陸上自衛隊小平学校

陸上自衛隊小平学校（りくじょうじえいたいこだいらがっこう、JGSDF Kodaira School）は、陸上自衛隊小平駐屯地（東京都小平市）に所在する防衛大臣直轄機関（学校）のひとつである。

陸上自衛隊小平学校

概要

人事・システム・警務・会計・法務等多岐にわたる教育を実施しており、その教育内容の性質から警務科・法務等において陸上自衛官だけでなく海上自衛官・航空自衛官・事務官なども学生として入校している。また、入校する学生の階級も、新隊員から定年退職間近の幹部自衛官まで幅広い。学校長は会計科・警務科の部隊指揮官または相当級の幕僚等を経た陸将補（二）が充てられる。

2001年（平成13年）3月に業務学校・調査学校の2校を統合して発足した小平学校であるが2010年（平成22年）3月に情報科が職種化したことなどの理由から2017年（平成29年）度末（2018年3月26日）をもって旧調査学校の管轄であった情報教育部、語学教育部は「陸上自衛隊情報学校」として本校から分離され富士駐屯地に新編された。このうち語学教育部は引き続き小平駐屯地に所在する。

沿革

（前身の業務学校および調査学校の歴史を含む）

• 1952年（昭和27年）
  • 1月7日：警察予備隊総隊学校第5部（人事・調査・会計・業務管理・保安）として久里浜駐屯地に発足。
  • 10月15日：保安隊業務学校（Service School）として独立。
  • 11月18日：保安隊業務学校第2分校が旧立川駐屯地（現：東立川駐屯地）に開校。
• 1953年（昭和28年）3月10日：保安隊業務学校第2分校が業務学校第4部に改称。
• 1954年（昭和29年）
  • 1月15日：保安隊業務学校第3部が久里浜駐屯地から松戸駐屯地へ移駐^[1]。
  • 4月1日：旧陸軍経理学校跡地（現在地）の一部に小平駐屯地が開設され、保安隊業務学校が久里浜駐屯地から小平駐屯地へ移駐。
  • 7月1日：保安隊業務学校が陸上自衛隊業務学校に改称。
  • 9月10日：各学校編成完結。
  1. 陸上自衛隊業務学校第2部が陸上自衛隊調査学校（Intelligence school）として独立。
  2. 陸上自衛隊業務学校第3部が陸上自衛隊需品学校として独立。
  3. 陸上自衛隊業務学校第4部が陸上自衛隊輸送学校として独立。
• 1956年（昭和31年）4月20日：陸上自衛隊業務学校、陸上自衛隊調査学校が小平駐屯地から越中島駐屯地へ移駐。
• 1960年（昭和35年）1月6日：陸上自衛隊業務学校、陸上自衛隊調査学校が越中島駐屯地から小平駐屯地へ移駐。
• 2001年（平成13年）3月27日：陸上自衛隊業務学校、陸上自衛隊調査学校、小平駐屯地業務隊、第412会計隊を統合して陸上自衛隊小平学校として創立。
• 2010年（平成22年）3月26日：情報教育部を改編^[2]。
• 2014年（平成26年）3月31日：システム教育部と戦術教官室を統合し、システム・戦術教育部に改組。
• 2018年（平成30年）3月27日：内部組織の改編。

1. 情報教育部・語学教育部を廃止し、陸上自衛隊情報学校として富士駐屯地に開設（語学教育部の後進にあたる情報学校第2教育部は引き続き小平駐屯地に残留）。
2. 副校長（陸将補（二））と企画室長（1等陸佐（三））を廃止し、副校長兼企画室長（1等陸佐（二））に改組^[3]。
3. 法務教官室を法務教育部に改組。
4. システム・戦術教育部をシステム教育部に改組。

組織編成

• 企画室
• 総務部
  • 総務課
  • 厚生課
  • 警備課
  • 管理課「小平校」
  • 会計課
  • 衛生課
• 警務科部
• 会計科部
• 人事教育部^[4]
• 法務教育部
• システム教育部

主要幹部

官職名	階級	氏名	補職発令日	前職
陸上自衛隊小平学校長 兼 小平駐屯地司令	陸将補 [5]	安井崇[5]	2025年03月24日[5]	自衛隊愛知地方協力本部長[5]
副校長 兼 企画室長	1等陸佐[6]	長谷塲修也[6]	2025年12月01日[6]	陸上自衛隊小平学校勤務[6]
総務部長	1等陸佐[7]	石井映四郎[7]	2025年10月01日[7]	自衛隊愛知地方協力本部募集課長[7]
警務科部長	1等陸佐	原 健	2025年03月17日	陸上自衛隊小平学校勤務
会計科部長	1等陸佐	福岡忠	2025年03月17日	相馬原駐屯地業務隊長
法務教育部長	1等陸佐	近藤貴志	2024年03月28日	西部方面総監部防衛部防衛課陸上連絡官
人事教育部長	防衛事務官	大園雅弘	2024年04月01日
システム教育部長	1等陸佐	田代真朗	2023年08月01日	陸上自衛隊東北補給処補給部長

歴代の陸上自衛隊業務学校長および陸上陸上自衛隊小平学校長
（陸将補（二）、小平駐屯地司令を兼補）

代	氏名	在職期間	出身校・期	前職	後職
陸上自衛隊業務学校長
01	加藤昌平 （1等保安正）	1952年10月15日 - 1953年08月15日	陸士41期・ 陸大50期		第一幕僚監部所属 保安研修所派遣勤務
02	關口八太郎	1953年08月16日 - 1954年06月30日	東北帝国大学 昭和10年卒	第3管区総監部幕僚長	第1管区副総監 兼 練馬駐とん地司令
03	淵ノ上忠義	1954年07月01日 - 1958年05月01日	東京帝国大学 昭和10年卒	第一幕僚監部監察課長	第2管区副総監 兼 旭川駐とん地司令
04	宝神嗣雄 （1等陸佐）	1958年05月02日 - 1959年02月15日	東京帝国大学 昭和10年卒	陸上自衛隊業務学校副校長	定年退官（陸将補昇任）
05	中西彦太郎 （1等陸佐）	1959年03月17日 - 1960年07月31日	東京商科大学 昭和5年卒	陸上幕僚監部補給課総括班長	第2管区副総監 兼 旭川駐とん地司令
06	四戸陸三	1960年08月01日 - 1962年07月31日 ※1961年07月01日 陸将補昇任	東北帝国大学 昭和10年卒	第4管区総監部幕僚長	東北方面総監部幕僚副長
07	吉井武繁	1962年08月01日 - 1963年07月31日	東京帝国大学 昭和10年卒	東部方面総監部幕僚副長	自衛隊体育学校長
08	厚東隆男	1963年08月01日 - 1964年07月06日	陸士43期・ 陸大51期	東北方面総監部幕僚長 兼 仙台駐とん地司令	退職（陸将昇任）
09	赤羽根澈	1964年07月16日- 1965年07月15日	明治大学 昭和11年卒	第2師団副師団長 兼 旭川駐とん地司令	陸上幕僚監部付 →1966年01月01日 退職
10	郷英	1965年07月16日 - 1967年03月15日	京都帝国大学 昭和13年卒	第13師団副師団長 兼 海田市駐とん地司令	第10師団司令部付 →1967年09月01日 退職
11	木村経一	1967年03月16日 - 1969年03月16日	明治大学 昭和12年卒	西部方面総監部幕僚副長	陸上幕僚監部付 →1969年07月01日 退職
12	池田新太郎	1969年03月17日 - 1970年03月15日	東京帝国大学 昭和14年卒	陸上自衛隊業務学校副校長 兼 企画室長	陸上幕僚監部付 →1970年04月18日 退職
13	松原茂暢	1970年03月16日 - 1972年03月15日	陸士50期・ 陸大60期	陸上自衛隊富士学校特科教育部長	退職
14	生亀元	1972年03月16日 - 1974年06月30日	陸士53期	第4師団副師団長 兼 福岡駐とん地司令	防衛研修所副所長
15	片山和彦	1974年07月01日 - 1976年03月15日 ※1975年04月01日 陸将昇任	陸士55期	陸上幕僚監部募集課長	中部方面総監部付 →1976年04月01日 退職
16	朝枝照英	1976年03月16日 - 1977年06月30日 ※1977年04月01日 陸将昇任	陸士55期	防衛医科大学校学生部長	退職
17	大松和三郎	1977年07月01日 - 1979年06月30日 ※1978年04月04日 陸将昇任	陸士57期	第1特科団長 兼 北千歳駐とん地司令	退職
18	六反園文雄 （陸将）	1979年07月01日 - 1980年06月30日	海経35期・ 東京大学 昭和25年卒	陸上幕僚監部監理部長	陸上自衛隊武器補給処長 兼 霞ヶ浦駐とん地司令
19	浮田高明 （陸将）	1980年07月01日 - 1982年03月15日	香川師範 昭和20年卒	陸上自衛隊需品学校長	調達実施本部副本部長 （調達管理第二担当）
20	船越良一 （陸将）	1982年03月16日 - 1984年03月15日	陸士60期	陸上自衛隊富士学校副校長	退職
21	岡田嘉典	1984年03月16日 - 1986年03月16日 ※1984年07月01日 陸将昇任	中央大学 昭和28年卒	陸上自衛隊需品補給処長 兼 松戸駐屯地司令	退職
22	大津武昭	1986年03月17日 - 1987年07月06日	中央大学 昭和31年卒	統合幕僚会議事務局第1幕僚室長	陸上自衛隊武器補給処長 兼 霞ヶ浦駐屯地司令
23	大橋丈夫	1987年07月07日 - 1989年03月15日	防大1期	陸上自衛隊北海道地区補給処長 兼 島松駐屯地司令	退職
24	大東信祐	1989年03月16日 - 1990年03月15日	防大1期	第1混成団長 兼 那覇駐屯地司令	退職
25	馬渡隼夫	1990年03月16日 - 1991年03月15日	防大2期	陸上自衛隊富士学校副校長	陸上幕僚監部付 →1991年04月01日 退職
26	道下富士雄	1991年03月16日 - 1993年03月23日	防大3期	第3師団副師団長 兼 千僧駐屯地司令	第4師団司令部付 →1993年04月01日 退職
27	藤本義人	1993年03月24日 - 1994年06月30日	防大4期	陸上自衛隊関西地区補給処長 兼 宇治駐屯地司令	退職
28	野見山昌士	1994年07月01日 - 1996年12月15日	防大6期	第12師団副師団長 兼 相馬原駐屯地司令	退職
29	高田周洋	1996年12月16日 - 1998年03月26日	防大9期	第13師団副師団長 兼 海田市駐屯地司令	第4師団司令部付 →1998年04月01日 退職
30	山岸征洋	1998年03月26日 - 1999年03月28日	防大9期	第4師団副師団長 兼 福岡駐屯地司令	退職
31	廣岡公義	1999年03月29日 - 2000年06月29日	防大10期	第13師団副師団長 兼 海田市駐屯地司令	退職
末	佐山詔介	2000年06月30日 - 2001年03月26日	防大11期	陸上自衛隊富士学校副校長	陸上自衛隊小平学校長
陸上自衛隊小平学校長
01	佐山詔介	2001年03月27日 - 2001年06月28日	防大11期	陸上自衛隊業務学校長	退職
02	武田能行	2001年06月29日 - 2003年12月04日	防大13期	警務隊長	退職
03	宮島俊信	2003年12月05日 - 2006年03月26日	防大20期	西部方面総監部幕僚副長	東北方面総監部幕僚長 兼 仙台駐屯地司令
04	師富敏幸	2006年03月27日 - 2007年03月27日	防大20期	東部方面総監部幕僚副長	第14旅団長
-	三好榮治	2007年03月28日 - 2007年04月19日	防大19期	職務代理（本務：小平学校副校長）
05	榊枝宗男	2007年04月20日 - 2010年03月28日	防大19期	警務隊長	退職
06	伊藤善寛	2010年03月29日 - 2012年07月25日	防大22期	陸上自衛隊中央会計隊長	退職
07	川久保源映	2012年07月26日 - 2014年08月04日	防大24期	中央情報隊長	退職
08	山下純夫	2014年08月05日 - 2015年08月03日	防大25期	第9師団副師団長 兼 青森駐屯地司令	退職
09	菊池哲也	2015年08月04日 - 2016年06月30日	中央大学 昭和57年卒[注 1]	第4師団副師団長 兼 福岡駐屯地司令	退職
10	工藤天彦	2016年07月01日 - 2018年03月26日	防大28期	中央情報隊長	退職
11	勝井省二	2018年03月27日 - 2019年03月31日	関西大学[注 2]	陸上自衛隊小平学校副校長	退職
12	壇上正樹	2019年04月01日 - 2021年03月25日	防大32期	警務隊長	陸上自衛隊東北補給処長
13	大野真	2021年03月26日 - 2023年03月29日	防大36期	陸上自衛隊中央会計隊長	東北方面総監部幕僚長 兼 仙台駐屯地司令
14	平澤達也	2023年03月30日 - 2024年03月27日	防大35期	中央情報隊長 兼 陸上総隊司令部情報部長	陸上自衛隊富士学校副校長 兼 諸職種協同センター長
15	宮崎紀彦	2024年03月28日 - 2025年03月23日	防大41期	自衛隊兵庫地方協力本部長	陸上自衛隊中央会計隊長
16	安井崇	2025年03月24日 -	防大37期	自衛隊愛知地方協力本部長