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大阪府貝塚市に本社を置く鉄道事業およびバス事業を運営する会社 ウィキペディアから
水間鉄道株式会社(みずまてつどう)は、大阪府貝塚市に本社を置き、同市を中心に鉄道事業およびバス事業を運営している会社である。略称は水鉄(すいてつ)で、公式ウェブサイトのURLも「suitetsu.com」であり、バス事業は「水鉄バス」と呼ばれる。グルメ杵屋の完全子会社。
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | 水鉄(すいてつ)、MIZUMA |
本社所在地 |
日本 〒597-0001 大阪府貝塚市近木町2番2号 |
設立 | 1924年(大正13年)4月17日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 9120101038456 |
事業内容 |
旅客鉄道事業 一般乗合旅客自動車運送事業 ほか |
代表者 | 代表取締役 藤本昌信 |
資本金 | 1億円(2018年3月31日時点[1]) |
売上高 |
5億911万8000円 (2018年3月期[1]) |
営業利益 |
△2674万1000円 (2018年3月期[1]) |
純利益 |
402万5000円 (2018年3月期[1]) |
純資産 |
△7522万1000円 (2018年3月31日時点[1]) |
総資産 |
5億2763万3000円 (2018年3月31日時点[1]) |
従業員数 | 63人(2018年3月31日時点[2]) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
グルメ杵屋 100% (2018年3月31日時点[3]) |
外部リンク | https://www.suitetsu.com/ |
特記事項:2005年4月30日会社更生法の適用を申請。2006年6月16日会社更生計画終結。 |
大正時代に水間観音への参詣鉄道として敷設[4]されて以降、小規模ながらも堅実な経営を続けていた。
南海電気鉄道との結び付きが強く、かつては筆頭株主だった。ただし、南海の傘下およびグループ企業とはならず後述する経営破綻まで独立系のままだった。水間線では1990年(平成2年)まで南海から譲渡された車両を使用していた。また貝塚駅の自動改札機は、南海で1980年代に使用していたものを転用していたこともあった。
1980年代のバブル期に、沿線外での不動産事業を積極的に展開して最盛期には約20億円を売り上げたが、不動産事業がバブル崩壊後に不振に陥り、多額の借り入れが経営を圧迫した。さらに乗客が減少したことから自主再建を断念し、2005年(平成17年)4月30日に会社更生法の適用を大阪地方裁判所へ申請した[5][6]。
同年6月30日に外食チェーンのグルメ杵屋が支援企業に決定した後は、同社傘下で再建が進み、2006年(平成18年)6月16日に会社更生計画が終結し、新生会社として再出発した。
経営破綻前は鉄道・バスともにカード式乗車券は利用できなかったが、経営改善策の一環として2007年(平成19年)6月よりスルッとKANSAIに加盟。第7回スルッとKANSAIバスまつりから参加してバス車両を出展している[7]。2009年(平成21年)6月1日より鉄道・路線バスにPiTaPaを導入(コミュニティバス「は〜もに〜ばす」は除く)[8]、ICOCAも利用可能になった。水間線は中間駅がすべて無人駅であることから、バス型の精算機(ICカードリーダー)を電車の車内に設置している[9]。2013年(平成25年)3月23日より交通系ICカード全国相互利用サービスに対応するICカードが利用可能なった。2015年(平成27年)11月15日より「は〜もに〜ばす」でもICカードが利用可能となり、水間鉄道の鉄道・バス全線でICカード対応が完了した[10]。PiTaPa定期サービス[11]は提供していない。
水間線は全線単線で、交換駅は名越駅だけである。ほとんどの列車がこの駅で交換する。車庫は水間観音駅に隣接。
このほか、途中の清児(せちご)駅から分岐して、和泉山脈を超えて和歌山県粉河町(現紀の川市)まで連絡する線路を建設する計画を持っていたが、すでに計画は消滅しており、路線建設用に買収していた土地のなかには住宅地になった場所もある。「水間鉄道新線計画」を参照のこと。
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2024年4月1日改定[35]。
キロ程 | 運賃(円) |
---|---|
初乗り1.5 km | 200 |
1.6 - 3.0 | 250 |
3.1 - 4.5 | 300 |
4.6 - 5.5 | 330 |
同様に東急電鉄から東急車輛製造(現:総合車両製作所)製の車両を中古導入している弘南鉄道と「弘南鉄道+水間鉄道 PROJECT 7000」としてコラボレーション活動を行っている[36]。
路線バス事業は、主に一般路線バス「コスモスライナー」[37]と、貝塚市コミュニティバス「は〜もに〜ばす」[38]の2本立てとなっている。
2005年の経営破綻時まで、毎年約5,000万円の赤字を出していた[25]バス部門の立て直しは、関西佳子が社長就任後に特に注力した点であった[25]。貝塚市と連携し5年間かけて、自社路線の9割を市からの補助による運行という形でコミュニティバス化した[25]。その際に循環路線では、1台の車両で広い地域を回れるよう鉄道駅を中心に8の字形に循環する経路とした[25]。その後はバス事業の赤字は解消し、2011年からは黒字が続いたという[25]。
そのためコミュニティバスは、他の自治体で多い運行受託ではなく、分離会計全額補助による自主運行となっている。
2006年8月28日から、一般路線バスは「コスモスライナー」の名称で、「MIZUMA」のロゴと貝塚市の花であるコスモスをあしらった、黄色・ピンク・ライトグリーンのカラフルなバス車両で運行している。バリアフリー対応のワンステップバスで、車種はいすゞ・エルガミオである。
2009年には鉄道と同時に、一般路線バスにもPiTaPaを導入。その際には「は〜もに〜ばす」ではPiTaPaは利用できなかったが、2015年11月15日より「は〜もに〜ばす」にもPiTaPaが導入され[10]、水間鉄道の鉄道・バス全線で交通系ICカードが使用可能となった。
大阪府が自動車NOx・PM法の適用区域のため、鉄道とは異なり中古車は導入していない。水間鉄道で使用していた中古バス車両は、九州産交バスや因の島運輸に移籍している。
初乗り運賃は大人170円・小児90円、以降乗車距離に応じて加算される対キロ区間制である(2019年10月1日改定)[39][40]。
乗車時に中扉から乗り、右にある整理券発券機から整理券を取る。降車時に前方に設置されている次停表示機の下段に表示された整理券番号に応じた運賃を支払う。整理券にはバーコードが印刷されているので降車時運賃投入前に整理券を投入する。交通系ICカードは乗車時・降車時にカードリーダーにタッチする。整理券は始発停留所から発行される。運賃箱は両替方式なので、予め小銭の用意をするか停車中に両替をしておく必要がある。
公式サイトでは南海貝塚駅東口 - 二色南町までの運賃を記しているが、実際には始発地の南海貝塚駅東口から人工島内を通って再び戻ることも可能である。その場合の運賃は170円となる。
下記の2形態に大別される。当節では主に二色海浜緑地公園線「コスモスライナー」について触れる。
1989年4月1日に運転を開始[19]。かつては二色の浜産業団地線[19]、二色産業団地線と呼ばれており[41]、現在は二色海浜緑地公園線[42]と呼ばれているが、路線名の変遷の過程は不明である。
各系統の経由停留所は主な箇所のみ示している。なお、いずれの系統も南海貝塚駅東口 - 貝塚駅下り - 合同宿舎前 - 二色アジュール前 - 五中前 - 二色住宅 - 市民の森間を経由する。
上記のように系統番号が付与されているが、実際はバスの前面・側面の行先表示器には番号表示はなされず、「二色海浜緑地公園行」「貝塚駅東口バスターミナル行」と単に行先のみが記されている(側面の表示には経由地が示される)。
毎年7月の海の日直前の土曜・日曜日に行われる感田神社夏祭り(ふとん太鼓)期間中およびふとん太鼓の試験担ぎの行われる日は、一部の時間帯で合同宿舎前 - 南海貝塚駅東口間で迂回運行され、貝塚駅下り停留所は休止となる。また、毎年10月第2土曜・日曜日に行われるだんじり祭りの期間中およびだんじり試験曳きの行われる時間帯は、南海貝塚駅東口停留所ではなく西口のかつてあったバス停留所の位置から発着する。
2008年11月15日改正で系統・路線番号が大きく変わったため、その以前と以後で項を分けて記載する[41][43]。系統番号は、本文中では廃止直前のものを記載する。
2021年(令和3年)、5年後に1926年の開業から100周年の節目を迎えるにあたり、「#水鉄 このまちを鉄道から元気にしたい!! 〜貝塚観光倍増プロジェクト〜」と題し、ドラマを制作する企画を立てた。制作資金はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で支援を募り、当初は伸び悩んだものの、鉄道系YouTuberのにっこーけんに動画での告知を依頼し、その動画が公開されると支援が集まった。またこのクラウドファンディングには、同じく鉄道系YouTuberの西園寺が全面的に協力してドラマにも出演した。目標金額は7,700,000円で、結果的に11,318,968円の支援が集まり、3エピソード全6話という大規模な作品となった。作品は特設YouTubeチャンネルで公開され、2021年12月10日時点で、6話総合で68,348回再生されている。出演は俳優の松平健をはじめ、長田成哉、野添義弘、富田翔、森山くるみ、又野暁仁、佐竹桃華のほか、地元住民らもエキストラとして出演した。
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