トップQs
タイムライン
チャット
視点

国道106号

岩手県を通る一般国道 ウィキペディアから

Remove ads

国道106号(こくどう106ごう)は、岩手県宮古市から盛岡市に至る一般国道である。本道路のバイパスとして順次整備が進められている地域高規格道路の宮古盛岡横断道路についても本項で述べる。

概要 一般国道, 総延長 ...
概要 全ての座標を示した地図 - OSM ...
Remove ads

概要

Thumb
盛岡市茶畑
2013年5月。

古くから宮古街道[2]または閉伊街道[3]と呼ばれてきた道路を踏襲している。同じ二地点を結ぶJR東日本山田線とは盛岡駅 - 区界駅間を除く区界駅以東の区間で閉伊川に沿って併走している。区界駅以西の区間は簗川に沿って進む。

かつては川沿いにカーブの多い線形だったが、昭和40年代後半から道路改良が行われトンネルを多用した直線的な区間が増えたことで、東日本大震災発生前である2004年平成16年)当時の盛岡市から宮古市への標準的な所要時間は道路時刻表によれば1時間44分であった[4]

宮古盛岡横断道路は内陸と三陸沿岸を結ぶ横断軸の1つとして東日本大震災の復興支援道路に位置付けられて重点的な整備がなされた[5][6]結果、東日本大震災発生から10年後の2021年令和3年)3月に宮古盛岡横断道路のうち、復興支援道路として事業がすすめられた区間が全線開通し、宮古市から盛岡市への所要時間は1時間27分に短縮された[7]

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[8][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

Remove ads

歴史

ここでは宮古盛岡横断道路として行われた改良事業についても紹介する。

  • 1953年昭和28年)5月18日 - 二級国道106号宮古盛岡線(宮古市 - 盛岡市)として指定施行[11]
  • 1965年(昭和40年)4月1日 - 道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道106号として指定施行[8]
  • 1978年(昭和53年)10月31日 - 一次改築工事が完了し、全線開通した[12]
  • 1994年平成6年)12月16日 - 宮古盛岡横断道路が地域高規格道路として指定を受けた。
  • 1999年(平成11年)11月16日 - 川井村(現宮古市)川内に達曽部道路が開通した。同時に並行する現道が市町村道に格下げされた。
  • 2011年(平成23年)11月21日 - 第三次補正予算(12兆1025億円)が成立し、宮古盛岡横断道路を「復興支援道路」として整備する予算措置がなされた[13]。未着手区間のうち宮古箱石道路(宮古西道路を含む36 km)、平津戸松草道路(7 km)、区界道路(8 km)が国土交通省の事業権限代行のもとで事業化された。
  • 2013年(平成25年) - 盛岡市に簗川ダムの付け替え道路事業として整備していた簗川道路が開通した[14]
  • 2016年(平成28年)3月12日 - 都南川目道路 川目IC - 田の沢ICが開通した[15]
  • 2019年(平成31年)3月30日 - 宮古西道路 宮古中央IC - 宮古根市ICが開通した[16]
  • 2019年(令和元年)12月8日 - 都南川目道路 田の沢IC - 手代森ICが開通した[17]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月30日 - 宮古箱石道路 下川井工区が開通した[18]
    • 4月 - 田鎖蟇目道路が新規事業化[19]
    • 7月12日 - 宮古西道路 宮古港IC - 宮古中央ICが開通した[20]
    • 12月5日 - 区界道路が開通した[21]
  • 2021年(令和3年)3月28日 - 宮古箱石道路 蟇目 - 腹帯地区[22]と川井 - 箱石地区[22]、平津戸松草道路 平津戸工区[22]と岩井・松草工区[22]の開通により、復興支援道路として事業化された区間が全線開通となった[7]
  • 2021年(令和3年)度 - 箱石達曽部道路が新規事業化[23]

開通予定年度

  • 未定
    • 田鎖蟇目道路[19]
    • 箱石達曽部道路[23]
Remove ads

路線状況

要約
視点

宮古バイパス

宮古(みやこ)バイパスは、宮古市の築地交差点から同市上鼻(かんぱな)2丁目に至るバイパス道路である。1984年昭和59年)に全線で供用を開始した[24]旧道は国道指定解除された結果、岩手県道40号宮古岩泉線の一部および宮古市道となっている。

宮古盛岡横断道路

概要 地域高規格道路, 路線延長 ...

宮古盛岡横断道路(みやこもりおかおうだんどうろ)は、宮古市から盛岡市に至る延長約100 kmの地域高規格道路である[25][26]。線形不良による交通隘路区間の解消、三次医療施設へのアクセス向上、沿岸地域の産業・経済の復興支援等を目的として事業が進められている[27]1994年平成6年)12月16日に計画路線の指定を受け、うち18 kmが宮古西道路達曽部道路簗川道路都南川目道路として事業化されてきた[25]が、東日本大震災の復興支援道路として[5]2011年平成23年)11月21日[13]優先整備区間[28]48 km(宮古箱石道路(宮古 - 箱石)、平津戸松草道路(平津戸・岩井 - 松草)、区界道路(区界 - 簗川))が新規事業化され[25][27]、2020年(令和2年)4月には田鎖蟇目道路[19]、2021年(令和3年)4月には箱石達曽部道路がそれぞれ新規事業化された[23]。このうち宮古西道路、田鎖蟇目道路、箱石達曽部道路、平津戸松草道路平津戸工区、区界道路、都南川目道路は自動車専用道路、その他は一般道路である。なお、2011年平成23年)年度末の供用状況は、1999年平成11年)11月16日に供用を開始[28]した達曽部道路1.4 kmのみであった[25]。また、都南川目道路は国の直轄権限代行事業として事業が行われた[29]

宮古箱石道路

宮古箱石道路(みやこはこいしどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、宮古市藤原から同市箱石に至る区間である(岩手県施行区間を除き33 km)[30]。このうち起点側の宮古市藤原から同市根市までは宮古西道路として岩手県と国土交通省により自動車専用道路が整備されており(後述)、残る区間については復興支援道路として国土交通省が岩手県から権限代行を受けて下記の線形不良区間3箇所(計16 km)について一般道の規格(第3種第2級)でバイパス整備が行われているが、本線部分は自動車専用道路規格(第1種第3級)を担保とした設計[31]となる予定。2013年(平成25年)に着工され、2021年(令和3年)3月28日に全通した。

  • 起点:宮古市藤原3丁目[27]
  • 終点:宮古市箱石第5地割[27]
  • 延長:約33 km[30][27]
  • 道路規格:第1種第3級(宮古西道路)、第3種第2級(宮古西道路を除く区間)[30]
  • 設計速度:80 km/h(宮古西道路)、60 km/h(宮古西道路を除く区間)[30]
  • 事業着手:2011年(平成23年)度
  • 開通
  • 事業者:国土交通省東北地方整備局[30]
  • 主な工区[30]
    • 蟇目 - 腹帯地区(約7 km)
    • 下川井地区(約2 km)
    • 川井 - 箱石地区(約7 km)
  • 宮古西道路以外の自動車専用道路区間の出入口
    • 蟇目 - 茂市出入口(茂市第5地割) - 腹帯(蟇目-腹帯工区終点)
    • 下川井工区起点 - 下川井工区終点
    • 川井(川井-箱石工区起点) - 上川井出入口(川井第1地割) - 箱石(川井-箱石工区終点)
宮古西道路

宮古西道路(みやこにしどうろ)は宮古箱石道路を構成する道路で、宮古市藤原[30]から同市根市[32]に至る自動車専用道路である[33]。宮古市街地から閉伊川を挟んだ右岸(南)側を主に通過する。宮古市藤原(宮古港IC)から三陸沿岸道路と接続する宮古中央ICまでの区間(4.0 km)は国が直轄施行し2020年令和2年)7月12日に開通した[20]。宮古中央ICから宮古根市ICまでの区間(3.4 km)は岩手県が施行し、2019年平成31年)3月30日に開通した[16][32]

田鎖蟇目道路

田鎖蟇目道路(たくさりひきめどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、宮古市田鎖から蟇目に至る延長7.2 kmの区間である[19]2023年令和5年)12月2日に着工[35]

  • 起点:宮古市田鎖[19]
  • 終点:宮古市蟇目[19]
  • 延長:7.2 km[19]
  • 道路規格:第1種第3級(自動車専用道路)[36]
  • 設計速度:80 km/h[36]
  • 事業着手:2020年令和2年)度[19]
  • 開通:事業中[19]
  • 事業者:国土交通省東北地方整備局
  • インターチェンジ[36]
    • 宮古田鎖IC - 牛伏IC - 蟇目IC

箱石達曽部道路

達曽部道路

達曽部道路(たっそべどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、宮古市(開通時は下閉伊郡川井村)川内を起終点とする、延長1.4 kmの区間である。一般道路の規格である第3種第1級(設計速度80 km/h)で、完成2車線で建設された[33]1994年平成6年度)に着工し、1999年平成11年)11月16日に開通した[39]

平津戸松草道路

平津戸松草道路(ひらつとまつくさどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、宮古市平津戸から同市区界に至る区間である。復興支援道路として国土交通省が岩手県から権限代行を受けて下記の線形不良区間2箇所(計7 km)について、平津戸工区は自動車専用道路の規格(第1種第3級)、岩井・松草工区は一般道の規格(第3種第2級)でバイパス整備が行われている[40]2014年平成26年)に着工された。平津戸工区には宮古市側では最長となる延長3,159 mの(仮称)平津戸トンネルが含まれているが、2018年平成30年)5月30日に貫通している[41]

  • 起点:宮古市平津戸[40]
  • 終点:宮古市区界第4地割[40]
  • 延長:約7 km[40]
  • 道路規格:第1種第3級(平津戸工区/自動車専用道路)、第3種第2級(岩井・松草工区)
  • 設計速度:80 km/h(平津戸工区)、60 km/h(岩井・松草工区)
  • 事業着手:2011年平成23年)度
  • 開通:2021年令和3年)3月28日[22]
  • 事業者:国土交通省東北地方整備局
  • 主な工区
    • 平津戸工区(約4.4 km)
    • 岩井・松草工区(約2.6 km)

区界道路

区界道路(くざかいどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、宮古市区界から盛岡市簗川に至る区間である。復興支援道路として国土交通省が岩手県から権限代行を受けて区界峠を回避する自動車専用道路(第1種第3級)として整備が行われている[42]。全長は約8 kmでこのうち2018年(平成30年)1月11日に貫通式があった新区界トンネル(全長4,998 m、事業費約250億円)は、岩手県内のトンネルで最長、東北では3番目の長さとなる[43]。トンネル長が5,000 mをわずかに下回った理由は道路法第46条第3項に基づき5,000 m以上の道路トンネルに適用される危険物積載車両の通行制限適用を回避するためである[44]

整備により同路線で最大の難所とされる区界峠を回避できるようになる。2014年平成26年)に着工され、2020年令和2年)12月5日に開通[21]。総事業費は約370億円[45]

  • 起点:宮古市区界第1地割[42]
  • 終点:盛岡市簗川第6地割[42]
  • 延長:約8 km[42]
  • 道路規格:第1種第3級(自動車専用道路)
  • 設計速度:80 km/h
  • 事業着手:2011年平成23年)度
  • 開通:2020年令和2年)12月5日[21]
  • 事業者:国土交通省東北地方整備局

簗川道路

簗川道路(やながわどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路で、道路規格は第3種第1級の一般道路。道路の線形改良や狭小区間の解消を主目的としているが、現道は付近を流れる簗川に建設中の簗川ダムによって水没するため、付替道路としても建設された[46]。当初は2007年度(平成19年度)の完成計画となっていた[46]が、2012年3月に2013年度末の供用開始予定を発表し[47]2013年平成25年)3月10日に全線で供用を開始した[48][49]区界道路都南川目道路の開通により、起点で区界道路と、終点近くの川目ICで都南川目道路と接続していて、川目IC-終点間はランプウェイになっている[42][29]。また、簗川ダム水没エリアは2014年1月頃に封鎖され、通れなくなっているほか、水没しない旧道部分は2014年3月31日までに市道に格下げされた[50]

都南川目道路

都南川目道路(となんかわめどうろ)は宮古盛岡横断道路を構成する道路。現道は盛岡市街地に向かうが、本道路は盛岡市街地南方の盛岡市手代森で国道396号および岩手県道36号上米内湯沢線と接続している[29]。県道36号を西に向かうと国道4号東北自動車道盛岡南ICと接続する。当初は完成4車線の計画のもと、暫定2車線で供用を開始することとなっていたが、完成2車線に改められた[33]

重複区間

  • 国道340号(宮古市茂市第5地割 - 宮古市川井第1地割)

道路施設

道の駅

Remove ads

インターチェンジなど

  • 全区間岩手県内に所在。
  • IC番号欄の背景色がである区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色がである区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間の名称は全て仮称である。
さらに見る 道路名, IC番号 ...

車線・最高速度

さらに見る 区間, 車線 上下線=上り線+下り線 ...

トンネルと橋

さらに見る トンネル・橋梁名称, 読み方 ...

(出典:「」 (岩手県ホームページ[52])より

Remove ads

地理

通過する自治体

交差する道路

さらに見る 接続路線 ...
Thumb
岩手県宮古市腹帯付近(国道340号との重複区間)
Remove ads

直轄指定区間編入の要望

Thumb
国道106号の道の駅区界高原に掲示された「国道106号を国道46号に編入してほしい」の看板

国道106号は宮古 - 盛岡 - 秋田の横断軸の一部であり、三陸沿岸地域の早期復興に「復興支援道路」として位置づけられている。その一層の強化を図るために、岩手県は国道106号を指定区間に編入し、国道46号等と併せて国で一体的に管理することを国に対し要望している[53]

脚注

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads