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天皇賞(春)
日本の中央競馬の重賞競走 ウィキペディアから
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天皇賞(春)(てんのうしょうはる)は、日本中央競馬会(JRA)が毎年春に京都競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GI)である。通称「春天(はるてん)」。
正式名称は「天皇賞」であるが、JRAでは天皇賞(秋)の距離が短縮された1984年(昭和59年)から「天皇賞(春)」と表記している[4]。
正賞は天皇賞、日本馬主協会連合会会長賞。
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概要
4歳以上の馬(外国産馬・外国馬を含む)による重賞競走(GI)。施行距離は1939年(昭和14年)以来3200mで変わっておらず、現存する中央競馬の平地GI競走では最長距離である[注 1]。
2008年(平成20年)よりメルボルンカップ(オーストラリア、GI)の前年度優勝馬[注 2]を招待するようになり[注 3]、本競走の優勝馬にも同年のメルボルンカップへの優先出走権が与えられる。
2017年(平成29年)より大阪杯、宝塚記念とともに同一年に行われる3競走を全て優勝した馬に褒賞金が贈られる[5][注 4]。2025年より、これら3レースの他、秋の古馬三冠にあたる天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念を合わせた6競走のうち、同一年で3レース制覇した出走馬にも褒賞金が贈られるようになった。
世界の中の天皇賞(春)
世界の競馬開催国は、平地競走については国際セリ名簿基準書においてパートIからパートIIIまでランク分けされており[注 5]、主要な競走は国際的な統一判断基準で評価が行われている。日本は平地競走が最上位のパートIに分類されている[6]。
2025年(令和7年)現在、日本を含めパートIに分類されている国・地域のうち、3000m級の平地G1競走を行っているのは、
- 日本 - 天皇賞(春):3200m、菊花賞:3000m
- イギリス - ゴールドカップ:約4014m、グッドウッドカップ・ロングディスタンスカップ:約3219m[7]、セントレジャー:約2921m
- フランス - ヴィコンテッスヴィジエ賞・ロワイヤルオーク賞:3100m、カドラン賞:4000m、ロワイヤリュー賞:2800m
- アイルランド - アイリッシュセントレジャー:約2816m
- オーストラリア - メルボルンカップ・シドニーカップ:3200m
以上の5カ国だけである[6][注 6]。天皇賞(春)はこの分類で、ゴールドカップ、カドラン賞に続く世界で3番目の長距離戦に該当し、優勝馬を招待しているメルボルンカップとは同じ距離である。
競馬の競走における距離別の区分法として定着しているSMILE区分によると、天皇賞(春)は2701m以上の「Extended(超長距離)」部門に分類される。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表した「世界のトップ100GIレース」によると、天皇賞(春)は全体の54位にランクインした[8]。「Extended(超長距離)」のカテゴリーからランクインした競走ではゴールドカップ(38位)に次ぐ順位[9]で、日本国内ではランクインした9競走のうちの8番目にランクされている[8]。
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競走条件
出走資格
4歳以上のサラ系競走馬(出走可能頭数:最大18頭)
- JRA所属馬
- 地方所属馬(優先出走権を得た馬のみ)
- 外国調教馬(優先出走)
出馬投票を行った馬のうち、以下の優先出走権を得ている馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI・JpnI競走における収得賞金」の総計が多い順に割り当てる。出馬投票締切の結果、出走申込頭数が出走可能頭数を超えた場合は、別に定めた方法または抽選で出走馬を決定する[10]。
優先出走権を得られる条件
- 出馬投票を行っている外国調教馬
- レーティング順位の上位5頭[注 7]
- 当該年に行われる以下の競走のいずれかで1着となった馬(中央・地方の所属は問わない)[10]
- 当該年に行われる以下の競走のいずれかで2着以内に入着した地方競馬所属馬[10]
負担重量
定量(58kg、牝馬2kg減[3])
→「負担重量」も参照
賞金
2025年の1着賞金は3億円で、以下2着1億2000万円、3着7500万円、4着4500万円、5着3000万円[2][3]。
コース

京都競馬場の芝コース、外回り3200mを使用[12][13][3]。
スタート地点は観客席からみて向正面で、約1周半する。途中、第3コーナーから第4コーナーにかけて「淀の坂」と称される坂の上り下りがあり、天皇賞(春)ではこの坂を2度通過するため、「京都競馬場の難所」とされる[12][14]。
1周目はスタート直後から100m進む間に約2.1m上る急坂となる。その後も緩やかに280mかけて約1.8mを上る。第3コーナーが坂の頂上にあたり、第4コーナーまで3.5mを下る[13]。第4コーナーを回って直線に入るまで0.8mほどの下り勾配がある[13][12]。
2周目の第4コーナーを回り終えると最後の直線で、ゴールまでは残り約400mとなる[12]。
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歴史
年表
- 1938年(昭和13年) - 「帝室御賞典」を再編し年2回の施行に改め、春の競走を阪神競馬場(旧・鳴尾競馬場[注 8])で施行。
- 1939年(昭和14年)
- 施行距離を3200mに、出走資格を5歳(現4歳)以上牡馬・牝馬に変更。
- 負担重量を「馬齢重量」から「定量」に変更(負担重量は5歳(現4歳)は58kg、6歳(現5歳)以上は60kg、牝馬1.5kg減に設定)[4]。
- 1944年(昭和19年) - 「能力検定競走」として、京都競馬場の芝3200mで施行[4]。以後、京都競馬場での施行が定着。
- 1945年(昭和20年) - 太平洋戦争の影響で中止[4]。
- 1947年(昭和22年)
- 1948年(昭和23年)
- 1953年(昭和28年) - 6歳(現5歳)以上の負担重量を5歳(現4歳)と同じく、牡馬58kg、牝馬2kg減に変更[4]。
- 1972年(昭和47年) - 外国産馬が出走できなくなる。
- 1981年(昭和56年) - 勝ち抜き制を廃止[4]。
- 1984年(昭和59年) - グレード制導入、GIに格付け。
- 1995年(平成7年) - 指定交流競走となり、地方所属馬も出走が可能になる[16]。
- 2000年(平成12年) - 外国産馬が2頭まで出走可能になる[17]。
- 2001年(平成13年) - 馬齢表記を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「5歳以上牡馬・牝馬」から「4歳以上牡馬・牝馬」に変更。
- 2005年(平成17年)
- 2007年(平成19年) - 外国調教馬の出走枠を9頭に拡大[19]。
- 2008年(平成20年)
- 出走条件を「4歳以上牡馬・牝馬」から「4歳以上」に変更[20]。
- 前年度メルボルンカップ優勝馬の招待を制度化。
- 2011年(平成23年) - NHKでの地上波中継が中止される(第177回国会・参議院予算委員会・平成23年度第1次補正予算審議を大型連休返上で実施にしたことに伴うもの[21])。
- 2012年(平成24年)
- 「近代競馬150周年記念」の副称を付けて施行[22]。
- レーティング上位5頭に優先出走を認める。
- 2014年(平成26年) - トライアル制を確立し、指定した競走の1着馬に優先出走権を付与。
- 2020年(令和2年) - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、「無観客競馬」として実施[23](2021年も同様[24])。
- 2021年(令和3年) - 京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場芝3200m(外回り→内回り)で施行(2022年も同様)[25]。
歴代優勝馬
要約
視点
競走名は第14回まで「帝室御賞典[4]」、第15回は「平和賞」、第17回以降は「天皇賞」。
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天皇賞(春)の記録
- レースレコード - 3:12.5(第155回優勝馬 キタサンブラック)なお、このタイムは芝3,200メートルのJRAレコードおよび京都競馬場芝外回り3,200メートル3歳以上のコースレコードでもある。
- 優勝タイム最遅記録 - 3:34 3/5(第21回優勝馬 オーエンス)[29]
- 最年長優勝馬 - 6歳
- カシュウチカラ(第79回)、アンバーシャダイ(第87回)、モンテファスト(第89回)、ライスシャワー(第111回)、マイネルキッツ(第139回)、ジャガーメイル(第141回)、ゴールドシップ(第151回)、テーオーロイヤル(第169回)
- 最多優勝馬 - 2勝
- メジロマックイーン(第103回・第105回 )、ライスシャワー(第107回・第111回)、テイエムオペラオー(第121回・第123回)、フェノーメノ(第147回・第149回)、キタサンブラック(第153回・第155回)、フィエールマン(第159回・第161回)
- 最多優勝騎手 - 8勝
- 武豊(第99回・第101回・第103回・第105回・第119回・第133回・第153回・第155回)
- 最多優勝調教師 - 4勝
- 最多優勝馬主 - 4勝
- (有)サンデーレーシング(第147回・第149回・第159回・第161回)
- 最多勝利種牡馬 - 4勝
- 親子制覇
- シーマー - タカオー
- マンハッタンカフェ - ヒルノダムール
- ディープインパクト - フィエールマン・ワールドプレミア・ジャスティンパレス
- 兄弟制覇
- モンテプリンス・モンテファスト(モンテオーカン産駒)
- 騎手・調教師の両方で優勝
- 金者斤奉(第2回(調騎兼業))、清水茂次(第8回(調騎兼業))、渋川久作(第14回(調騎兼業))、伊藤正四郎(第4回、第23回)、佐藤勇(第27回、第49回)、阿部正太郎(第12回、第65回)、橋田俊三(第23回、第67回)、野平祐二(第39回・第55回・第57回、第91回)、高橋成忠(第49回・第61回、第135回)
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外国調教馬の成績
→詳細は「海外調教馬による日本への遠征 § 天皇賞(春)」を参照
脚注
関連項目
外部リンク
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