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ビルマ文字 (Unicodeのブロック)
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ビルマ文字(ビルマもじ、英語: Myanmar)は、Unicodeの36個目のブロック。
解説
東南アジアの国ミャンマーの公用語であるビルマ語や、同国で話されるその他の言語(シャン語、モン語、カレン諸語など)を表記するためのビルマ文字を収録している。なお、英語での本ブロックの名称は"Myanmar"(ミャンマー文字)だが、この文字は歴史的には"Burmese"(ビルマ文字)としても知られており[1]、本記事の記事名は日本語でよく使用される後者を採用している。
ビルマ文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では短母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。
また、頭子音を伴わない単独の母音にも子音字同様に独立した文字が充てられているが、一部の母音にしか単独の母音字が存在しない。子音連続など子音のみで発音する場合は子音字に介子音記号を付加して表すか、ヴィラーマを用いて子音字を子音クラスタを形成する際に用いられる別の子音字に結合する結合文字に変化させる。末子音にはアタッ(အသတ် [ʔət̪aʔ])と呼ばれる記号を付けて表す。
書字方向はラテン文字やキリル文字などと同様に左から右へと横書き(左横書き)し、下に行を送る。単語毎の分かち書きは原則しない。
子音字は有声音と無声音の弁別に加えて、有気音であるか無気音であるかを区別していた。そのため、各調音点における破裂音には計4種類の子音字が存在している。現在のビルマ語では有声有気音は有声無気音に合流している。
母音字は元々母音の長短を区別していたため文字が分かれているが、現在のビルマ語では長短での区別は消失しており、代わりに母音の声調の変化によって区別されるようになっている。
符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。
加えて、アラビア文字やタイ文字などと同様に独自の数字体系(ビルマ数字)を有している。
Unicodeのバージョン3.0で初めて追加された。
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収録文字
要約
視点
「ラテン文字転写」の列はビルマ文字のラテン文字への翻字方式の一つであるMLC Transcription Systemに従う。
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小分類
要約
視点
このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「独立母音字」(Independent vowels)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「ヴィラーマと殺母音記号」(Virama and killer)、「従属子音記号」(Dependent consonant signs)、「数字」(Digits)、「約物」(Punctuation)、「パーリ語およびサンスクリット語用の拡張」(Pali and Sanskrit extensions)、「モン語用の拡張」(Extensions for Mon)、「スゴ―・カレン語用の拡張」(Extensions for S'gaw Karen)、「西部ポー・カレン語用の拡張」(Extensions for Western Pwo Karen)、「東部ポー・カレン語用の拡張」(Extensions for Eastern Pwo Karen)、「ゲバ・カレン語用の拡張」(Extension for Geba Karen)、「カヤー語用の拡張」(Extensions for Kayah)、「シャン語用の拡張」(Extensions for Shan)、「ルマイ・パラウン語用の拡張」(Extensions for Rumai Palaung)、「シャン数字」(Shan digits)、「カムティ・シャン語用の拡張」(Extensions for Khamti Shan)、「アイトン語およびパーケ語用の拡張」(Extensions for Aiton and Phake)、「シャン語の記号」(Shan symbols)の21個となっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。
子音字(Consonants)
この小分類にはビルマ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。
独立母音字(Independent vowels)
この小分類にはビルマ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
従属母音記号(Dependent vowel signs)
この小分類にはビルマ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。文字によっては子音字の左側に結合されるため文字の符号上の順序とレンダー上の順序が入れ替わる場合がある。
各種記号(Various signs)
この小分類にはビルマ文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
ヴィラーマと殺母音記号(Virama and killer)
この小分類にはビルマ文字のうち、子音字の持つ母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号2種類が収録されている。
従属子音記号(Dependent consonant signs)
数字(Digits)
この小分類にはビルマ文字で用いられる固有の数字が収録されている。
約物(Punctuation)
パーリ語およびサンスクリット語用の拡張(Pali and Sanskrit extensions)
モン語用の拡張(Extensions for Mon)
この小分類にはモン語を表記するための拡張文字が収録されている。
スゴ―・カレン語用の拡張(Extensions for S'gaw Karen)
この小分類にはスゴー・カレン語を表記するための拡張文字が収録されている。
西部ポー・カレン語用の拡張(Extensions for Western Pwo Karen)
この小分類には西部ポー・カレン語を表記するための拡張文字が収録されている。
東部ポー・カレン語用の拡張(Extensions for Western Pwo Karen)
この小分類には東部ポー・カレン語を表記するための拡張文字が収録されている。
ゲバ・カレン語用の拡張(Extension for Geba Karen)
この小分類にはゲバ・カレン語を表記するための拡張文字が収録されている。
カヤー語用の拡張(Extensions for Kayah)
この小分類にはカヤー語を表記するための拡張文字が収録されている。
シャン語用の拡張(Extensions for Shan)
この小分類にはシャン語を表記するための拡張文字が収録されている。
ルマイ・パラウン語用の拡張(Extensions for Rumai Palaung)
この小分類にはパラウン語のルマイ方言を表記するための拡張文字が収録されている。
シャン数字(Shan digits)
カムティ・シャン語用の拡張(Extensions for Khamti Shan)
この小分類にはカムティ語を表記するための拡張文字が収録されている。
アイトン語およびパーケ語用の拡張(Extensions for Aiton and Phake)
この小分類にはアイトン語およびパーケ語を表記するための拡張文字が収録されている。
シャン語の記号(Shan symbols)
この小分類にはシャン語において用いられる記号が収録されている。
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カムティ体
ビルマ文字で表記される言語のうち、主にインド東部で話されているタイ・カダイ語族のカムティ語、アイトン語、パーケ語ではカムティ体(Khamti style)と呼ばれる、書き始めに点の付いた字形が用いられている。この書式は多くの文字で通常のミャンマー式の字形と比べて点の有無程度の字形差しか存在せず、文字の機能自体に変化もないため符号上は統一されていたが、ミャンマー式の書体ばかりが増え、カムティ体を表記に用いる言語コミュニティの文化喪失が懸念されていた。この問題に対処するため、現在はカムティ体を異体字セレクタのVS1(U+FE00)を用いて表現することができるようになっている[5]。
U+ | 1000 | 1002 | 1004 | 1010 | 1011 | 1015 | 1019 | 101A | 101C | 101D | 1022 | 1031 | 1075 | 1078 | 107A | 1080 |
既定の符号位置 | က | ဂ | င | တ | ထ | ပ | မ | ယ | လ | ဝ | ဢ | ေ | ၵ | ၸ | ၺ | ႀ |
VS1添加 (カムティ体) | က︀ | ဂ︀ | င︀ | တ︀ | ထ︀ | ပ︀ | မ︀ | ယ︀ | လ︀ | ဝ︀ | ဢ︀ | ေ︀ | ၵ︀ | ၸ︀ | ၺ︀ | ႀ︀ |
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文字コード
ビルマ文字[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+100x | က | ခ | ဂ | ဃ | င | စ | ဆ | ဇ | ဈ | ဉ | ည | ဋ | ဌ | ဍ | ဎ | ဏ |
U+101x | တ | ထ | ဒ | ဓ | န | ပ | ဖ | ဗ | ဘ | မ | ယ | ရ | လ | ဝ | သ | ဟ |
U+102x | ဠ | အ | ဢ | ဣ | ဤ | ဥ | ဦ | ဧ | ဨ | ဩ | ဪ | ါ | ာ | ိ | ီ | ု |
U+103x | ူ | ေ | ဲ | ဳ | ဴ | ဵ | ံ | ့ | း | ္ | ် | ျ | ြ | ွ | ှ | ဿ |
U+104x | ၀ | ၁ | ၂ | ၃ | ၄ | ၅ | ၆ | ၇ | ၈ | ၉ | ၊ | ။ | ၌ | ၍ | ၎ | ၏ |
U+105x | ၐ | ၑ | ၒ | ၓ | ၔ | ၕ | ၖ | ၗ | ၘ | ၙ | ၚ | ၛ | ၜ | ၝ | ၞ | ၟ |
U+106x | ၠ | ၡ | ၢ | ၣ | ၤ | ၥ | ၦ | ၧ | ၨ | ၩ | ၪ | ၫ | ၬ | ၭ | ၮ | ၯ |
U+107x | ၰ | ၱ | ၲ | ၳ | ၴ | ၵ | ၶ | ၷ | ၸ | ၹ | ၺ | ၻ | ၼ | ၽ | ၾ | ၿ |
U+108x | ႀ | ႁ | ႂ | ႃ | ႄ | ႅ | ႆ | ႇ | ႈ | ႉ | ႊ | ႋ | ႌ | ႍ | ႎ | ႏ |
U+109x | ႐ | ႑ | ႒ | ႓ | ႔ | ႕ | ႖ | ႗ | ႘ | ႙ | ႚ | ႛ | ႜ | ႝ | ႞ | ႟ |
備考
|
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履歴
要約
視点
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
Wikiwand - on
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