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シェーン
1953年公開のアメリカ合衆国の映画 ウィキペディアから
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『シェーン』(Shane)は、1953年のアメリカ合衆国の西部劇映画。パラマウント映画製作・配給。監督はジョージ・スティーヴンス、主演はアラン・ラッド。カラー、118分。
ジャック・シェーファーの小説の映画版。映画批評家のアンドレ・バザンは「sur-Western(新たな西部劇)」と位置づけ[2]、興行的にも成功した。第26回アカデミー賞で撮影賞(カラー部門)を受賞。1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
作品の格闘描写は、当時では画期的な、暴力的で激しいものであり、発表当時は、その描写が話題となった[3]。
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あらすじ
要約
視点

南北戦争後のワイオミング州の西部に広がる高原、グランドティートン山が前にそびえ立っているジョンソン郡の開拓地では、牧畜業者と農民との間でいがみ合いが続いていた。[注 1]
この土地では従来からの権利を主張する牧畜業者のライカー(エミール・メイヤー)一家と開拓者たちが対立していた。開拓者が来る前に、先住民と戦い、この土地を今日の様にしたのは自分達だとライカーは主張していたのだ。ある日、この土地にやってきた流れ者のシェーン(アラン・ラッド)は、ある開拓者の住まいに辿り着き、飲み水をわけてもらう。開拓者の主のジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)から「ライカーの仲間か」と聞かれるが、そこへライカー一家がやってきて従来の主張を繰り返す。シェーンはジョーに加勢しライカー一家を追い返す。ジョーはシェーンを夕食へ招待し、夕食をご馳走になったシェーンは、作業を手伝いこの家に留まる決心をする。
やがて息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)と仲良くなり、そしてジョーやその息子ジョーイと友情を結ぶシェーンだった。ジョーの妻マリアン(ジーン・アーサー)は息子に「あの人を好きになりすぎてはいけないわ。別れるときにつらくなるから」と語るが、一緒に過ごすなかでシェーンもマリアンも互いに淡い感情を持つようになる。
シェーンはジョーの使いで針金を街に受け取りに行き、自身の作業服も買おうとするが、酒場でライカーの手下クリス・キャロウェイ(ベン・ジョンソン)に侮辱を受ける。ジョーからいざこざに巻き込まれないように言われていたシェーンは甘んじて侮辱を受け流す。
しかし、シェーンは腰抜けだという噂が流れたため、シェーンは次に開拓者達と街に行った際に、クリスを叩きのめしてしまう。ライカーは掌を返しシェーンを雇おうとするがシェーンは拒否し、多勢に無勢で窮地に陥る。そこへジョーが飛び込み大乱闘になり、ライカーとその一家をも叩きのめしてしまう。
ここで、シェーンとジョーとの殴り合いに敗れたライカーとその一家はシャイアンに遣いを送り、殺し屋のウィルスン(ジャック・パランス)を雇う。力ずくで農民たちを追い出す魂胆であった。殺し屋ウィルスンは開拓農民の一人トーレーを挑発し、トーレーが銃に手をかけたとたんに早撃ちの一発で殺害する。その暴虐に農民達は恐れ、立ち去ろうとする者がいる一方で、ジョー・スターレットは立ち向かうことを主張した。そして、話し合おうというライカーの呼びかけに、ジョーは単独で会いに行こうとするのだったが、改心したライカーの手下に待ち伏せを警告されていたシェーンは、殴り倒してジョーを止めると、一人でライカーとその一家に立ち向かう。
シェーンは酒場でライカーやウィルスンを「0.5秒[注 2]」の早撃ちで倒した。そして、2階から彼を狙い撃とうとしたライカーの弟は、ジョーイのとっさの掛け声で、シェーンに返り討ちにされる。しかし、シェーンもまた脇腹を撃たれていた。彼が家に来てから彼を慕い、憧れていたジョーイは犬とともに酒場まで追いかけてきたのだった。傷ついた身体を心配して一緒に家に帰ろうと呼びかけるジョーイに、シェーンは「人を殺してしまえば、もう元には戻れない」と言って、馬に跨りワイオミングの山へと去っていった。必死に呼びかけるジョーイの声はやがて「シェーン!! カムバック!!」と山にこだまするのであった。そしてそのあと、別れを受け入れた少年の「グッバイ、シェーン!」が聞こえてくるのだった[注 3]。
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キャスト
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スタッフ
- 監督: ジョージ・スティーヴンス
- 脚本: A・B・ガスリー・Jr.
- 原作: ジャック・シェーファー
- 製作: ジョージ・スティーヴンス
- 音楽: ヴィクター・ヤング
- 撮影: ロイヤル・グリッグス
- 編集: ウィリアム・ホームベック、トム・マクアドゥー
- 製作会社: パラマウント映画
- 主題曲『遙かなる山の呼び声』(The Call for Far-away Hills、作曲:ヴィクター・ヤング、歌:ドロレス・グレイ)
日本語版
受賞・ランキング
受賞・ノミネート
ランキング
- AFIアメリカ映画100年シリーズ
- 1998年:「アメリカ映画ベスト100」第69位
- 2003年:「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100・ヒーロー部門」第16位
- 2005年:「アメリカ映画の名セリフベスト100」第47位(「Shane. Shane. Come back!(シェーン、シェーン、カムバック!)」)
- 2006年:「感動の映画ベスト100」第53位
- 2007年:「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」第45位
- 2008年:「10ジャンルのトップ10・西部劇部門」第3位
- 1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第45位
- 2009年:「オールタイム・ベスト映画遺産200 外国映画篇」(キネマ旬報発表)第59位[7]
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著作権
日本では東北新社が配給権を持つことから、東北新社が正規盤DVD-Videoを発売すべきところ、パラマウント社が頒布権に異議を唱えたことから、どちらがDVDを出すかが決まらないために、日本では長らく正規盤DVDが発売されてこなかった[注 10]。
2013年9月にパラマウント・ジャパンからBlu-ray Discの発売が予定されており(品番:PBH-137042)、各種通販サイトでも予約が行われたが、諸事情により直前になって発売が中止された[8]。
現在も東北新社が配給権を保持しており、2016年にリマスター版が日本で公開された際も東北新社が配給をした。
2018年9月に株式会社ディスク・ロードの復刻シネマライブラリーから正規盤DVDとBlu-ray Discが発売[9][10]。
日本においては、1953年(昭和28年)公開の団体名義の映画作品は『2003年(平成15年)12月31日に著作権の保護期間が終了したもの』と考えられたことから、幾つかの会社から『格安DVD』としてリリースされた。しかし、東北新社とパラマウント社は著作権存続を主張した。2007年(平成19年)12月18日に、最高裁判所で「著作権法による著作権の保護期間が終了した」と確定判決を下したことで「シェーンの著作権は消滅した」ということが、裁判を通じて公に認められた。
→詳細は「1953年問題」を参照
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脚注
関連項目
外部リンク
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