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BOSO BICYCLE BASE

東日本旅客鉄道(JR東日本)の観光列車 ウィキペディアから

BOSO BICYCLE BASE
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BOSO BICYCLE BASE(ぼうそう ばいしくる べーす)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有する「のってたのしい列車」用の鉄道車両電車[1][2]。公式略称は「B.B.BASE」。

概要 概要, 国 ...

本項では、当車両を使用して運行される臨時列車についても記述する。

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概要

房総地区へはサイクリングを目的に自転車を電車に積んで房総地区に向かう乗客が存在していたが、通常の列車は法律で自転車の積載に制限があり、分解もしくは折り畳んだうえで輪行袋に収納して持ち込むものに限られていた。

これに対応すべく、2013年からはJR東日本千葉支社がサイクリングイベント「Station Ride in 南房総」を企画。209系のつり棚・つり手に自転車をぶら下げるためのひもを用意して自転車を分解・折りたたみせずに持ち込める団体列車「サイクルトレイン」を運行してきた。しかし「サイクルトレイン」の人気の高まりの一方で、作業スタッフによる自転車の積み下ろしは停車時間が確保できる駅に限られていたことから「サイクルトレイン」に充当するための専用車両として本車両が企画された[3][4]

なお「サイクルトレイン」ではあるが、2022年3月以降は全席が自転車を持たない一般客にも開放されている[5]

列車愛称の「BOSO BICYCLE BASE」とは、

  • BOSO - 「房総」の各地を
  • BICYCLE - 「自転車」で駆け巡るための
  • BASE - 「基地」

を意味し、電車そのものをサイクリングの「基地」にしようというコンセプトを表している[1][2]

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車両

要約
視点
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ベースとなった南武線ナハ53編成
(2015年12月2日、川崎駅
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座席とサイクルラック
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ドアと窓が埋められた4号車

209系2200番台の6両編成がベースとなっている。

2017年2月にE233系8500番台に置き換えられて運用を終了した、南武線中原電車区所属ナハ53編成6両(元京浜東北線浦和電車区所属ウラ24編成を2009年7月に転用改造)を大宮総合車両センターで再改造したものである。

当該編成は2017年4月12日付で中原電車区から幕張車両センターに転属し「J1」の編成名が与えられた[6]。同年6月から改造工事が行われ、同年9月28日に竣工した。再改造に伴う番台区分等の変更はなく、京浜東北線から南武線への転用改造時に改番された車両番号が維持されている。

実際の改造作業はJR東日本テクノロジーが中心となって担当。サイクリング用自転車はタイヤが多種に及ぶため、自転車固定ラックの幅などは自転車メーカーと協議の上、決定した[7]。ただしロードバイク及びクロスバイク向けに限定しているため、シティサイクルやマウンテンバイク、ミニベロ、リカンベント、3輪型などはラックへの積載は想定されていない。

ランドナー、シティサイクル、電動自転車等の重たい自転車は、自立式のスタンドを使い、車両の空いたスペースに置くことが可能。同乗するスタッフがサポートしてくれる。

さらに見る 号車, 形式及び車両番号 (カッコ内は京浜東北線時代) ...

編成全体での座席数と自転車搭載台数は99ずつ。車体形状に大きな変化はないものの、塗色はコンセプトである「基地」をイメージしたグレーを一面に広げ、ロゴ・号車番号・B.B.BASE オリジナル自転車をアクセントにしたデザインが施されている。

4号車を除く5両は扉間に4人掛けと2人掛けの大型テーブル付きボックスシート1組ずつを配置し、館山駅銚子駅寄り(6号車は両国駅寄り)の妻部にも2人掛けのシートを配置[8]。座席はリクライニングこそ出来ないが、E5系以降のJR東日本所属新幹線車両と同様、枕部分は上下させることができる。テーブルには充電用のコンセントを人数分設置し、全ての座席の背後(扉側)に自転車を縦置き出来るサイクルラックを配置する。サイクルラックは自転車積載時に列車特有の揺れに耐えられるほか、緊急停車の際に自転車が倒れないなどといったサイクリストの視点を考慮した設計となっている[9]

2号車は車椅子対応の大型トイレ(真空式)が備えられている関係上、他の車両より定員が1名少なくなっている。

4号車は乗客同士が交流できるフリースペースとし[10]、一部の扉(片側4枚のうち3枚)や窓を埋めたうえで、ロングシートとパイプベンチ、大型トイレ、洗面スペースが設置される。洗面化粧台機器はE2系の廃車発生品を流用している。トイレと反対側の車端部にゴミ箱が設置されている。

ビンディングシューズ着用のまま乗車できるよう、全車両に滑り止めが施されたゴム床材を採用している[11]

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運用

要約
視点

2018年(平成30年)1月6日以降、週末に両国駅発着で房総方面に運行される。運行開始当初は全席が日帰りまたは宿泊付きの「びゅう旅行商品」(パッケージツアー)として発売されていたが、2021年令和3年)9月4日運行分以降は時刻表に記載される快速列車となり、1・2号車が指定席として一般発売されるようになった[12][13]。さらに2022年(令和4年)3月運行分からは全車指定席販売となり、びゅう旅行商品の発売は終了することが同年1月に発表された[14]。これにより自転車を積載しない一般客の利用も可能である。なお、指定席料金は通年同額で、おとな840円・こども420円で「のってたのしい列車」の一つであるため、他の「のってたのしい列車」である「海里」や「HIGH RAIL 1375」と同額になっている。

列車は以下の通り。なお「B.B.BASE 房総横断号」と「B.B.BASE 手賀沼」「B.B.BASE 九十九里」はいずれも特別企画列車として扱われている。

  • 内房線方面:「B.B.BASE 内房」(下りは両国駅 → 和田浦駅、上りは館山駅 → 両国駅)
  • 内房線・久留里線方面「B.B.BASE 鹿野山」(下りは両国駅 → 君津駅、上りは竹岡駅 → 両国駅)
  • 外房線方面「B.B.BASE 外房」(両国駅 - 安房鴨川駅
  • 内房線・外房線方面「B.B.BASE 房総横断号」(下りは両国駅 → 君津駅、上りは安房鴨川駅 → 両国駅)
  • 総武線方面「B.B.BASE 佐倉・銚子」(両国駅 - 銚子駅
  • 東金線方面「B.B.BASE 九十九里」(両国駅 - 成東駅
  • 成田線・鹿島線方面「B.B.BASE 佐原・鹿島」(両国駅 - 鹿島神宮駅
  • 成田線方面「B.B.BASE 手賀沼」(両国駅 - 布佐駅

停車駅

B.B.BASE 内房
両国駅 - 本千葉駅 - 館山駅( → 和田浦駅)
  • 館山駅 - 和田浦駅間は下りのみ運行。
B.B.BASE 鹿野山
両国駅 - 本千葉駅 - 木更津駅 -(君津駅)-(竹岡駅)
  • 下りは君津行き、上りは竹岡発で運行。
  • 木更津駅で久留里線の普通列車に接続し、これに乗り換えるコースは「菜久留トレイン」として発売される。
B.B.BASE 外房
両国駅 - 本千葉駅 - 上総一ノ宮駅 - 勝浦駅 - 安房鴨川駅
B.B.BASE 房総横断号
下り:両国駅 → 本千葉駅 → 姉ケ崎駅 → 君津駅
上り:安房鴨川駅 → 勝浦駅 → 大原駅 → 上総一ノ宮駅 → 本千葉駅 → 両国駅
B.B.BASE 佐倉・銚子
両国駅 - 東千葉駅 - 佐倉駅 -(松尾駅)-(佐原駅)- (干潟駅) - 銚子駅
  • 松尾駅と干潟駅は下りのみ、佐原駅は上りのみ停車
B.B.BASE 九十九里
下り:両国駅 → 本千葉駅 → 東金駅
上り:成東駅 → 本千葉駅 → 両国駅
B.B.BASE 佐原・鹿島
両国駅 - 東千葉駅 - 佐原駅 - 潮来駅 - 鹿島神宮駅
B.B.BASE 手賀沼
両国駅 - 東千葉駅 - 佐倉駅 - 布佐駅

当初は東京側の乗降は両国駅に限られていたが、2018年4月より津田沼駅千葉駅でも乗降できるようになった(ただしこの2駅を利用する場合は全区間輪行扱いとなる)[15]。その後2019年3月2日出発分より途中乗降駅の見直しが行われ、津田沼駅・千葉駅から本千葉駅(内房・外房方面)・東千葉駅(銚子・鹿島方面)へ変更された[16]

その他

  • 運行開始にあたり、両国駅3番線ホームの改修と、改札口を通らず国技館寄りの道路からホームに直結する利用者専用通路の整備が実施された。
  • 2018年(平成30年)3月17日より、両国駅前にてロードバイクやレンタルバイクのレンタルサービス及び修理サービスを開始した[17]
  • 2023年6月15日の千葉県民の日で千葉県誕生150周年を迎え、2023年6月17日~2024年3月中旬まで車両全面に千葉県誕生150周年記念ロゴのヘッドマークを掲出して運行する[18]
  • 2021年に一部座席で指定席券の一般販売を開始、2022年に全席に拡大した。
  • 2024年現在、車両の暖房設備が故障しており、同年冬シーズンは全面運休していた。2025年4月20日より運転を再開する予定だが、暖房設備は復旧していないとしている[19]

年表

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脚注

関連項目

外部リンク

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