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2019年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

メジャーリーグベースボールの第50回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ ウィキペディアから

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2019年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月1日に開幕した。アメリカンリーグの第50回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 50th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、12日から19日にかけて計6試合が開催された。その結果、ヒューストン・アストロズ西地区)がニューヨーク・ヤンキース東地区)を4勝2敗で下し、2年ぶり3回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

概要

両球団がポストシーズンで対戦するのは、2017年のリーグ優勝決定戦以来2年ぶり3度目。アストロズは、3勝2敗とシリーズ制覇に王手をかけて臨んだ第6戦をホセ・アルトゥーベサヨナラ本塁打で勝利した。ポストシーズンのシリーズ突破を決めるサヨナラ本塁打と、リーグ優勝決定戦の突破を決めるサヨナラ勝利は、いずれも史上11度目[3]。その両方の条件を満たすリーグ優勝決定戦突破決定サヨナラ本塁打となると、2014年ナショナルリーグサンフランシスコ・ジャイアンツトラビス・イシカワが放って以来5年ぶり5度目となる[4]。アルトゥーベは6試合で打率.348・2本塁打・3打点OPS 1.097を記録し、シリーズMVPに選出された。しかしアストロズは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者ワシントン・ナショナルズに3勝4敗で敗れ、2年ぶり2度目の優勝を逃した。

今シリーズの冠スポンサーは、自動車保険会社のGEICOが務める[5]。したがって大会名はアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ presented by GEICO英語: American League Championship Series presented by GEICO)となる。

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両チームの2019年

要約
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ヤンキースの先発投手・田中将大(左。写真は2017年5月8日撮影)と、アストロズの外野手マイケル・ブラントリー(写真は2019年9月13日撮影)

10月7日にまずヤンキース(東地区優勝)が、そして10日にはアストロズ(西地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。

ヤンキースは前年の地区シリーズで敗退後、オフにはブライス・ハーパーマニー・マチャドといった大物FA選手の獲得に動かなかったことで批判を集めた[6]。2019年はシーズン開幕から、投手陣ではエースルイス・セベリーノ救援デリン・ベタンセス、野手陣では中心打者ジャンカルロ・スタントンら複数の主力が怪我でほとんど出場できなかったにもかかわらず、前半戦終了時には57勝31敗で2位タンパベイ・レイズに6.5ゲーム差をつけて地区首位に立った[7]。後半戦も選手の故障離脱は止まらず、MLB史上初めて年間で30選手が故障者リスト入りし、リスト入り選手の総欠場試合数2,776はこの年の2位を600以上も上回った[8]。それでも勝利のペースが落ちることはなく、9月19日には100勝到達と同時に7年ぶりの地区優勝を決めた[9]。平均得点5.82はリーグ最高、防御率4.31はリーグ6位。打線は本塁打数がリーグで2番目に多く、投手陣は先発ローテーションジェームズ・パクストンを除いて防御率4点台だったものの、勝ちパターンの継投が確立されていた[10]。故障者続出のチームを支えたのは野手ではDJ・ルメイユジオ・ウルシェラ、救援投手ではザック・ブリットンアダム・オッタビーノといった、オフに獲得あるいは再契約した選手たちであり、ハーパーやマチャドではなく彼らを補強したのは結果的には正解だった[6]。地区シリーズではミネソタ・ツインズを3勝0敗で下した[11]

アストロズでは前年のリーグ優勝決定戦敗退後、先発ローテーションからダラス・カイケルチャーリー・モートンがFA移籍で、ランス・マッカラーズ・ジュニアトミー・ジョン手術で抜け、2枚看板のジャスティン・バーランダーゲリット・コールを残して500イニング分の穴が生まれた[12]。その穴はウェイド・マイリーの獲得と内部配置転換で埋めることとなり、他方で打線にはマイケル・ブラントリーロビンソン・チリノスが加わった。2019年は、4月28日にチリノスの決勝3点本塁打で試合に勝利して地区首位へ浮上すると[13]、その座を守りながらシーズンを進め、前半戦終了時点では57勝33敗で2位オークランド・アスレチックスに7.0ゲーム差をつける。その後、トレードではザック・グレインキーを獲得して先発ローテーションを強化した。後半戦もアスレチックスを寄せ付けず、結局は前述の4月28日以降一度も首位を譲らないまま、9月22日に地区3連覇を決めた[14]。3年連続のレギュラーシーズン100勝超えは、MLB史上15年ぶり6球団目である[15]。平均得点5.68はリーグ3位、防御率3.66はリーグ最高。打線では主力選手8人がOPS.790以上を記録し[16]、なかでもヨルダン・アルバレスは新人ながら82試合で27本塁打・77打点と強打を発揮した[14]。投手陣では、バーランダーとコールが勝利・防御率・奪三振被打率でリーグのトップ2を占めた[17]。地区シリーズではレイズを3勝2敗で下した[18]

リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられる。したがって今シリーズでは、アストロズがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は7試合対戦し、アストロズが4勝3敗と勝ち越していた[19]

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ロースター

要約
視点

両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。

  • 名前の横のこの年のオールスターゲームに選出された選手を、はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を示す。
  • 年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。
さらに見る ニューヨーク・ヤンキース, ヒューストン・アストロズ ...

ヤンキースは地区シリーズのロースターから、投手をひとり増やすかたちで2選手を入れ替えた。外れたのはともに野手のルーク・ボイトタイラー・ウェイドであり、加わったのは投手のCC・サバシアと外野手のアーロン・ヒックスである。チームはレギュラーシーズン最終週の時点でポストシーズンを見据えて、本来は先発投手であるサバシアに救援登板を1試合経験させており[20]、今シリーズではヨルダン・アルバレスなど左の強打者に対する救援起用が想定される[21]。ヒックスは右肘の屈筋を痛め、8月3日を最後に2か月以上欠場していた[20]。アストロズが投手陣12人全員を右投げで揃えたのに対し、ヤンキースの野手陣には左打者がディディ・グレゴリウスブレット・ガードナーのふたりしかおらず[22]スイッチヒッターのヒックスは貴重な存在となる[23]。ボイトとウェイドは、いずれも地区シリーズでは出場機会を得られなかった。

アストロズもまた、地区シリーズのロースターから投手をひとり増やすかたちで2選手を入れ替えた。外れたのは投手のウェイド・マイリーと野手のマイルズ・ストローであり、加わったのはともに投手のブライアン・アブレイユブラッド・ピーコックである。地区シリーズでは、マイリーは第3戦で4点ビハインドの4回裏二死一・二塁から登板し2.2イニング3失点、ストローは出番なしに終わった。左投手のマイリーは相手打線に右打者が多いことから、ストローは守備・走塁のいい外野手という特徴がジェイク・マリスニックと重なることから、それぞれロースター漏れとなった[24]。アブレイユはヤンキースとの対戦経験がないことと、球に力があり三振を多く奪えることが評価されてロースター入りした[22]。ピーコックは肩の故障からの復帰で、相手右打者のOPSをこの年.553に抑えていることとイニングまたぎもできることが強みとなる[24]

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試合結果

要約
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2019年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月12日に開幕し、途中に移動日と雨天中止を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

さらに見る 日付, 試合 ...

第1戦 10月12日

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  1. 勝利田中将大(1勝)  
  2. 敗戦ザック・グレインキー(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:グレイバー・トーレス1号ソロ、ジャンカルロ・スタントン1号ソロ、ジオ・ウルシェラ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ビル・ウェルキー
    [塁審]一塁: コーリー・ブレイザー、二塁: ジェフ・ネルソン、三塁: ダン・ベリーノ
    [外審]左翼: カーウィン・ダンリー、右翼: マーク・カールソン
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時9分 試合時間: 3時間11分 観客: 4万3311人 気温: 68°F(20°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs

第2戦 10月13日

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  1. 勝利ジョシュ・ジェームズ(1勝)  
  2. 敗戦J.A.ハップ(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:アーロン・ジャッジ1号2ラン
    HOU:ジョージ・スプリンガー1号ソロ、カルロス・コレア1号ソロ
  4. 審判
    [球審]コーリー・ブレイザー
    [塁審]一塁: ジェフ・ネルソン、二塁: ダン・ベリーノ、三塁: カーウィン・ダンリー
    [外審]左翼: マーク・カールソン、右翼: ビル・ウェルキー
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時9分 試合時間: 4時間49分 観客: 4万3359人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs

第3戦 10月15日

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  1. 勝利ゲリット・コール(1勝)  
  2. セーブロベルト・オスナ(1S)  
  3. 敗戦ルイス・セベリーノ(1敗)  
  4. 本塁打
    HOU:ホセ・アルトゥーベ1号ソロ、ジョシュ・レディック1号ソロ
    NYY:グレイバー・トーレス2号ソロ
  5. 審判
    [球審]ジェフ・ネルソン(4回裏まで)→カーウィン・ダンリー(5回表から、ネルソンの負傷退場により交代)
    [塁審]一塁: ダン・ベリーノ、二塁: カーウィン・ダンリー(4回裏まで)→マーク・カールソン(5回表から)、三塁: マーク・カールソン(4回裏まで)→マービン・ハドソン(5回表から)
    [外審]左翼: マービン・ハドソン(4回裏まで)→不在(5回表から)、右翼: コーリー・ブレイザー
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時8分 試合時間: 3時間44分 観客: 4万8998人 気温: 64°F(17.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs

第4戦 10月17日

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  1. 勝利ライアン・プレスリー(1勝)  
  2. 敗戦田中将大(1勝1敗)  
  3. 本塁打
    HOU:ジョージ・スプリンガー2号3ラン、カルロス・コレア2号3ラン
    NYY:ゲイリー・サンチェス1号2ラン
  4. 審判
    [球審]ダン・ベリーノ
    [塁審]一塁: マーク・カールソン、二塁: マービン・ハドソン、三塁: マイク・エベリット
    [外審]左翼: コーリー・ブレイザー、右翼: カーウィン・ダンリー
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時9分 試合時間: 4時間19分 観客: 4万9067人 気温: 56°F(13.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs

第5戦 10月18日

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  1. 勝利ジェームズ・パクストン(1勝)  
  2. セーブアロルディス・チャップマン(1S)  
  3. 敗戦ジャスティン・バーランダー(1敗)  
  4. 本塁打
    NYY:DJ・ルメイユ1号ソロ、アーロン・ヒックス1号3ラン
  5. 審判
    [球審]マーク・カールソン
    [塁審]一塁: マービン・ハドソン、二塁: マイク・エベリット、三塁: コーリー・ブレイザー
    [外審]左翼: カーウィン・ダンリー、右翼: ダン・ベリーノ
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後7時9分 試合時間: 2時間59分 観客: 4万8483人 気温: 52°F(11.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs

第6戦 10月19日

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  1. 勝利ロベルト・オスナ(1勝1S)  
  2. 敗戦アロルディス・チャップマン(1敗1S)  
  3. 本塁打
    NYY:ジオ・ウルシェラ2号ソロ、DJ・ルメイユ2号2ラン
    HOU:ユリ・グリエル1号3ラン、ホセ・アルトゥーベ2号2ラン
  4. 審判
    [球審]マービン・ハドソン
    [塁審]一塁: マイク・エベリット、二塁: コーリー・ブレイザー、三塁: カーウィン・ダンリー
    [外審]左翼: ダン・ベリーノ、右翼: マーク・カールソン
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時8分 試合時間: 4時間9分 観客: 4万3357人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
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脚注

外部リンク

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