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第98回東京箱根間往復大学駅伝競走

2022年の箱根駅伝 ウィキペディアから

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第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい98かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、2022年令和4年)1月2日1月3日に開催された98回目の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)である。

概要 試合日程, 出場校 ...

新型コロナウイルスによる影響

前回大会同様、新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、予選会は無観客にて開催。

本戦でも前回に引き続き「応援したいから、応援にいかない。」のキャッチコピーの下、沿道での応援の自粛を呼びかける声明を発表。

スタート・フィニッシュ地点及び各中継所での各種イベントも、1月2日芦ノ湖と1月3日大手町での号外配布と読売新聞東京本社報知新聞社による小旗配布も全て中止された[2]

実施日程

区間

さらに見る 総距離 217.1 km, 中継所 ...
さらに見る 往路, 復路 ...

参加大学

要約
視点

第97回大会の上位10校(シード校)と予選会通過校10校、これにオープン参加の関東学生連合チームを合わせた全21チームが参加。中央学院大学が2年ぶりに出場、駿河台大学が初出場を果たした。一方前回出場校では、拓殖大学城西大学が予選会で敗退した。

さらに見る シード校 (10校), No. ...

※ナンバーカードの数字はNo.1 - No.10が前年順位、No.11 - No.20は予選会順位の順。

出場選手

さらに見る No. / 大学名, 区間エントリー選手(No. / 選手名,学年,年齢) ...
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概要

要約
視点

前回大会10区で逆転し13年ぶりの総合優勝を果たした駒大は、今シーズン全日本大学駅伝を2連覇して箱根を迎えた。これに、史上初めてエントリー16人全員が10000m28分台という層の厚さを誇る青学大の2校による優勝争いが予想されていた。その他、出雲駅伝で初出場・初優勝を果たした東国大や、前回往路優勝のメンバーが4人残る創価大東京オリンピック3000m障害7位入賞の三浦龍司を擁する順大、10000m27分台ランナーを3人擁する早大、総合力の高い東洋大國學院大明大も上位候補に挙がる[3]

往路

1区

中大・吉居大和が先頭を引っ張り、最初の1kmを2分50秒・5kmを14分07秒で通過するハイペースの展開。すると縦一列になった集団から吉居がさらにペースを上げ、5.6kmで集団から抜け出す。10kmを27分58秒で通過した吉居は1km2分45秒前後の快調なペースで後続との差をぐんぐん広げていき、蒲田の定点では2位集団に1分18秒の差をつける。吉居は終盤こそ苦しい表情となり、20kmでは脇腹を押さえる仕草を見せたものの最後まで押し切り、中大が第77回大会以来21年ぶりに鶴見中継所をトップでタスキリレー。吉居は第83回大会で東海大・佐藤悠基が打ち立てた1時間01分06秒を26秒上回る、1時間00分40秒の区間新記録を樹立した。中大の区間賞は第83回大会3区の上野裕一郎以来15年ぶり。

10kmまでに4人が脱落し16人となった2位集団も、10kmを28分29秒で通過し1km2分50秒前後のハイペースで推移。16kmからスパート合戦が始まり、19kmを過ぎて駒大・唐澤拓海、青学大・志貴勇斗、東海大・市村朋樹、國學院大・藤木宏太、専大・木村暁仁の5人に絞られる。残り1kmを切ったところで唐澤がスパート。唐澤は、歴代4位となる1時間01分19秒を記録し、吉居との差を39秒差に留め、2位でタスキリレー。5秒遅れて市村、木村、志貴、藤木の順で続いた。9位(10番手)の法大・内田隼太まで10人が1時間02分を切る好タイムを記録するハイレベルなレースとなった。

2位集団から脱落した4校は大きく突き放された。順大は平駿介が9km過ぎで集団から遅れ、3分12秒差の19番手で三浦龍司にタスキリレー。予選会日本人トップの中央学大・栗原啓吾は6.7kmで2位集団から真っ先に脱落。鶴見中継所では4分07秒差をつけられるまさかの展開となった。

2区

駒大の主将・田澤廉は5kmを14分05秒で入ると、7.2kmで中大・手島駿をかわしトップに立つ。中位からは、5位でタスキを受けた青学大・近藤幸太郎、8番手でタスキを受けた東国大のイェゴン・ヴィンセント、11番手でタスキを受けた国士大のライモイ・ヴィンセントが追い上げを見せる。さらに後方では、15番手でタスキを受けた山梨学大のポール・オニエゴと、16番手でタスキを受けた創価大のフィリップ・ムルワが競り合いながらごぼう抜きを展開する。

田澤は権太坂の定点を相澤晃の持つ日本人最高記録よりも10秒早いタイムで通過。終盤まで区間記録に迫るペースで後続との差を着々と広げ、2区歴代4位・日本人歴代2位となる1時間06分13秒の快走で戸塚中継所をトップでタスキリレー。駒大の2区区間賞は、第62回大会大八木弘明以来36年ぶり。1分02秒差の2位に近藤、1分12秒差の3位に8人抜きのライモイ・ヴィンセントが続いた。

区間記録保持者のイェゴン・ヴィンセントはライモイ・ヴィンセントと競り合いながら4位まで順位を押し上げたものの、5km過ぎから左足に痛みを起こし前回ほどのペースを刻むことはできず、区間5位に留まった。5位争いでは帝京大・中村風馬が権太坂からムルワとオニエゴの争いに加わり、最後は2人に競り勝ち1分29秒差の5位。ムルワは10人抜きで6位に浮上、オニエゴも8人抜きの7位で続いた。

トップでタスキを受けた手島は11位に後退。東海大は3位から17番手、専大は4位から19番手に転落する。チーム事情で急遽2区を走ることになった順大・三浦は、日体大・藤本珠輝と競り合いながら前を追ったが区間11位に留まり、18番手でタスキリレー。日本インカレ10000m2連覇の実力を持つ駿河台大のジェームズ・ブヌカは、大会前に新型コロナウイルスのワクチン接種で体調を崩した影響で、区間19位に終わった。

2区では田澤、ライモイ・ヴィンセント、ムルワ、オニエゴの4人が1時間06分台を記録。ライモイ・ヴィンセントは早稲田大・渡辺康幸、山梨学院大・メクボ・ジョブ・モグス以来、史上3人目となる2回目の1時間06分台を記録した。12人が1時間08分を切る好タイムをマークした。

3区

先頭の駒大・安原太陽は序盤から落ち着いたペースを刻む。2位争いは東国大・丹所健がハイペースで突っ込み、3.4kmで青学大の1年生・太田蒼生に追いつくと、並走しながら安原との差を詰めていき、12.8kmで三つ巴のトップ集団となった。

14kmを過ぎて安原が後退すると、18.3kmで太田がスパート。丹所を一気に突き放し平塚中継所をトップでタスキリレー。12秒差で続いた丹所は1時間00分55秒の3区歴代2位・日本人最速タイムを叩き出し区間賞を獲得した。安原は中盤以降ズルズルとペースが落ち、区間16位のブレーキでトップと1分59秒差の5位まで後退した。

それまでの日本人最高記録保持者であった帝京大・遠藤大地は自身の記録には及ばなかったものの、区間4位の走りでトップと1分07秒差の3位に浮上。國學院大も1年生の山本歩夢が区間5位の走りを見せ、10位から4位に浮上する。後方では、18番手でタスキを受けた順大・伊豫田達弥が区間3位の好走で8人を抜き10位に浮上した。3区では丹所、太田、伊豫田の3人が従来の日本人最高記録を上回った。

1区井川龍人・2区中谷雄飛・3区太田直希と10000m27分台ランナーを3人並べた早大は、3区を終えて13位とまさかの出遅れとなった。上位候補に挙げられた明大も16位(17番手)と苦戦が続く。この区間唯一の留学生である専大の1年生ダンカン・キサイサは、9km付近で右太股裏の肉離れを起こすアクシデントで、最後尾まで後退した。

4区

青学大の主将・飯田貴之は区間3位の好走で2位東国大との差を1分37秒に広げる。3位争いは國學院大・中西大翔が4.9kmで帝京大・寺嶌渓一をかわし3位に浮上。中西も区間4位の好走で、トップと1分46秒差でタスキリレー。

後方では、11位でタスキを受けた創価大・嶋津雄大が快走。順大・法大・中大と競り合いながら順位を上げ、11km手前で東洋大・木本大地、12.6kmで駒大・花尾恭輔も捉える。嶋津はさらに18.7kmで寺嶌をも捉え、最後は競り負けたものの6人抜きで5位に浮上。4区歴代3位の好タイムで区間賞を獲得した。

順大・石井一希も14.5kmで一時は嶋津の前に立つ健闘を見せ、区間2位(4区歴代4位)の走りで10位から7位に浮上。一方、花尾は序盤からペースが上がらず区間9位。ラストスパートで石井を抜き返したものの、2分55秒差の6位に後退。往路優勝は絶望的となった。木本は9.5kmで一度は花尾をかわして5位に浮上したものの、中盤以降急失速し12位まで後退した。

小田原中継所では、心理学を学ぶため中学教諭を休職して大学に3年次編入し、箱根に挑んだことで注目された駿河台大・今井隆生と、今井の教諭時代の教え子である5区・永井竜二との「師弟リレー」が実現した。

5区

先頭の青学大は5区の経験がある飯田ではなく、1年生・若林宏樹を起用。國學院大は「激坂最速王決定戦2021@箱根ターンパイク」で学生トップの成績を残した殿地琢朗を起用する。4.2kmで東国大の1年生・倉掛響を引き離し2位に浮上した殿地だったが、区間記録と変わらないペースを刻む若林との差が徐々に広がっていく。その後方では3人が4位争いを展開。前回5区区間賞の帝京大・細谷翔馬が、駒大・金子伊吹を引き連れながら快調なペースで前を追い、前回5区区間2位の創価大の主将・三上雄太を突き放していく。

若林は芦之湯の定点まで区間記録を上回るペースで快走。山下りでは強い向かい風を受けペースが落ちたものの、区間記録にあと21秒と迫る区間3位の走りで、青学大が2年ぶり5回目の往路優勝を果たした。なお、青学大は前回大会の創価大と同様、区間賞無しでの往路優勝となった。

細谷は8kmで倉掛をかわすと程なくして金子を引き離し、11.2kmで殿地もかわし2位に浮上。向かい風の中でも快調なペースを刻み、帝京大史上最高の往路2位でフィニッシュ。青学大との差は2分37秒。細谷は区間記録にあと8秒と迫る好タイムで2年連続の区間賞を獲得した。

金子は区間4位の力走で3人を抜き、3分28秒差の3位でフィニッシュ。2連覇へ望みを繋いだ。殿地は中盤以降低血糖状態となりペースを上げられず、3分43秒差の4位。2区終了時点で17位だった順大は3区以降盛り返し、4分04秒差の5位。1区で見せ場を作った中大は4分19秒差の6位に入り、第86回大会以来久々の上位に進出した。東国大・倉掛は4分49秒差の7位まで後退した。

創価大・三上は区間12位と本来の走りを見せられず、5位から8位に後退。区間記録保持者の東洋大・宮下隼人も3人を抜いて9位に浮上したものの区間8位に留まった。一方、4区を終えて17位(18番手)に沈んでいた東海大は、1年生の吉田響が区間2位・8人抜きの快走で、シード圏内の10位まで順位を押し上げた。

シード権争いは、8位創価大から14位国士大まで7校が2分05秒差の中にひしめく混戦となった。16位(17番手)の日体大以下5校が復路一斉スタートとなった。上位候補の一角と目された明大は10分14秒差の17位と大苦戦。初出場の駿河台大は19分05秒差の20位で往路を終えた。

復路

6区

2年連続の山下りとなった青学大・髙橋勇輝は落ち着いたペースで山を上ったが、山下りに入っても思うようにペースが上がらない。一方、2位争い・シード権争いはともに激しく順位が変動する。

2位争いは、駒大・佃康平が帝京大・北野開平との51秒差を着実に縮め、大平台の定点で追いつき並走となる。しかしさらに後方から順大の主将・牧瀬圭斗が猛烈な追い上げを見せ、16.2kmで2人の間に割って入り三つ巴の争いとなった。

シード権争いは、10位でスタートした東海大・川上勇士のペースが上がらず、芦之湯の定点では13位まで後退。3km手前で早大・栁本匡哉が単独10位に立つも、6.5kmで神奈川大・横澤清己が栁本を逆転。さらに法大の1年生・武田和馬も追い上げを見せ、7kmで栁本をかわすと小涌園手前で横澤に並び、9.5kmで単独10位に浮上する。

先頭の髙橋は函嶺洞門の定点を前回の自身の記録より48秒遅いタイムで通過。この時点では区間14位と振るわず、2位集団との差も2分46秒まで縮められたものの、ラスト3.8kmの平地区間で一気に巻き返し区間8位。後続との差を保って小田原中継所をトップでタスキリレー。

2位争いは函嶺洞門を過ぎて北野が脱落すると、18.4kmで牧瀬も後退。佃が3分18秒差の2位でタスキを繋ぐ。しかしその佃もラスト3.8kmで髙橋に30秒も引き離され、結果的に芦ノ湖から10秒しか差を詰めることができなかった。牧瀬は区間賞を獲得する快走で3分23秒差の3位、北野が3分33秒差の4位で続いた。

シード権争いは、川上が下りに入って息を吹き返し、宮ノ下手前で栁本、大平台手前で横澤を抜き返すと函嶺洞門で武田もかわし、10位をキープしてタスキリレー。区間2位の好走を見せた武田は9秒差の11位。さらに12位神奈川大、13位国士大の順でタスキを繋ぐ。栁本は区間19位と振るわず学生連合にもかわされ15番手に後退。しかし、9位東洋大から14位早大まで1分35秒差と依然として混戦が続く。

一斉スタート組では、駿河台大・小泉謙と中央学大の1年生・工藤巧夢が同タイムの区間3位・4位と健闘。時差スタートの山梨学大をかわして16番手・17番手でタスキリレー。6区では7人が58分台を記録、17人が60分を切るハイレベルなレースとなった。

7区

青学大・岸本大紀は11月の全日本大学駅伝後、左仙骨疲労骨折。12月に練習を再開したばかりであったが、強行出場であることを感じさせない安定した走りを披露。7区歴代5位の好タイムで走り切り、平塚中継所をトップでタスキリレー。青学大は今大会初の区間賞となった。

2位争いは、序盤こそ駒大・白鳥哲汰が順大・西澤侑真を引き離したが、中盤からひたひたと差を詰めた西澤が10.2kmで白鳥を捉え2位に浮上。15km地点では20秒近く差を広げていたが、終盤に入ると白鳥が再びペースを上げ、19kmで再逆転。西澤もラストスパートで再度詰め寄り、白鳥が2位、1秒差の3位で西澤がタスキリレー。しかし白鳥は区間10位、西澤は区間7位に終わり、トップとの差は4分51秒まで広がった。

シード権争いでは、10位でタスキを受けた東海大の1年生・越陽汰が快走。1kmで東洋大の1年生・梅崎蓮をかわすと快調なペースで前を追い、区間3位の走りで8位に浮上する。一方、5位でタスキを受けた中大・居田優太は、15km付近で両足を攣ってしまうアクシデントで7位に後退。6位でタスキを受けた國學院大の主将・木付琳は大会前に左アキレス腱を痛めたことが響き、区間最下位のブレーキで10位に転落。ともにシード権争いに巻き込まれることとなった。

越にかわされた梅崎は序盤を落ち着いたペースで入り、法大・中園慎太朗に3.2kmで追いつかれるもその後は15km以上に渡って並走。19km手前で中園を引き離すと、中継所手前で木付をかわし9位をキープする。10位國學院大と11位法大の差は12秒。5位創価大から11位法大まで1分55秒差、9位東洋大から13位神奈川大までは1分34秒差と混戦に拍車がかかる。

下位では、19番手でタスキを受けた明大・富田峻平が区間2位の好走を見せ、5人をかわして14番手でタスキリレー。総合順位も16位から14位に引き上げ、シード権争いに辛うじて生き残った。

8区

青学大・佐藤一世も岸本と同様に故障明け、さらに12月半ばに発熱もあって万全な状態ではなかったが、安定したペースを刻み続ける。14km以降は左脚に力が入らず何度も腰を叩く素振りが見られたものの、区間2位の好走で戸塚中継所をトップでタスキリレー。

5月の日本選手権10000mで3位入賞を果たすも9月に右脚大腿骨を疲労骨折し、この大会が復帰戦となった駒大・鈴木芽吹は、順大・津田将希と並走しながら前との差をじわじわと詰めていくが、10kmを過ぎてややペースが落ちると、12.3kmで津田がスパート。遊行寺坂も軽快に駆け上がった津田は区間賞を獲得する快走を見せ、4分32秒差まで追い上げた。

一方の鈴木は15km付近で臀部に故障を起こし急失速。最後はフラフラになってしまい後続に相次いでかわされ、戸塚中継所に倒れ込むようにタスキリレー。区間18位というまさかの結果で6位まで後退した。

上位争いでは、7位でタスキを受けた中大・中澤雄大が快調なペースを刻み、11.1kmで帝京大をかわすと遊行寺坂の定点では創価大・東国大を捉え、さらに中継所直前で鈴木をかわし3位に浮上。区間3位の好走を見せた。一方、帝京大の主将・橋本尚斗は12月半ばに左脚の腸脛靭帯を痛めたことが響き区間16位と失速。4位から7位に後退する。

シード権争いは東洋大と國學院大が並走しながら11位法大との差を少しずつ広げていたが、東洋大・蝦夷森章太が10kmで國學院大・石川航平を引き離し、区間4位の走りで前を行く帝京大・東海大を目の前に捉えた。離された石川も区間7位でまとめ10位をキープする。戸塚中継所では3位中大から10位國學院大まで1分51秒の間に8校がひしめく混戦状態となった。

その後方では早大の主将・千明龍之佑が遊行寺坂から一気にペースを上げ、中継所まで残り450mで法大をかわし11位に浮上。10位國學院大との差は44秒。10位國學院大から13位神奈川大までの差は1分41秒。

日体大は6区以降苦戦が続き、わずか8秒間に合わず繰り上げスタートとなった。戸塚での繰り上げは第95回大会以来3年ぶり。日体大にとっては第88回大会以来10年ぶり。

9区

青学大・中村唯翔は10kmを28分51秒で突っ込むと、中盤以降はさらにペースを上げ後続を突き放していく。中大・東国大・創価大による3位争いは、5.9kmで東国大・宗像聖がペースを上げると創価大・中武泰希が脱落。さらに、中武は10.5kmで駒大・山野力にかわされ6位に後退する。帝京大・東海大・東洋大による7位争いでは、東洋大・前田義弘が序盤から積極的に飛ばし、2校をじわじわと引き離していく。10位でタスキを受けた國學院大の1年生・平林清澄も快調な走りを見せ、11位の早大・法大との差を広げていく。

快走を続ける中村は第84回大会で中央学大・篠藤淳が打ち立てた区間記録に対し、横浜駅前では39秒、生麦の定点では55秒も上回るタイムで通過。最後まで崩れることなくハイペースで押し切り、篠藤の区間記録を46秒も更新する1時間07分15秒の区間新記録を樹立した。

当初は2区を予定していたものの状態が上がらず9区に回った順大・野村優作は区間13位と振るわず、2位は守ったもののトップとの差は7分56秒まで開いた。

3位争いは山野がひたひたと差を詰め再び3人になるかと思われたが、14.1kmで中大・湯浅仁がスパート。区間3位(9区歴代8位)の好走を見せた湯浅は8分43秒差の3位でタスキリレー。山野も区間4位(9区歴代10位)の走りで、9分21秒差の4位で続いた。

その後ろでは平林が激走。16.3kmで帝京大、16.8kmで創価大、17.6kmで東海大を相次いでかわすと、19kmで東洋大、中継所直前で東国大もかわし、9区史上最多の5人抜きで5位までジャンプアップ。平林は従来の区間記録にあと6秒と迫る区間2位(9区歴代4位)の走りを見せた。

11位争いは早大・佐藤航希と法大の主将・清家陸の並走が続いていたが、16kmを過ぎて清家がスパート。区間7位でまとめ、10位帝京大と32秒差まで追い上げた。5位國學院大から11位法大まで2分05秒の中に7校がひしめく混戦で最終10区を迎えることとなった。突き放された佐藤は終盤失速し、帝京大と2分近くの差がつき、シード権獲得が厳しくなった。

18番手を争っていた駿河台大と専大はともに20km以降ペースを上げ、18番手・19番手でタスキリレー。初出場校が繰り上げなくゴールまでタスキを一本で繋いだのは第85回大会の上武大以来[4]。専大も第87回大会以来11年ぶりにタスキを一本で繋ぐことができた。

鶴見中継所では日体大と山梨学大が繰り上げスタート。山梨学大は予選落ちとなった第96回大会を挟み、5回連続の鶴見繰り上げとなった。

9区ではこれまで10人しか記録していなかった1時間09分を切るタイムを今大会だけで5人が記録するハイレベルなレースとなった。

10区

2年連続のアンカーとなった青学大・中倉啓敦は、復路記録・総合記録の更新を狙うべく積極的な走りを見せる。上位争いでは、4位の駒大・青柿響、5位を並走する東洋大・清野太雅と東国大・野澤巧理がそれぞれ快調なペースを刻み、3位を走る中大の主将・井上大輝との差を詰めていく。シード権争いは、10位でタスキを受けた帝京大・西脇翔太が蒲田の定点を21人中トップのタイムで通過。11位法大との差を58秒まで広げ、前を行く創価大・松田爽汰を捉える。

中倉は最後まで1km2分55秒前後の快調なペースを刻み続け、青学大が2年ぶり6回目の総合優勝を飾った。中倉は創価大・嶋津が第96回大会で打ち立てた1時間08分40秒の区間記録を50秒も更新する1時間07分50秒の区間新記録を樹立。さらに青学大は復路記録を2分11秒、総合記録を1分41秒それぞれ更新。史上初めて10時間45分を切る総合タイムを記録した。

順大は第83回大会の総合優勝以来の好成績となる総合2位でフィニッシュ。しかしトップとは10分51秒の大差がついた。1位と2位の差が10分以上ついたのは第91回大会(1位青学大、2位駒大 10分50秒差)以来7年ぶり。

2位以下は対照的に大混戦となり、5分55秒の間に13チームが次々とゴールした。3位争いは、青柿が16.9kmで井上に追いつき、17.8kmで突き放して3位に浮上する。しかしその後ろから清野が猛烈な追い上げを見せ、21kmを過ぎて井上をかわすとゴール直前のJRガード下でついに青柿の前に出た。しかし最後は青柿がスパート合戦を制し、駒大が総合3位でフィニッシュ。総合4位の東洋大・清野は最後に競り負けたものの区間2位(10区歴代4位)の好走。清野と19kmまで並走を続けた東国大・野澤も区間3位(10区歴代7位)の走りを見せ総合5位でゴールした。中大は井上が区間17位と苦戦したものの総合6位でフィニッシュ。21年ぶりのベスト3入りこそならなかったが、第88回大会以来10年ぶりのシード権獲得となった。

創価大・松田は蒲田の定点で西脇に捉えられたものの、以降はじわじわとペースを上げて16km過ぎに東海大、20kmで國學院大をかわし総合7位まで順位を押し上げた。引き離された西脇は中盤以降ペースが上がらず、御成門の定点で11位法大との差は再び34秒に縮まり、一進一退の展開が続く。その前方では8位でタスキを受けた東海大・吉冨裕太が田町の定点を過ぎて急失速。低血糖状態となってしまった吉冨は20.5kmで西脇にかわされると、残り1kmの日本橋で法大・川上有生にもかわされ11位に後退する。帝京大は復路17位と苦戦したが総合9位に踏みとどまり5年連続のシード権を獲得。法大は逆転で総合10位に滑り込み、3年ぶりにシード権を獲得した。

東海大は9区終了時点で復路2位と健闘していたが、まさかのアクシデントで総合11位に転落。法大に52秒及ばず8年ぶりにシード権を失った。また、総合タイムで11時間を切りながらシード権を獲得できなかった初の事例となった。早大は6区以降シード争いに絡めず総合13位に終わり、3年ぶりのシード落ち。予選会トップ通過の明大は復路3位と巻き返したものの、往路の出遅れが大きく響き総合14位でシード権を逃した。初出場の駿河台大は、青学大から30分00秒差の総合19位でフィニッシュした。2年連続最下位の専大は最下位での総合最速タイム(11時間15分09秒)でフィニッシュした。

総括

青学大が総合新記録を樹立し後続に圧倒的な差をつけたものの、2年連続最下位となった専大も前回より13分17秒も総合タイムを短縮しており、首位と最下位のタイム差は31分27秒と例年と大きく変わらない結果であった。

中位・下位校の実力の底上げが著しい中[注 2]、上位校では2位順大・3位駒大・4位東洋大の3校がともに区間18位とブレーキする区間を出してしまった一方、分厚い選手層を活かし10人全員が区間一桁順位(そのうち7人が区間3位以内)で走り切った青学大の突出ぶりが象徴される結果となった。

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成績

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完全優勝
(総合・往路・復路の全部門優勝)
青山学院大学 - 5年ぶり 4回目(大会史上43回目)

総合成績

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往路成績

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復路成績

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区間賞

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区間成績

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資料

予選会

要約
視点

予選会エントリー校

今大会の予選会は41校がエントリーした。

予選会競走成績

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予選会 参加資格

  • 2021年度関東学生陸上競技連盟男子登録者で、本予選会並びに箱根駅伝本大会出場回数が通算4回未満である者に限る。なお、出場とはエントリーした時点で出場とする。ただし、別個加盟の大学院の競技者は、学部での出場回数に関係なく新たに4回まで出場できる。
  • 1校1チームとする。ただし、エントリーは10名以上14名以下とし、出場人数は10名以上12名以下とする。
  • 2019年1月1日より申込期日前日(2021年10月10日)までに各校エントリー者全員が10000m34分以内のトラックでの公認記録を有していること。
  • 2020年7月28日より11月30日に行われた競技会の記録を資格記録とする場合、ワールドアスレティックス規則第143条(テクニカルルール第5条:シューズ)の改訂されたルールを適用しない。

予選会における変更点

  • 参加資格から「5000m16分30秒以内」が無くなり、10000mのみとなった。ただし、資格記録の期間は例年より1年長い2年9か月間に延長されている。
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メディアによる中継・配信

予選会

  • テレビ
  • インターネット
    • TVer(民放公式無料配信ポータルサイト)、2021年10月23日(土)にスタートから予選通過校発表までライブ配信を実施[7]

本大会

  • テレビ
  • ラジオ
    • NHKラジオ第1
      • 2022年1月2日(日)7:40 - 11:55, 12:15 - 14:15
      • 2022年1月3日(月)7:40 - 11:55, 12:15 - 14:15
    • 文化放送(全国33局ネット、放送時間は各局によって異なる)[8]
      • 2022年1月2日(日)7:30 - 14:30
      • 2022年1月3日(月)7:30 - 14:30
    • RFラジオ日本[9]
      • 2022年1月2日(日)7:30 - 14:25
      • 2022年1月3日(月)7:30 - 14:30
  • インターネット
    • TVerは両日ともスタート直前から番組終了までライブ配信を実施。また、NHKラジオ第1・文化放送・RFラジオ日本・radikoらじる★らじるでもサイマル配信(radikoはフリーエリアのみ無料聴取可能)。

脚注

外部リンク

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