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2002-2003シーズンのNBAは、NBAの57回目のシーズンである。レギュラーシーズンは2002年10月29日から始まり、2003年6月15日に全日程が終了した。
2002-2003シーズンのNBA | ||
---|---|---|
サンアントニオ・スパーズ | ||
期間 | 2002年10月29日-2003年6月15日 | |
TV 放送 | ABC, TNT, ESPN, NBA TV | |
観客動員数 | 20,074,380人 | |
サラリーキャップ | 4027万ドル | |
平均サラリー | 454.6万ドル | |
ドラフト | ||
レギュラーシーズン | ||
トップシード | サンアントニオ・スパーズ | |
MVP | ティム・ダンカン | |
スタッツリーダー | ||
得点 | トレイシー・マグレディ | |
チーム平均得点 | 95.1得点 | |
プレーオフ | ||
イースタン 優勝 | ニュージャージー・ネッツ | |
デトロイト・ピストンズ | ||
ファイナル | ||
チャンピオン | サンアントニオ・スパーズ | |
ファイナルMVP | ティム・ダンカン | |
<2001-02 |
中国人センターの姚明がヒューストン・ロケッツからドラフト1位指名を受けた。
ヤオ・ミン(1位)、アマレ・スタウダマイアー(9位)、カロン・バトラー(10位)、カルロス・ブーザー(35位)ら4人のオールスターを輩出した他、マイク・ダンリービー・ジュニア(3位)、ドリュー・グッデン(4位)、ネネイ(7位)、クリス・ウィルコックス(8位)、ジャレッド・ジェフリーズ(11位)、メルビン・イーライ(12位)、フレッド・ジョーンズ(14位)、ボスジャン・ナックバー(15位)、フアン・ディクソン(17位)、カリーム・ラッシュ(20位)、テイショーン・プリンス(23位)、ネナド・クリスティッチ(24位)、ジョン・サーモンズ(26位)、ダン・ディッカウ(28位)、ロジャー・メイソン(31位)、ダン・ガズリッチ(34位)、ロナルド・マレー(42位)、マット・バーンズ(46位)、ダリュス・ソンガイラ(50位)、ラスール・バトラー(53位)、ルイス・スコラ(56位)らがNBA入りを果たした。
ドラフト外選手にはデビン・ブラウン、レジー・エバンス、ユドニス・ハスレム、D・J・エムベンガ、ジャネロ・パーゴ、スマッシュ・パーカーなどがいる。
詳細は2002年のNBAドラフトを参照
チーム | 獲得(移籍元) | 放出(移籍先) |
---|---|---|
デトロイト・ピストンズ | リチャード・ハミルトン (WAS)
チャンシー・ビラップス (MIN・FA) |
ジェリー・スタックハウス (WAS) |
ワシントン・ウィザーズ | ジェリー・スタックハウス (DET) | リチャード・ハミルトン (WAS) |
ニューヨーク・ニックス | アントニオ・マクダイス (DEN) | マーカス・キャンビー (DEN) |
クリーブランド・キャバリアーズ | ダリアス・マイルズ (LAC) | アンドレ・ミラー (LAC) |
トロント・ラプターズ | ラモンド・マレー (CLE)
ドニエル・マーシャル (UTA・FA) | |
アトランタ・ホークス | グレン・ロビンソン (MIL) | トニー・クーコッチ (MIL) |
ニュージャージー・ネッツ | ディケンベ・ムトンボ (PHI) | キース・ヴァン・ホーン (PHI) |
サンアントニオ・スパーズ | スティーブ・カー (POR) | アントニオ・ダニエルズ (POR) |
順位 | チーム | 勝敗 | 得点王(avg) | リバウンド王(avg) | アシスト王(avg) | ヘッドコーチ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ニュージャージー・ネッツ | 49-33 | J.キッド(18.7) | K.マーティン(8.3) | J.キッド(9.9) | B.スコット |
2 | フィラデルフィア・76ers | 48-34 | A.アイバーソン(27.6) | K.トーマス(8.0) | E.スノウ(6.6) | L.ブラウン† |
3 | ボストン・セルティックス | 44-38 | P.ピアース(25.9) | P.ピアース(7.3) | A.ウォーカー(4.8) | J.オブライエン |
4 | オーランド・マジック | 42-40 | T.マグレディ(32.1) | T.マグレディ(6.5) | T.マグレディ(5.5) | D.リバース |
5 | ワシントン・ウィザーズ | 37-45 | J.スタックハウス(21.5) | C.レイトナー(6.6) | J.スタックハウス(4.5) | D.コリンズ† |
6 | ニューヨーク・ニックス | 37-45 | A.ヒューストン(22.5) | K.トーマス(7.9) | H.アイズリー(5.4) | D.チャイニー |
7 | マイアミ・ヒート | 25-57 | E.ジョーンズ(18.5) | B.グラント(10.2) | A.カーター(4.1) | P.ライリー† |
※(*=新任のヘッドコーチ †=シーズン終了後解任されたヘッドコーチ)
順位 | チーム | 勝敗 | 得点王(avg) | リバウンド王(avg) | アシスト王(avg) | ヘッドコーチ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | デトロイト・ピストンズ | 50-32 | R.ハミルトン(19.7) | B.ウォーレス(15.4) | C.ビラップス(3.9) | Rカーライル† |
2 | インディアナ・ペイサーズ | 48-34 | J.オニール(20.8) | J.オニール(10.3) | J.ティンズリー(7.5) | I.トーマス† |
3 | ニューオーリンズ・ホーネッツ | 47-35 | J.ローズ(21.6) | PJ.ブラウン(9.0) | B.デイビス(6.4) | P.サイラス† |
4 | ミルウォーキー・バックス | 42-40 | S.キャセール(19.7) | D.メイソン(6.5) | G.ペイトン(8.3) | J.カール† |
5 | アトランタ・ホークス | 35-47 | Gロビンソン(20.8) | SA.ラヒーム(8.4) | J.テリー(7.4) | R.クルーガー |
6 | シカゴ・ブルズ | 30-52 | J.ローズ(22.1) | D.マーシャル(9.0) | J.ローズ(4.8) | B.カートライト |
7 | トロント・ラプターズ | 24-58 | V.カーター(20.6) | J.ウィリアムス(9.2) | A.ウィリアムス(5.0) | L.ウィルキンス† |
8 | クリーブランド・キャバリアーズ | 17-65 | R.デイビス(20.6) | Z.イルガスカス(7.5) | R.デイビス(5.5) | J.ルーカス
→B.ビッカースタッフ† |
順位 | チーム | 勝敗 | 得点王(avg) | リバウンド王(avg) | アシスト王(avg) | ヘッドコーチ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | サンアントニオ・スパーズ | 60-22 | T.ダンカン(23.3) | T.ダンカン(12.9) | T.パーカー(5.3) | G.ポポヴィッチ |
2 | ダラス・マーベリックス | 60-22 | D.ノビツキー(25.1) | D.ノビツキー(9.9) | S.ナッシュ(7.3) | D.ネルソン |
3 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 51-31 | K.ガーネット(23.0) | K.ガーネット(13.4) | K.ガーネット(6.0) | F.サンダース |
4 | ユタ・ジャズ | 47-35 | K.マローン(20.6) | K.マローン(7.8) | J.ストックトン(7.7) | J.スローン |
5 | ヒューストン・ロケッツ | 45-37 | S.フランシス(21.0) | 姚明(8.2) | S.フランシス(6.2) | L.トムジャノビッチ |
6 | メンフィス・グリズリーズ | 28-54 | P.ガソル(19.0) | P.ガソル(8.8) | J.ウィリアムス(8.3) | S.ロウ |
7 | デンバー・ナゲッツ | 17-65 | J.ハワード(18.4) | J.ハワード(7.6) | S.ウィリアムズ(3.4) | Jバズデリック |
順位 | チーム | 勝敗 | 得点王(avg) | リバウンド王(avg) | アシスト王(avg) | ヘッドコーチ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | サクラメント・キングス | 59-23 | C.ウェバー(23.0) | C.ウェバー(10.5) | C.ウェバー(5.4) | R.アデルマン |
2 | ロサンゼルス・レイカーズ | 50-32 | K.ブライアント(30.0) | S.オニール(11.1) | K.ブライアント(5.9) | Pジャクソン |
3 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 50-32 | R.ウォーレス(18.1) | R.ウォーレス(7.1) | S.ピッペン(4.5) | M.チークス |
4 | フェニックス・サンズ | 44-38 | S.マーブリー(22.3) | S.マリオン(9.5) | S.マーブリー(8.1) | F.ジョンソン |
5 | シアトル・スーパーソニックス | 40-42 | R.アレン(22.5) | R.ルイス(6.5) | R.アレン(4.4) | N.マクミラン |
6 | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 38-44 | A.ジェイミソン(22.2) | T.マーフィー(10.2) | G.アリナス(6.3) | Eマッセルマン* |
7 | ロサンゼルス・クリッパーズ | 27-55 | E.ブランド(18.5) | E.ブランド(11.5) | A.ミラー(6.7) | A.ジェントリー
→D.ジョンソン† |
# | 平均得点トップ3 | 平均得点ワースト3 | 平均失点トップ3 | 平均失点ワースト3 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
チーム | avg | チーム | avg | チーム | avg | チーム | avg | |
1 | ダラス・マーベリックス | 103.0 | デンバー・ナゲッツ | 84.2 | デトロイト・ピストンズ | 88.7 | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 103.6 |
2 | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 102.4 | マイアミ・ヒート | 85.6 | ニュージャージー・ネッツ | 90.1 | クリーブランド・キャバリアーズ | 101.0 |
3 | サクラメント・キングス | 101.7 | トロント・ラプターズ | 90.9 | サンアントニオ・スパーズ | 90.4 | メンフィス・グリズリーズ | 100.7 |
# | 得点 | リバウンド | アシスト | スティール | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | avg | 選手名 | avg | 選手名 | avg | 選手名 | avg | |
1 | トレイシー・マグレディ ORL | 32.1 | ベン・ウォーレス DET | 15.4 | ジェイソン・キッド NJN | 8.9 | アレン・アイバーソン PHI | 2.7 |
2 | コービー・ブライアント LAL | 30.0 | ケビン・ガーネット MIN | 13.4 | ジェイソン・ウィリアムス MEM | 8.3 | ロン・アーテスト IND | 2.3 |
3 | アレン・アイバーソン PHI | 27.6 | ティム・ダンカン SAS | 12.9 | ゲイリー・ペイトン MIL | 8.3 | ショーン・マリオン PHO | 2.3 |
※ジェイソン・キッドは4回目、ベン・ウォーレスは2年連続2回目、トレイシー・マグレディは初の戴冠。
# | ブロックショット | FG成功率 | 3P成功率 | FT成功率 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | avg | 選手名 | % | 選手名 | % | 選手名 | % | |
1 | テオ・ラトリフ POR | 3.2 | エディ・カリー CHI | 58.5 | ブルース・ボウエン SAS | 44.1 | アラン・ヒューストン NYN | 91.9 |
2 | ベン・ウォーレス DET | 3.2 | シャキール・オニール LAL | 57.4 | マイケル・レッド MIL | 43.8 | レイ・アレン SEA | 91.6 |
3 | ティム・ダンカン SAS | 2.9 | カルロス・ブーザー CLE | 53.6 | ウェズリー・パーソン MEM | 43.3 | スティーブ・ナッシュ DAL | 90.9 |
ファーストチーム | セカンドチーム | サードチーム | |
---|---|---|---|
F | ケビン・ガーネット MIN | ダーク・ノヴィツキー DAL | ポール・ピアス BOS |
F | ティム・ダンカン SAS | クリス・ウェバー SAC | ジャマール・マッシュバーン NOH |
C | シャキール・オニール LAL | ベン・ウォーレス DET | ジャーメイン・オニール IND |
G | コービー・ブライアント LAL | ジェイソン・キッド NJN | ステフォン・マーブリー PHO |
G | トレーシー・マグレディ ORL | アレン・アイバーソン PHI | スティーブ・ナッシュ DAL |
※ジャマール・マッシュバーンは初のオールNBAチーム入り。
ファーストチーム | セカンドチーム | |
---|---|---|
F | ティム・ダンカン SAS | ロン・アーテスト IND |
F | ケビン・ガーネット MIN | ブルース・ボウエン SAS |
C | ベン・ウォーレス DET | シャキール・オニール LAL |
G | ダグ・クリスティ SAC | エリック・スノウ PHI |
G | コービー・ブライアント LAL | ジェイソン・キッド NJN |
※ダグ・クリスティは初の1stチーム入り。ロン・アーテスト、エリック・スノウは初のディフェンスチーム入り。
ファーストチーム | セカンドチーム |
---|---|
姚明 HOU | マヌ・ジノビリ SAS |
アマーレ・スタウダマイアー PHO | ゴーダン・ギリチェック ORL |
カロン・バトラー MIA | カルロス・ブーザー CLE |
ドリュー・グッデン ORL | ジェイ・ウィリアムス CHI |
ネネ・ヒラリオ DEN | J.R.ブレマー BOS |
このシーズンから1回戦は5戦3勝制のシステムから、各ラウンドともに7戦4勝制となった。
ファーストラウンド | カンファレンスセミファイナル | カンファレンスファイナル | ||||||||||||
1 | デトロイト・ピストンズ | 4 | ||||||||||||
8 | オーランド・マジック | 3 | ||||||||||||
1 | ピストンズ | 4 | ||||||||||||
4 | 76ers | 2 | ||||||||||||
5 | ニューオーリンズ・ホーネッツ | 2 | ||||||||||||
4 | フィラデルフィア・76ers | 4 | ||||||||||||
1 | ピストンズ | 0 | ||||||||||||
2 | ネッツ | 4 | ||||||||||||
3 | インディアナ・ペイサーズ | 2 | ||||||||||||
6 | ボストン・セルティックス | 4 | ||||||||||||
6 | セルティックス | 0 | ||||||||||||
2 | ネッツ | 4 | ||||||||||||
7 | ミルウォーキー・バックス | 2 | ||||||||||||
2 | ニュージャージー・ネッツ | 4 |
ファーストラウンド | カンファレンスセミファイナル | カンファレンスファイナル | ||||||||||||
1 | サンアントニオ・スパーズ | 4 | ||||||||||||
8 | フェニックス・サンズ | 2 | ||||||||||||
1 | スパーズ | 4 | ||||||||||||
4 | レイカーズ | 2 | ||||||||||||
5 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 2 | ||||||||||||
4 | ロサンゼルス・レイカーズ | 4 | ||||||||||||
1 | スパーズ | 4 | ||||||||||||
5 | マーベリックス | 2 | ||||||||||||
3 | ダラス・マーベリックス | 4 | ||||||||||||
6 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 3 | ||||||||||||
3 | マーベリックス | 4 | ||||||||||||
2 | キングス | 3 | ||||||||||||
7 | ユタ・ジャズ | 1 | ||||||||||||
2 | サクラメント・キングス | 4 |
ファイナルは元ABA所属チーム同士の対決となった。ニュージャージー・ネッツはリーグ2位、サンアントニオ・スパーズはリーグ3位の平均失点を誇っており、ディフェンシブなチーム同士であったため、シリーズはロースコアゲームが展開され、100得点を越えたのは第1戦のスパーズだけだった。レギュラーシーズンの成績が60勝のチームと49勝のチームの対決で結果が見えたシリーズだったためか、平均視聴率は過去最低の6.5%だった。
ネッツ 94, スパーズ 99 | ||
Pts: マーティイン 21 Rebs: マーティン 12 Asts: キッド 10 |
Pts: ダンカン 32 Rebs: ダンカン 20 Asts: ダンカン 6 Bloks:ダンカン 7 Steals:ダンカン 3 | |
スパーズ1-0ネッツ |
スパーズティム・ダンカンの八面六臂の大活躍で初戦を制する。ダンカンは主要5部門全てチームハイの成績を残し、ネッツを打ち破った。
ネッツ 87, スパーズ 85 | ||
Pts: キッド 30 Rebs: キッド; ハリス 7 Asts: マーティン 4 |
Pts: パーカー 21 Rebs: ダンカン 12 Asts: パーカー 5 TOs:ダンカン 7 | |
ネッツ1-1スパーズ |
ネッツが敵地で貴重な1勝をあげ、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。スパーズはチーム全体でターンオーバー21本とミスを連発し、また第1戦で大活躍したティム・ダンカンはターンオーバー7本に加えフリースローも10本中7本を外すなど乱調ぶりが目立った。ネッツは第1戦でシュートに苦戦したジェイソン・キッドが果敢にゴールに向かい、チームハイとなる30得点を記録してチームを牽引した。ダンカンに対する徹底したダブルチームも功を奏した。
スパーズ 84, ネッツ 79 | ||
Pts: パーカー 26 Rebs: ダンカン 16 Asts: ダンカン 7 Steals:ジノビリ 4 |
Pts: マーティン 23 Rebs: マーティン 11 Asts: キッド 11 Steals:マーティン 4 | |
スパーズ2-1ネッツ |
ホームでまさかの1敗を喫したスパーズは、ネッツのホームに乗り込んだ第3戦で勝利し、再びシリーズをリードした。第2戦で大乱調に陥ったティム・ダンカンは21得点16リバウンドと復活し、チームハイの26得点を記録したトニー・パーカーは4本の3Pシュートを成功させた。またマヌ・ジノビリは試合終盤で勝利を決定付けるスティールからのワンマン速攻を決めた。チーム全体のFG成功率が37%とシュートに苦しんだネッツは、ファウルトラブルに悩まされたことも敗因に繋がった。
スパーズ 76, ネッツ 77 | ||
Pts: ダンカン 23 Rebs: ダンカン 17 Asts: パーカー; ジャクソン 3 Blocks:ダンカン 7 |
Pts: マーティイン 20 Rebs: マーティン 13 Asts: キッド 9 | |
ネッツ2-2スパーズ |
リーグ2位と3位の平均失点を誇るチーム同士の対決であるこのシリーズの特色を、最も色濃く反映したのがこの第4戦だった。序盤から互いにシュートチャンスを譲らず、ファウルが飛び交う泥仕合のような接戦が続き、試合終盤まで1点差を争った。最後はネッツがオフェンスリバウンドを立て続けに奪うことに成功し、スパーズに反撃の機会を与えぬまま77-76の1点差で逃げ切った。ネッツはゴール下で粘ったケニオン・マーティンや18得点10リバウンドのダブルダブルを記録したリチャード・ジェファーソンの若手コンビの活躍が光った。一方のスパーズはトニー・パーカーのFG1/12を筆頭に先発のうち3人が5点以下に抑えられ、チーム全体でもFG28.9%とシュートが全く入らなかった。
スパーズ 93, ネッツ 83 | ||
Pts: ダンカン 29 Rebs: ダンカン 17 Asts: パーカー; ダンカン 4 Blocks:ダンカン 4 |
Pts: キッド 29 Rebs: マーティン 9 Asts: キッド 7 | |
スパーズ3-2ネッツ |
優勝請負人スティーブ・カーのビッグプレイでスパーズが優勝に王手を賭ける。第4Q中盤、ジェイソン・キッドの奮闘で78-76の2点差まで追い上げられたスパーズは、カーのケニオン・マーティンからのスティールで傾いた流れを一気に取り戻すと、さらにカーが3Pシュートとジャンプショットを立て続けに決め、ネッツの追撃を断ち切った。スパーズはスティーブ・カーを始めとする控えメンバーが35得点を記録し、チームの勝利に貢献した。ネッツは大黒柱のキッドが粘りを見せたが、試合終盤の大事な場面でミスを連発してしまった。
ネッツ 77, スパーズ 88 | ||
Pts: キッド 21 Rebs: マーティン 10 Asts: キッド 7 |
Pts: ティム・ダンカン 21 Rebs: ダンカン 20 Asts: アシスト 10 TOs:ダンカン 8 | |
スパーズ4-2ネッツ |
ティム・ダンカンがクアドルプル・ダブルに迫る怪記録を残し、スパーズを優勝に導いた。試合は「先行逃げ切り」を得意とするネッツが序盤に得たリードを守り、ネッツの12点リードで第4Qを迎えた。しかし第4Q残り8分39秒からスパーズがダンカンを中心に猛反撃を開始し、スパーズは僅か5分弱の間に19得点を集中させる。その間無得点だったネッツがようやくジェイソン・キッドのジャンプショットで得点をあげた時には、リードはスパーズの8点に変わっていた。この時点で勝敗はすでに決しており、最後は88-77でスパーズが1999年以来の2度目の優勝を決めた。
ファイナルMVPは徹底したダブルチームを跳ね除け、シリーズ平均24.2得点17.0リバウンド5.3アシスト5.3ブロック、全試合でダブルダブル、第6戦ではクアドルプルダブルまでブロックショットあと2本のトリプルダブルを達成したティム・ダンカンが文句なしの受賞。長年スパーズの大黒柱を務め、今季限りで引退を表明しているデビッド・ロビンソンは、第6戦で13得点17リバウンドを記録し、優勝に貢献。2つ目のチャンピオンリングを手に有終の美を飾った。またカンファレンス決勝第6戦、ファイナル第5戦と勝負どころで次々とシュートを決めたスティーブ・カーは、シカゴ・ブルズ時代とあわせて5度目の優勝となった。
一方のネッツは2年連続でファイナル敗退。シーズン終了後、FAとなるジェイソン・キッドにスパーズが触手を伸ばし、一時は移籍濃厚とまで報じられていたが、結局獲得には至らなかった。
第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 | 第6戦 | 勝敗 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サンアントニオ・スパーズ | 101 | 85 | 84 | 76 | 93 | 88 | 4-2 |
ニュージャージー・ネッツ | 89 | 87 | 79 | 77 | 83 | 77 | 2-4 |
ニュージャージー・ネッツ コーチ: バイロン・スコット
ジェイソン・キッド |
ケニオン・マーティン |
リチャード・ジェファーソン |
ケリー・キトルズ |
ルーシャス・ハリス |
ロドニー・ロジャーズ |
アーロン・ウィリアムス |
ディケンベ・ムトンボ |
ジェイソン・コリンズ |
アンソニー・ジョンソン |
ブライアン・スカラブライン |
テイマー・スレイ |
ブランドン・アームストロング |
クリス・チャイルズ |
ドニー・マーシャル
事実上のラストシーズンとなっている選手
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