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必殺仕事人IV
必殺シリーズの第21作、必殺仕事人シリーズの第4作、中村主水シリーズの第10作 ウィキペディアから
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『必殺仕事人IV』(ひっさつしごとにんフォー)は、1983年10月21日から1984年8月24日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全43話。主演は藤田まこと。
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概要
本作は、前作『必殺仕事人III』から直結する世界観を持つ。主水シリーズで唯一、前作から殺し屋グループのレギュラー出演者が一人も変更されなかった作品である。
新しいキャラクターとして、毎回手を換え品を換え、一目惚れした順之助を追い掛け回す、広目屋の玉助と、秀が旅先から連れ帰って来た孤児の少女 お民の二人が加入した。
梅津栄は名脇役として、歴代シリーズで悪役・善人問わず演じてきた俳優で、前作『必殺仕事人III』第37話で演じた、順之助に一目惚れするオカマの女形役が玉助の原型となっている。玉助は同じく、オカマ キャラクターの筆頭同心 田中と並ぶ人気を獲得し、次作『必殺仕事人V』にも登場している。
お民は第2話で、その素性が明かされ、彼女と秀の関係を主軸とした話(第14、22話他)も作られている。
レギュラーキャラクター(仕事人)たちの殺し技は主水、秀、勇次、おりくは前作と変わることは無かったが、順之助は本作より投石器を使用し、主水たちの援護を担うようになる。
大ヒットとなった前作主題歌「冬の花」に引き続き、加代役の鮎川いずみが主題歌「花の涙」を担当。ヒットを再び記録している。
この時期、頂点を迎えた必殺人気の勢いはテレビだけに留まらず、仕事人特集が組まれた数々の商業誌や、大手レコード会社(キングレコード)からの番組BGM集の発売、シリーズ通算600回記念として、劇場用映画『必殺! THE HISSATSU』(1984年6月16日公開)が制作されるに至った。
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あらすじ
仕事人グループが解散してから、半年が過ぎた。ある日、裏稼業を休業中の中村主水に、二人の仕事人からそれぞれ別個に殺しの依頼が舞い込んで来た。一方は幕府のある老中を、もう一方は別の老中を殺して欲しいという。仕事料は破格の百両だったが、老中同士の勢力争いと睨んだ主水は両方の仕事を断る。直後、主水は何者かに襲われた。グループ解散後も江戸に残っていた西順之助は自分が力になるというが、どうも頼りない。
その頃、秀、勇次、加代、おりくたちが江戸に舞い戻っていた。しかし、おりくと勇次は巡礼の旅に出る予定であり、秀は旅先で知り合った孤児の少女 お民を連れ帰っていたため、共に裏稼業に戻る気は無いと言う。主水は自らの危機を言い出せないまま、彼らと別れ、一人で仕事を引き受けるしかないと覚悟を決める。
繋ぎの仕事人を脅して、頼み人である御目付方の長坂と直接面会した主水は、老中殺しを改めて依頼された。老中の妾宅へ潜入した主水と仕事人はそこで、もう片方の依頼を受けた仕事人と鉢合わせする。罠と察知した主水は難を逃れたが、二人の仕事人たちは殺されてしまう。
主水を心配し、後を付けて来たおりくに助けられた主水は依頼の真相を知る。対立していた老中双方が手を結んだため、邪魔な仕事人たちはまとめて抹殺されることになったのである。その上、長坂はその両方から殺しを請け負っていた。長坂には主水の素性も知られているため、主水の方から仕掛けるしかなかった。
主水の危機を知り、秀、勇次、加代、順之助、おりくが駆け付けた。既に受け取っていた百両を仕事料として、主水たちは御目付方の長坂一派を始末した(第1話)。再結成した仕事人グループは弱者の晴らせぬ恨みを晴らすべく、悪人たちを次々と闇に葬って行く。
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登場人物
仕事人
- 中村主水
- 演 - 藤田まこと
- 南町奉行所の定町廻り同心。『必殺仕事人III』最終回の仕事人グループの解散後、裏稼業から身を引いていたが、自身が巻き込まれた事件の渦中で、かつての仲間と再会。同時に裏稼業を再開する。
- 秀
- 演 - 三田村邦彦
- 飾り職人。江戸を離れていた間に殺した相手の娘であるお民を連れ、江戸に戻ってきた。お民がいることで仕事人に復帰することを一度は拒んだが主水の危機を救うべく、一度切りということで仕事に加わる(第1話)。
- その後は改めて仕事から抜けるつもりでいたが、お民が狙われたことで仕事人に復帰する(第2話)。
- 最終話で、自分の殺しの現場を少女に目撃されて始末しようとするが、お民の面影が重なり、手を下すことが出来なかった。後日、江戸の町に人相書きが出回り、お民を連れて、夕陽の海へと去って行った。
- 加代
- 演 - 鮎川いずみ
- 何でも屋で、仕事人の密偵。江戸に戻り、仲間とともに裏稼業を再開した。今作では殺しの際に順之助に協力し、投石器使用のサポートを行っている。
- 同じ長屋に越して来た順之助のお世話とお目付け役を両親から依頼されている。
- 次作『必殺仕事人V』程ではないが、中盤当たりから人を踏み台にしたやや外道まがいの商売をする様になる。その際は順之助に無理矢理 手伝わせる。
- 最終話の仕事人グループの解散後は、金儲けの勉強のために上方へと旅立った。
- 西順之助
- 演 - ひかる一平
- 西洋医学所に合格するため、勉学に励む受験生。前作の最終回の仕事人グループ解散後も江戸に残っていたが、主水の窮地を知り、裏稼業に復帰することを決意する。
- 自宅の隣に出会茶屋が建ち、男女の逢引が部屋から丸見えなことから両親に促され、加代たちの住む長屋で一人暮らしを始める。本作からはオカマの玉助に追いまわされ、騒がしい日常を送っている。
- 町娘の松田屋お聖に憧れており、部屋には彼女の写真を飾っているが両親や加代の目を気にしているためか、写真は普段は裏返しにしてあり、表側には受験生としての目標が書かれている。第36話では七夕の願い事として「(お聖が)郷ひろみの丞と婚約しないでください」と願っている。
- 勉学や裏稼業の他に秀の頼みで、お民に読み書き等の勉強を教えている。
- 最終話の仕事人グループの解散後は長崎へ留学する。
- 勇次
- 演 - 中条きよし
- 三味線屋。母のおりくとともに抗争に巻き込まれる形で、裏稼業に復帰する。
- 最終話の仕事人グループの解散後も江戸に残り、『必殺仕切人』に登場した。
- おりく
- 演 - 山田五十鈴[1][2]
- 三味線屋で、仕事人の元締。勇次の母親で、彼とともに旅を続けていたが江戸に戻り、裏稼業を再開する。
- 仕事に参加しない回もあるが最終話には登場。仕事人グループ解散後は再び旅に出た。
その他
- 中村せん
- 演 - 菅井きん
- 主水の姑。あいかわらず、婿養子の主水をいびる。
- 中村りつ
- 演 - 白木万理
- 主水の妻。せんとともに、婿養子の主水をいびる。
- 筆頭同心 田中
- 演 - 山内敏男(現・としお)
- 南町奉行所の筆頭同心で、主水の上司。
- 中性的なしゃべり方であるが、オカマと呼ばれると激昂する。本作では主水の協力でお見合いをするが、結婚に乗り気ではなかった事や見合い相手の巨漢ぶりに驚き、失敗に終わる。第29話のせんとりつの葬式シーンで、ご焼香の順番を呼ばれた際に「田中熊五郎」の本名が明かされた。
- お民
- 演 - 林佳子
- 江戸に戻ってきた秀が旅先から連れてきた少女。秀が旅に出ていた頃に始末した男の娘であり、本人はその事実は知らない。夜に一人になることを怖がるため、秀はお民が眠りに付いてから出陣する。
- 最終回で秀に連れられ、江戸を旅立った。秀が仕事人であることは最後まで気付かなかった。後の作品で、秀は再登場しているが、お民のその後の消息は描かれていない。
- 広目屋の玉助
- 演 - 梅津栄
- 女性向けの化粧品「玉の肌」を売り歩く広目屋[3]。順之助に付きまとう中年男性だが実はオカマで、順之助に一目惚れして追い駆け回す。突然 現れることが多く、順之助は迷惑しているがさほど嫌悪感は抱いていない一面も見せる。怒ると怖い。
- 最終話で、長崎に留学する順之助に付いて行くと言い、荷物を纏めていたが次作『必殺仕事人V』開始の時点で順之助より先に江戸に舞い戻っていたため、実際に長崎へ行ったのかは不明。
- 西順庵、西巴
- 演 - 溝田繁[4]、三浦徳子[5]
- 順之助の両親。順之助の裏の顔は知らず、第1話で、ライデン瓶を捨ててしまう。自宅の隣に出会茶屋が建ち、男女の逢引が順之助の部屋から丸見えなため、彼を長屋に一人暮らしさせる。
- 松田屋お聖
- 演 - 松田聖子[6]
- 順之助が憧れている江戸一番の人気町娘という設定。次作『必殺仕事人V』第23話で、神田屋の政吉の許に嫁いだことが明かされる。
ゲスト
- 第1話 「主水 悲鳴をあげる!」
- 第2話 「秀、少女の謎を明かす」
- 第3話 「主水 老人問題を考える」
- 第4話 「主水 犬にナメられる」
- 清照尼 - 松本悠希
- 松尾 - 松岡由利子
- 浅茅 - 澤亜樹
- お甲 - 川村真理子
- 石川数馬 - 津田和彦
- 正太 - 西尾正
- お咲 - 笠間一寿美
- 女中 - 竹村仁美(現・木村仁美)
- 女中 - 衣笠由里子
- 役人 - 東悦次
- 女郎屋の客 - 美鷹健児
- 第5話 「お加代 十里早駆けに挑戦する」
- 第6話 「お加代 商売敵の出現にあわてる」
- 第7話 「主水 忘年会の幹事でトチる」
- 第8話 「せんとりつ 子供をもらう!?」
- 第9話 「主水 晩めしをすっぽかされる」
- 第10話 「主水 せんを張り倒す」
- 第11話 「秀 催眠術をかけられる」
- 第12話 「勇次 鼠小僧と間違えられる」
- 第13話 「お加代 りつの殺しを頼まれる」
- 第14話 「主水 節分の豆を食べる」
- 第15話 「順之助 いよいよ受験する」
- 第16話 「主水 転職を夢見る」
- 第17話 「勇次 吉原遊女に惚れられる」
- 第18話 「なんでも屋の加代 花嫁になる」
- 第19話 「秀、天気を当てる女に出逢う」
- 第20話 「主水、宮本武蔵の子孫と試合をする」
- 第21話 「主水 仲人を頼まれる」
- 第22話 「主水 大根めしを食べる」
- 第23話 「せん 遺言状を書く」
- 第24話 「秀 空中で戦う」
- 第25話 「主水の上役 転勤する」
- 第26話 「主水 外で子供をつくる」
- 第27話 「主水 未知と遭遇する」
- 第28話 「順之助 20歳の誕生日に誘拐される」
- 第29話 「主水 せんとりつの葬式を出す」
- 第30話 「勇次 投げ縄使いと決闘する」
- 第31話 「加代 幽霊になる」
- 第32話 「主水 超能力山伏に部屋を貸す」
- 第33話 「勇次 悪女軍団と対決する」
- 第34話 「主水 失神する」
- 第35話 「田中筆頭同心 見合いする」
- 第36話 「主水 流れ星に願いをかける」
- 第37話 「せん 遂に再婚を決意する」
- 第38話 「主水 うなぎにナメられる」
- 第39話 「加代 エリマキトカゲを目撃する」
- 第40話 「主水 世にも不思議な朝顔を作る」
- 第41話 「主水 夏バテで早朝体操を休む」
- 第42話 「加代 パン作りに挑戦する」
- 第43話 「秀 夕陽の海に消える」
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殺し技・BGM
- 中村主水
- 悪人を油断させながら、一瞬の隙を付いて、脇差を相手の急所に刺す。
- 仕事時のBGMは第1、11、22話の冒頭では「殺しの旋律」が使われ、第2 - 8話は「泣くのは弱い者ばかり」。第9話以降は「涙を背負って」が使われた。
- 殺しのトリを務めることが多いが、第17、19、22話など、秀、勇次より先に殺しのシーンが描かれた。
- 秀
- 金属製の房が付いた金色の簪で、悪人の首筋を刺す。第2話の回想シーンで、お民の父親を仕置する際は別の簪を使用している。
- 勇次
- 三味線の三の糸を悪人の首に巻き付け、宙吊りにして、窒息死させる。第23話からは「南無阿弥陀仏」の文字が背中に縫いこまれた羽織を着て、殺しを行った。
- 西順之助
- 前作で使用したライデン瓶が親に捨てられたため、本作より投石器[8]を製作、使用する。
- 加代とともに主水たちの援護役として、邪魔者[9]を気絶させ、陽動を行う。第5話からは飛距離を調節するために、木製と鉄製のアームを使用する。
- おりく
- 三味線の撥で、悪人の首筋を斬る。
- 仕事時のBGMは第1話では「殺しの旋律」が使われ、第2、3、7、8話は「泣くのは弱い者ばかり」。第6、10話は「恨み晴らして候」。第11、18、19話は「涙を背負って」。第42話は「中村主水のテーマ」第43話の最終回では「殺しの旋律」が再び使用された。
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スタッフ
主題歌
- 主題歌「花の涙」(CBSソニー〈現・ソニー・ミュージックレコーズ〉)
- 作詞:中西冬樹 / 作曲:平尾昌晃 / 編曲:竜崎孝路 / 歌:鮎川いずみ
- 挿入歌「自惚れ」(TDKレコード〈現・クリエイティヴ・コア〉)(第1話 - 第22話)
- 作詞:阿木燿子 / 作曲:宇崎竜童 / 編曲:矢野立美 / 歌:三田村邦彦
- 挿入歌「風が泣くとき」(テイチクレコード〈現・テイチクエンタテインメント〉)(第23話 - 第43話)
- 作詞:山口洋子 / 作曲:北林研一 / 編曲:小杉仁三 / 歌:中条きよし
放送日程
- 第39話は、必殺シリーズ600回目。
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ネット局
※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。
- 系列は放送当時のもの。
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備考
- 秀役の三田村邦彦の誕生日に、屋外セットが原因不明の火災で全焼した。そのため、三田村は「よりによって僕の誕生日に」とコメントしている[12]。
脚注
前後番組
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