トップQs
タイムライン
チャット
視点

ブラーフミー文字 (Unicodeのブロック)

ウィキペディアから

Remove ads

ブラーフミー文字(ブラーフミーもじ、英語: Brahmi)は、Unicodeブロックの一つ。

概要 範囲, 面 ...

解説

10世紀以前に主に北インドで話されていた、インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派インド語群に属するプラークリットを表記するためのブラーフミー文字を収録している。プラークリットは複数の言語の総称であり、パーリ語マガダ語マハーラーシュトラ語ガンダーラ語が下位区分として属している。ブラーフミー文字は南アジア東南アジアの多くの文字体系の祖先にあたる。

また、いくつかの拡張文字を加えて現在南インドタミル・ナードゥ州スリランカなどで話されているドラヴィダ語族タミル語の古代語である古タミル語の表記にも用いられた。この拡張字母を加えたブラーフミー文字を特にタミル・ブラーフミー文字英語版(英語: Tamil-Brahmi)と呼ぶ。

インドアーンドラ・プラデーシュ州で見つかったバティプロル英語版という村で発見された碑文においてプラークリットの記述に用いられていたブラーフミー文字の派生の文字体系であるバティプロル文字英語版も同じ文字体系として本ブロックに統合されている[1]

また、一部の母音字などの字形が異なるものもあるが、4 世紀から 6 世紀にかけてグプタ朝で用いられていたブラーフミー文字の変種の一つであるグプタ文字も、ブラーフミー文字の書体の一つとして符号位置を統合されている。

ブラーフミー文字は音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。

加えて、アラビア文字タイ文字などと同様に独自の数字体系(ブラーフミー数字)を有している。現代の位取り記数法を取る10進法の数字はこのブラーフミー数字に由来している。

符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン6.0において初めて追加された。

Remove ads

収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

さらに見る コード, 文字 ...
Remove ads

小分類

このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs)、「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「ヴィラーマ」(Virama)、「約物」(Punctuation)、「数値」(Numbers)、「数字」(Digits)、「数字接合子」(Number joiner)の9つとなっている[7]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

各種記号(Various signs

この小分類にはブラーフミー文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

独立母音字(Independent vowels

この小分類にはブラーフミー文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字(Consonants

この小分類にはブラーフミー文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類にはブラーフミー文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

ヴィラーマ(Virama

この小分類にはブラーフミー文字のうち、ヴィラーマ(殺母音記号)と呼ばれる、子音字の持つ暗黙の随伴母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号が収録されている。

約物(Punctuation

この小分類にはブラーフミー文字で用いられる句読点などの約物類が収録されている。

数値(Numbers

この小分類にはブラーフミー文字のうち、位取り記数法を用いず、単位数字を並べて表現する数値記号(Unicode上では10進法の位取り記数法を用いる"digit"とは区別される)が収録されている。

数字(Digits

この小分類にはブラーフミー文字で用いられる、10進法の位取り記数法を取る固有の数字が収録されている。

欧文などで用いられる算用数字アラビア文字で用いられるアラビア・インド数字はこのブラーフミー数字から派生したものである。

数字接合子(Number joiner

この小分類にはブラーフミー文字のうち、乗算を表すブラーフミー数字の連結を形成するために使用されるヴィラーマ[7]が収録されている。

文字コード

ブラーフミー文字(Brahmi)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+1100x 𑀀 𑀁 𑀂 𑀃 𑀄 𑀅 𑀆 𑀇 𑀈 𑀉 𑀊 𑀋 𑀌 𑀍 𑀎 𑀏
U+1101x 𑀐 𑀑 𑀒 𑀓 𑀔 𑀕 𑀖 𑀗 𑀘 𑀙 𑀚 𑀛 𑀜 𑀝 𑀞 𑀟
U+1102x 𑀠 𑀡 𑀢 𑀣 𑀤 𑀥 𑀦 𑀧 𑀨 𑀩 𑀪 𑀫 𑀬 𑀭 𑀮 𑀯
U+1103x 𑀰 𑀱 𑀲 𑀳 𑀴 𑀵 𑀶 𑀷 𑀸 𑀹 𑀺 𑀻 𑀼 𑀽 𑀾 𑀿
U+1104x 𑁀 𑁁 𑁂 𑁃 𑁄 𑁅 𑁆 𑁇 𑁈 𑁉 𑁊 𑁋 𑁌 𑁍
U+1105x 𑁒 𑁓 𑁔 𑁕 𑁖 𑁗 𑁘 𑁙 𑁚 𑁛 𑁜 𑁝 𑁞 𑁟
U+1106x 𑁠 𑁡 𑁢 𑁣 𑁤 𑁥 𑁦 𑁧 𑁨 𑁩 𑁪 𑁫 𑁬 𑁭 𑁮 𑁯
U+1107x 𑁰 𑁱 𑁲 𑁳 𑁴 𑁵 𑁿
注釈
1.^バージョン16.0時点
Remove ads

履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
Remove ads

出典

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads