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岸信夫

日本の政治家 (1959-) ウィキペディアから

岸信夫
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岸 信夫(きし のぶお、旧姓:安倍1959年昭和34年〉4月1日 - )は、日本政治家

概要 生年月日, 出生地 ...

衆議院議員(4期)、防衛大臣(第212223代)、内閣総理大臣補佐官国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題担当)、参議院議員(2期)、衆議院外務委員長外務副大臣防衛大臣政務官、自民党外交部会長、衆議院安全保障委員長、自由民主党山口県支部連合会会長、日華議員懇談会幹事長を歴任した。初入閣は防衛大臣となったが、「国防族というよりは外交族」と言われ、主として外交関係のポストで地歩を築いてきた[1]

実父は外務大臣内閣官房長官を歴任した安倍晋太郎、実母は安倍洋子。実兄は元内閣総理大臣の安倍晋三[2]、祖父の岸信介、大叔父の佐藤栄作はいずれも内閣総理大臣を務めている。既婚者で息子が2人いる。長男は元フジテレビ記者で衆議院議員の岸信千世

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来歴

要約
視点

安倍晋太郎洋子夫婦の三男として東京都に生まれた(現住所は山口県熊毛郡田布施町[3][4])。長兄は安倍寛信、次兄は晋三。生後間もなく母・洋子の兄、岸信和・仲子夫婦に養子として迎えられた。夫妻が子宝に恵まれず、信和自身が小児麻痺を抱えて政治活動が困難だったことに伴う縁組で[5]、両家の間で「3番目が男なら岸家の養子とする」との約束が事前に交わされていた。晋太郎夫妻の三男信夫が養子に迎え入れられたのは産まれて間もない1959年で、信夫自身は自分が養子だとも、実の両親が晋太郎・洋子で兄が寛信・晋三であることも知らずに育った[6]

松濤幼稚園慶應義塾幼稚舎慶應義塾普通部慶應義塾高校を経て、慶應義塾大学経済学部に進む[7]。自身が養子であることや晋三が兄であることを知ったのは大学進学に際し戸籍謄本を取り寄せたときで、岸は「大学入学前だったと記憶するが、提出書類として必要な戸籍謄本を取り寄せて見ると『養子』とあった。見た瞬間アレッて思いました。そのときのショックは、それは大変なものがあった。それからひと月ほど『何で教えてくれなかったんだ』という思いもあって、頭のなかが一種錯乱状態に陥りました」と述べている[6]

1981年昭和56年)3月、慶應義塾大学を卒業[7]

1981年4月、住友商事に入社し、2002年平成14年)8月まで勤めた[7]。信夫自身は、食料調達のため世界中を飛び回った商社マン時代であったと回顧している[8]

参議院議員

2004年(平成16年)7月の第20回参議院議員通常選挙山口県選挙区から自民党公認で立候補し、民主党公認の大泉博子(元山口県副知事)らを破り初当選した[注 1]。同年10月より、自由民主党の広報局次長、青年局次長、自由民主党 農林水産関係団体委員会 副委員長、自由民主党 NPO・NGO関係団体委員会 副委員長を務める[7]。その後福田改造内閣麻生内閣において防衛大臣政務官を務めた。麻生おろしに際しては両院議員総会開催を要求する署名に署名するも、後に撤回[9]

2010年(平成22年)7月の第22回参議院議員通常選挙で民主党公認の原田大二郎らを破り再選。2011年(平成23年)4月14日東日本大震災の復興補正予算が議論される中、復興予算捻出のためのODA削減案に反対する超党派連合のメンバーとして名を連ねる[10][11]

衆議院へ鞍替え

2012年(平成24年)11月30日、第46回衆議院議員総選挙山口2区から立候補するため参議院議員を辞職[12][13]。12月16日、民主党前職の平岡秀夫らを破って初当選した。

2013年(平成25年)9月30日外務副大臣に就任。

2014年12月14日投開票の第47回衆議院議員総選挙で再選。

2016年(平成28年)1月4日衆議院外務委員長に就任[14]

2016年(平成28年)8月5日、再び外務副大臣に就任[15]

2017年(平成29年)10月22日投開票の第48回衆議院議員総選挙で3選。

2018年(平成30年)10月、衆議院安全保障委員長に就任[16]

2019年(令和元年)9月26日、衆議院議院運営委員会筆頭理事に就任。

2020年(令和2年)9月16日菅義偉内閣で初入閣。防衛大臣に就任。

2021年(令和3年)夏ごろから杖を使い始め、同年9月には体調不良のため閣議を欠席。検査の結果、尿路感染症との診断を受けた。その後、2022年(令和4年)からは車椅子を使い始めた[17]

2021年(令和3年)10月31日投開票の第49回衆議院議員総選挙で4選。

安倍晋三銃撃事件以後

2022年(令和4年)7月8日、実兄の安倍晋三が奈良市で参院選の遊説中、市内在住の男に背後から犯人自作の銃で射殺される(安倍晋三銃撃事件[18]

同年7月21日、晋三の妻の安倍昭恵は自民党本部で開かれた清和政策研究会(安倍派)の総会に出席し、晋三の死去に伴う山口4区の補選について「立候補する考えはない」と話した[19][20]。安倍家では、岸の長男の岸信千世(元フジテレビ社会部記者で、岸の大臣秘書官)[21]か次男から後継を出す案も検討されたが、本人らは同案を拒否した[22]

同年8月10日内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策及び核軍縮・不拡散問題担当)に就任。同年11月18日、衆議院の小選挙区の数を「10増10減」する改正公職選挙法が参議院で可決[23]。山口県の小選挙区は「4」から「3」に削減され、山口2区は1区との調整により、周南市の全域が含まれることとなった。

同年12月11日、岩国市で行われた後援会の会合で「このあたりで(長男の)信千世に譲りたい」と発言。体調不良を理由に次期衆議院選挙には立候補しない考えを表明した。長男の岸信千世も会合に同席しており、「地域のために頑張りたい」と述べ、立候補する意欲を示した。公表にはまだ早いと考えていた関係者は「ここだけの話にしておいてください」と参加者へ口止めしていたが、岸の発言は会場の外に丸聞こえだったため、待機していた報道各社の記者の知るところとなった。会合後、報道陣は岸を取り囲んで発言内容を確認。岸が事実と認め、同日中に一斉に報じられた[24][25]。周南市に居所を構える山口1区の高村正大[26][27]との調整問題が浮上し、またSNSでは「選挙区はあんたの領地じゃない」「なぜ当たり前に世襲なのか」など批判の声が上がった[17]。12月15日、岸の後援会連合会長を務める柏原伸二は、朝日新聞の取材に対し、岸の体調悪化を受け止め「早期に議員を辞職し、補欠選挙が実施される可能性もある」との見通しを示した[28]。2023年1月14日、中国新聞など主要メディアは、岸が2月上旬にも議員辞職願を提出する意向を固めたと報じた[29][30]。2月2日に安倍派の会合にて近く議員辞職することを正式に表明[31]。翌3日に衆議院議長公邸に赴き議員辞職願を提出した。内閣総理大臣補佐官も同日辞職した[32][33][34]。同月7日の衆議院本会議で議員辞職が許可された[35]

議員辞職後

議員辞職をした2023年2月7日、長男の岸信千世は岩国市内で記者会見し、4月23日に投開票される衆院山口2区補選(兄の晋三の死去に伴う山口4区補選も同日実施予定)に後継として立候補する意向を表明。自民党県連の候補者公募に応募すると述べた[36]。信千世はこの補選に自由民主党公認で立候補し当選を果たした[37]

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ギャラリー

政策・主張

憲法

  • 憲法改正について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[38]
  • 憲法9条への自衛隊の明記について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[39]
  • 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2021年の毎日新聞社のアンケートで「賛成」と回答[40]

外交・安全保障

  • 「他国からの攻撃が予想される場合には敵基地攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]
  • 北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]
  • 普天間基地辺野古移設について、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]

ジェンダー

  • 選択的夫婦別姓制度導入について、2010年のアンケートで「反対」と回答し[41]、同年に反対の請願を出した[42]。2021年の朝日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]。同年のNHKのアンケートで回答しなかった[39]
  • 同性婚を可能とする法改正について、2021年の朝日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]。同年のNHKのアンケートで回答しなかった[39]。「同性婚を制度として認めるべきだと考るか」との2021年の毎日新聞社のアンケートに対し回答しなかった[40]
  • LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案を早期に成立させるべきか」との問題提起に対し、2021年の朝日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[38]
  • クオータ制の導入について、2021年のNHKのアンケートで回答しなかった[39]

その他

  • 原子力発電への依存度について今後どうするべきか」との問題提起に対し、2021年のNHKのアンケートで回答しなかった[39]
  • 新型コロナウイルス対策として、消費税率の一時的な引き下げについて、2021年のNHKのアンケートで回答しなかった[39]
  • 森友学園への国有地売却をめぐる公文書改竄問題で、2021年5月6日、国は「赤木ファイル」の存在を初めて認めた[43]。しかし5月13日、菅義偉首相はファイルの存在を踏まえた再調査を行わない考えを報道各社に書面で示した[44]9月の自民党総裁選挙で総裁に選出された岸田文雄も10月11日、衆議院本会議の代表質問で再調査の実施を否定した[45]。国の対応をどう考えるかとの同年の毎日新聞社のアンケートに対し「これ以上、調査や説明は必要ない」と回答[40]
  • 女性宮家の創設について、2012年のアンケートで「反対」と回答[46]

旧統一教会との関係

  • 2006年5月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「天宙平和連合(UPF)」主催の「祖国郷土還元日本大会」が日本国内20か所で開催された。『世界日報』によれば、男女計2,500組の合同結婚式も併催され[47]、そのうち5月13日にマリンメッセ福岡で開かれた大会に岸は祝電を送った[48][49]
  • 2013年6月30日、安倍晋三首相は自民党本部の総裁応接室で、日本統一教会会長の徳野英治、全国祝福家庭総連合会総会長の宋龍天、国際勝共連合会長の太田洪量と面談した[注 2]。面談には、岸、萩生田光一、国際勝共連合副会長の渡邊芳雄、同団体幹部が同席した[55][56][57][注 3]。安倍は、4日後に公示を控えた参院選に比例区から立候補する北村経夫の当落予想について徳野、太田らと協議し、徳野に北村の支援を直接依頼した[64]。出席者のあいだで、教団側が全国組織を生かして北村の票の積み上げをすることが確認された[55][64][65]。7月1日に日本経済新聞が配信した「30日の首相動静」には「13時9分 萩生田副幹事長、岸信夫衆院議員」とあるのみだった[56]。2024年9月17日付の朝日新聞が安倍ら8人が並んだ記念写真を公表するまで、教団トップの徳野、宋、太田がその場にいたことは伏せられていた[66]。7月21日投開票。北村は知名度も低く「当選には程遠い」と言われていたが[50]、自民党が比例代表で獲得した18議席中、15位で初当選した[67]
  • 2022年7月26日の記者会見で、統一教会との関係について「付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている。電話作戦等々、ボランティアでお手伝いをいただいたケースはあると思う」「選挙なので、支援者の数が多く集まることは必要なことだ」「統一教会に手伝ってもらったというよりは、メンバーの方にお力をいただいたということだ」と述べた[68][69]。今後の選挙も手伝ってもらうのかとの問いに対し「軽々に答えることはできない」と答えた[70][71]。さらに29日の会見では、旧統一教会の霊感商法や献金強要被害などの問題が指摘されていることの認識を問われ、「そういうことが言われている団体だということは認識をしていた」「社会問題化し、それによって迷惑を被り、多大な被害を負っている方がいることは大変問題だと思っている」と答え、批判が殺到した[72]
  • 2022年8月2日の記者会見で、統一教会との関係について「これまでの関係について、しっかり見直さなければいけないと思う」と述べた[73]
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選挙歴

さらに見る 当落, 選挙 ...
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主な役職・所属団体等

その他所属団体

家族・親族

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前列:左から岸良子、岸信和岸信介、吉田寛。後列:佐藤栄作。1923年撮影。

系譜

岸家(山口県熊毛郡田布施町東京都
 
 
 
 
 
 
 
 
鮎川弥八
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
井上馨
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
鮎川弥一
 
鮎川純太
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
鮎川義介
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
つね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
鮎川金次郎
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なか
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小沢正路
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
田辺譲
 
仲子
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
田辺誠民
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
岸信夫
(安倍)
 
岸信千世
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
岸信政
 
良子
 
 
岸信和
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
岸要蔵
 
岸信祐
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
安倍晋三
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
佐藤秀助
(岸)
 
岸信介
(佐藤)
 
 
洋子
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
安倍寛
 
安倍晋太郎
 
 
安倍寛信
 
 
 
 
 
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脚注

参考文献

外部リンク

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