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日本の政党 ウィキペディアから
立憲民主党(りっけんみんしゅとう、英: The Constitutional Democratic Party of Japan[53]、略称: CDP)は、日本の政党。立憲主義に基づく民主政治を綱領に掲げる[38]リベラル政党である[upper-alpha 5]。
立憲民主党 The Constitutional Democratic Party of Japan | |
---|---|
立憲民主党本部が入居する三宅坂ビル | |
代表 | 泉健太 |
代表代行 |
西村智奈美 逢󠄀坂誠二 辻元清美 |
副代表 | (空席) |
幹事長 | 岡田克也 |
参議院議員会長 | 水岡俊一 |
成立年月日 | 2020年9月15日 |
前身政党 |
旧・立憲民主党[注釈 1] 民主党(旧・国民民主党の一部)[注釈 2] 社会保障を立て直す国民会議 無所属フォーラム 社会民主党(一部) |
本部所在地 |
〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番1号[3]三宅坂ビル |
衆議院議席数 |
98 / 465 (21%) |
参議院議席数 |
38 / 248 (15%) |
都道府県議数 |
232 / 2,644 (9%) |
市区町村議数 |
712 / 29,135 (2%) |
党員・党友数 |
114,839人 (2024年8月26日現在[5]) |
政治的思想・立場 |
中道[upper-alpha 1] - 中道左派[upper-alpha 2][注釈 5] 教育無償化[26] リベラル[upper-alpha 4][33] 社会自由主義[34] 進歩主義[35][36] 論憲[37]・立憲主義[38][39] 熟議[38]・草の根民主主義[38][39] 国際協調主義・平和主義(専守防衛)[38][39] 原発ゼロ[39][38] 反新自由主義[40][29][41] 生活安全保障[42]・人間の安全保障[38] 動物愛護[43] 共生主義[38] 持続可能な社会[38] 大きな政府[44][45][46][47] ジェンダー平等[48] |
機関紙 | 『立憲民主』[49] |
政党交付金 |
68億3544万 円 (2024年1月1日[50]) |
シンボル | |
公式カラー | 青[51] |
国際組織 | アジア・リベラル民主評議会(オブザーバー)[52] |
法人番号 | 7010005032353 |
公式サイト | cdp-japan.jp |
2020年(令和2年)に、旧・立憲民主党と旧・国民民主党が合流することにより結党された[注釈 6]。
党規約による公式略称は「民主党」[54][55][56][注釈 7]。マスメディアでは「立憲民主」[58]、「立憲」[59][60]、「立民党」、「立民」[61][62]など。1字表記の際は「立」と表記される[63]。
2020年(令和2年)9月15日、かつての民進党の流れを汲む国会議員らが、旧・立憲民主党(旧立憲)を中心に、旧・国民民主党(旧国民)の大部分[注釈 2]や、社会保障を立て直す国民会議、無所属フォーラムなどから合流することで結成された国政政党である。
同年9月10日に新党代表・党名選挙が行われ、旧立憲の代表であった枝野幸男が初代代表に選出されるとともに、党名も『立憲民主党』に決定した[64]。
旧立憲とは同一の名称およびロゴマークを使用する[注釈 8]が、法令上は新規に設立された別の政党である[66]。
2021年(令和3年)11月30日、枝野の代表辞任に伴う新代表選挙が行われ、政務調査会長であった泉健太が選出されて第2代代表となった[67]。
本党は綱領において自らを「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育て、人間の命とくらしを守る、国民が主役の政党」とし、続いて、自由と多様性の尊重、共生社会の創造、国際協調、未来への責任を果たすことを基本理念に掲げる[38]。
本党の政治的立場は、マスコミ等によって「中道[68][69]」、「中道左派[11][12]」、「左派[20][23]」、「リベラル中道[70][71][72][73]」、「リベラル[74][27][32][75][76][77]」と位置付けられている。
ただし、対等合併[78][79]した前身政党の1つである旧国民民主系の党員には保守派が多く[80]、また初代代表の枝野幸男も自書の中で自らを「保守本流」と標榜している[81][82]。さらに第2代代表の泉健太は「中道」[83][84][85]や「中道保守」[86]であるとたびたび評される。
2017年の第48回衆議院議員総選挙をきっかけに分裂した民進党はその後、旧・立憲民主党、旧・国民民主党およびいずれの党にも所属しない旧民進党系無所属議員グループに分かれた。 旧・立憲代表の枝野は当初、旧民進党勢力を再び結集することには否定的な立場を取っていたが、2019年(令和元年)7月の第25回参議院議員通常選挙の結果を受けて方針を転換した[87]。同年12月6日、共同会派を組む旧・国民民主党、旧民進党系無所属議員のグループである社会保障を立て直す国民会議と無所属フォーラムおよび社会民主党に対し、「立憲民主党と共に行動してほしい。政権を担いうる政党を築き、次期衆院選で政権交代を現実のものにしたい」と述べ、事実上の合流を呼び掛けた[88][89]。
2020年1月には他党の吸収合併を想定する立民側と、対等合併を主張する国民側で合意に至らず、1度合流協議は破談となったが、半年後の7月には立民側が両党を解党した上で新党を設立するなど国民側に譲歩した内容で合流協議が再開[90][91]。8月24日、旧・立憲民主党、旧・国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、無所属フォーラムの2党2グループの幹事長が新党を結党することに合意した[92][93]。
9月1日、2党2グループの幹事長と選挙管理委員は、新党代表・党名選挙の告示日を9月7日、投票日を9月10日、結党大会を9月15日とすることを決定[94][95]。9月10日に行われた選挙の結果、枝野が旧・国民民主党出身の泉健太を破り代表に選出。党名には「立憲民主党」が選ばれた[96]。
結成前日の9月14日、党の幹事長に旧・立憲民主党幹事長の福山哲郎参議院議員を引き続き起用するなどの人事を発表。また、同日には衆議院議員1名が入党の届け出を行い、新・立憲民主党は衆議院議員107人、参議院議員43人の計150人で結成することとなった[97]。
9月15日、東京都内のホテルで結党大会が行われた。大会で枝野は「衆院では政権交代の発射台といわれる100人を超えるメンバーが集まった」と述べた。また、幹事長に福山、政調会長に旧国民で同職を務めた泉、国会対策委員長に旧立憲で同職を務めた安住淳、代表代行兼選挙対策委員長に旧国民で幹事長を務めた平野博文が就くなどの執行部人事案も承認された。また、同日には玉木雄一郎ら旧国民側の合流不参加者が結成した新・国民民主党も設立大会を開いた[99]。
9月16日午前、持病の潰瘍性大腸炎により辞意を表明していた安倍晋三内閣総理大臣が内閣総辞職し、午後の首班指名選挙において自由民主党総裁の菅義偉が第99代内閣総理大臣に選出された。この際の首班指名選挙では立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社民党、れいわ新選組の野党5党は枝野に投票した[100]。
一方、国民民主党とは9月14日に参議院で統一会派を解消[101]。10月27日には衆議院でも統一会派を解消し、立憲民主党と会派を組む政党は社民党のみとなった[102]。また、立憲側から合流を打診されていた社民党では、合流賛成派と反対派で党内の意見が割れ、合流賛成派の吉田忠智社民党幹事長らは10月に解党による合流を断念[103]。11月14日の臨時党大会で立憲への合流希望者の離党を「容認」する議案が僅差で可決され、事実上分裂することとなった[104]。12月24日に吉田と社民党副党首の吉川元が社民党に離党届を、立憲民主党に入党届を提出し、いずれも同日受理された[105]。
次期衆院選に向けては、立憲民主党内において旧立憲・旧国民出身者や無所属の合流議員が競合する選挙区が合流時点で10あった[106]が、11月末までに新潟6区を除く9選挙区で候補者を一本化した[107]。12月に枝野は「全部公認にこだわらなくても面で戦う構造は見えてきた」と述べ、国民民主党や社民党とあわせ衆院定数の過半数の233人を超える候補者を擁立する方針を示し[108]、国民民主党との連携については「おかしなことをしなければ現職や早い段階から決まっているところに候補者をぶつけない」と述べた[109]。2021年1月12日の常任幹事会において、旧立憲と旧国民の最後の競合区だった新潟6区で候補者を一本化。これによって立憲民主党内の競合区は全て解消され、幹事長の福山は今後、共産・国民民主・社民との選挙区の調整を進める考えを示した[110]。
6月17日に枝野は支持母体である連合(日本労働組合総連合会)の中央委員会に出席し、共産党との協力について、「理念で違う部分があるので共産党との連立政権は考えていない。共有政策でのパーシャル(部分的)な連携や候補者一本化に努力したい」と述べ、国民民主党と連携に向けた協議を加速させる意向を示した[111][112]。
7月に行われた東京都議会議員選挙では1~2人区を中心に共産党と候補者の棲み分けを行い、立憲民主党は改選前の8議席から上積みして15議席を獲得した[113][114]。この選挙結果について党東京都連会長の長妻昭は「議席を伸ばして、都議会で役割を果たせる最低限の陣立てができた」と述べ一定の評価を示した[115]一方、獲得議席数が自公両党や都民ファーストの会、共産党を下回り都議会第5党に留まったことを受け、枝野は「自民党に代わる選択肢は我々しかないんだ、ということが十分に届ききっていない選挙になってしまった」と反省の弁を述べた[116]。
都議選後の7月15日に立憲民主党は連合との間で次期衆院選に向けた政策協定を締結した。連合は当初、国民民主党も含めた3者での協定締結を目指していたが、立憲側が都議選で連合推薦の国民候補を支援せず、共産候補を応援したことに国民側が反発。そのため、両党は同じ文言の政策協定を別々に締結した[117][118]。国民民主党とは7月16日に「現職議員・公認内定者がいる小選挙区は原則、競合候補を擁立しない」「非現職の選挙区調整も政権与党を利さないよう取り組む」とした覚書に両党の選対委員長が署名したが、「比例選挙は小選挙区候補の政党の運動を原則とする」という文言に国民側が反発。その後、8月17日に同文言を削除することで国民側が修正案を了承した[119]。
9月8日、立憲、共産、社民、れいわ新選組の4党と安全保障関連法の廃止を求める市民団体「市民連合」は、「安保法制の違憲部分を廃止」「新型コロナ禍に乗じた憲法改正に反対」「消費税減税」などの次期衆院選に向けた共通政策を締結した。一方で国民民主党は「原発ゼロ」や「普天間飛行場の移設中止」などの文言に難色を示し、署名に参加しなかった[120][121][122]。
9月16日、立憲民主党の枝野代表は日本共産党の「敵の出方論」に立った暴力革命の方針を巡り、「少なくとも、今、共産党が暴力革命を目指しているとは全く思っていない」と述べた。立憲民主党が衆院選で政権交代を実現して「枝野内閣」を立ち上げた際には、従来の政府見解を変更する可能性を示唆した[123]。
9月30日、枝野は共産、国民、社民、れいわの野党4党との党首会談を相次いで行い、次期衆院選に向けた連携強化を確認。共産党とは衆院選で立憲民主党政権が実現した場合に、共産が連立に入らず、「限定的な閣外からの協力」をする方針で一致した。立憲民主党が政権運営の枠組みで共産党と合意を行うのはこれが初めてのことであった。また、枝野は岸田文雄が自民党の新総裁に就任したことに伴う首相指名選挙について、自身に投票するよう野党4党に求めたのに対し、国民民主党を除く3党は応じる意向を示した[124]。
2021年10月31日投開票の第49回衆議院議員総選挙では出口調査速報時点でも議席微増が予想されたが、実際には公示前の109議席を13議席下回る96議席に留まった[125]。小選挙区こそ公示前の48議席から57議席に増えたものの、比例代表は公示前62議席から39議席まで大幅に減らした[126]。小選挙区では自民党の甘利明幹事長や石原伸晃元幹事長といった重鎮議員を破り、自民党の議席を減少させた事に対し枝野は「多くの選挙区で与党候補と接戦に持ち込めた」と振り返り、「野党連携に一定の成果があった」と総括した上で「さらに伸ばすため、この路線で前に進む」と述べた[127]。しかし目標に掲げた政権交代は果たせず自党の平野博文代表代行兼選対委員長、辻元清美副代表といった党幹部が比例復活もならず落選し、また小沢一郎、中村喜四郎等のベテラン議員も選挙区で当選出来なかった[128][129]。この結果を受け、長妻昭副代表や福山哲郎幹事長は「(政権交代は)現状ではなかなか難しい。今回の結果を一里塚として取り組みを深化させたい」、「結果を受け止め、今後の野党の在り方を考えたい」と話した[130]。枝野は、10月31日夜には代表辞任を否定していたが、11月2日の役員会で代表から引責辞任の意向を表明した[131][132]。
2021年11月10日、党は、枝野の辞任に伴う代表選挙の日程を11月19日告示、30日投開票とする方針を固めた[133]。2日後の11月12日には、枝野の辞任が正式に了承された[134]。
同年11月19日、代表選が告示。逢坂誠二、小川淳也、泉健太、西村智奈美の4人(届け出順)が立候補を届け出た[135]。投開票の結果、泉が決選投票において逢坂を破り第2代代表に選任された[136]。
同年12月4日、泉は、福岡市で開かれた党福岡県連大会で「執行役員会は12人で構成する」と発表[137]。12月6日、両院議員総会が開かれ、党は、執行役員12人のうち6人を女性とする新たな人事を決定した。これにより泉が代表選挙で訴えた「執行役員の半数を女性にする」との公約が達成された[138][139]。
2022年1月27日、立憲民主党は前年の衆院選の総括を公表。野党による候補者の一本化は一定の効果はあったとしつつ、想定していた結果は伴わなかったとした。また、共産党との限定的な閣外協力の合意については、「政権は一緒にしないという合意が趣旨だったが、誤解となって有権者に伝わった」と結論付けた[140]。25日の常任幹事会で提示された総括の原案では党独自調査に基づき、立憲候補が1万票以内の差で負けた31の小選挙区で「投票全体の3%超」が共産との連携を理由に他候補に投票先を変更し、「接戦区の勝敗に影響を与えた」と分析していたが、党内からは「野党間の候補者一本化が否定されているように見える」などと反発が相次いだため、27日に公表した修正版の総括ではこれらの記述は削除された[141]。
2022年1月28日、泉は、記者会見で夏の第26回参議院議員通常選挙の候補者について「比例区も含めて、可能な限り『女性5割』を目指したい」と述べた[142]。同年2月8日、立憲民主党は参院選女性候補者の公募を開始した[143]。
1月31日に泉はBSフジの番組内で共産党について「これまでの連携は白紙にする」と発言し、共産側はこれに反発した[144]。また、国民民主党が衆院選後に従来の野党国対から離脱したことを受け、2月14日には立憲・国民・日本維新の会・衆議院会派有志の会の3党1会派による共産党を除く野党国対の会合を開き[145]、会合を定例化する考えも示したが、これに共産党が強く反発したため翌日には馬淵澄夫国対委員長が共産党への謝罪と今後の開催の撤回に追い込まれた[146]。
4月5日、立憲民主党は常任幹事会で、夏の参院選比例代表の得票目標を1300万票とすることを決めた。幹事長の西村は会見で「昨年の衆院選でわが党の比例得票は約1150万票だった。そのおよそ1割増しだ」と説明した[147]。
5月9日、西村は共産党の小池晃書記局長と国会内で会談し、小池は前回衆院選同様に「政権交代時の閣外協力」を合意するよう求めたが、立憲側は応じず、小池は会談後「折り合わなかったので今回は横に置くことを確認した。合意に至らなかったのは大変残念だ」とした上で「勝利する可能性の高い選挙区を優先して両党で候補者調整を行うことを確認した。1人区での候補者一本化はかなり限定された選挙区で行うことになると思う」と述べた[148]。
参院選は6月22日に告示され、1人区で与野党が事実上の一騎打ちの構図になったのは11選挙区にとどまった。7月10日の投開票の結果、立憲民主党は1人区に擁立した現職5人のうち、岩手、新潟、山梨の3人が落選するなど選挙区で6議席減らした。また、複数擁立区のうち、改選前に複数議席を確保していた北海道・東京では引退する議員からの議席継承に失敗してそれぞれ1議席を失った。さらに合併選挙分の1議席(任期は2025年までの3年間)を含めた5議席を争う神奈川では、県連代表の阿部知子が女性候補擁立に固執する姿勢を見せ、県連内での候補者調整に失敗する形で2人(寺崎雄介・水野素子)を擁立。このうち公示後の情勢調査で当選の見込みが薄いと判断した寺崎を選挙運動中にも関わらず支援の対象から外すなど、党内の選挙対策の拙さを見せた結果、複数定員区にも関わらず水野が5位に滑り込むのが精一杯で「任期3年の補欠当選」に留まる事実上の惨敗となった[149][150]。比例代表では改選7議席を維持したが、得票数は約677万票にとどまり、約785万票を獲得した日本維新の会に「比例での野党第1党」の座を奪われる惨敗となった[151][152]。また、1人区における野党と自民党の勝敗は4勝28敗で、2019年の参院選で候補者を一本化した野党(立憲・国民・共産・社民)の支援候補者の得票を合計して与党候補を上回るのも秋田と福井の2選挙区のみであり、全体に野党の退潮傾向が明らかとなった[153]。泉は「(議席減の)重たい責任を受け止めている」と述べつつ、選挙区と比例を合わせた獲得議席数では維新を上回っていることから、「われわれが野党第1党を維持したことは非常に大きい」とも述べ、続投に意欲を示した[154]。8月10日、衆院議員会館で開催した臨時常任幹事会において「提案型野党」を掲げた事が敗因とする総括をまとめ、野党間の候補者調整等の行動を積極的に行うべきだったとした。また、次期衆院選に向けて、与党に対峙できる態勢を確立する必要があると記した[155]。
7月に発生した安倍晋三銃撃事件では統一協会と政界との関係がクローズアップされた。8月に入って立憲民主党は何らかの形で旧統一教会と関わりがあった議員が複数いることを認めた。詳細は統一協会と政界の関係を参照。党として再発防止に努めるという[156]。
8月26日、党両院議員総会が行われ、新幹事長に岡田克也、政調会長に長妻昭、国対委員長に安住を再起用するなどの党役員人事が承認され、新執行部が発足した。前幹事長の西村は逢坂と共に代表代行に充てられ昇格という形で執行部に留まった。参院選後、党内では蓮舫参議院議員や手塚仁雄衆議院議員が長妻を新代表にすべきと主張し「出直し代表選」の実施を求めており、泉は重鎮議員を置いて執行部を強化することで収拾を図ったが、党内の一部からは「刷新感がない」などの不満もくすぶる形となった[157]。9月13日には政務調査審議会に代わる政策決定機関として、泉をネクスト総理大臣とする次の内閣を発足させた[158]。 9月21日、立憲民主党と日本維新の会の国会対策委員長が国会内で会談し、翌月召集予定の第210回国会において国会法改正案の提出や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の霊感商法被害者などの救済に向けた法整備などの6項目において両党が連携することで合意[159]。合意文書には「共闘」との文言も盛り込まれたが、日本維新の会の馬場伸幸代表は立憲民主党との選挙協力については「可能性は0%だ。われわれは地獄に行く気はない」と否定した[160]。
2023年4月の第20回統一地方選挙では、41道府県議選において7議席増となる185議席を獲得し野党第一党を維持した[162]。市議選では269議席を獲得した[163]。一方で衆参5つの補欠選挙では自民党は和歌山1区で日本維新の会の候補に敗れた他は全勝し、立憲民主党は公認候補を擁立した3補選で全敗する結果となった[164]。4月25日に開かれた常任幹事会では、地方選では善戦したとして泉ら執行部の責任を問う声は出なかった[165]。一方、蓮舫は4月26日自身のツイッターを更新し泉ら執行部の対応を批判。「議員総会、ならびに本会議後の国対理事合同会議でも複数の議員から執行部への疑問、意見が相次ぎました」と不満の渦巻く党内の現状について述べた[166]。
5月10日に非公開で行われた党会合では泉に対し、「覚悟を示してほしい」と求める意見が相次いだ。同12日、泉は記者会見で次期衆院選で150議席を獲得できなければ辞任すると表明。また、維新と行ってきた国会での共闘を近く終了させる考えも示した[167]。15日に民放番組に出演した泉は、次期衆院選について、維新・共産のいずれとも選挙協力を行わない意向を示した[168]。一方で17日には連合の芳野友子会長と会談し、連合側は国民民主党との連携を要請。泉は「対等に、真摯に話をしていきたい」と応じ、連合側に国民との仲介を要請した[169][170]。
6月14日、公文書管理法改正案と、公文書管理適正化推進法案を維新と共同提出した。両党の協調路線により準備を進めてきた法案はこれで最後となり、同法案の提出を以て前年から続いた両党の国会協調は正式に終了した[171]。
6月16日、小沢一郎、小川淳也ら12人が呼びかけ人となった「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」が記者会見を開き、共産党などとの候補者調整を否定した党執行部に対し方針の変更を求める意向を示した。同会は所属衆院議員96人の過半数を超える53人が趣旨に賛同しているとも発表した[172]。6月30日に泉は記者会見で野党共闘を後押しする民間団体「市民連合」を介した候補者の調整について「あり得る」と述べた[173]。7月4日、幹事長の岡田は泉から野党間での候補者調整を行うよう指示を受けたことを明らかにし、翌5日には泉も「衆院解散が遠のき、(選挙協力しないとの方針を)考え直す時期だ」と述べ、他党との協力を否定した従来の方針から転換したと産経新聞より報じられた[174][175]。
2023年10月の衆参2つの補欠選挙を巡っては、いずれの選挙区も立憲民主党系の候補を共産党や国民民主党、社民党の地方組織が支援する形で一本化が成立した[176]。10月22日の投開票の結果、野党の勝敗は1勝1敗となった[177]。
2024年4月の衆議院3選挙区(島根1区・長崎3区・東京15区)補欠選挙では、いずれも共産党が候補者擁立を見送り、立憲民主党候補への一本化が成立。島根と長崎では国民民主党県組織からの支援も得た[178]。一方で自民党は長崎と東京で候補者擁立を見送ったため、島根1区のみが与野党対決となり、長崎・東京は日本維新の会などとの野党対決となった。4月28日の投開票の結果、立憲民主党が3選挙区すべてを制し、全勝した[179][180]。同補選での勝利により、野党は衆院政治倫理審査会での審査申し立てに必要な3分の1の委員(9人)を確保できる見通しとなった[181]。
2024年7月7日投開票の東京都知事選挙では、立憲民主党に所属していた蓮舫が立候補し、同党と共産党、社民党が支援する共闘が実現したが、無党派層からの支持が低迷し、現職の小池百合子、政党支援を受けなかった石丸伸二元安芸高田市長に次ぐ3位となり大敗[182]。同日に行われた都議補選では、9選挙区中7選挙区で共産党と候補者のすみ分けを行ったが、1勝にとどまった[183]。選挙後、党最高顧問の野田佳彦元首相は次期衆院選の戦略を「根底から見直さなければならない」と述べた[184]。また、小沢一郎は泉健太代表の退陣を公然と主張した[185]。
2024年9月7日、泉の任期満了に伴う代表選挙が告示された[186]。同日、野田佳彦、枝野幸男、泉、吉田晴美の4名(届け出順)が立候補を届け出た。同年9月23日に投開票が行われる[187]。
2020年9月15日の結党大会で制定された[188]。抜粋して紹介する。
私たちは、国際協調と専守防衛を貫き、現実的な安全保障や外交政策を推進します。
私たちは、健全な日米同盟を軸に、アジア太平洋地域とりわけ近隣諸国をはじめとする世界の国々との連携を強化します。
私たちは、国際連合などの多国間協調の枠組みに基づき、気候変動などの地球規模の課題にも正面から向き合い、国際社会の恒久平和と繁栄に貢献します。
私たちは、人道支援、経済連携などを推進するとともに、核兵器の廃絶をめざし、人間の安全保障を実現します。
私たちは、自国のみならず他の国々とともに利益を享受する「開かれた国益」を追求します。
私たちは、日本の文化芸術を大切にするとともに、世界の多様な文化と交流しつつ、幅広い文化芸術活動の振興をはかります。
以下の政策よりもより細かい政策については『立憲の政策がまるごとわかる 政策集』を参照[189]。
2022年12月16日に政府が国家安全保障戦略など、安全保障関連の3文書を改定したことを受けて同年12月20日に立憲民主党としての『外交・安全保障戦略の方向性』を発表している[190]。細かい政策の前に『外交・安全保障戦略の方向性』の前文の一部を抜粋して紹介する。
また、政府が改定安保3文書の中で2023年度からの5年間で防衛費を対GDP比2%まで増額するとの方針を示したことに対する立場も示している。
立憲民主党は我が国が直面する安全保障環境の変化への対応や新領域における能力向上の緊急性や重要性等に鑑み、真に必要な予算について積み上げた結果、防衛費の一定の増額につながったとしても理解できると表明してきた。しかし、GDP比2%や5年で二倍という増額目標については「最初から数字ありき」にすぎず合理性に欠ける。大幅に増額すると無理が生じ、陸上イージスのような無駄につながりやすい。戦略的合理性に基づき、優先順位をつけて積み上げた上に、効率的で無駄のない調達や支出をしなければならない。政府が防衛費のベースを大幅に上げるのであれば、恒久財源を充てるのが財政規律上当然である。2011年の東日本大震災時においては当時の民主党政権は国民の理解と納得を得て復興財源を歳出削減と復興税でまかなった。歳出改革プランも示さぬまま復興財源フレームを流用するのは論外と言える。
代表は、党を代表する最高責任者であり、党務全般を統括する職である(党規約14条1,2項)。国会議員と公認候補予定者、地方議員、党員・協力党員が参加する選挙で選出され、その任期は就任した年から3年後の9月末日までである(党規約14条3,5項、党代表選挙規則)。任期途中で代表が欠けた場合は両院議員総会において代表を選出することもできるが、その際の任期は、就任が1-9月末日までであれば翌年9月末日まで、就任が10-12月末日までであれば翌々年9月末日までとなる(党規約14条6,7項)。
なお、初代代表は2020年9月の党に参加予定の国会議員の投票で選出され、任期は2022年(令和4年)9月までとされた[96]。
代表代行は、代表を補佐し、その指示に基づき代表の職務の一部を代行して党務を遂行するものとされ、代表代行を置く場合は、党大会又は両院議員総会の承認を得て、代表が選任する(党規約16条各項)。常任幹事会の構成員であり(党規約11条4項)、かつ執行役員会の構成員である(党規約13条2項)。
副代表は、代表を補佐し、その指示又は幹事長の要請に基づき党務を遂行するものとされ、副代表を置く場合は、党大会又は両院議員総会の承認を得て、代表が選任する(党規約17条各項)。常任幹事会の構成員である(党規約11条4項)。
枝野幸男が代表であった時には5名置かれていたが、代表に泉健太が就任して以降、空席である。
幹事長は当然に置かれる。代表を補佐して党務執行全般を統括する職であり、党大会又は両院議員総会の承認を得て、国会議員の中から代表が選任するものとされる(党規約18条1,2,3項)。常任幹事会および執行役員会の構成員である(党規約11条4項,13条2項)。
現任は、岡田克也。
役職 | 氏名 | 所属議院・地方議会 | 出身政党・会派 | 政策グループ | |
---|---|---|---|---|---|
◎○ | 代表 総合選挙対策本部長[注釈 10] つながる本部長[注釈 11] 子ども・若者応援本部長 令和6年能登半島地震対策本部長 |
泉健太 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
◎○ | 代表代行 つながる本部本部長代理 |
辻󠄀元清美 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
◎○ | 代表代行 ジェンダー平等推進本部長 旧統一教会被害対策本部長 |
西村智奈美 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 菅G |
◎○ | 代表代行 広報本部長 |
逢坂誠二 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
○ | 副代表 | 空席 | ― | ― | ― |
◎○ | 幹事長 政治改革実行本部長 |
岡田克也 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 岡田G |
◎○ | 常任幹事会議長 代表政務室長 政治改革推進本部長 拉致問題対策本部長 |
渡辺周 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
◎○ | 選挙対策委員長 | 大串博志 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
◎○ | 政務調査会長 | 長妻昭 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
◎○ | 国会対策委員長 | 安住淳 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
◎○ | 参議院議員会長 | 水岡俊一 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
○ | 参議院幹事長 幹事長代理 (つながる本部・ジェンダー平等推進本部 担当) 農林漁業再生本部長 |
田名部匡代 | 参議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
○ | 参議院国会対策委員長 | 斎藤嘉隆 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
○ | 組織委員長 | 森本真治 | 参議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
○ | 企業・団体交流委員長 | 大島敦 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 無派閥 |
○ | 北海道ブロック常任幹事 | 岸真紀子 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
○ | 東北ブロック常任幹事 | 横澤高徳 | 参議院 | 旧・国民民主党 | 小沢G |
○ | 北関東ブロック常任幹事 | 坂本祐之輔 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
○ | 南関東ブロック常任幹事 | 小沢雅仁 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
○ | 東京ブロック常任幹事 幹事長代理(広報・国対担当) |
手塚仁雄 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 野田G |
○ | 北陸信越ブロック常任幹事 | 杉尾秀哉 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 菅G |
○ | 東海ブロック常任幹事 | 吉田統彦 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 泉G |
○ | 近畿ブロック常任幹事 | 桜井周 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 重徳派・階G |
○ | 中国ブロック常任幹事 | 柚木道義 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 近藤G・岡田G |
○ | 四国ブロック常任幹事 | 白石洋一 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 無派閥 |
○ | 九州ブロック常任幹事 | 野間健 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 重徳派・小沢G |
○ | 自治体議員ネットワーク代表 | 遊佐美由紀 | 宮城県議会 | ||
◇ | 両院議員総会長 | 川田龍平 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 菅G |
倫理委員長 | 菊田真紀子 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 岡田G | |
代表選挙管理委員長 | 吉川沙織 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G | |
代議士会長 | 伴野豊 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 野田G | |
東日本大震災復興本部長 | 玄葉光一郎 | 衆議院 | 社会保障を立て直す国民会議 | 無派閥 | |
新型コロナウイルス対策本部長 | 小川淳也 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 近藤G・岡田G | |
カジノ問題対策本部長 | 空席 | ― | ― | ― | |
副幹事長 総務局長 |
山岡達丸 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 無派閥 | |
副幹事長 財務局長 |
稲富修二 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 無派閥 | |
副幹事長 青年局長 |
伊藤俊輔 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 重徳派・野田G | |
副幹事長 災害・緊急事態局長 |
森山浩行 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 泉G・野田G | |
副幹事長 国際局長 |
源馬謙太郎 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 重徳派・階G・泉G | |
副幹事長 人材局長 |
荒井優 | 衆議院 | ― | 泉G・菅G | |
副幹事長 政治改革担当 |
落合貴之 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 重徳派 | |
副幹事長 | 石川香織 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G・菅G | |
副幹事長 | 本庄知史 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 野田G・岡田G | |
副幹事長 | 勝部賢志 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G | |
副幹事長 | 田島麻衣子 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G | |
会計監査 ハラスメント対策委員長 |
金子恵美 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 岡田G | |
会計監査 | 野田国義 | 参議院 | 旧・国民民主党 | 無派閥 | |
◇ | 最高顧問 | 菅直人 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 菅G |
◇ | 最高顧問 | 野田佳彦 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 野田G |
◎は執行役員会構成役員。○は常任幹事会構成役員。※は常任幹事会陪席。◇は常任幹事会臨席[193]。
代表 | 代表代行 | 幹事長 | 常任幹事会 議長 |
政務調査 会長 |
選挙対策 委員長 |
国会対策 委員長 |
参議院議員 会長 |
執行役員 | 就任年月 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
枝野幸男 | 平野博文 | 蓮舫 | 江田憲司 | 福山哲郎 | 田名部匡代 | 泉健太 | 平野博文 | 安住淳 | 水岡俊一 | 大島敦[注釈 12] | 近藤昭一[注釈 13] | 2020年9月15日[198] | ||
泉健太 | 逢坂誠二 | 西村智奈美 | 牧山弘恵 | 小川淳也 | 大西健介 | 馬淵澄夫 | 吉川沙織[注釈 12] | 小宮山泰子[注釈 13] | 田名部匡代[注釈 14] | 岡本章子[注釈 15] | 2021年11月30日[199] | |||
西村智奈美 | 岡田克也 | 徳永エリ | 長妻昭 | 大串博志 | 安住淳 | 2022年8月26日[200] | ||||||||
辻元清美 | 渡辺周 | 2024年1月26日 |
泉「次の内閣」閣僚名簿(2024年1月26日現在[201])
役職 | 氏名 | 所属議院 | 出身政党・会派 | 政策グループ |
---|---|---|---|---|
ネクスト総理大臣[注釈 16] | 泉健太 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
ネクスト内閣官房長官[注釈 17] | 長妻昭 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
ネクスト内閣府担当大臣 (災害対策・消費者・科学技術・デジタル・行政監視) |
杉尾秀哉 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 菅G |
ネクスト総務大臣 (地方創生・倫理選挙) |
野田国義 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
ネクスト法務大臣 | 牧山弘恵 | 参議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
ネクスト外務大臣 (拉致問題・ODA) |
玄葉光一郎 | 衆議院 | 社会保障を立て直す国民会議 | 無派閥 |
ネクスト安全保障大臣 |
渡辺周 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 泉G |
ネクスト財務金融大臣 (予算・決算) |
階猛 | 衆議院 | 社会保障を立て直す国民会議 | 階G |
ネクスト文部科学大臣 | 菊田真紀子 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 岡田G |
ネクスト厚生労働大臣 | 高木真理 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 無派閥 |
ネクスト農林水産大臣 | 金子恵美 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 岡田G |
ネクスト経済産業大臣 | 田嶋要 | 衆議院 | 無所属フォーラム | 菅G・岡田G |
ネクスト国土交通・復興大臣 (沖縄北方・復興) |
小宮山泰子 | 衆議院 | 旧・国民民主党 | 階G・小沢G |
ネクスト環境大臣 (原子力問題) |
近藤昭一 | 衆議院 | 旧・立憲民主党 | 近藤G |
括弧内は所管委員会を指す。
執行役員会が設けられている。党務執行の重要事項について調整し決定する機関であり、代表、代表代行、幹事長、常任幹事会議長、参議院議員会長及び代表の指名する役員で構成する。[注釈 23]
各種委員会、本部、局が設置される。
2021年7月現在、47都道府県全てで地方組織が設立されている[203]。
旧立憲民主党の制度・旧国民民主党の制度の両方を引き継いでおり、18歳以上の日本国民は党員・協力党員(サポーターズ)として参加することができ、18歳以上の個人はパートナーズとして参加することができる。なお、党員・協力党員(サポーターズ)とパートナーズは両方に重ねて参加可能である。党員の年会費は4000円、協力党員の年会費は2000円、パートナーズの年会費は500円である。党員・協力党員は代表選挙への参加が可能であるが、パートナーズは代表選挙への参加はできない[204]。
2021年3月において党員などの数は4万人余りであり、10万人に増やすことを目標に掲げていた[203]。2021年12月時点の一般の党員、協力党員の数は100,267人である[5]。
現在の党本部は、旧・民主党および旧・民進党の本部所在地で、旧・国民民主党が継承して本部としていた千代田区永田町の「三宅坂ビル」。
新立憲結党時、本部は旧立憲に引き続き東京都千代田区平河町の「ふじビル」に所在することとなり、三宅坂ビルは党別館となった。
2022年10月18日の幹事長記者会見において、同年12月1日を目処に党本部を党別館の三宅坂ビルに移転することが発表された。幹事長の岡田は、新立憲結党の段階で職員の多くは三宅坂ビルに勤務しており、職員ヒアリングにおいて、郵便物が本部のふじビルに届き、そこから三宅坂ビルに運ばなければならないなどの弊害が指摘されたという[205]。12月1日をもって党本部が三宅坂ビルに移転した。2023年2月には屋上に党の看板を設置した[206]。なお、ふじビルとの契約は2023年3月をもって終了した[207]。
選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 得票数(得票率) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
選挙区 | 比例代表 | |||||
(結党時) | 43/- | - | 245 | 入党+2、死去-1、補選当選+1 | ||
第26回通常選挙 | 16(+1※)/51 | 22 | 248 | 8,154,330(15.33%) | 6,771,913(12.77%) | ※合併選挙による補欠当選+1、辞職-2、繰上当選+2、離党-1 |
2023年12月31日時点での党所属の都道府県議は232人で、自民党に次いで2番目に多い。市区議会議員は667人で公明党、自民党、共産党に次ぐ4位である。
民主党系の政党は総じて国政での勢力に比べて地方議会議員の数が少なく、地域によっては社民党より少ない地域もある(鹿児島市議会など)。国政では比較的民主党系の勢力が強いとされる地域でも、地方議会では自民党との間に2倍以上の議席差があることも珍しくない。
日付 | 党首 | 都道府県議会 | 市区議会 |
---|---|---|---|
2020年12月31日 | 枝野幸男 | 不明 | 11/29608 |
2021年12月31日 | 泉健太 | 37/2598 | 157/29423 |
2022年12月31日 | 58/2570 | 254/29155 | |
2023年12月31日 | 232/2644 | 712/29135 |
2024年8月24日時点、立憲民主党公式サイトより[218]。定数は総務省議員定数に関する調による[219]。
県 | 県議会 | 県政 | 市区議会 |
---|---|---|---|
北海道 | 25 / 100 |
野党 | 103 / 712 |
青森県 | 5 / 48 |
野党 | 14 / 226 |
岩手県 | 12 / 48 |
与党 | 10 / 315 |
宮城県 | 11 / 59 |
野党 | 17 / 332 |
秋田県 | 4 / 41 |
野党 | 10 / 274 |
山形県 | 4 / 43 |
野党 | 11 / 262 |
福島県 | 10 / 58 |
野党 | 25 / 330 |
茨城県 | 2 / 63 |
野党 | 14 / 662 |
栃木県 | 3 / 50 |
野党 | 14 / 335 |
群馬県 | 4 / 50 |
野党 | 12 / 286 |
埼玉県 | 11 / 93 |
与党 | 43 / 967 |
千葉県 | 15 / 95 |
与党 | 50 / 925 |
神奈川県 | 27 / 105 |
野党 | 56 / 585 |
東京都 | 16 / 127 |
野党 | 138 / 1,548 |
山梨県 | 4 / 37 |
野党 | 7 / 245 |
新潟県 | 3 / 53 |
野党 | 11 / 452 |
富山県 | 3 / 40 |
野党 | 7 / 205 |
石川県 | 2 / 43 |
野党 | 1 / 204 |
福井県 | 2 / 37 |
野党 | 4 / 108 |
長野県 | 5 / 57 |
野党 | 7 / 404 |
岐阜県 | 1 / 46 |
野党 | 5 / 402 |
静岡県 | 2 / 68 |
与党 | 9 / 515 |
愛知県 | 10 / 102 |
野党 | 28 / 933 |
三重県 | 4 / 48 |
野党 | 9 / 308 |
滋賀県 | 5 / 44 |
与党 | 10 / 289 |
京都府 | 3 / 60 |
与党 | 10 / 363 |
大阪府 | 2 / 79 |
野党 | 19 / 797 |
兵庫県 | 4 / 86 |
野党 | 19 / 697 |
奈良県 | 2 / 43 |
野党 | 6 / 225 |
和歌山県 | 1 / 42 |
野党 | 2 / 172 |
鳥取県 | 7 / 35 |
野党 | 6 / 90 |
島根県 | 4 / 36 |
野党 | 12 / 179 |
岡山県 | 4 / 55 |
野党 | 5 / 340 |
広島県 | 4 / 64 |
野党 | 12 / 358 |
山口県 | 2 / 47 |
野党 | 4 / 309 |
徳島県 | 1 / 38 |
野党 | 5 / 173 |
香川県 | 3 / 41 |
野党 | 12 / 180 |
愛媛県 | 2 / 47 |
野党 | 5 / 261 |
高知県 | 1 / 37 |
野党 | 5 / 191 |
福岡県 | 15 / 87 |
野党 | 30 / 640 |
佐賀県 | 5 / 37 |
野党 | 12 / 212 |
長崎県 | 3 / 46 |
野党 | 3 / 286 |
熊本県 | 3 / 49 |
野党 | 4 / 309 |
大分県 | 5 / 43 |
野党 | 15 / 297 |
宮崎県 | 4 / 39 |
野党 | 11 / 198 |
鹿児島県 | 2 / 51 |
野党 | 6 / 393 |
沖縄県 | 2 / 48 |
与党 | 9 / 288 |
計 | 269 / 2,665 |
827 / 18,862 | |
そのほかに町村議会議員が146人所属している。
立憲民主党の派閥、党内の政策グループについて解説する。「自民党の派閥」と比べると民主党系の党内における集まりは「グループ」と呼ばれることが多い。このグループは元来、個々の議員らがゆるやかな集団としてイデオロギーや政策ごとに作られてきた[221]。ただ、特に保守系のグループにおいては「派閥」と呼ばれるほど強い団結力を示した[222]とされる。
民主党系の後身の現行の立憲民主党においても、党内の政策グループないし派閥は存在する。ただ、その統制は自民党の派閥と比較すると、やはりゆるやかな集まりとされる。議員らの政策グループのかけもちも多くは認められており、所属議員の線引きは見えにくい。ただし、党の代表戦や党内人事において政策グループの動向が注目されることがある[223]。主に出身政党及び支持団体ごとに中道左派・リベラルから中道右派・保守系の政策グループがいくつか形成されている[224][225]。
なおこの間、これらのグループの他に、個別的政策に焦点を絞った主張を掲げるグループも形成されている。2021年立憲民主党代表選挙では中谷一馬を呼びかけ人として党内の若手・中堅34人により「りっけんNEXT」[226]、2020年には「無所属フォーラム」を前身として、岡田克也や中村喜四郎ら10名により「小勝会」が設立された[227][228][229]。 2023年12月には「国民に寄り添った本来の保守本流の政治」を模索するために田中角栄の政治を学び直したいという原口一博や馬淵澄夫、江田、阿部知子を中心とした約20人により「田中角栄研究会」が結成された[230]。
名称 | 通称 | 人数 | 備考 | 出身政党 |
---|---|---|---|---|
サンクチュアリ | 近藤G | 約30人[231] | 1996年、赤松広隆らリベラル系・旧総評系議員によって結成された勉強会が源流。 2005年に派閥グループ化した[232]。 |
旧・立憲民主党 |
新政権研究会 | 泉G | 約25人[233] | 2021年の春に旧国民民主党出身の泉健太を中心に結成したグループ。党内では中道路線のスタンスを採る[234]。 | 旧・国民民主党 |
ブリッジの会 | 江田G | 約20人[235] | 2017年秋頃、旧立憲民主党と希望の党に分裂した元民進党議員を糾合する目的で江田憲司を中心に結成されたグループ[236][237][238] | 「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」 会派内グループ |
直諫の会 | 重徳派 | 18人[239] | 2019年に、重徳和彦らみんなの党、結いの党、維新の党の出身者を中心に結成された派閥。 | 「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」 会派内グループ |
国のかたち研究会 | 菅G | 約15人[233] | 元民主党代表の菅直人ら社民連出身議員を中心に結成されたリベラル系グループ。 | 旧・立憲民主党 |
花斉会 | 野田G | 約15人[233] | 2002年に野田佳彦を中心として、松下政経塾出身者などで設立されたグループ。党内では保守派に位置づけられる。 | 「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」 会派内グループ |
一清会 | 小沢G | 12人[240] | 小沢一郎を中心としてきた国民の生活が第一や自由党の系譜を引き継ぐグループ。 | 旧・国民民主党 |
自誓会 | 階G | 10人[241] | 2014年に細野豪志が「基本政策研究会」を源流に保守派の中堅、若手らが参加する形で設立したグループ[242]。 2017年に細野が民進党から離れた後は、事務局長の階猛が会長となった。 |
旧・国民民主党 |
社会民主主義フォーラム | 社民フォーラム(吉田G) | 1人[注釈 25] | 2020年12月に社民党から 立憲民主党に参加した国会議員と地方議員150人超にて結成されたグループ[243] |
社会民主党 |
主に都市部・工業化の進んだ都道府県で支持を集めている傾向が強い[244][注釈 26]。また旧社会党の勢力が強かった北海道や小沢一郎の地元の岩手県でも一定の地盤を有する。
ここで挙げた団体は必ずしも立憲民主党のみを支持、支援するとは限らず、場合によっては、他党の候補を支持することもある。 なお、以下の記述は立憲民主党が党として交流している団体を中心に紹介している。団体ごとの支持のあり方には濃淡があることは留意すること。また、前身の民進党の支援団体も要参照。
カテゴリー | 団体 |
---|---|
労働組合 | |
職能団体・業界団体 |
|
社会運動団体 |
|
宗教団体・思想団体 |
団体名 | 組織内議員 | 衆議院議員 | 参議院議員 (2025年改選) |
参議院議員 (2028年改選) |
所属グループ |
---|---|---|---|---|---|
自治労 | 岸真紀子 | 比 | 近藤G | ||
鬼木誠 | 比 | ||||
逢坂誠二 | 小(北海道8区) | ||||
JP労組 | 柴慎一 | 比 | |||
小沢雅仁 | 比 | ||||
小西洋之 | 選(千葉) | 野田G | |||
奥野総一郎 | 小(千葉9区) | ||||
日教組 | 勝部賢志 | 選(北海道) | 近藤G | ||
水岡俊一 | 比 | ||||
古賀千景 | 比 | ||||
斎藤嘉隆 | 選(愛知) | ||||
道下大樹 | 小(北海道1区) | ||||
情報労連 | 石橋通宏 | 比 | 近藤G・菅G | ||
吉川沙織 | 比 | 近藤G | |||
岡本章子 | 比(宮城1区) | 菅G | |||
田嶋要 | 小(千葉1区) | 菅G(・小勝会) | |||
私鉄総連 | 森屋隆 | 比 | 近藤G | ||
辻元清美 | 比 | 無派閥 | |||
JR連合 | 長浜博行 | 選(千葉) | 野田G | ||
伴野豊 | 比(愛知8区) | ||||
泉健太 | 小(京都3区) | 泉G | |||
原口一博 | 小(佐賀1区) | 無派閥 | |||
大串博志 | 小(佐賀2区) | ||||
全国農団労 | 篠原孝 | 比(長野1区) | 無派閥 | ||
基幹労連 JAM |
村田享子 | 比 | |||
カテゴリー | 政党・政治勢力 |
---|---|
共闘・協力関係にある国会の院内会派 | |
共闘関係にある政治勢力・地方議会の会派 |
|
2021年衆議院議員総選挙において市民連合と共通政策を締結した政党[258] |
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