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クメール文字 (Unicodeのブロック)

Unicodeのブロック ウィキペディアから

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クメール文字(クメールもじ、英語: Khmer)は、Unicodeの49個目のブロック

概要 範囲, 面 ...

解説

東南アジアの国カンボジアの公用語であるクメール語を表記するためのクメール文字を収録している。

クメール文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。書字方向ラテン文字などと同様に左から右へ横書き(左横書き)する。原則分かち書きしない

母音記号はものによっては文字の左側に付けられたり、子音字を左右から挟む形で付加されることがあるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。

子音字は元々有声音無声音の弁別に加えて、有気音であるか無気音であるかを区別していた。そのため、各調音点における破裂音には計4種類の子音字が存在していた。現在は同じ調音点における有声音か無声音かの区別がなくなり(ただし元々反り舌音の無気音を表していた子音字が現在は有声音の[d]或いは入破音の[ɗ]を表している)、代わりに同じ母音記号がついても違う母音で発音されるという音韻規則によってa系(または第1音域, the first register)の子音とo系(または第2音域, the second register)の子音に分かれている。Unicodeでは文字名が-Aで終わっているか-Oで終わっているかでこれらの区別をしている。

また、子音字は子音クラスタを表す際に、U+17D2 KHMER SIGN COENGと結合して脚文字と呼ばれる別の子音字と結合するための特殊な形状に変化する。

加えて、アラビア文字やデーヴァナーガリーなどと同様に独自の数字体系(クメール数字)を有している。

符号位置の順序はおおむね伝統的なクメール文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン3.0において初めて追加された。

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収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はクメール文字のラテン文字への翻字方式の一つであるALA-LCに従う。

さらに見る コード, 文字 ...
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小分類

要約
視点

このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「非推奨の翻字用独立母音字」(Deprecated independent vowels for transliteration)、「独立母音字」(Independent vowels)、「内在母音」(Inherent vowels)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「2要素からなる従属母音記号」(Two-part dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「子音シフター」(Consonant shifters)、「太陰暦用記号」(Lunar date sign)、「通貨記号」(Currency symbol)、「数字」(Digits)、「占いの伝承における数字記号」(Numeric symbols for divination lore)の12個となっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。

子音字(Consonants

この小分類にはクメール文字のうち、基本的な子音字が収録されている。子音字は何も母音記号が付かない場合、a系子音字では母音[ɑ]、o系子音字では母音[ɔ]を伴って発音される。

非推奨の翻字用独立母音字(Deprecated independent vowels for transliteration

これらのクローン化された独立母音は、もともとパーリ語サンスクリット語の音訳のためだけに意図されたものであった[1]。現在、使用は強く非推奨である。

独立母音字(Independent vowels

この小分類にはクメール文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

内在母音(Inherent vowels

これらは音写のための不可視結合記号で、インド諸言語固有の母音とクメール語固有の母音を区別するためのものである。これらの文字は特定の用途との互換性のためだけに含まれており、他の文脈での使用は推奨されない[1]

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類にはクメール文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

2要素からなる従属母音記号(Two-part dependent vowel signs

これらの 2 分割従属母音符号は、子音の両側に立つグリフ部分を持っている。これらの母音記号は論理的な順序で子音に続くので、処理の際には一つの単位として扱われるべきである[1]

各種記号(Various signs

この小分類にはクメール文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

子音シフター(Consonant shifters

この小分類にはクメール文字のうち、a系とo系の子音字をそれぞれ逆の系列の子音字として発音するための記号2種類が収録されている。

太陰暦用記号(Lunar date sign

この小分類にはクメール文字のうち、もともと太陰暦における日付の記号の一部として意図されていた記号1つのみが収録されている。現在この文字の使用は推奨されず、代わりにクメール文字様記号ブロックに含まれる太陰暦の日付記号の完全なセットが使用される[1]

通貨記号(Currency symbol

この小分類にはクメール文字のうち、カンボジア・リエル通貨記号1つのみが収録されている。

数字(Digits

この小分類にはクメール文字で用いられる固有の数字が収録されている。

占いの伝承における数字記号(Numeric symbols for divination lore

これらの文字はそれぞれ 0 ~ 9 の数値を持つが、計算には使用されない[1]

文字コード

クメール文字(Khmer)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+178x
U+179x
U+17Ax
U+17Bx
U+17Cx
U+17Dx
U+17Ex
U+17Fx
注釈
1.^バージョン15.1時点
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履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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