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日本の東京都新宿区にある監査法人 ウィキペディアから
有限責任 あずさ監査法人(あずさ、英語: KPMG AZSA LLC)は、2003年に設立された、日本の大手監査法人。2010年に有限責任制度適用の監査法人に移行した。
あずさセンタービル(本部・飯田橋) | |
種類 | 有限責任監査法人 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | あずさ、AZ |
本社所在地 |
日本 〒162-8551 東京都新宿区津久戸町1番2号 あずさセンタービル |
設立 |
1969年7月(朝日会計社として) 2003年2月(あずさ監査法人として) |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 3011105000996 |
代表者 | 高波博之(理事長) |
資本金 | 30億円(2024年6月期) |
売上高 | 1213億6700万円(2024年6月期) |
営業利益 | 11億2300万円(2024年6月期) |
経常利益 | 13億3600万円(2024年6月期) |
純利益 | 2億4600万円(2024年6月期) |
純資産 | 288億3200万円(2024年6月期) |
総資産 | 893億6700万円(2024年6月期) |
従業員数 |
社員・特定社員566名 公認会計士職員2,482名 公認会計士試験合格者等1,365名 その他2,695名 (2024年6月30日) |
決算期 | 6月30日 |
会計監査人 | 三優監査法人 |
関係する人物 | 尾澤修治 |
外部リンク | 公式サイト |
特記事項:2024年6月期における数値[1] |
有価証券報告書より、最近の監査報酬が1億円超のクライアントを列挙。
法人及びクライアントの特徴として以下の点が挙げられる[2]。
人員数・社員数には、特定社員を含み、公認会計士・公認会計士試験合格者・会計士補のいずれにも該当しない職員を含まない。
決算期 | 業務収入 | うち監査報酬 (1項業務) | うち非監査報酬 (2項業務) | 営業利益 | 純利益 | 人員数 | うち 社員数 | 被監査会社数 | うち 金商法監査 |
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2011年6月期 | 880億686万円 | 729億5068万円 | 150億5618万円 | 39億7658万円 | 2億4403万円 | 4527人 | 633人 | 3276社 | 797社 |
2012年6月期 | 828億7171万円 | 686億3225万円 | 142億3946万円 | 35億3211万円 | 2億269万円 | 4465人 | 616人 | 3308社 | 783社 |
2013年6月期 | 800億8193万円 | 677億5741万円 | 123億2452万円 | 20億7283万円 | 21億5224万円 | 4174人 | 609人 | 3245社 | 775社 |
2014年6月期 | 807億3470万円 | 674億3169万円 | 133億300万円 | 23億9571万円 | 6億9578万円 | 4158人 | 607人 | 3265社 | 779社 |
2015年6月期 | 831億5700万円 | 681億100万円 | 150億5600万円 | 16億8000万円 | 22億5200万円 | 4246人 | 604人 | 3325社 | 788社 |
2016年6月期 | 898億9500万円 | 698億7500万円 | 200億2000万円 | 15億9500万円 | 7億1400万円 | 4360人 | 606人 | 3402社 | 806社 |
2017年6月期 | 959億5200万円 | 721億6000万円 | 237億9200万円 | 47億8500万円 | 59億9400万円 | 4462人 | 614人 | 3481社 | 799社 |
2018年6月期 | 971億2100万円 | 765億4900万円 | 205億7100万円 | 4億8400万円 | 13億6900万円 | 4472人 | 603人 | 3558社 | 814社 |
2019年6月期 | 1004億9300万円 | 782億8500万円 | 222億800万円 | 18億500万円 | 7億7200万円 | 4440人 | 598人 | 3614社 | 808社 |
2020年6月期 | 1059億7000万円 | 827億7000万円 | 231億9900万円 | 24億5200万円 | 9億8500万円 | 4418人 | 592人 | 3635社 | 819社 |
2021年6月期 | 1052億8100万円 | 832億9600万円 | 219億8500万円 | 27億9800万円 | 13億500万円 | 4385人 | 595人 | 3638社 | 814社 |
2022年6月期 | 1110億9800万円 | 854億3200万円 | 256億6500万円 | 13億5200万円 | 3億1100万円 | 4328人 | 594人 | 3482社 | 754社 |
2023年6月期 | 1117億3400万円 | 875億3200万円 | 242億200万円 | 7億3800万円 | 2億4900万円 | 4337人 | 578人 | 3423社 | 714社 |
2024年6月期 | 1213億6700万円 | 933億800万円 | 280億5800万円 | 11億2300万円 | 2億4600万円 | 4413人 | 566人 | 3370社 | 707社 |
現在のあずさ監査法人の母体とも言える監査法人朝日会計社の創業者尾澤修治は住友銀行の出身であり、そのため創業以来より住友系のクライアントを多く持ち、大手監査法人の一角を占めていた。海外提携先も当時「Big8」と呼ばれていた会計事務所の一つ、アーサー・ヤングであった。一方、新和監査法人は規模としては準大手であり、中堅のBDOインターナショナル及びグラントソントン・インターナショナルという2つの会計事務所と提携していた。監査法人朝日会計社と新和監査法人は、当時の首相・中曽根康弘内閣の公社民営化による設立企業を受け入れる素地を整えるため、1985年(昭和60年)に合併。当時、国内の監査法人は旧公社クラスの企業の監査に対応できるほどの規模を有していなかったため、監査法人の大小を問わず合併が相次いでいた。中でも朝日と新和はいち早く合併を成功させ、結果としてJR東日本やNTTをクライアントとして獲得したが、合併後の監査法人朝日新和会計社はアーサー・ヤング、BDO、グラントソントンの3つと提携することとなった。当時、日本企業の海外進出はまだ少なく、逆に外資系企業の日本進出が多かったため複数の海外提携先を抱えても問題は生じなかったと言われる。なお対外的には国際部を旧朝日系のもの(アーサー・ヤング)に統一し、旧新和系の国際部は国内部門との通し番号を割り当てた。これにより国内クライアントの海外活動への対応は、アーサー・ヤングに一本化されていた[3]。しかし、1989年(平成元年)にメイン提携先であったアーサー・ヤングはアーンスト・アンド・ウィニーと合併し、アーンスト・アンド・ヤングとなった。形式上は対等合併であったが、実質的には当時経営難に陥っていたアーサー・ヤングをアーンスト・アンド・ウィニーが救済したものであるため、アーサー・ヤング側の立場は弱かった。ところで合併前のアーンスト・アンド・ウィニーは当時太田昭和監査法人と提携していたため、太田昭和と朝日新和の2法人がアーンスト・アンド・ヤングを海外提携先とする構図になった。すると事務所内において立場の強い旧アーンスト・アンド・ウィニー側が、従来の提携先であった太田昭和を国内業務において優先するようになり、朝日新和側に不利益な結果をもたらすこととなった。更に旧アーサー・ヤング側の人員は多くがリストラに遭ったため、朝日新和は従前の人的関係をも失うこととなった。なお、この時に太田昭和側はこれを解消すべく朝日新和との合併を持ちかけたが、大手同士の合併は寡占を招くとして大蔵省(当時)は許可しなかった。
かくして、朝日新和はアーンスト・アンド・ヤングとの提携を1993年(平成5年)に解消し、新たにアーサー・アンダーセンと提携した。同時にアンダーセンの国内直営事務所であった井上斎藤英和監査法人と合併し、朝日監査法人となった。アンダーセンは重複提携を認めない方針であったため、新和監査法人からの付き合いであったBDO及びグラントソントンともここで提携を解消。その後BDOは三優監査法人、グラントソントンは元監査法人(現 太陽有限責任監査法人)へと提携先を移している。その後アーサー・アンダーセンは2001年(平成13年)に起きたエンロン事件により打撃を受け、翌2002年(平成14年)に解散した。これにより朝日監査法人は海外提携先を喪失し、またしても新たな提携先を探さなければならなくなった。一方その頃、太田昭和監査法人はKPMGと提携していたセンチュリー監査法人と2000年(平成12年)に合併。これにより発足した監査法人太田昭和センチュリー(2001年より新日本監査法人)はアーンスト・アンド・ヤング及びKPMGという2つの会計事務所と提携することとなり、前述したアーンスト・アンド・ヤングが太田昭和及び朝日新和と提携していた時とは逆の構図で、KPMGに不利益な結果をもたらすこととなった。
ここに朝日監査法人とKPMGの利害関係は一致し、朝日は海外提携先にKPMGを選定した。この際にいったん新日本監査法人の旧センチュリー系グループが独立する形で設立された(旧)あずさ監査法人と朝日監査法人とが合併する形で、2004年(平成16年)に現在のあずさ監査法人が設立された(ただし存続法人は朝日監査法人である)。これにより日本の4大監査法人と海外のBig4の提携関係の「ねじれ」は解消されることになった。なお旧センチュリー監査法人のクライアントには、パナソニック・三菱電機・本田技研工業のようにあずさへ移ったものもあれば、日立グループや雪印乳業(現 雪印メグミルク)のように新日本にそのまま残ったものもある[2]。
2007年4月に破綻した英会話学校NOVA(当時ジャスダック市場上場)の2007年3月決算で、係争事件を「企業の存続に重大な影響を与えるリスク」として開示していなかったことについて、不適切な情報開示として当時の担当監査法人であったあずさ監査法人が公認会計士協会の調査を受けている[8]。
2006年10月上場会社ユニコ・コーポレーションが利益を優先し、リース資産や融資に対して適切な自己査定をしていなかったとの理由で会社に対しあずさ監査法人から債務超過の指摘を受け事実上破綻した。記者会見の席上で当時の社長は「監査法人の指摘は青天の霹靂」と批判したが、会社は事実上のワンマン経営であり不正会計の発覚が遅延しただけとの見方もある[9]。
2004年、キャッツの株価操作事件に深く関与していたとして担当会計士が会計士協会から会計士資格の登録抹消の処分を受けている。逮捕された会計士が、あずさ監査法人の業務管理部門にいたこともあり、当時、新たに監査契約を締結したキヤノンが事情を聞くなど大きな波紋を呼んだ[10]。
2012年7月、金融庁はあずさ監査法人に対し業務改善命令を出した。これはオリンパスによるバブル期以来長期の1,000億円以上の損失隠しがあるにもかかわらず当時から2009年3月期までずっと適正意見を出し続け、さらに新日本監査法人に経営上の疑問点を引き継がなかったためである[11][12]。
2020年9月、所属する会計士45人が、公認会計士法で義務づけられた「継続的専門研修」(CPE)のオンライン講座を、2つの講座に同時にログインして、2つを受講したと偽るなどしたことが判明した。あずさは当該の会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討し、高波博之理事長ら役員10人の報酬をカットするとした[13][14]。また、日本公認会計士協会は他の監査法人でも同様の不正が行われていないか調査を行うとした[15]。
法人名の「あずさ」は、弓の材料に用いられる丈夫で弾力のある樹木「梓(あずさ)」にあやかり、強靱な組織力と柔軟な創造性をもって、企業経営のA to Zをサポートしたいという願いをあらわす。[要出典]
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