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アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険
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アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険(アニメーションきこう マルコポーロのぼうけん)はMK・マッドハウス制作の日本のテレビアニメ。1979年4月7日から1980年4月5日までNHK総合テレビジョンで土曜日 19時30分 - 20時に放送された。
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概要
折からのシルクロードブームに乗って企画され、アニメーションと実写ドキュメンタリー映像を折衷させた実験的かつ意欲的な作品[1][2][3][4]。全43回。
NHKが取材した映像は16カ国に及んだ[4]。
1978年9月には番組の制作の一環として、クーデターで建国したアフガニスタン民主共和国へ外国の取材班として初めて許可された[3]。
マルコ・ポーロの伝記『東方見聞録』を基に全体として3部にパートが分かれ、「シルクロード編」(1回 - 20回)、「中国編」(21回 - 33回)、「南海編」(34回 - 43回)で構成される[注釈 1]。
音楽は、当時人気だったシンガーソングライターの小椋佳が担当したことが話題になった。
マルコのキャラクターデザインが『宇宙戦艦ヤマト』の主人公・古代進に似ている(特に中国編以降。マルコの声優である富山敬は古代の声も務めていたためなおさらその印象は強かった)という指摘がファンから多数寄せられたという。また、マルコのビジュアルが少年時代から壮年まで(17歳 - 37歳の間)、若い姿のままほとんど変わらない点について、キャラクターデザインの杉野昭夫は「老けたマルコのビジュアルもデザインしてみたが、イメージが少年期と異なり視聴者が混乱するとNHK側からダメ出しされ、結局ああいう風(若い姿のまま)になってしまった」と後年のインタビューで答えている。
徳間書店から発行されたロマンアルバムに概要が掲載されており、1981年から文化服装学院のポケットメイツレーベルで若桜木虔の執筆により全3巻の小説化がされている[5]。
放送開始した1979年4月にパレスチナ解放機構(PLO)の東京事務所から、番組内容にパレスチナ人の存在を否定する部分があったとしてNHKに抗議文書が送られた[6][7]。PLO東京事務所は、第2回での描写がアラブ人への偏見を植え付けるものであり、加えてイスラエル国家が13世紀に既に存在するかのような描写はパレスチナ人の存在を無視するものだと主張した。NHKに対しては前年から『NHK特集』や山本七平、磯村尚徳の番組で反アラブ的な描写があったと抗議をしてきたにも関わらず、改善がなくこれで4回目でNHKから誠意が感じられなかった上、特に今回問題視したのは子ども向け番組であることだったという。これに対してNHKはPLOの主張は誤解であって、番組制作の真意を理解してもらいたいとした[8]。2025年からの4Kリストア版再放送では一部の映像(聖墳墓教会とエンディング)が差し替えられている。
1980年4月から放送の『NHK特集 シルクロード』は本作が発端となって企画されたものである。企画者は本作を監修した鈴木肇ディレクター[9]。
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あらすじ
![]() | この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
登場人物
主要キャラクター
サブキャラクター
ゲストキャラクター
- フローラ
- 声 - 鈴木弘子(第1回)
- マテオの妻でマルコの叔母。
- 少年
- 声 - 小原乃梨子(第2回)
- ベドウィンの孤児であり妹と暮らしていたが、マルコを騙し討ちをして、泥棒をしたためにシャリフに砂漠の掟として殺害される。
- 僧侶ギルエルメ
- 声 - 八奈見乗児(第3回)
- マルコ一行から脱走した。
- 僧侶ニコラス
- 声 - 八木光生(第3回)
- マルコ一行から脱走した。
- マムルーク族長
- 声 - 緒方賢一(第3回)
- バディ
- 声 - 野沢雅子(第5回・7回)
- モンゴル軍司令官
- 声 - 柴田秀勝(第7回)
- ビドア
- 声 - 小山まみ(第8回)[10]
- トウス
- 声 - 三ツ矢雄二(第9回)
- ハレフ
- 声 - 滝口順平(第9回)
- オマール
- 声 - 肝付兼太(第9回)
- 暗殺教団の首領
- 声 - 今西正男(第10回)
- 暗殺教団の少女
- 声 - 川島千代子(第10回)
- マルコの逃走を手助けしたもの、教団の兵士に弓に撃たれて死亡する。
- 「楽園」の女
- 声 - 潘恵子(第10回)
- アバカ
- 声 - 雨森雅司(第10回)
- アブドル船長
- 声 - 雨森雅司(第11回)
- ミリアム
- 声 - 麻上洋子(第12回) [11]
- ペルシア絨毯を作っている。
- ミリアムの養父
- 声 - 永井一郎(第12回)
- ヤズドの馬商人
- 声 - 熊倉一雄(第13回)
- マーモッド
- 声 - 井上真樹夫(第14回)
- ラシード
- 声 - 千葉耕市(第14回)
- カダック
- 声 - 小林修(第14回)
- モンゴル将校
- 声 - 納谷六朗(第14回)
- ライラ
- 声 - 小山まみ(第15回)
- イマーム
- 声 - 小林修(第15回)
- 老婆
- 声 - 津田延代(第15回)
- シグナン
- 声 - 古谷徹(第16回)
- サイード
- 声 - 田中信夫(第16回)
- ハシム
- 声 - 八奈見乗児(第16回)
- アリー
- 声 - 鈴木富子(第16回)
- まぼろしのチャパンドゥー
- 声 - 神谷明(第17回)
- アブド
- 声 - 滝口順平(第17回)
- チャパンドゥーの仇。
- ムラード
- 声 - 加藤修(第17回)
- ユースフ
- 声 - 清水マリ(第18回)
- ジャファディ
- 声 - 内海賢二(第18回)
- 老人
- 声 - 加藤修(第18回)
- エルデネ
- 声 - 杉山佳寿子(第19回)
- カザフの長者
- 声 - 加藤修(第19回)
- 若者
- 声 - 三ツ矢雄二(第19回)
- 老婆
- 声 - 野沢雅子(第20回)
- 小琳
- 声 - 山田栄子(第21回)
- トルファン総督
- 声 - 藤本譲(第21回)
- モンゴル近衛兵隊長
- 声 - 小林修(第22回)
- 賊の首領
- 声 - 雨森雅司(第22回)
- ティム
- 声 - 千々松幸子(第25回)
- ゴディ
- 声 - 八木光生(第25回)
- チムール王
- 声 - 納谷六朗(第25回)
- 郭経
- 声 - 八奈見乗児(第26回)
- 少年
- 声 - 野沢雅子(第26回)
- 隊長
- 声 - 国坂伸(第26回)
- バヤン将軍
- 声 - 大木民夫(第27回)
- カディフ
- 声 - 三ツ矢雄二(第27回)
- 唐玉潜
- 声 - 中尾隆聖(第28回)
- 唐少宝
- 声 - 秋山るな(第28回)
- バニエンス
- 声 - 屋良有作(第28回)
- 劉政
- 声 - 千葉順二(第29回)
- モンゴル軍指揮官
- 声 - 仲木隆司(第29回)
- 定次郎
- 声 - 井上和彦(第30回)
- ハッサン・ルー
- 声 - 屋良有作(第33回)
- チャンパ国王
- 声 - 北村弘一(第35回)
- カイ
- 声 - 滝沢久美子(第35回)
- クキ
- 声 - 玄田哲章(第35回)
- チェンヨ
- 声 - 滝沢久美子(第36回)
- 老人
- 声 - 辻村真人(第36回)
- 果物屋
- 声 - 加藤修(第36回)
- 骨董屋の主人
- 声 - 藤城裕士(第37回)
- オランウータン使い
- 声 - 中尾隆聖(第37回)
- ラジャ
- 声 - 藤本譲(第38回)
- ラジャの息子
- 声 - 小原乃梨子(第38回)
- セイロン国王バーブ三世
- 声 - 関根信昭(第39回)
- 将軍マヒンダ
- 声 - 山田俊司(第39回)
- 警備隊長
- 声 - 加藤修(第39回)
- ムハラハ
- 声 - 三田松五郎(第40回)
- シータ
- 声 - 滝沢久美子(第40回)
- 老人
- 声 - 肝付兼太(第40回)
- ダナン
- 声 - 小林修(第41回)
- ダナ
- 声 - 水島裕(第41回)
- ダナの母
- 声 - 北浜晴子(第41回)
- デーバ
- 声 - 辻村真人(第41回)
- デーバの息子
- 声 - 三ツ矢雄二(第41回)
- ガザン・ハーン
- 声 - 野沢那智(第42回)
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スタッフ
- 作 - 『東方見聞録』より
- 音楽 - 小椋佳、小野崎孝輔
- アニメーション - MK・マッドハウス
- キャラクター設定 - 杉野昭夫
- 作画 - 川尻善昭 、遠藤裕一、菊田武勝、富沢雄三、坂井俊一、青島克己、新田敏夫、中村隆太郎、小柴重光、
- 構成 - もりまさき、平田敏夫、川尻善昭 、丸山正雄、楠葉宏三、村野守美
- 美術 - 本田幸雄、石津節子、高田勲
- 協力 - イタリア政府、バチカン市国、イスラエル政府、イラン政府、トルコ政府、イラク政府、アフガニスタン政府
- タイトルアニメーション - ほんだゆきお、高田勲
- 劇画 - 高田勲
- 監修 - 岩村忍、鈴木肇
- 撮影 - 菊池晋一、宮本哲夫、牛尾政紀、野口篤太郎、小松彰
- 編集 - 宮崎善行
- 効果 - 原口啓、今井裕、後藤伸行、山倉正美
- 技術 - 柴田豊博、伊藤義則、鈴木清人
- 演出 - 藤田克彦、松村浩志、村上憲一、中村哲志[12]、酒井和行
- 制作 - 丹泰彦
- 映像提供 - ゲッティ(2025年再放送)
- 企画・制作 - NHK
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主題歌・挿入歌
- 「いつの日か旅する者よ」(オープニング)[注釈 2]
- 番組で使われたのは3番の歌詞。第25回からオープニングの映像が変更されている。
- 「誰でもいいから」(第1回、第6回、第9回エンディング / 第3回、第34回挿入歌)
- 「また旅支度」(第2回、第3回、第7回、第8回、第10回 - 第14回、第16回、第19回、第20回、第33回 - 第40回エンディング)[注釈 3]
- 「ひとすくいの水」(第4回エンディング)
- 「大空から見れば」(第5回、第17回、第18回、第22回、第23回、第41回 - 最終回エンディング / 第1回、第2回、第4回、第7回、第11回、第19回挿入歌)[注釈 4]
- 「望郷」(第15回エンディング)
- 「蒼き狼」(第21回エンディング / 第22回挿入歌)
- 「それが夢ならば」(第24回 - 第32回エンディング)
- 「マティオ、ニコロそしてマルコ・ポーロ」(第13回挿入歌)
いずれも作詞・作曲・歌は小椋佳、編曲は小野崎孝輔。 アルバム『マルコ・ポーロの冒険』は1979年6月1日発売。上記OP、ED曲(「それが夢ならば」のみ、アルバムとは別に発売)を含む全11曲収録。「いつの日か旅する者よ」(TVバージョンとはアレンジが異なる)はラストに収録されていた。
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各回リスト
- 放送休止
- 1979年
- 1980年3月1日:1980年レークプラシッドオリンピック(総集編)
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再放送に至るまで
要約
視点
当時のアニメは16ミリのネガフィルム制作でマスターもフィルムなのが一般的だったが、NHKの自局製作である本作はフィルム制作されたアニメパートと実写パートがテレシネを経たビデオ編集で作品が完成しているため、1インチVTRは導入されておらず、使い回しの一般的な2インチVTRを放送マザーとしていた[13]。
NHKでは、2009年冬頃からVTRマスター(2インチVTR)として所蔵されている第1回と最終回を除く回を録画したビデオ(エアチェック)の募集を番組発掘プロジェクトの一環として行い、これにより当時のスタッフや視聴者から多数の映像やフィルム、録音テープが提供された。2024年頃までに全43回分の放送用素材が揃い、再放送希望の声が多数押せられたことを受け、4Kリストア版としての再放送が決定。原版ネガフィルムの4Kスキャンにより高画質化された映像に良好なVTRテープや録音テープから抜き出した音声を人工知能技術で音源分離・リマスター合成し、再度作製されたテロップを重ねることで完全復元され、2025年初頭からのBSプレミアム4Kでの再放送に至った。
今回の復元にあたり、テロップのフォント、実写パートの一部がゲッティの素材、エンディングにおいて一部映像が変更されているほか、次回予告についても一部の回が本編映像に差し替えられている。次回予告後の「次回をお楽しみに」が書かれたエンドカードは割愛され、NHKのロゴが2020年からの丸ゴシック斜体に変更されている。
完成原版となるネガフィルムは神奈川の番組現像会社YOKOCINE D.I.A.が全43回分所有しており、2020年12月に番組発掘プロジェクトの調査で判明した[14]。
再放送
2023年3月13日から15日まで、『プレミアムカフェ』(BSプレミアム)で9回分(第1回・第4回・第7回・第12回・第14回・第17回・第35回・第39回・第42回)の再放送[注釈 5]と2023年2月25日にNHKアーカイブスで実施された再放送を記念したイベント(司会:渡邊あゆみ、ゲスト:小椋佳・上田信)の模様が放送された[15][16]。こちらの再放送では第2回以降のOPテロップ表記は第1回および最終回のVTRマスターをベースに家庭用ビデオテープから復元された映像を被せた上で放送、次回予告は割愛された。
2025年2月12日、総合テレビで毎週土曜日5時10分に全43回の再放送が行われることが発表、同年4月5日に放送開始。また、BSプレミアム4Kでは、それに先駆けて2月17日から2月28日まで(第1回 - 第20回)、3月12日から3月27日(第21回 - 最終回)午前5時台に2回連続放送された[17]。3月28日には総合テレビの『時をかけるテレビ 今こそ見たい!この1本』にて特別編 〜復活!幻のアニメ〜として高画質に復元された番組の見どころを中心に取り上げる特番が放送された[18][19]。
発掘・寄贈された映像など
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脚注
関連文献
外部リンク
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