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今年の漢字

毎年12月12日に日本の京都府京都市で発表される、その年の世相を表す一字の漢字、およびその選定・発表キャンペーン ウィキペディアから

今年の漢字
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今年の漢字(ことしのかんじ)は、漢字日本語漢字)一字を選びその年の世相を表す字であるとして決定、公表する日本漢字能力検定協会キャンペーンである。1995年平成7年)に開始し[1]、原則として毎年12月12日に発表される。

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「今年の漢字」が発表される京都清水寺

概要

要約
視点

公益財団法人日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字一字の公募を日本全国より行い、その中で最も応募数の多かった漢字一字を、その年の世相を表す漢字として、原則として12月12日の「漢字の日」の午後2時に京都府京都市東山区清水寺で発表することになっている。ただし、当日が週末(土日)である場合は発表されず、その日の前後に発表される[注 1]。選ばれた漢字を「今年の漢字」と呼ぶ。各メディアでも、「今年の漢字」の呼称が用いられる。

1995年(平成7年)に開始。発表時には、清水寺の奥の院舞台にて、日本漢字能力検定協会の理事も務めていた、清水寺貫主森清範により、巨大な和紙に漢字一字が揮毫される。その後12月いっぱいまで本堂で一般公開されたのち、本尊の千手観世音菩薩奉納される。第一生命保険サラリーマン川柳住友生命保険創作四字熟語自由国民社ユーキャン新語・流行語大賞東洋大学東洋大学現代学生百人一首などと並んで、その年の日本の世相を反映する指標の一つとして使われている。

発案者は、漢検協会が京都・祇園で運営する漢検漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)の参与を務める大野博史。1992年に食器輸入業から漢検協会に転職し、漢検の知名度を上げるため学校回りをしたが怪しげな業者と思われ門前払いされることが多く、「何か売りがあれば突破口になる」と考え当初閃いたのが“今日の漢字”だった。毎日ひとつの漢字を更新し当時協会が入っていたビル(阪急桂駅近く)から垂れ幕を下げ電車の車内から見てもらうというアイデアだったが、365日分の漢字を誰が選ぶのか、根拠のない漢字を取り上げても反響はないと考え、一年の世相を表す“今年の漢字”を全国から募る計画に変更した。発表場所も「飛び降りる覚悟でやらないといけない」と清水寺の舞台で行うことを思い立ち、清水寺に直談判し快諾を得ている。発表当日は大野が森貫主の横で筆に墨を含ませる係を担当している[3][4]

2009年(平成21年)は、いわゆる「漢検協会事件」が発生し、同協会の理事長とその息子の副理事長が同役職を辞任、その後逮捕される不祥事が起こったことから、森は協会理事を辞任し「今年の漢字」企画への協力も拒否する可能性を示唆したが、新体制の発足に伴って姿勢を軟化させ、同年も前例通りに、清水寺で森による揮毫が行われた。

発表の瞬間は民間放送の情報ワイドショー番組(『情報ライブ ミヤネ屋』〈讀賣テレビ放送制作/日本テレビ系〉や『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』〈CBCテレビ制作・TBSテレビ系〉)などで中継することが多い。また、近年では発表直前の12月上旬に、一部のニュース番組ワイドショーなどのマスメディアにおいて、当年のニュース回顧を兼ねて「今年の漢字」の予想を行ったり、当年話題になった芸能人や著名人に対し、その人にとっての「今年の漢字」がインタビューされることが恒例になりつつある。

なお「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会によって商標登録されている(第5247080号)。

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補足

  • 「今年の漢字」の発表にともなう揮毫は、森貫主がぶっつけ本番で書いている。発表当日の朝、漢検の理事長が「今年の漢字」を書いた紙を入れた茶封筒を清水寺の森のもとへ持参してくる。封筒には「親展」と書かれている。二重封筒を使用しているため、外からは見えない。舞台に立って開封するまで、森自身も「今年の漢字」を目にすることは出来ない。
  • 森が揮毫に使用する筆は熊野筆で、穂があまり長いと墨が垂れるため書けず、逆に短いと墨持ちが悪いので、墨持ちを適度に保つために芯の部分に牛耳毛を用いている。
  • 25回目の節目となった2019年以降は、揮毫に用いられる紙に京都伝統工芸大学校の学生による手漉きの黒谷和紙(縦1.5メートル×横1.3メートル)が用いられている。
  • 「その年の世相を表す漢字」を決める試みは、他にも行われている。その例として佐竹秀雄武庫川女子大学教授と学生らによる研究がある。1997年の1年間の新聞3紙の朝刊社会面において、短期間に集中的に使われた漢字を抽出したランキングで、1位から順に「油」「少」「海」「殺」「総」「重」という結果になった。「油」「海」「重」はナホトカ号重油流出事故発生後に、「少」は神戸連続児童殺傷事件で少年の逮捕後に、「殺」は神戸連続児童殺傷事件やその他の殺人事件関連で、「総」は総会屋株主総会関連で目立った。同年の日本漢字能力検定協会による「今年の漢字」とは対照的に、金融破綻に関する漢字は上位には登場しなかった[5]
  • 複数回選出された漢字は以下の通り。
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一覧

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各国の同様のイベント

日本以外の漢字文化圏においても、2000年代以降、同様のイベントが開催されている。

中華人民共和国
2006年(平成18年)から、国家言語資源観測研究センター付属のメディア言語分析センターが、「漢語盤点」(汉语盘点)として「今年の漢字」を発表。同年の「今年の漢字」は、国内部門では「」、国際部門では「」となった。
中華民国台湾
2008年(平成20年)に、台北市文化局が主催となり「今年の漢字」(台灣年度代表字大選)を開始。最初の漢字は「」(乱)。
シンガポール
2011年(平成23年)から、最大の華僑系新聞社聯合早報が主催し、同年を代表する漢字1文字を「今年の漢字」(新加坡年度汉字)として発表。
マレーシア
2011年(平成23年)から、マレーシアの華僑系住民の団体であるマレーシア中華大会堂総会、マレーシア漢文化センター、マレーシア中国語新聞編集者協会が共催し、同年を代表する漢字1文字を「今年の漢字」(马来西亚年度汉字)として発表。
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脚注

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関連項目

外部リンク

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