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君の膵臓をたべたい

日本の小説、メディアミックス作品 ウィキペディアから

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君の膵臓をたべたい』(きみのすいぞうをたべたい)は、住野よるによる日本青春小説。略称は「キミスイ」[1][2][3]。住野よるの作品が初めて出版された本でもある[1][4]

概要 君の膵臓をたべたい, 著者 ...

2016年本屋大賞」第2位を初め、多数のランキングで上位に選出されるなど、高く評価されている(#概要参照)。

2016年のオーディオブック化を皮切りにメディアミックスも行われ、2017年に実写映画化[5]#実写映画参照)、2018年にアニメ映画化された[6]#アニメ映画参照)。

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概要

住野よるのデビュー作。小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿したところ、ライトノベル作家の井藤きくの目に留まり双葉社に紹介され、2015年6月出版に至った[7]

作品が生まれたきっかけについて住野は、はじめに浮かんだのは「君の膵臓を食べたい」というセリフで、それをタイトルにして感動できる作品にするにはどうしたら良いか、そのセリフにどのような意味を持たせられるか、どんな子がどんな相手に向かって言うのかなどを考えていく中で、「僕」と桜良が生まれ2人の物語ができあがったと述べている[8]

2016年本屋大賞」第2位[9][10]、「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR」2位、「2015年 年間ベストセラー」6位(文芸書・トーハン調べ)、「読書メーター読みたい本ランキング」1位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015」1位[11]、「2016年年間ベストセラー」総合5位・文芸書1位(トーハン調べ[12])、「2016年 年間ベストセラー」総合4位・単行本フィクション1位(日販調べ[13])、「キノベス! 2016」3位[14]、「2016 TSUTAYA BOOKS 上半期ランキング総合部門」1位[15]と高く評価された[4]。同年12月、第3回Yahoo!検索大賞 カルチャーカテゴリ 小説部門賞を受賞[16]

実写映画公開後の2017年8月時点で累計発行部数は200万部[17][18][19]2020年8月時点で累計発行部数は300万部を突破している[20][21]

アニメ映画の入場者プレゼントで本編のその後を描いた短編小説『父と追憶の誰かに』が書き下ろされた[22][23]

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あらすじ

主人公である「」は病院で偶然「共病文庫」というタイトルの本を拾う。その本は「僕」のクラスメイトである山内桜良がつづっていた秘密の日記帳で、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが書かれていた。「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、家族以外で唯一桜良の病気を知る人物となった。

「桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合っていくうちに、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、お互いに自分には欠けている部分にそれぞれ憧れを持つようになり、次第に心を通わせて成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は、恋人や友達を必要としない「僕」が、初めて関わり合いを持ちたい人に自分を選んでくれたことにより「初めて私自身として必要とされている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていった。

しかし、桜良は4週間の入院治療から解放されたその日に通り魔に刺されて、余命を全うすることなく亡くなってしまう。桜良の死に衝撃を受けた「僕」は、通夜にも葬儀にも参列できなかった。10日ほど過ぎてから、僕と彼女の始まりで彼女の物語の数ページが記されているかもしれない「共病文庫」を読まなければならないと思い立ち、桜良の家を訪れる。

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登場人物

要約
視点

※担当声優は「オーディオブック版 / アニメ映画版」でのキャスト。

※演者の項は実写映画版を指す。

「僕」(ぼく)
声 - 鈴村健一 / 高杉真宙[24]
演 - 北村匠海 (DISH//)[5](学生時代) / 小栗旬[5](12年後)
主人公。友人や恋人などの関わり合いを必要とせず、人間関係を自己完結する。小説を読むのが好きで、一番好きな小説家は太宰治
ある日、病院で山内桜良の「共病文庫」を読む。桜良との交流により、人を認め、人と関わり合う努力を始める。
二人称や三人称では「【秘密を知ってるクラスメイト】くん」などと呼ばれるが、終盤に名前が志賀春樹(しが はるき)であることが明かされる。
山内桜良(やまうち さくら)
声 - 堀江由衣 / Lynn[24]
演 - 浜辺美波[5]
ヒロイン。よく笑い、元気で表情豊かな少女。「うわははっ」という特徴的な笑い方をする。
膵臓の病気のため、「僕」と会った時には余命1年になっていた。病気になった自分の運命を恨まないと決めたため、日記のタイトルを「闘病日記」の代わりに「共病文庫」とつける。
星の王子さま』を愛読しており[注 1]、まだ同作を読んでいなかった「僕」に貸してあげている。一番尊敬している有名人は杉原千畝
余命を全うすることもなく、通り魔に刺されて亡くなってしまう。
滝本恭子(たきもと きょうこ)
声 - 東内マリ子 / 藤井ゆきよ[25]
演 - 大友花恋(学生時代) / 北川景子[5](12年後)
桜良の親友。「僕」は「桜良の保護者」と認識している。桜良と「僕」の交流を快く思わない。強気だが桜良によると泣き虫な性格。桜良の死後、「僕」の初めての友人となる。友人になってからは「僕」によく飴をあげるようになる[注 2]。「ガムをくれるクラスメイト」から好意を寄せられていることを知り、受験が終わってから付き合うことをほのめかしている[注 3][注 4]
ガムをくれるクラスメイト[注 5]
声 - 丸高大知 / 福島潤[25]
演 - 矢本悠馬(学生時代) / 上地雄輔(12年後)
教室の掃除を通して関わりを持った。すがすがしいほどの無粋な物言いをするが素直。ガムを持ち歩いており、「僕」にも「ガムいる?」と声をかけてくれる。
人との交流を決意した「僕」の友人となる。
恭子のことが好き[注 6]
隆弘[注 7](たかひろ)
声 - 本橋大輔 / 内田雄馬[25]
演 - 桜田通
学級委員。桜良の元彼氏。クラスでは人気者だが、実際は嫉妬深く、陰湿かつ粘着質な子供じみた性格の勘違いクズ男。
桜良にも「しつこい」と愛想を尽かされているが、別れた後もストーカーのように付きまとっている。「僕」と桜良の仲を疑っており、「僕」の私物を隠すなど悪事を働いていた。雨の日の午後、桜良の家の近くで「僕」を罵倒、殴打したところに来合わせた桜良に「そいつが桜良に付きまとっているから、もうちょっかいを出さないように、俺がやっつけてやった」と言ったところ、面と向かって拒絶される。
「僕」の母
声 - 井ノ上奈々 / 田中敦子[25]
「僕」には普段は不干渉だが、「僕」に友達がいないことに気が付いており、「僕」をちゃんと見てくれる人ができたことを喜んでいる。
桜良の死後、「僕」が桜良の家を訪れることを察してお供えとして1万円を渡す。帰宅した「僕」の顔を見て「頑張ったね」と声をかける。
桜良の母
声 - 福原綾香 / 和久井映見[30]
演 - 長野里美
目と笑い方が桜良とそっくりな女性。優しい性格だが、桜良の病気を気遣い過ぎて彼女の発言に過剰反応し、日常を取り繕うことに必死となっている。
桜良の死後、訪ねてきた「僕」に「共病文庫」を渡す。「共病文庫」の日記部分を読み終えた「僕」に、「あなたに本当に読んでほしかったのは、きっとまだ先」と続き(遺書)があることを教える。「僕」にいつか恭子と一緒に家族と食事をしたいと申し出る。

書誌情報

漫画

桐原いづみによる作画で、『月刊アクション』(双葉社)2016年10月号から[31]2017年7月号まで連載された[32]

  • 住野よる(原作)・桐原いづみ(漫画)『君の膵臓をたべたい』〈アクションコミックス〉、全2巻

オーディオブック

2016年8月、オーディオブック配信サービスの「FeBe」(現・audiobook.jp)でオーディオブック版が配信された。収録時間は9時間5分[35]

キャスト

実写映画

要約
視点
概要 君の膵臓をたべたい, 監督 ...

同名タイトルの映画が、2017年7月28日に公開された。監督は月川翔、脚本は吉田智子浜辺美波北村匠海のダブル主演となる[5]

原作にはない12年後の世界が描かれており、高校生時代(原作)のエピソードは過去として扱われている[41]

あらすじ

母校に勤める高校教師のは、ある時、取り壊しが決まった図書館の蔵書の整理を頼まれる。高校時代、図書委員として書庫の整理ばかりをしていた僕は、懐かしい図書館で書庫の整理の邪魔ばかりしていたクラスメイト、桜良のことを思い出す。

桜良は12年前、僕が盲腸で入院していた時に、偶然拾った日記の持ち主だった。その日記「共病文庫」を読んだ僕は、彼女が膵臓の病気で余命僅かであることを知ってしまう。その日から、クラスの人気者の桜良が僕に急接近したことで桜良の親友の恭子が、桜良の「一番の仲良し」の座を奪った僕に反発する。学級委員長である隆弘ガム君ら、今まで話したことのなかったクラスメイトと会話をするようになり、僕の世界が広がり始める。

そんな中、僕は彼女の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合うことになる。一緒にスイーツを食べに行ったり、福岡に旅行に行ったりして、人と関わりを持つことが苦手だった僕は、彼女と一緒に過ごすうちに、彼女に心を開き始める。同時に、他者と関わらなければ知ることのなかった喜びや、人を傷つけることの痛みを知っていく。

一方、現代の恭子は結婚を目前に控え、桜良のことを思い出していた。桜良が大切なあまり、恭子は僕を傷つけていた。僕はそんな恭子から結婚式の招待状を受け取る。

キャスト

スタッフ

受賞歴

テレビ放送

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アニメ映画

要約
視点
概要 劇場アニメ 君の膵臓をたべたい, 監督 ...

2018年9月1日公開[50][24]。8月31日、9月1日に公開された新作映画のぴあ映画初日満足度ランキングで、第1位になった[51]

アニメーション企画は原作小説が出版されるより前から始動している。小説出版前の2015年、アニプレックス所属プロデューサーの柏田真一郎が双葉社から送られてきた約1冊の本(サンプル本)の中で本作品を読んだ際にアニメ化することを決めた[52]

脚本会議には原作者の住野よるも参加しており、シナリオは監督・脚本の牛嶋新一郎と住野の2人が中心となり制作されている[52]。住野は、「僕」や桜良が見たときに「これは自分たちじゃない」と思われないようにしたいということを、最初に牛嶋やアニメスタッフたちとしっかり話し、「桜良たちをちゃんと大人たちから守ってあげないと」くらいの気持ちでシナリオ会議に参加したと述べている[8]。さらに、セリフはどうしても気になる部分なのですべて確認し、シナリオだけでなく絵コンテも読んで意見を言ったと述べている[8]

劇中の舞台は、富山県高岡市をモデルとしている[53]

第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品[54]

キャスト(アニメ映画)

スタッフ(アニメ映画)

地上波放送

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朗読劇

初演

2022年12月10日(土)・11日(日)に主人公・「僕」役を岡本信彦島﨑信長、山内桜良役を直田姫奈悠木碧のWキャストで、朗読劇がニッショーホールで上演された[58]

キャスト(朗読劇・初演)

スタッフ(朗読劇・初演)

  • 原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)
  • 脚本・演出:保科由里子
  • 音楽:阿部篤志
  • 照明:加島茜
  • 映像:垣内宏太
  • 音響:小川陽平
  • 衣裳:ゴウダアツコ
  • 演出助手:大下沙織
  • 舞台監督:今井東彦、渡辺隆
  • 宣伝美術:古谷哲史
  • 制作:MAパブリッシング
  • 主催:朗読劇『君の膵臓をたべたい』製作委員会

再演

2025年4月5日(土)・6日(日)に主人公・「僕」役を岡本信彦・梶裕貴、山内桜良役を鬼頭明里伊藤美来のWキャストで、朗読劇が日本青年館ホールで上演された[59]。岡本信彦は初演にも同役にて出演していた。

キャスト(朗読劇・再演)

スタッフ(朗読劇・再演)

  • 原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉文庫)
  • 脚本・演出:保科由里子
  • 音楽:神達挙仁
  • 照明:加島茜
  • 映像:佐野公子
  • 音響:小川陽平
  • 衣裳:ゴウダアツコ
  • 演出助手:たはらひろや
  • 舞台監督:今井東彦
  • 宣伝美術:鈴木美結
  • キャスティング:渡邉直哉(パロマプロモーション)
  • 宣伝:TOHOマーケティング
  • チーフプロデューサー:代情明彦(AOI Pro.)、志村章(ADKエモーションズ)、近藤富英(サンライズプロモーション東京)、柱山泰佐(双葉社)
  • プロデューサー:伊藤夏恵・大下沙綾・黒澤優介(AOI Pro.)、田中千菜美(ADKエモーションズ)、長谷川陽奈子・吉田涼乃(サンライズプロモーション東京)、杉山敦夫(双葉社)、児玉奈緒子(MAパブリッシング)
  • 協力プロデューサー:吉田和睦(ナナガツ)
  • 制作協力:MAパブリッシング
  • 主催:朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025製作委員会

脚注

外部リンク

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