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ミッション:インポッシブル

1996年のアメリカのアクション映画 ウィキペディアから

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ミッション: インポッシブル』(原題: Mission: Impossible)は、1996年アメリカアクションスパイ映画。監督はブライアン・デ・パルマ、脚本はデヴィッド・コープロバート・タウンであり、主演のトム・クルーズポーラ・ワグナーと共に製作を務める。テレビドラマシリーズ『スパイ大作戦』(1966年-1973年)とその続編『新スパイ大作戦』(1988年-1990年)のリブートであり、映画「ミッション: インポッシブル」シリーズの第1作目である。秘密諜報組織「IMF」に所属する若手スパイのイーサン・ハントが、内通者の罠によって濡れ衣を着せられ、真犯人を捜す。

概要 ミッション: インポッシブル, 監督 ...

クルーズ/ワグナー・プロダクションズ(1992年設立)の第1回作品であり、主演のトム・クルーズはこの作品で初めて映画プロデューサーに挑戦し、自ら監督を選んでいる。

1996年の興行成績で第3位となり、批評家からも概ね好意的な評価を得た。この成功によりシリーズ化され、2000年には続編の『M:I-2』が公開された。2023年には7作目、2025年には8作目の公開が予定されている。

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あらすじ

要約
視点

CIAの極秘諜報部隊 IMF(Impossible Missions Force、不可能作戦部隊)に所属するベテラン工作員のジム・フェルプスは、飛行機内で機内映画サービスに偽装したIMFの極秘指令を受け取る。それは、プラハのアメリカ大使館から東欧で活動するCIAの非公式工作員の名簿「ノックリスト (NOC)」を盗み出そうとしている大使館職員に対する防諜任務であった。

フェルプスは作戦を立案し、彼のチームによって作戦は実行される。だが、途中で謎の襲撃者によってフェルプスを含むチームのメンバーは次々と殺された上に、標的の大使館職員が殺害されリストも横取りされてしまう。この予期せぬ出来事により、チームの若手であるイーサン・ハント英語版だけが生き残った。イーサンは、今回の任務の監督役であるCIAのキトリッジに連絡を取り援助を求め、作戦場所付近の店で会合する。しかし、店の様子に違和感を覚えたイーサンの鋭い指摘によって、キトリッジは任務がIMF内の裏切り者を見つけ出すための偽の任務であったこと、何者かに横取りされたリスト自体も偽物であったことを明かす。キトリッジは唯一生き残ったイーサンこそが裏切り者と断定し逮捕しようとしたが、イーサンは逃亡する。

プラハにあるIMFの隠れ家に戻ったイーサンは、身の潔白を証明するためチーム内の真犯人(内通者)と、彼が情報を売る相手であった「マックス」と呼ばれる武器商人を探り始める。電子メールなどを探ったイーサンは、内通者のコードネーム「ヨブ」と「マックス」のやり取りが聖書の一節を使ったものだと気づき、「マックス」にリストは偽物だというメールを送信する。そんな折、死んだと思われていた仲間でフェルプスの妻であるクレアが隠れ家に現れたことでイーサンは彼女を疑うが、弁明は筋が通っており、証拠もないため判断を保留。その後、メールの返信に従ってイーサンは「マックス」に会いに行くが、正体は初老の婦人であった。イーサンはリストが偽物だと証明した上で、自分なら本物の、さらに世界全体のノックが盗み出せること、そうしたならば1000万ドルの報酬とヨブの正体を明かすよう取引を持ちかけ、「マックス」は了承する。

アジトに戻ったイーサンは本物のノックリストをCIA本部から盗み出す計画を立て、イーサンは裏社会でも有名な一流ハッカーのルーサー・スティッケル英語版を、クレアは元CIAの工作員でパイロットのフランツ・クリーガーを仲間に引き入れる。そしてイーサンらは世界最高峰のセキュリティを破り、見事にリストを盗み出すことに成功し、ロンドンへと逃亡する。

逃亡したイーサンを追う中で本物のリストを盗まれたキトリッジは、イーサンの母と叔父を麻薬密売の濡れ衣で逮捕し、イーサンが現れるように仕向ける。報道を見たイーサンは公衆電話からキトリッジに連絡を取り、そのやり方を非難し警告した上で、あえて自分がロンドンにいるとわかるように痕跡を残す。

電話を切ったイーサンは、死んだはずのフェルプスを見つけ驚く。フェルプスは撃たれたものの命をとりとめたと語り、キトリッジこそ内通者「ヨブ」だという。だが、イーサンは隠れ家にあった聖書の印からフェルプスこそが「ヨブ」であり、さらに持っていたナイフからクリーガーがメンバーを殺していった「ヨブ」の仲間だと見当をつけていた。しかし、クレアもその仲間かは確信がなかったためフェルプスとのやりとりは芝居でごまかし、イーサンは「マックス」に翌日のパリ行きの列車TGVの中で取引をすると連絡する。

翌日、食堂車でイーサンは「マックス」にこっそりとリストを渡す。しかしそれを放置するつもりはなく、協力するルーサーの手によって通信妨害を出し、彼女がデータを転送できないようにする。その上でイーサンはクレアに、「マックス」が金を置いた貨物車両に向かわせる。貨物車両にやってきたクレアの元にフェルプスが現れると、クレアはイーサンを殺さないように嘆願する。だが、このフェルプスはイーサンの変装であり、クレアも仲間だったと知ったイーサンはショックを受ける。そこに本物のフェルプスが現れ、拳銃で牽制して金を奪おうとするが、イーサンが持っていたメガネをかけると、そこに仕掛けていたカメラがキトリッジに映像を送信するもので、フェルプスの生存と裏切りがCIAにも明らかとなる。

フェルプスはクレアを撃ち殺してイーサンを殴り、その隙に列車の屋根へと逃げる。そこには逃亡を援助するためクリーガーがヘリコプターを操縦し近づいてきていた。追いかけたイーサンは、フェルプスを回収するためにヘリから垂らされたワイヤーを列車にくくりつけて離脱できないようにしてしまい、そのままヘリごと列車はトンネルへと入る。フェルプスを回収し離脱を試みるヘリであったが、イーサンはそのフロントに飛び移ると簡易爆弾を仕掛け、爆破と同時にクリーガーとフェルプスは死亡。爆発の反動でイーサンは列車へと戻る。

急停止した列車で、キトリッジは「マックス」を逮捕し、彼女は彼に交渉を持ちかける。一方、身の潔白を証明した上、マックスの逮捕にも貢献したイーサンとルーサーにキトリッジはIMFへの復職を認めるものの、イーサンは工作員を辞める旨をルーサーに告げ、自宅に帰るため飛行機に乗る。ところが、客室乗務員がイーサンに機内映画を見るように勧め、最初のフェルプス同様にイーサンが指令を受けることを予期させて物語は終わる。

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キャスト

さらに見る 役名, 俳優 ...
  • ソフト版:1996年8月収録。機内上映に使用されたのち、1997年3月28日発売のVHSに初収録され、以降のメディアにも収録。
    • 各種配信にも使用。
  • フジテレビ版:初回放送1999年10月9日『ゴールデン洋画劇場
  • テレビ朝日版:初回放送2003年3月16日『日曜洋画劇場
    • 追加録音版:初回放送2011年12月18日『日曜洋画劇場』※正味105分
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スタッフ

日本語版

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作品解説

テレビシリーズで作戦のリーダーとして活躍したジム・フェルプスは、本作ではリーダーという立ち位置は同じながらチームを裏切る黒幕に変更された。また、俳優はテレビシリーズのピーター・グレイブスでなくジョン・ヴォイトが新たに演じている。

テレビシリーズとは、CIAとの連絡方法などが大幅に異なる。

オープニングテーマや映像の演出はテレビシリーズのものを踏襲している。ただし、続編の『M:i-2』や『M:i:III』、『ゴースト・プロトコル』ではオープニングテーマはそれぞれアレンジされている。『M:i-2』ではアップテンポな曲になっている。

音楽は当初アラン・シルヴェストリが起用され独自のテーマ曲を作曲し録音も終了していたが、ドラマのラロの曲を使用したかったトムの意向で降板させられ当時の妻だったニコール・キッドマンの推薦でダニー・エルフマンが起用された。ダニーが起用された時点で楽曲制作に与えられた期間は2週間しか無かったがダニーはラロの曲を織り交ぜながらも独自色を押し出す劇伴を完成させた[4]

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評価

要約
視点

オリジナルシリーズ関係者

最初のテレビシリーズ(1966-1973)のキャストメンバーの何人かは、本作に否定的な反応を示した。それらは、すべてジム・フェルプスというキャラクターの扱いが変更されたことが原因だった。

元のシリーズでフェルプスを演じたピーター・グレイブスは、「彼らが彼(ジョン・ヴォイト演じるキャラクター)をフェルプスと呼ぶ選択をしたことを残念に思う」と評し、「私(オリジナルのジム・フェルプス)を最初のシーンに登場させるか、私が『皆へ。私は引退してハワイに行く。ありがとう、さようなら。これからは君たちに任せる』という電報を送ったことにすれば、簡単にその問題を解決できたはずだ」と語っていた[5]

ローラン・ハンドを演じたマーティン・ランドーは、映画に対する不満を表明した。2009年10月のMTVのインタビューでは「初期の脚本では、チーム全体を1度に破壊するようなものだったので私は反対した。それは単なるアクション映画であり、『スパイ大作戦』ではなかった。『スパイ大作戦』は心理戦である。(オリジナルシリーズの)我々が参加する、しないのどちらが理想的であるかは関係ない」「自分のキャラクターを自殺させるボランティアなんてしたいかね?だから私は降りた。脚本はどちらも酷かったがね!」と述べている[6]

バーニー・コリアーを演じた俳優のグレッグ・モリスは、フェルプスのキャラクターの扱いでうんざりしていたと言われ、映画が終わる前に席を立った[7]

興行収益

1996年5月22日に3012の劇場で公開され、1991年公開の『ターミネーター2』の1170万ドルの記録を打ち破って、1180万ドルの興行収益を達成した[8]。本作はまたアメリカでの他の記録も達成している[9]。最初の6日間で7,500万ドルの収益を得て、『ジュラシックパーク』を上回り、4日間の戦没将兵追悼記念日の週末には5,600万ドル以上を得て『フリントストーン/モダン石器時代』の記録を破った[10]。クルーズには、報酬の2000万ドルが繰り延べて支払われた[10]。最終的に本作は北米で1億180万ドル、世界で2億7670万ドルとなり、世界で合計4億5760万ドルの収益をあげた[11]

批評家

本作は批評家からは賛否両論であった。Rotten Tomatoesでは62%で、平均評点は6/10。批判的な意見としては「ブライアン・デ・パルマによるスパイ大作戦の更改は特殊効果による大胆なシーンに溢れるが、プロットが複雑すぎる。」[12]Metacriticでは、29のレビューに基づき59/100の賛否両論または平均的な評価だったことを示している[13]シカゴ・サンタイムズの映画評論家ロジャー・エバートは、4つ星中3つ星を与え「これは今だから楽しめる映画であり、だから我々は楽しむために今見なければならない(This is a movie that exists in the instant, and we must exist in the instant to enjoy it.)」と述べた[14]ニューヨーク・タイムズのスティーブン・ホールデンは映画の複雑なプロットについて次のように語った。「ストーリーは質の高い個々のシーンで構成されているわけではないが、それがどうした?テレビシリーズの評価だってSFチックな人気ギミックがサスペンス性を維持していれば問題がなかった」[15]USAトゥデイのマイク・クラークは、4つ星中3つ星を与え「スタイリッシュでスピーディだが、魅力的なキャストの割に人間的な側面は貧弱であった。たとえ策謀が見事だったとしても(これを肯定的に取るか否定的に取るかは人それぞれだが)」と述べた[16]

一方で、ハル・ヒンソンはワシントン・ポストの評論で「本作には中身のないスリルと、いくらかのサスペンスがある。しかし、私たちが映画に求めているのは、独自的な部分や鮮やかな会話、話の段階ごとの盛り上がり、あるいは登場人物たちの在り方である。本作にはそれがない。」[17]タイムのリチャード・シッケルは、「スパイ大作戦とは、論理的なプロットによってイベントや登場人物たちをリンクさせ、重大な危機を解決するという風に認識されている作品であるが、本作にはそれがない(タイトル以外に、テーマソングや自己破壊される指令テープなどの引用はあるが、オリジナルシリーズとはほとんど無関係である)。」[18]。オーケン・グライバーマンはエンターテインメント・ウィークリーに「B」の評価を与えて、「問題はプロットが複雑すぎるということではなく、それぞれのディティールにまったく同じような不満がある。魅力的な部分はあるが、依然として無機質で、会話よりアクションを詰め込み、物理学講義ような難解さ、故意に入り組んだ本作は観客の想像力を掻き立てるのではなくただ注意を引くだけだ。」[19]

受賞歴

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地上波テレビ放映履歴

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脚注

関連項目

外部リンク

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