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Arrows (携帯電話)
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arrows(アローズ)は、2011年からFCNT(旧・富士通コネクテッドテクノロジーズ←富士通モバイルコミュニケーションズ←富士通東芝モバイルコミュニケーションズ←富士通)が展開しているスマートフォン、タブレット端末のブランド。現在は中国・レノボ傘下のFCNT LLCが引き継ぎ、展開している。モトローラ・モビリティとFCNT合同会社はレノボの100%子会社となっている。
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概要
元々は富士通の立ち上げたブランドだったが、2016年に富士通の携帯電話部門とパソコン部門がそれぞれ分社化され、Windowsを搭載したタブレット端末に関しては、富士通のパソコン部門を分社化した富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が展開している。FCCLは2017年よりレノボ傘下となった。
一方、Androidを搭載したスマートフォンおよびタブレット端末に関しては、富士通のスマホ部門を分社化したFCNT(2021年4月に富士通コネクテッドテクノロジーズから社名変更)が展開していた。FCNTは2018年にポラリス・キャピタル・グループ傘下となったが、2023年に破綻し、こちらもレノボに承継された。
NTTドコモ向け端末が中心だったが、KDDI/沖縄セルラー電話連合(各auブランド)、ソフトバンク(SoftBankブランド・Y!mobileブランド(旧イー・モバイルブランド))向けにも展開していた。
「ARROWS」の意味は、「矢」で「新しいビジネスの道を切り開く」、そして「リンゴを射抜く」(ウィリアム・テルの故事にちなみ、スマホで先行するAppleを追撃する)というダブルミーニングが込められている[1]。
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歴史
要約
視点
「リンゴ」を射抜くハイエンド端末(初代ロゴ時代)

スマホに出遅れた富士通は2010年に東芝と携帯電話部門を統合し、「富士通東芝モバイルコミュニケーションズ」を設立。以後、Windows Phone「IS12T」などのスマートフォンを発売してきたが、スマホ市場の拡大を見据えて2011年にスマホ事業を強化し、次世代のハイスペックブランドとして、新ブランド「ARROWS」を立ち上げた。
2011年9月8日に発表(2011年10月19日に発売)されたNTTドコモのタブレット端末「ARROWS Tab LTE F-01D」が、ARROWSブランドが付与された最初の製品である。テレビCMにはEXILEが起用され、CMソングもEXILEの楽曲が使用された[4][5]。これ以後、富士通東芝のスマートフォンとタブレット端末にはARROWSのブランドが付与された。元々富士通東芝モバイルが東芝の名義で展開していた「REGZA Phone」ブランドもARROWSのサブブランド(つまり富士通のブランド)として展開されたが、2012年に「富士通東芝モバイルコミュニケーションズ」が「富士通モバイルコミュニケーションズ」と名を改め、富士通の完全子会社化されたことに伴い、旧東芝のREGZAブランドを引き継いだ「REGZA Phone」は終息した。
2011年12月に発売開始した「ARROWS X LTE F-05D」が、arrowsシリーズ初のハイスペックのフラッグシップスマホとなった。
展開初期より順風満帆ではなかった。2012年より展開した「ARROWS X」シリーズは、当時auとソフトバンクでしか展開していなかったアップル社のiPhoneを追撃するドコモのハイエンド端末として、SoCにNvidia社のTegra 3を採用し、4コアで最大1.5GHzという当時としては極めて高い性能を有していた。しかし、一部のユーザーから「端末が熱くなる」「電池が持たない」など厳しい評価を受けた[1]。特に2012年発売の「ARROWS X F-10D」は、不良品を売りつけたNTTドコモに対してユーザーが訴訟を起こした(ユーザーの勝訴)。
2013年より「ARROWS X」シリーズ後継のハイエンド端末として「ARROWS NX」シリーズを展開。「ARROWS NX」シリーズではSoCにNvidia社のTegraに代わってクアルコム社のSnapdragonを採用したことにより、異常発熱や充電1日5回などの問題が解消された。特に2015年に発売された「ARROWS NX F-04G」は、スマホとしては世界初となる虹彩認証センサーを搭載したハイエンド端末として、発売から2か月で約6万2000台を売り上げた。本機種は、2015年春にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル展示会「MWC」(現・MWC Barcelona)にも出展されて世界から注目を集めた。しかし、一部が基板不良により、カメラが起動できない、電源が入らない、再起動を繰り返す、画面の表示が乱れるなど、NTTドコモに712件の苦情が入った[6]。
2014年12月に発売開始した「ARROWS M01」は、一般向けのSIMフリースマホとして発売され人気を集めた。
ミドルレンジに注力(2代目ロゴ時代)

顧客が「ARROWS」ブランドに必ずしも高いスペックを求めなくなったことから、「ARROWS NX F-04G」をもってハイエンドから撤退し、2代目ブランド名をユーザーに親しみやすい小文字の「arrows」に変更した[1]。個人向けモデルでは2015年冬モデル(NTTドコモ向けのF-01H・F-02H及びTab QH35/W)以降で小文字になり[7]、また法人向けモデルでは2019年発売の「arrows BZ01」より小文字になった。
2015年にミドルレンジ向けの「arrows Fit」シリーズを展開して以降、ミドルレンジからミドルハイでの展開が中心となった。
2016年2月、富士通本体の携帯電話事業を切り離し、会社分割により「富士通コネクテッドテクノロジーズ」が新設された。「富士通モバイルコミュニケーションズ」は富士通コネクテッドテクノロジーズの子会社として移管され、2018年に親会社に吸収合併された。また、同じ時期にパソコン事業も富士通クライアントコンピューティングとして富士通本体から切り離された。2017年に富士通クライアントコンピューティングはレノボの傘下となり、2018年には富士通コネクテッドテクノロジーズも投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループの傘下となり[8]、両部門ともに富士通本体からの切り離しが完了した。これにより、Arrowsブランドのタブレットにおいては、NTTドコモ向けを中心とした特定の通信キャリア向けの端末と、Windows搭載機を中心としたWi-Fi端末で担当する企業が分かれることとなった。
2016年より展開した「arrows Be」シリーズは、日本製で2万円台のスマホながら、落としても割れない、洗えるスマホとして人気を集めた[1]。
arrowsシリーズは一貫して富士通の日本国内工場で製造されており、2014年に富士通那須工場(富士通モバイルフォンプロダクツ、栃木県大田原市)のモバイルフォン端末量産製造機能を富士通周辺機(兵庫県加東市)に集約して以降、富士通周辺機本社工場(兵庫県加東市)でのみ製造されていた。そのため、キャッチコピーとして「メイド・イン・ジャパン」「あんしんの日本製」を標榜していたが、2019年発売の「arrows U」シリーズより外部工場のODM(台湾鴻海精密工業の中国国内工場)も採用し、キャッチコピーとして「日本メーカーの安心スマホ」「日本品質」を標榜した。
2020年に久しぶりのハイエンドモデルとして、フラッグシップ「arrows 5G F-51A」をリリースした。Snapdragon 865と8GBのメモリーを搭載して当時最上位のスペックを備えていて、さらにFCNT初の5G対応モデルで、国内メーカーで5Gミリ波に対応させた最初のモデルでもあった。しかしハイエンドはこの1機種で最後となり、以後は身の丈に合った戦略を取って生き残りを図っていた[9]。
ローエンドでシェアを伸ばすも破綻(3代目ロゴ時代)

3代目ロゴは、「arrows」の「a」にこれまでのDNAが込められている。「a」の先端部分に「advanse」をイメージし、時代の先を捉える技術力を表現。「a」の垂直に伸びるラインに人の立ち姿「human centric」をイメージし、人を思う力を表現。「a」の円を描く部分に循環型社会「sustainability」をイメージし、生活者とつながり続ける未来を表現した[12]。
2021年に発売された「arrows We」は、「arrows」ブランドとしては8年ぶりにKDDIのauブランドから販売されるなど、日本の3大キャリア全てで発売されたこともあり、「日本メーカーの2万円スマホ」(注:中国製)として、発売から1年で100万台を売るヒット機種となった[13]。もっとも、総務省が携帯キャリアに課した「2万円まで」という端末の値引き規制に合わせ、店頭で実質1円で販売される「1円スマホ」として製造されたもので、売れ行きは良くてもFCNTはほとんど利益が出ていなかったと推測されている[14]。また本機種は、フィーチャーフォン時代に人気を博した「プライバシーモード」が復活したモデルともなった。
2022年10月発表(2023年2月発売)の「arrows N」シリーズの第1弾「arrows N F-51C」よりロゴを一新。「arrows N」シリーズの「N」は、New Normal(新しい当たり前)、Nature(自然)、Neutral(ニュートラル)を意味し、ユーザーの生活を便利にするだけではなく、ライフスタイルの変革を目指す意味を込めた。「arrows N」シリーズでは、「サステナブル」を標榜し、バッテリー寿命が極めて長いうえに、OSのアップデートを最長で4年間(すなわち2026年まで)サポートすることを表明した[15]。しかし、発売から3か月で会社が破綻した。
「arrows N F-51C」は、「arrows」の新コンセプトの第1弾にもかかわらず「ドコモの型番がついたドコモの商品という位置付け」[16] であり、またミドルレンジのスペックながら9万8780円という高価格(つまり、ドコモの「いつでもカエドキプログラム」で実質負担4万9940円で販売されるビジネスモデル[17]。購入から24か月目にドコモに返却することで残価の分割支払金が免除されるシステムのため「サステナブル」とは程遠い)など、FCNTは最後まで日本市場の特定のキャリア(NTTドコモ)依存のビジネスモデルから脱却できなかった。
日本市場はそもそもアップル社のiPhoneのシェアが非常に大きいのに加え、スマホの買い替えサイクルの長期化、総務省による端末の値引き規制、低価格に強みを持つ中国メーカーの台頭、などにより、富士通の携帯電話部門を分社化した2016年頃から採算性が悪化していた[9]。そもそもFCNTの主力は「arrows」ブランドではなく、NTTドコモのシニア向け端末「らくらくホン」であり、「らくらくホン」をベースとする会員数250万人のシニア向けのSNS「らくらくコミュニティ」を軸として生き残りを図ろうとしていたが、半導体不足による半導体の高騰や円安の影響がとどめとなり、2023年5月30日、FCNTは破綻。
FCNTグループの破綻後、FCNTグループのスマホ製造部門であるジャパン・イーエム・ソリューションズ(旧・富士通周辺機本社工場、FCNT製品の他に京セラの「TORQUE」や「かんたんスマホ」なども製造している、2023年時点で日本国内最後のスマホ工場)はスポンサーの支援が表明され、事業を継続したものの、FCNTグループのスマホ開発部門であるFCNTはスポンサーが現れず、即日事業を停止。arrowsは展開を終了し、同日にサポートと修理も終了した。製品の販売はキャリアが主体であったことから、FCNTグループの破綻後もしばらく販売が継続されたが、これも在庫の売り切りをもって終了した。
破綻後
2023年6月、レノボがFCNTのスポンサーに名乗りを上げた[18]。9月29日に買収を完了し、新生FCNT(FCNT LLC)が10月1日より事業を開始した[19]。それに伴いarrowsのサポートが再開された。
2024年5月、新生FCNTによリ手掛けた初のスマートフォン「arrows We2 Plus F-51E」「arrows We2 F-52E」を発表した。「arrows We」の後継となる最新機種である。京都大学名誉教授 森谷敏夫監修で、世界初となるセンサーによる自律神経活性度の測定機能搭載となった。なお旧FCNTが売りにしていた、まる洗いやアルコール除菌可能は本機種でも継承した。さらに、2017年発売の「arrows NX F-01K」に搭載されていた「Exlider」機能を復活させた。電源キーに指紋と指の動きを読み取る機能で、「arrows」復活を望む声に応えた製品となった。「arrows We2 Plus F-51E」は同年8月9日に、「arrows We2 F-52E」は同年8月16日にそれぞれ発売された。
この「arrows We2」シリーズはNTTドコモ以外の通信キャリア向けにも発売されることとなり、同年8月16日には「arrows We2」がKDDI及び沖縄セルラー電話向け(auブランド・UQ mobileブランド)にFCG02の品番で、同年10月15日には「arrows We2 Plus」が楽天モバイル向けにも発売予定であるほか、MVNO向けのSIMフリーモデルとなる「arrows We2 Plus M06」と「arrows We2 M07」も発売される(「arrows We2 M07」はFCNTの自社ブランドとして法人向けにも販売)。なお、インターネットイニシアティブの「IIJmio」にも同じモデル名で発売されるが、「arrows We2 Plus M06」はRAMを12GBに拡張したIIJ限定仕様での発売となる。
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機種
要約
視点
A. x.xはAndroidのバージョン。
富士通製・NTTドコモ向け
第1期ドコモ スマートフォン時代には発売されず、「ドコモ スマートフォン」としては第2期からの参入。
「ARROWS X(エックス)」→「ARROWS NX(エヌエックス)」が最上位で、その次が「REGZA Phone」→「ARROWS V(ブイ/ヴィ)」となり、この両者間では基本的に機能の棲み分けが図られる[20]。「ARROWS X」はF-10Dにてドコモでは初めてクアッドコアCPUを搭載する等、サムスン電子の「GALAXY S」シリーズと並ぶドコモのフラッグシップモデルとして位置付けられている。「ARROWS Kiss」はコラボレーションモデルが用意されている女性向けモデル。
ARROWSシリーズ直系の富士通製・NTTドコモ向け
- 第2期ドコモ スマートフォン
ARROWSシリーズ内部派生の富士通製・NTTドコモ向け
他の機種と比べるとARROWSカラーは薄いものの、正式にARROWSシリーズに属する。
- らくらくホンシリーズ
- 第2期ドコモ スマートフォン内Disney Mobile on docomoシリーズ
ARROWSシリーズ以外の富士通製・NTTドコモ向け
ARROWSシリーズに属さない富士通製のAndroidスマートフォンについても、便宜上ここで記述する。
- docomo with series
富士通コネクテッド→FCNT製・NTTドコモ向け
arrowsシリーズ直系の富士通コネクテッド→FCNT製・NTTドコモ向け
- 第2期ドコモ スマートフォン
arrowsシリーズ内部派生の富士通コネクテッド→FCNT製・NTTドコモ向け
他の機種と比べるとarrowsカラーは薄いものの、正式にarrowsシリーズに属する。
- らくらくホンシリーズ
富士通モバイル製・ソフトバンク(SoftBankブランド)向け
「ARROWS A(エース)」のみ。全てSoftBank スマートフォンシリーズ。
富士通コネクテッド→FCNT製・ソフトバンク(SoftBankブランド)向け
SoftBank スマートフォンシリーズ。
富士通東芝→富士通モバイル製→FCNT製・KDDI/沖縄セルラー電話向け
「ARROWS Z(ジー)」が最上位機種。
富士通モバイル製・ソフトバンク(Y!mobileブランド(旧イー・モバイル))向け
「ARROWS S(エス)」のみ。
富士通コネクテッド→FCNT製・ソフトバンク(Y!mobileブランド)向け
富士通コネクテッド→FCNT製・楽天モバイル向け
富士通製・SIMフリー端末
富士通コネクテッド→FCNT製・SIMフリー端末
富士通製・3G通信非対応タブレット
ARROWS Tab Wi-Fiシリーズ(無印)がAndroid搭載、ARROWS Tab Wi-Fi QH/Qシリーズ(前者が個人向け、後者が法人向け)がWindows搭載。個人向けの無印については、基本的にドコモから発売されたタブレットのWi-Fiモデルとなる。2012年6月には法人向けモデルも登場した。
Windows搭載タブレットはWindows 8.1を搭載した2013年秋モデルから、ARROWS Tab QHシリーズにシリーズ名を変え、同時期にFMV STYLISTIC QHシリーズとして発売されていたQH77系を吸収統合した。法人向けモデルは2013年4月に一足早く「ARROWS Tab Qシリーズ」に名称を変え、同年10月にSTYLISTIC QHシリーズとラインナップを統合した。
2014年5月からはAndroidタブレットにも法人向けモデル「ARROWS Tab Mシリーズ」が設定された。
前述のとおりブランドロゴの変更に伴い、個人向けの2015年冬モデルとなるQH35/Wから「arrows Tab」に表記が変更となる。
2016年1月には、12.5型ワイド液晶搭載の2Wayモデルとして、個人向けの「arrows Tab RH」シリーズ、法人向けの「ARROWS Tab R」シリーズが発表された。
- 無印(個人向け)
- Mシリーズ(法人向け)
- QHシリーズ(個人向け)
- Qシリーズ(法人向け)
富士通クライアントコンピューティング製・4G/3G通信非対応タブレット
前述したように、タブレット端末のうち、Windows搭載・Wi-Fiモデルの製造に関しては、2016年2月に富士通クライアントコンピューティングへ移管された(法人向けモデルの販売は引き続き富士通本体が担当する)。これ以降、法人向けモデルについては「FUJITSU Tablet ARROWS Tab(フジツウ タブレット アローズ タブ)」の名称となった。
2023年8月に4G/3G通信非対応法人向けタブレットの名称が「STYLISTIC(スタイリスティック)」へ改名されたため、「ARROWS Tab」としては2022年10月発売モデルをもって終了となった。
- QHシリーズ(個人向け)
- Qシリーズ(法人向け)
- RHシリーズ(個人向け)
- Rシリーズ(法人向け)
- Vシリーズ(法人向け)
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脚注
関連項目
外部リンク
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