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日本の映画作品 ウィキペディアから
『陰陽師』(おんみょうじ)は、2001年に滝田洋二郎監督、野村萬斎の主演で製作された日本映画。夢枕獏原作の陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた伝奇小説『陰陽師』の映画化作品。本項では続編の『陰陽師II』も扱う。
上役の依頼を受けた源博雅は陰陽師の安倍晴明の屋敷を訪れ、それをきっかけに二人は顔見知りとなる。平安京では左大臣・藤原師輔の娘・任子が敦平親王を出産し、師輔の権勢が増していった。これに対し、娘・祐姫を入内させていた右大臣・藤原元方はライバルの師輔への憎悪を抱き、その心を見透かした陰陽頭・道尊は元方を利用して都を滅ぼそうと企む。道尊は敦平親王に呪詛をかけて殺そうとするが、博雅の依頼を受けた晴明と巫女・青音の力によって阻止される。これに焦った元方は二人を捕えて呪詛の罪で処刑しようとするが、師輔の命令で二人は解放される。しかし、道尊に操られた兵士が晴明に襲いかかり、彼を守ろうとした青音が殺される。博雅は青音が死んだことを悲しむが、彼女はその日の夜に生き返った。驚く博雅に対し晴明は、彼女が桓武天皇の命令で人魚の肉を食べ不老不死となり、150年間都を守護してきた巫女であることを伝える。
道尊は次の一手として祐姫を操り、帝と敦平親王を殺させようとする。師輔の依頼を受けた晴明と博雅は、帝の側に控えて祐姫をおびき寄せるが、そこで博雅は自分が夜ごと会って想いを寄せていた女性の正体が祐姫だったことに気付く。祐姫も博雅の存在に気付き正気を取り戻すが、道尊の術によって鬼に変化させられてしまう。博雅は祐姫をかばうが、彼女は帝への嫉妬に駆られて鬼になった自分を見られたことに傷つき自害し、父親の元方も道尊のやり方に恐怖を感じ、彼の正体を書状に記して自害する。
追い詰められた道尊は、150年前に無実の罪で追われ悪霊として封印された早良親王を復活させ、国中の悪霊を使い都を襲う。博雅は祐姫の仇を討つため道尊と戦うが歯が立たず、道尊によって殺されてしまう。駆け付けた晴明は悲しむが、青音が自分を生贄にして博雅を生き返らせるように促す。晴明は青音の命を使い博雅を生き返らせ、二人は道尊と対峙する。その時、博雅の身体の中に宿っていた青音の魂は、かつて愛し合っていた早良親王の魂と再会し、彼の兄である桓武天皇が早良親王を死に追いやったことを悔いていたことを告げる。青音の言葉を聞いた早良親王は彼女に寄り添い、成仏していく。取り残された道尊は晴明を味方に引き入れようとするが、拒否されたため彼に一騎打ちを挑む。晴明は道尊を結界の中に封じ込めて力を奪い、観念した道尊は自ら命を絶つ。
全てが終わり、晴明邸を訪れた博雅は再び酒を酌み交わしながら笑い、一時を楽しむのだった。
『陰陽師II』(おんみょうじツー)は、2003年に前作同様、滝田監督、野村萬斎の主演で制作された日本映画。『陰陽師』2年ぶりの続編にあたる。前作と同様、陰陽師・安倍晴明が都で起こる奇怪な事件を解決するという伝奇時代劇。
源博雅は旧知の安倍晴明の屋敷を訪れ、都に鬼が現れて人を襲っていることを語る。晴明は博雅の依頼を受けて、右大臣・藤原安麻呂の屋敷を訪れ「夜な夜な屋敷を徘徊する娘・日美子に鬼が憑いているのではないか」と相談を受ける。晴明は日美子が鳥の傷を癒す不思議な力を目の当たりにして、安麻呂に心配することはないと告げる。一方、博雅は美しい琵琶を奏でる青年・須佐と出会う。
晴明は朝廷に保管されている天叢雲剣に異変が生じていることを帝に告げるが、天叢雲剣に異変は見当たらず、帝は鬼退治を優先するように命じる。晴明は博雅と共に天叢雲剣の調査を続けるが、そこで鬼に襲われた人々が日本神話の神々の子孫だと知る。さらに、安麻呂の屋敷を訪れた晴明は、彼から日美子が実の娘ではなく、天叢雲剣を手に入れるために朝廷が滅ぼした出雲族の生き残りだと聞かされる。一方、平為成は晴明を追い落とすため、都で評判となっている術師・幻角を雇い入れるが、彼の正体は出雲族の長であり、息子の須佐を鬼にして神々の子孫を襲わせ、スサノオを蘇らせて朝廷を滅ぼそうと画策していた。
晴明は日美子を連れて出雲族の跡地を訪れ、そこで日美子の亡母・月黄泉の霊魂を呼び寄せ、「スサノオを蘇らせるためには須佐が日美子を食らう必要がある」と聞かされる。そこに幻角が現れて須佐に襲わせようとするが、須佐は姉を襲うことを拒む。しかし、日美子は苦しむ須佐を救うために犠牲となり、スサノオの力を手にした須佐は幻角と共に都を襲い天叢雲剣を手に入れる。
晴明はスサノオを鎮めるために、博雅と共に天照大神(日美子)を呼び戻すため天岩戸を開こうとする。それに気付いた幻角は天叢雲剣で晴明を刺し重傷を負わせてしまうが、彼の血を浴びたことで天岩戸が開き日美子が現れる。日美子はスサノオの力から解放して須佐を救い、父を恨んではいないことを伝え、母・月黄泉と共に現世を去っていく。幻角は自身の力を使い晴明を生き返らせて立ち去り、人知れず息を引き取る。意識を回復した晴明は、屋敷で博雅と共に酒を飲み交わす。
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