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アメリカの映画作品 ウィキペディアから
『フォレスト・ガンプ 一期一会』(フォレスト・ガンプ いちごいちえ、Forrest Gump)は、1994年公開のアメリカのコメディドラマ映画。監督はロバート・ゼメキス、主演はトム・ハンクス。日本公開は1995年で、配給収入38億円のヒット作品となった[2]。第67回アカデミー賞作品賞や第52回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞などを受賞した。→#受賞/ノミネート
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フォレスト・ガンプ 一期一会 | |
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Forrest Gump | |
監督 | ロバート・ゼメキス |
脚本 | エリック・ロス |
原作 | ウィンストン・グルーム『フォレスト・ガンプ』 |
製作 |
ウェンディ・フィネルマン スティーヴ・ティッシュ スティーヴ・スターキー |
出演者 |
トム・ハンクス サリー・フィールド ロビン・ライト ゲイリー・シニーズ ミケルティ・ウィリアムソン |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
撮影 | ドン・バージェス |
編集 | アーサー・シュミット |
配給 |
パラマウント映画 UIP |
公開 |
1994年7月6日 1995年3月11日 |
上映時間 | 142分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $55,000,000[1] |
興行収入 | 🇯🇵64.5億円 |
配給収入 | 38億7000万円 |
1985年にウィンストン・グルームが発表した小説『フォレスト・ガンプ』(日本語訳は講談社より1994年12月出版。小川敏子訳)をエリック・ロスが脚色して製作された映画だが、原作からは大きく改変されている。
人より知能指数は劣るが、純真な心と恵まれた身体、母への愛とある1人の女性への一途な思いを持つ主人公フォレスト・ガンプ(「うすのろフォレスト」「間抜けなフォレスト」)が、心ない人からは嘲りを受けつつも、それ以上に良き心を持つ周囲の人々の協力を受けて数々の成功を収め、同時に幸福を周囲にもたらしていく半生を、1950 - 80年代のアメリカ合衆国の歴史を交えながら描いた、笑いあり涙ありのヒューマンドラマ。
タイトルの「フォレスト・ガンプ」は主人公の名前。「フォレスト」は白人至上主義団体であるクー・クラックス・クランの結成者として知られるネイサン・ベドフォード・フォレストから。「ガンプ」(gump) はアラバマ州の方言で、「うすのろ」「間抜け」「愚か者」を意味する[注 1]。
映画は、風に舞う1枚の羽がフォレストの足下に舞い降りるシーンから始まる。フォレストは隣に座っている黒人女性に向かってチョコレートの箱を差し出し、「僕のママの口癖は『人生は箱入りのチョコレート。食べるまで中身は分からない』」と言う。物語は、バス停のベンチに座るフォレストが、バスを待つ人々に話しかけながら過去を回想するという形で進行する。
※ここから物語は現在進行に移る。
フォレストが子育てに奮闘した末、かつての自分のように息子をスクールバスで小学校へ送り出したところで、フォレストの足下にあった羽が風に乗り再び空へと舞い上がり、映画は幕を閉じる。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | 日本テレビ版 | フジテレビ版 | ||
フォレスト・ガンプ | トム・ハンクス | 江原正士 | 山寺宏一 | 江原正士 |
ミセス・ガンプ | サリー・フィールド | 土井美加 | 野沢由香里 | 鈴木弘子 |
ジェニー・カラン | ロビン・ライト | 佐々木優子 | 勝生真沙子 | 名越志保 |
ダン・テイラー | ゲイリー・シニーズ | 有本欽隆 | 樋浦勉 | 鈴置洋孝 |
バッバ・ブルー | ミケルティ・ウィリアムソン | 福田信昭 | 酒井敏也 | 屋良有作 |
フォレストJr. | ハーレイ・ジョエル・オスメント | 近藤玲子 | 大谷育江 | 矢島晶子 |
フォレスト(子供時代) | マイケル・コナー・ハンフリーズ | |||
ジェニー(子供時代) | ハンナ・ホール | 麻見順子 | 潘恵子 | 増田ゆき |
ルイーズ | マーゴ・ムーラー | 喜田あゆ美 | 伊倉一恵 | |
医者 | ハロルド・G・ハーサム | 宝亀克寿 | 稲垣隆史 | 富田耕生 |
校長 | サム・アンダーソン | 石波義人 | 水野龍司 | |
ドロシー・ハリス | シオバン・ファロン | 佐藤しのぶ | 堀越真己 | 佐藤しのぶ |
アール | カーク・ウォード | 小野健一 | 平田広明 | |
ジェニーの父 | ケヴィン・マンガン | 仲野裕 | 秋元羊介 | 小室正幸 |
ベンチの子連れの女性 | デボラ・マクティア | 野沢由香里 | 湯屋敦子 | |
教練軍曹 | アフェモ・オミラミ | 水野龍司 | 斎藤志郎 | |
ベンチの太った男 | ビル・ロバーソン | 石波義人 | 塩屋浩三 | 後藤哲夫 |
アビー・ホフマン | リチャード・ダレッサンドロ | 仲野裕 | 納谷六朗 | 大川透 |
ウェスリー | ジェフリー・ブレイク | 小野健一 | 仲野裕 | 青山穣 |
ブラック・パンサー | ケヴィン・デイヴィス | 喜多川拓郎 | 坂東尚樹 | |
カーラ | ティファニー・セラーノ | 野沢由香里 | 沢海陽子 | 小林優子 |
レノア | マーラ・スカレッツァ | 佐藤しのぶ | 速見圭 | 佐藤しのぶ |
バッバの母 | マリーナ・スモールズ | 水原リン | 磯辺万沙子 | |
タクシー運転手 | マイケル・マティソン | 伊藤栄次 | 斎藤志郎 | |
いじめっ子 | マーカス・バトン | 津村まこと | 小林優子 | |
エルヴィス・プレスリー | ピーター・ドブソン | 小野健一 | 荒川太郎 | |
ディック・カベット | 天田益男 | 納谷六朗 | 千田光男 | |
アーカイブ映像 | ||||
ジョージ・ウォレス・アラバマ州知事 | 宝亀克寿 | 沢木郁也 | ||
ジョン・F・ケネディ大統領 | 石波義人 | 仲野裕 | 大滝進矢 | |
リンドン・ジョンソン大統領 | 宝亀克寿 | 北村弘一 | 千田光男 | |
ジョン・レノン | 水野龍司 | 津田英三 | 大塚芳忠 | |
リチャード・ニクソン大統領 | 水野龍司 | 大川透 | ||
日本語版スタッフ | ||||
演出 | 蕨南勝之 | 佐藤敏夫 | 伊達康将 | |
翻訳 | 岩本令 | 佐藤恵子 | 松崎広幸 | |
制作 | 東北新社 | オムニバス・ジャパン | 東北新社 | |
初回放送 ソフト収録 | VHS・DVD・BD収録 | 1998年4月24日 21:03-23:44 『金曜ロードショー』 ノーカット放送 | 2000年3月11日 21:00-23:24 『ゴールデン洋画劇場』 正味約120分 | |
監督候補はテリー・ギリアムやバリー・ソネンフェルドの名前が挙がっていた。
主人公であるフォレスト・ガンプ役は、実際に演じたトム・ハンクスのほかにビル・マーレイやチェビー・チェイスなどにも出演依頼がなされていた。また、バッバ・ブルー役にはデイヴィッド・アラン・グリアやジョン・トラヴォルタ[4]が予定されていた。
サリー・フィールドはハンクス演じるフォレストの母親役として出演しているが、ハンクスとの年齢差は10歳しかない。
少年時代のフォレストがスクールバスで少年の隣に座ろうとして拒否する少年は、監督であるロバート・ゼメキスの息子である。また、同じバスのなかにいる赤い髪の少女はハンクスの娘である。
アメリカンフットボールの試合で一直線に走り抜けるシーンの撮影中に、ハンクスはインフルエンザに感染した。
顔が映らないエルヴィス・プレスリーの声はクレジットに入っていないカメオ出演としてカート・ラッセルが担当している。ラッセルは1979年のテレビ映画『ザ・シンガー』にてエルヴィス役を演じている。
フォレストがウォーターゲート事件の端緒となるウォーターゲート・ビルへの侵入事件を目撃したり、フォレストの母が民宿を営む自宅に無名時代のエルビス・プレスリーが下宿したことがあったりと、当時の事件や著名人が多数登場する。ILMが担当したVFXは、主演のトム・ハンクスをジョン・レノンやジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンといった故人と共演させ話題になった。なお、作品中でジョン・レノンがフォレストと対談するシーンがあるが、DVDのオーディオ・コメンタリーで「フォレストから『イマジン』の作曲のインスピレーションを得た(という架空のエピソード)」と説明されている。
本作の重要なモチーフとなっている羽が舞うシーンだが、この撮影には巨額の費用がかかったことで知られる。映画監督の北野武の弁では、「あれ(羽が舞うシーンにかけた費用)だけで自分の映画が一本撮れる」ほどの金額だという[要出典]。
フォレストらが赴くベトナムのシーンは、実際はサウスカロライナ州のゴルフコースで撮影された。
ゲイリー・シニーズ演じるダン・テイラーが足を失ったあとのシーンは、撮影時にシニーズの両足へ青い特殊な縫い物を充て、編集段階でコンピュータにより当該箇所の削除が行われた。
フォレストがただひたすら走り続けるシーンでは、頻繁にハンクスの弟がボディダブル(吹替え)として兄の代役を務めた[要出典]。
この映画は、背景の時代に合わせて、その時代に流行した音楽が登場することでも有名である。またこの映画のサウンドトラックは約1,800万枚という大ヒットを記録した。
映画は原作とは異なるところがかなり多い。ガンプ家は映画では南部の比較的裕福な家庭だが、原作ではどちらかと言えば貧しい家庭である。バッバ・ブルーは映画ではフォレスト同様に少し知能が足りない黒人だが、原作では知能に問題がない白人である。ワシントンDCでの反戦集会に迷い込んだフォレストがスピーチをさせられるシーンでは、フォレストが話し始めた途端にマイクの音声が途切れ、話し終わったときに音声が戻り、劇中の聴衆にも映画の観客にもフォレストが何を話したのかわからないが、原作ではフォレストは反戦集会でも陸軍勧誘のスピーチでも「戦争なんてろくでもないことです」とはっきり言う。映画でのジェニーは自由奔放な生活を送ってきたつけとしてエイズにかかって死ぬが、原作ではフォレストがマリファナを使うことに憤るタイプの常識人で、エイズにもかかっていない。また、続編小説の冒頭でジェニーは亡くなる。以上のような諸要素から、本映画は保守的な作品として批判されることがある[5]。
同時代に全米各地で起こっていたアフリカ系アメリカ人を中心とする公民権運動については、映画のなかではほとんど語られない。要素としてはわずかにブラックパンサー党が登場するくらいである。リー・ダニエルズ監督による『大統領の執事の涙』は本作と同じような語り口を用いて公民権運動を中心的な題材としている。
ジェニーが憧れるジョーン・バエズは、実際に公民権運動や反戦運動に積極的に参加していたフォーク歌手で、ボブ・ディランとの共演などでも知られる。ジェニーにストリップ劇場で裸でギターを弾かせるシーンでは、制作スタッフがDVDのオーディオ・コメンタリーで「ジョーン・バエズが彼女の理想像だ」とコメントしている。
DVDのオーディオ・コメンタリーのなかでゼメキスは、反戦運動に身を投じるジェニーを「セックス・ドラッグ・ロックンロール」に喩え、何も知らずにベトナム戦争に参加するフォレストを「古き良きアメリカ」と表現している。
トム・ハンクスとゲイリー・シニーズは、次作『アポロ13』でも競演することになるが、本作において、1971年大晦日のニュー・イヤー・カウントダウン・パーティー会場におけるガンプとダン小隊長の会話に、「おまえがシュリンプボートのキャプテンになれるなら、オレは宇宙飛行士だ」という台詞がある。
『ハリウッド・ナイトメア』のゼメキスが監督した回「You, Murderer」のオープニングでは、『フォレスト・ガンプ』の「鳥の羽根」「チョコレートの箱」と同じシーンが出てくる。また、この回の「主演」のハンフリー・ボガートの本名は、Humphrey DeForest Bogartである。この回では、『フォレスト・ガンプ』のような過去のボガートの映像と現在の俳優との合成シーンが見られる。
本作では、映画の舞台であるアラバマ州の訛りの強い方言や、1994年(公開年)ではすでに使用されていない英語が頻繁に用いられている。日本語吹き替え版では、日本テレビ版の山寺、フジテレビ版の江原ともスローな崩した発音でガンプの訛りに対応した。山寺の演技は真に迫りすぎ、日本テレビに苦情が寄せられるほどであった(WOWOW「シネマ・ポチョムキン」による)。最初に作られたソフト版における江原のしゃべり方は、ガンプの訛りがまったく意識されていない。
キャッチコピーは、劇中に台詞としても登場する「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない[注 4](Life is like a box of chocolates. You never know what you're gonna get.)」。この台詞は、「アメリカ映画の名セリフベスト100」において第40位となっている。
その後、2000年頃に小説版の続編とは別内容の続編の制作も計画されていたが、2001年9月に頓挫した。
2007年にもパラマウント映画で続編の制作が計画されたが、頓挫した。
この映画の影響を受けて、パロディ歌手のアル・ヤンコビックは、1996年にザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカの楽曲「ランプ」(Lump)のパロディ曲「ガンプ」(Gump)を発表している。
アメリカのラッパーであるSkee-Loは「I Wish」という曲のミュージック・ビデオでこの映画のパロディをしている。
インド映画『Laal Singh Chaddha』として制作。主演はアーミル・カーン。2022年8月11日に公開された。
1996年、劇中に登場する「ババ・ガンプ・シュリンプ」をモチーフにしたシーフードレストラン「ババ・ガンプ・シュリンプ・カンパニー」が設立された。2012年現在アメリカを中心に世界で20店舗を展開。
日本の支店は、東京・後楽園のラクーア内「ババ・ガンプ・シュリンプ東京」と、大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接したユニバーサル・シティウォーク大阪内「ババ・ガンプ・シュリンプ大阪」と、東京・江東区豊洲のららぽーと豊洲内の3店舗である。株式会社WDIにより運営されている。
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