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本屋大賞

日本の文学賞 ウィキペディアから

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本屋大賞(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、NPO法人・本屋大賞実行委員会が運営する文学賞である。

概要 本屋大賞, 国 ...

一般に、日本国内の文学賞は、主催が出版社であったり、選考委員が作家や文学者であることが多いが、本屋大賞は、「新刊を扱う書店(オンライン書店含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。

特色

出版不況と言われる中、本の売り上げが伸びず書店も数を減らしている一方で、出版される本の点数だけが増えていく状況が背景にあった[1]。実行委員会を立ち上げたメンバーの1人である杉江由次本の雑誌社・営業担当)は、そんな出版界の苦境のなかでも本を売る大きな機会であるはずの直木三十五賞(以下「直木賞」と略記)で、2003年の1月発表分で「受賞作なし」だったため、出版社の営業として自分が普段接する書店員の声を拾い上げるために本賞の設立を思いついたのだという[2]。また、賞としてのシステムは茶木則雄が考案した[3]

この賞は「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」をキャッチコピーとして掲げており、主催する本屋大賞実行委員会は書店員こそが(商品と顧客という形で)本と読者を「最もよく知る立場」にあると位置づけ[1]、投票資格者を書店員主体にしていることの新しさを強調する[1]。書評や賞の選考委員などの仕事も多い翻訳家の大森望も、従来のように編集者が介することのないこの賞の可能性を指摘し[4]、一次投票の結果が最終投票に向けた対象のノミネート作品と直結しており、実行委員会等によるいわゆる「根回し」や「すりあわせ」がない点を特徴の一つに挙げている[4]。一方で突出した、異彩を放つような作品が受賞しておらず、ラインナップも含め平均化されているという声もある[5]

選考は年1回単位でおこなわれ、選考期間は年度終わりの5か月間である[1]。本屋大賞の実行委員会は書店員たちが集まって2003年に立ち上げられたものであり、文学賞の運営を行うような経験がある人間はいなかった[1]。しかし第1回第2回の受賞作が大きく部数を伸ばしてベストセラーになり、大賞の投票に参加する書店員も増えていった[1]。現在では、直木賞や芥川龍之介賞(以下「芥川賞」と略記)を受賞した作品よりも、売上部数が伸びる賞として大きな注目を集めている[6]

また本屋大賞に参加している書店には実行委員会の発行するフリーペーパー『LOVE書店!』が配布されており、2006年2月から年3回のペースで発行が続けられている[1]

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部門

本屋大賞には複数の部門があり、それぞれ対象作品・選出方法が異なる。受賞作品の作者には正賞としてクリスタルトロフィーが、副賞として10万円分の図書カードが授与される。

本屋大賞

対象作品は過去1年間に刊行された日本の小説。1次投票で1人3作品を選び投票を行なった後、選出された上位10作品のうちから2次投票をおこない決定する。1次投票には制約はないが、2次投票はノミネートされた10作品を全て読んだ上で推薦理由を記載し投票しなければならない。2次投票は、3作品に順位をつけて投票し、順位に応じた点数をつけて集計される。各順位の得点は、1位=3点、2位=2点、3位=1.5点[7][注 1]

第18回までのノミネート作を作家別にみると、最多は伊坂幸太郎の12作[注 2]で、森見登美彦が6作、三浦しをんが5作、有川浩小川洋子辻村深月西加奈子百田尚樹万城目学が各4作、青山美智子凪良ゆう原田マハ東野圭吾吉田修一知念実希人横山秀夫小川糸深緑野分が各3作と続く。

発掘部門

対象作品はジャンルを問わず、過去1年以上前に刊行された作品。本屋大賞の1次投票と同時に発掘部門として投票する。大賞などはなく、集計結果をリスト化したものが発表される。第13回より、その集計結果の中から特に共感した1冊を実行委員会が選出し、「超発掘本!」として発表することも行われている。

翻訳小説部門

対象作品は、過去1年間に日本で刊行された翻訳小説(新訳も含む)。1人3作品まで選び、推薦理由を記載し投票する。その集計結果から大賞を決定する。第9回から行われている企画である。

ノンフィクション部門

2018年から、小説だけではない本の魅力に触れてもらおうと「Yahoo!ニュース|本屋大賞・ノンフィクション本大賞」が創設され、全国の書店員およそ100人の投票によって10作品がノミネートされ、受賞者には取材支援費として賞金100万円が授与される。

運営体制の変更により、2023年は本部門の発表を行わないことを同年5月に発表した[8][9]

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受賞・ノミネート作品

要約
視点

第1位が大賞受賞作品。年は大賞発表年。第10回までの受賞作品は全て映像化・漫画化などのメディアミックスがなされており、ノミネート作品にも過去にメディアミックスがおこなわれたもの、あるいはその後なされたものが多い。『告白』や『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』などの大ヒット作品も多く、そういう点では芥川賞・直木賞より“稼げる”文学賞とも言われる。これについて映画評論家の垣井道弘は「書店員が売りたい本を選ぶ賞で読者に近い感覚で親しみやすい作品が選ばれるため娯楽性が保証されており、だからこそ映画にもなりやすい」と解説している[10]

2004年(第1回)

2004年4月5日発表

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2005年(第2回)

2005年4月5日発表

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2006年(第3回)

2006年4月5日発表

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2007年(第4回)

2007年4月5日発表

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2008年(第5回)

2008年4月8日発表

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2009年(第6回)

2009年4月6日発表

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2010年(第7回)

2010年4月20日発表

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2011年(第8回)

2011年4月12日発表

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2012年(第9回)

2012年4月10日発表

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2013年(第10回)

2013年4月9日発表

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2014年(第11回)

2014年4月8日発表

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2015年(第12回)

2015年4月7日発表

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2016年(第13回)

2016年4月12日発表

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2017年(第14回)

2017年4月11日発表

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2018年(第15回)

2018年4月10日発表

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2019年(第16回)

2019年4月9日発表

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2020年(第17回)

2020年4月7日発表(ノンフィクション部門は2020年11月発表)

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2021年(第18回)

2021年4月14日発表(ノンフィクション部門は2021年11月発表)

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2022年(第19回)

2022年4月6日発表

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2023年(第20回)

2023年4月12日発表

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2024年(第21回)

2024年4月10日発表

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2025年(第22回)

2025年4月9日発表

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本の雑誌編集部編本屋大賞20XX

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脚注

関連項目

外部リンク

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