優勝は絶望的となった。中大は山本亮が区間3位の好走を見せたが18位から14位に浮上するのがやっとで、23年連続のシード権獲得に暗雲が漂う結果となった。シード権争いは熾烈を極め、8位専大から12位城西大までわずか43秒、14位中大まで広げても1分44秒の間にひしめき合う状況となった。
法大・神奈川大・國學院大・国士大・学連選抜の5チームが復路一斉スタートとなった。
復路
6区
順大は清野純一が区間8位とまずまずの走りで首位をキープ。2位東海大との差を1分52秒に広げる。4年連続の山下りとなった日大・末吉翔が悲願の区間賞を獲得し、5位から3位に浮上する。
シード権争いでは、41年ぶりのシード獲得を目指す明大が10位に浮上。山梨学大が9位から11位に後退した。2年連続6区区間2位の法大・松垣省吾は区間13位と振るわなかった。
7区
順大は7区の井野洋も区間4位と堅実な走りを見せたが、2位の東海大・植木崇行が区間2位と好走しその差は1分25秒に縮まる。
4位でタスキを受けた日体大・鷲見知彦は中盤からペースを上げ、一旦は離された日大を捉え再び3位に浮上。区間賞の走りでトップと1分51秒差まで詰め寄った。
シード権争いは14.1kmで明大・山梨学大・城西大・中大の4校による10位集団が形成され、中大の1年生・山本庸平が最後に抜け出しシード圏内に浮上。3秒差で城西大が続く。前回この区間で区間賞を獲得した法大・柳沼晃太は区間17位のブレーキで、シード権争いから4分以上離されてしまった。
8区
前回は順大にとって悪夢の区間となった8区だが、今回は板倉具視が区間4位の安定した走りで首位を堅持。東海大との差を2分08秒に広げる。
4位の日大は笹谷拓磨が区間3位の好走で日体大をかわし、東海大とわずか5秒差まで追い上げる。区間賞は7位から5位に順位を押し上げた東洋大・北島寿典が獲得した。
シード権争いは中大・森誠則と城西大・五十嵐真悟が10位を併走していたが、15km手前で五十嵐が森を突き放す。五十嵐は区間2位の好走で前を行く中央学大と駒大を相次いでかわし8位に浮上。森は脚に痙攣を起こし、中継所まで残り500m地点で亜大に捉えられ12位に後退した。7位専大から12位中大まで1分19秒の間にひしめく大混戦のまま残り2区間を迎えることになった。
9区
向かい風が強くなるなか、4年連続の9区となる順大・長門俊介は冷静に後続との差を広げる。後方では専大・城西大・駒大が7位集団を形成。その後ろでは亜大・菊池昌寿が7km手前で中央学大を捉えようやくシード圏内に浮上する。
長門は前半抑えて後半ペースを上げる理想的な走りで区間賞を獲得。2位東海大に3分20秒の差をつけアンカーへとタスキを繋いだ。
シード権争いは大きく順位が入れ替わる。7位集団からは駒大・堺晃一が抜け出し、城西大・橋本圭史が後退。菊池が橋本をかわすと19.4kmで専大・湯野隆太朗も捉え8位に浮上する。さらに後方からは中大・徳地悠一が猛追を見せ、17.5kmで橋本を捉え10位に浮上。菊池は区間2位、徳地は区間3位の好走であった。鶴見中継所では7位が駒大、17秒差で8位亜大、8秒遅れて9位専大、さらに9秒遅れて10位中大。城西大は中大と31秒差の11位でタスキを渡した。中央学大は中大から2分以上離され、シード獲得は厳しくなった。
鶴見中継所では、國學院大が繰り上げまで残り17秒というところで無事にタスキを繋いだが、神奈川大と学連選抜が繰り上げスタートとなった。中継所での繰り上げスタートが行われたのは第80回大会以来3年ぶり。神奈川大はあと26秒届かず、第72回大会の途中棄権以来の繰り上げとなった。
10区
トップの順大・松瀬元太は向かい風をものともせず、区間記録とほぼ変わらないペースを刻む。シード権争いは11.2kmで駒大・亜大・専大・中大の4校が7位集団を形成。30秒差で城西大・福岡功が単独で追いかける展開となった。
松瀬は残り3kmで山田紘之の持つ区間記録から19秒遅れていたが、懸命にペースを上げて大手町を目指す。最終的に山田の記録を6秒上回る区間新記録の快走でフィニッシュ。順大は往路・復路をともに制し、前回8区の大ブレーキで掴み損ねた総合優勝を2年越しで勝ち取った。
2位争いは日大・阿久津尚二が44秒の差を詰めて17.2kmで東海大・吉田憲正に追いつくと、残り1kmでスパート。日大が6分13秒差で第68回大会以来15年ぶりの総合2位に入った。日大は2006年シーズンの三大駅伝全てで2位という珍記録。東海大は過去最高タイの2位をあと一歩で逃した。6位の早大は一度もシード圏外に落ちることなく5年ぶりにシード権を獲得した。
7位集団は競り合いながら城西大との差を1分30秒以上に広げていたが、19kmを過ぎて駒大・治郎丸健一がスパートし、亜大・岡田晃が苦しい走りで大きく後退した。そのまま治郎丸が7位でゴール。駒大は優勝争いに全く絡むことができず、10年ぶりの6位以下となった。8位中大は苦しみながらも23年連続のシード権獲得。9位専大は第71回大会以来12年ぶりのシード権獲得となった。前回総合優勝の亜大はシード権ギリギリの10位でフィニッシュ。結果的に10区スタート時点で10位以内の大学がそのままシード権を獲得した。城西大は1分36秒差の11位と、2年続けてシード権まであと一歩届かなかった。
前回2位の山梨学大は7区終盤で10位集団から離されて以降、じりじりと差を広げられ総合12位。前回復路優勝の法大は序盤の出遅れが響き、復路でも見せ場を作れず10区でようやく総合15位に浮上するに留まった。「戦国駅伝」の前評判通り波乱含みの結果で幕を閉じた。
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成績
要約
視点
- 完全優勝(総合・往路・復路の全部門優勝)
- 順天堂大学 - 18年ぶり 3回目(第80回大会以来、大会史上3年ぶり36回目)
- 金栗四三杯
- 佐藤悠基(東海大):1区・区間新記録
- 今井正人(順天堂大):5区・区間新記録
総合成績
※上位10校は次大会のシード権を獲得。
- *1:復路一斉スタート
- *2:復路・鶴見中継所で繰り上げスタート
往路成績
※往路15位までが復路時差スタート、往路16位以降は復路スタートから10分後に一斉スタート。
復路成績
- *1:復路一斉スタート
- *2:復路・鶴見中継所で繰り上げスタート
区間賞
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
エントリー一覧
名前の後ろの(数字)は学年。
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予選会
要約
視点
成績
※予選上位9校が本大会出場校。
※予選上位6校はレースタイムで、7位以下は最終総合タイムで順位を決める。
※最終総合タイム = レースタイム - アドバンテージタイム
※東京経済大学は10人目が途中棄権のため記録なし
個人順位(上位10名)
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テレビ視聴率
外部リンク
- 第83回大会(箱根駅伝公式サイト)
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