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ジー・モード

日本のビデオゲーム会社 ウィキペディアから

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株式会社ジー・モード: G-MODE Corporation)は、東京都品川区本社を置く日本IT関連企業

概要 種類, 市場情報 ...

株式会社マーベラス連結子会社

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概要

携帯電話ゲーム機向けにゲームを開発している。代表作は『空気読み。』シリーズや『フライハイト』シリーズなど。

かつて存在したゲーム会社であるデータイーストの版権を所有しており、バーチャルコンソールゲームアーカイブスなどに移植して配信している[1]

2000年代にはハドソンやドワンゴと並び、日本の高機能携帯電話(フィーチャーフォン)にゲームを提供する代表的なメーカーであった。『テトリス』などの有名人気ゲームの版権を多数持っていたのに加え、自社オリジナル作品でもヒット作を多数リリースした。当時は各携帯電話キャリアの公式サイト向けゲームコンテンツの制作・開発・配信が主力であり、一方で自社ゲームサイトでの配信や、SNSのmixiGREEモバゲータウンなどの携帯ゲームコーナーへのゲーム提供も行っていた。当時の主なゲームは2020年より「G-MODEアーカイブス」としてNintendo Switchに移植されている。

2010年代初頭のアプリックス傘下時代は、同じくアプリックス傘下だったAICが制作したアニメーション作品のパッケージソフト発売や、無料ウェブコミック誌COMIC メテオ』・『COMIC ポラリス』の運営、同誌掲載漫画作品の編集、新人賞「G-mode新人コミック大賞」の主催などをしていた。

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沿革

要約
視点

フィーチャーフォン向けゲーム会社として創業

株式会社ゲームアーツの創設者で、『シルフィード』(1993年)『ガングリフォン』(1996年)『グランディア』(1997年)などを制作したゲームクリエーターの宮路武によって2000年に設立された。コンシューマ事業と並行していた当時の競合ゲーム会社に対して、ジー・モードは当初よりフィーチャーフォン向けアプリを専門としていた点が特徴であった。

2001年1月からNTTドコモJavaアプリケーションiアプリ」のサービスを開始したのに合わせ、iアプリゲームの販売を開始した[2]。2001年1月に配信された『テトリス』と『オセロ』が最初の作品である。新設のメーカーながら、有名な2つのゲームの版権が取れたことは大きく、設立から2期目で早くも黒字化する。ドコモのN503i(2001年)が出てから売り上げが跳ね上がったという。上場した2002年の時点で、日本の携帯電話キャリア3社のうちNTTドコモとの取引が72.5%と、ドコモが圧倒的だったが[3]、一方でドコモ一強に偏らず、J-PHONEのJavaアプリやKDDIのBREWなど、他社携帯電話向けのサービスも展開した[4]

ジー・モードが運営するiアプリ対応のアプリ配信サイトである「Get!!プチアプリ」(月額100円)は、2001年11月にiアプリのゲーム配信サイトで会員数1位となり、フィーチャーフォン終焉期となる2011年までそのまま首位を保った[5]。ネット対戦に対応した「対戦ぐるじゃむ」(月額300円)は、iアプリのゲーム配信サイトで2位で、ジー・モードはその他のサイトも含めると上場した2002年時点で合計140万人のユーザーを抱えた。「Get!!プチアプリ」は、最盛期には会員数が100万人を突破し、最大のヒット作である『テトリス』は400万人が遊んだという[6]

2001年当時のモバイルゲームの状況

コンシューマーで数々の硬派なゲームを製作してきた宮路武が、ケータイで全く畑違いのゲームを作り、かなりの人気を集めているということで、2001年当時は注目された[2]

2001年当時にジー・モードの副社長を務めていた宮路武は、Game Watchの船津稔とのインタビューの中で「複数人による会議によってゲームのラインナップを決めており、自分たちが楽しいかどうかが大前提とした上で、様々なユーザに思い入れを感じてもらえるものを選んでいる」と話しており、「独創性が無ければ現代では通用しない」とも述べている。例えば『電卓インベーダー』という作品は、30代のユーザにノスタルジーを感じてもらうのと10代のユーザに「20年前の電卓を用いたゲーム」として好奇心を誘発させるために選ばれた[2]

宮路は船津とのインタビューの中で非常に評判が良かったと語っており、10代から20代を中心に幅広い層が展開されつつも30代が少なく、40代以降がまた多いとも述べている。また対戦ゲームでは若いユーザが多く、「Get!!プチアプリ」では40代のユーザが多かったとも話している[2]

その一方で宮路は新作を求める層が増えていることも認めており、旧作と新作のダウンロード数が拮抗しているとも話している[2]

宮路は2001年当時のiアプリのプレイ時間帯のピークは23:00 - 25:00頃であることから、ちょっと気軽に遊べるような作品が求められているとした上で、制作にあたっては5分 - 20分程度に遊べるようにしていると述べ、超過するようであれば目安時間内に収まるようにしていると話している[2]。船津から「5分で遊べるRPGは面白そうだがそれをRPGと呼べるかどうか分からない」と質問された際、宮路は発想を逆転させるだけでよいのでありうると思うと答えており、従来の家庭用ゲーム機向けRPGでもプレイ時間を想定して作っている為、そのようなものをカットすればより短くなると説明している[2]

2G後期から3G時代

2004年には『フライハイトクラウディア』をリリース。それまでの携帯電話向けゲームは空き時間に5分くらいで気軽に遊べるようなカジュアルなゲームや、『テトリス』(2001年)や『平安京エイリアンDX』(2003年)など昔のゲームの移植が主流で、オリジナル大作RPGが珍しかったのもあって大ヒットとなった。2009年までにシリーズ4作がリリースされ、シリーズ累計で150万本が販売された[7]

2000年代中頃より、従来の2GケータイからドコモのFOMAやKDDIのcdmaOneなど3Gケータイへの移行が始まる。画面サイズも大きくなり、ゲームの容量も大きくなって、開発は大変になったが、ジー・モードはこれにキャッチアップした。最大10MBのゲームが扱える「メガアプリ」の登場直後となる2005年には、メガアプリに対応した『ケータイ少女』(2005年、40万本)をリリースするなど、ジー・モードは当時の携帯電話の進化に合わせてクオリティの高いゲームを大量にリリースした。

この時期の代表作『空気読み。』(2008年、シリーズ累計600万本)『史上最強 宮本ジュリア』(2008年)などは、後にNintendo Switchなどに移植されている。

アプリックス傘下に

2009年、フィーチャーフォンのプラットフォーム開発メーカーであったアプリックスと提携し、2011年にはアプリックスに買収される。スマートフォンの普及に伴うフィーチャーフォン市場の消滅に際して、アプリックスはゲーム会社やアニメ会社を買収し、宮路のジー・モードを核としたコンテンツグループ「ガイアホールディングス」に変革することで生き残りを図ろうとしていた。

しかし、2011年に宮路が急逝。数年先の売上まで予測できた宮路の精密な損益シミュレーションに依存していたガイアホールディングスは宮路の死去によってメディアコンテンツ部門を扱うことが困難となった。ジー・モードは2011年から2012年にかけて各携帯キャリア向けにスマートフォン向け公式ゲーム配信サービス「テトリス&Getプチアプリ」をオープンするなど[8]、スマートフォン時代に入ってもフィーチャーフォン時代と同じキャリアの公式サイトでの月額課金というビジネスに頼り切り、スマートデバイス向けアプリの開発で出遅れたこともあって[9]、2012年に大きな赤字を出したため、ガイアホールディングスは自社グループを解体して元の組込開発メーカー「アプリックス」に戻る方針を取り、2014年にジー・モードを元セガ社長の中山隼雄が率いるゲーム会社であるONE-UPに売却した。

2014年、ONE-UPはジー・モードと合併し、商号を「ジー・モード」へ変更。ONE-UPとの合併に伴い、旧ジー・モードはスマートフォン向けアプリ開発のノウハウを着実に蓄積した。中山隼雄は2015年、息子の中山晴喜が率いるマーベラスへジー・モードを売却した。

PC・家庭用ゲーム機向けソフトの販売

マーベラスの傘下に入ったことで、ジー・モードはモバイルゲーム専業から多様なプラットフォームに向けた展開を行っていく[1]

2017年12月、マーベラスの副社長・青木利則がジー・モード代表取締役に就任。2018年3月、青木社長はギークスから竹下功一を呼び寄せ、既存事業の継続がメインだったジー・モードを変革し、新たな事業を始めるように命じる[10][1]。だが予算や結果を出すまでの時間が足りない為、竹下はギークス時代にニンテンドー3DS向けのダウンロードサービスを手掛けていた経験を生かしてNintendo Switchのダウンロードゲームの制作・販売を思い立ち[1]、ジー・モードの作品の中から『空気読み。』『鳥魂』『バーガータイム』をSwitchへの移植候補として選定した[10]

2か月後の2018年5月には『空気読み。』のSwitch化プロジェクトが始動し、Unityで作られたスマートフォン版をもとに問題をアレンジしたり、2人用モードを追加した。そして、約3か月後の8月30日には『みんなで空気読み。』という題名でNintendo Switch用ソフトとして発売された[10][1]翌年に続編となる『みんなで空気読み。2~令和~』を発売した際、前作となる『みんなで空気読み。』を日本国外向けに発売したところ、実況動画が上がる程のヒットを見せた[10]。これを受け『みんなで空気読み。2~令和~』もローカライズし、PlayStation 4Steamにも展開した[10]

竹下は次の1年に何をすべきか迷い、より早くジー・モードの家庭用ゲーム機向けダウンロード作品を増やそうかと考える中で、過去にフィーチャーフォン向けに発売した作品の復刻版の発売を思い立ち、2020年より「G-MODEアーカイブス」が開始された[10]。2020年4月、「G-MODEアーカイブス」の第1弾となる『フライハイトクラウディア』がNintendo Switchで発売された。

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沿革

現:ジー・モード(旧:ONE-UP)

  • 2006年(平成18年)6月 - 株式会社ジョインとして東京都豊島区池袋に設立。
  • 2008年(平成20年)5月 - ONE-UP株式会社へ社名変更。
  • 2011年(平成23年)
    • 10月 - 本社を東京都中央区銀座に移転。
    • 12月 - One-Up Asia Holdings Pte Ltd.設立。
  • 2012年(平成24年)3月 - 株式会社ディー・エフ・キューと合併。
  • 2013年(平成25年)2月 - 台湾スタジオ設立。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月 - 旧ジー・モードと合併し株式会社ジー・モードに社名を変更、本社を新宿区西新宿に移転。
    • 4月 - 社長を一般公募。最終面接は夏野剛久夛良木健森下一喜が行うとされていた[11]が、その後の動向は公表されていない。
  • 2015年(平成27年)
    • 4月 - マーベラスの子会社となる。マーベラス役員の加藤征一郎が社長に就任。
    • 9月 - 本社を品川区東品川に移転。
  • 2017年(平成29年)12月 - マーベラスの副社長の青木利則が代表取締役に就任[1]

旧:ジー・モード

  • 2000年(平成12年)7月 - 髙見富夫により会社設立[4]。株主はアトラスゲームアーツ角川出版事業振興基金に加え、携帯電話販売会社である兼松コンピューターシステムが名を連ねた[4]
  • 2001年(平成13年) - NTTドコモ・J-フォングループ(現・ソフトバンクモバイル)・KDDIグループに携帯電話ゲームコンテンツの配信開始。
  • 2002年(平成14年)10月 - 株式を店頭登録(後のジャスダック[4]
  • 2007年(平成19年)12月 - mixiに携帯電話フラッシュゲームコンテンツの提供開始。
  • 2009年(平成21年)5月 - 株式会社アプリックス(現・アプリックスIPホールディングス株式会社)と業務・資本提携契約を締結。
  • 2010年(平成22年)
    • 1月
      • モバゲータウン向けサービスを開始。
      • 株式会社アプリックスが親会社となる。
    • 10月 - GREE向けサービスを開始。
  • 2011年(平成23年)12月 - ガイアホールディングス株式会社との株式交換により、ジャスダック上場廃止。
  • 2013年(平成25年)4月 - 親会社ガイアホールディングス株式会社がアプリックスIPホールディングス株式会社に社名変更。
  • 2014年(平成26年)
    • 1月 - アプリックスIPホールディングスが保有する発行済み全株式をONE-UP株式会社に譲渡し、ONE-UPの傘下となる。
    • 3月 - ONE-UPと合併し消滅。

主なサービス

要約
視点
MOBILE
Wii

G-MODEアーカイブス

フィーチャーフォン向けに配信されていたアプリゲームを当時のままに再現したシリーズ。2020年4月16日よりNintendo Switch向けに順次配信され[13]、2021年4月27日からはSteam向けに一部作品が配信されている[14][15]

ジー・モードへの問い合せで過去タイトル復刻希望の声が多かった事が企画立案のきっかけだが、その検討中にiモード2025年までに完全終了するとの発表があり今後ゲームをプレイ出来なくなることやソースコード消失により復刻が困難になることが予想されるため、そうした事態を避けるという目的も含んでいる。テーマは「失われゆく、すべてのアプリを救う[16][17]

全てのタイトルは基本的に原作を忠実に再現している。1タイトルごとにそのまま移植作業を行った場合膨大なコストがかかり採算が合わなくなることから、自社開発のフレームワーク「G-Engine」を用いて短期間での移植を実現し、自社他社問わずプログラムソースがあれば対応可能となった[16]

配信タイトル

以下のほか、ナンバリングはされていないが、2021年11月25日発売のNintendo Switch用パッケージソフト『みんなで空気読み。1・2・3+』には、フィーチャーフォン版の『空気読み。』がG-MODEアーカイブス形式で収録されている[18]

2020年(26タイトル)
さらに見る No, 配信日 ...
2021年(13タイトル)
さらに見る No, 配信日 ...
2022年(4タイトル)
さらに見る No, 配信日 ...
2023年(10タイトル)
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2025年
さらに見る No, 配信日 ...

G-MODEアーカイブス+

ジー・モード以外のメーカーがかつて配信していたフィーチャーフォン向けタイトルを忠実に再現し遊べるようにした新レーベル。2021年3月18日よりNintendo Switch向けに配信開始され[19][20]、同年11月16日からはSteam向けに一部作品が配信されている[21][22]

配信タイトル

2021年(20タイトル)
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2022年(5タイトル)
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2023年(17タイトル)
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2024年(12タイトル)
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2025年
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役員

過去の所属スタッフ

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外部クリエーター

  • 遠藤雅伸(ゲームデザイナー):三国志年代記、右脳パラダイスケータイ社長など
  • 飯淳(ゲームプロデューサー):勇者死す。
  • 桝田省治(ゲームデザイナー):勇者死す。
  • 山下しゅんや(キャラクターデザイナー):勇者死す。
  • 伊藤賢治(サウンドクリエーター):勇者死す。
  • 西山英一(ゲームプロデューサー):いづみ事件ファイル、彼なりの純情
  • 大久保薫(サウンドクリエーター):ケータイ少女
  • 青木俊直(キャラクターデザイナー):ゆるゆる劇場
  • 鈴木香織(キャラクターデザイナー):フライハイトクラウディア、mystia(フライハイトクラウディア4以外はジー・モード所属時に担当)
  • 大味健一郎(ゲームデザイナー):ゴーストピンボール、ケイバモノガタリ、いづみ事件ファイルシリーズなど

過去の主なグループ会社

脚注

外部リンク

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