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ザ・ドリフターズの映画

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ザ・ドリフターズの映画(ザ・ドリフターズのえいが)は、日本において1967年昭和42年)に始まり1975年(昭和50年)まで続いた、ザ・ドリフターズ主演の喜劇映画シリーズである。

概要

全部で21本製作された。松竹系は『全員集合!!』シリーズ(一部「全員集合」をタイトルに入れないものもある)として全16作、東宝系が『ドリフターズですよ!』シリーズとして全5作がある。松竹系の映画では中盤以降には、『男はつらいよ』シリーズとの二本立てで公開されていた。

映画評論としてはハナ肇とクレージーキャッツの映画より低く見られがちではあったが、当時はかなりの人気喜劇映画であり、ハナ肇とクレージーキャッツの映画が終了した1972年(昭和47年)以降から1975年(昭和50年)までには『男はつらいよ』シリーズと共に邦画興行トップとなった。

松竹版映画のみホームビデオ(VHS)で市販およびレンタルされていたが、その後DVD・BD化はされていない(ただし、結果的に頓挫したものの、2000年代に「全員集合」シリーズのDVD-BOXが計画されたことがある)。稀ではあるものの、衛星劇場などのCSチャンネルで放送されており、全シリーズ視聴は可能である。また2018年10月3日から2019年3月13日まではBSイレブン(日本BS放送)で、『社長シリーズ』・『駅前シリーズ』・『クレージー映画』を放送していた『火曜シネマ 昭和喜劇シリーズ』の姉妹版『水曜シネマ 昭和喜劇シリーズ』で本シリーズを放送した(一部作品を除く)。2020年11月1日より、YouTubeの有料配信チャンネル「YouTubeムービー」、Amazonプライム・ビデオU-NEXTRakuten TV等において、松竹版作品の配信が行われている。

不定期ながら上映会も行われており、2017年10月から神保町シアターの「植木等と渡辺プロダクション」で「ドリフターズですよ!冒険冒険また冒険」、「やればやれるぜ!全員集合!!」、「超能力だよ全員集合!!」が上映された。また、ポレポレ東中野でも2017年10月からテレビドラマ『植木等とのぼせもん』の放送に合わせた企画「植木等と渡辺プロダクション映画」の中で『全員集合!!』シリーズと『ドリフターズですよ!』シリーズの上映が行われた。

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ドリフの映画一覧

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ストーリー

ストーリーとしては、基本的に権力者役のいかりや長介と虐められ役の加藤茶の確執、及びマドンナを巡る争いの後、悪役の登場によりドリフが一丸となって立ち向かい、スラップスティックを繰り広げた末に解決へと導くというパターンであった。なお、マドンナとの関係については、既にマドンナに恋人がいる等で結局失恋に終わるというケースが主であった。

社会のはみ出し者を扱い(愚連隊、ヤクザ、指名手配犯など)、決してハッピーエンドにならないストーリーは、クレージーの映画と対極であったが、本映画のコントは視聴者を暗いムードにさせない魅力があった。また、いかりや、または加藤が主役(各メンバーの役割は「ザ・ドリフターズ」参照)でかつマドンナに振られるというパターンは、当時同時公開であった『男はつらいよ』にも相通じるものがある。なお、当時濫造された映画とは一線を画し、ストーリーとしては筋の通っている作品が多い(『ドリフターズですよ!冒険・冒険また冒険』を除く)。

殺人やリンチ、謀略をネタにするなど、ブラックな要素が強いのが特徴だが、末期には後の『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』に通ずる仄々としたホームコメディーへと変化していった。また、同時期にはいかりやの毒が薄れ、加藤も虐められ役から小憎らしい役へと変遷が見られ、『8時だョ!全員集合』の人気から番組のギャグやコントも披露するようになった。

主な出演者

ザ・ドリフターズ

いかりや長介
5人のリーダー格。
加藤をはじめとする4人を非道にこき使う傍ら、自身はマドンナにうつつをぬかすも失恋するパターンが多かった。またメンバーに対しては絶対的権力者であるものの社会的には立場が弱く、他の登場人物には卑屈な態度をとることが多かった。後期からは毒が薄れ、個性溢れすぎる4人にツッコミを入れたり振り回される役割に転じ、後のいかりやの持ち味となる、渋く哀愁漂う演技派に移行していく。
役柄は初期ではヤクザの組長や網元などの権力者が多かったが、後期からは平凡な中間管理職のサラリーマンやごく普通の父親と言ったものに変化している。
加藤茶
大半の作品で虐められ役として設定され、虐め役のいかりやとのコンビがストーリーの中心であった。また役名は基本的に本名をもじった加藤ヒデオであった。
全員集合シリーズでは、他の3人が逃げる中、いかりやに恩のある加藤のみ逃げられず共同生活をするというパターンが確立されていた。またヒロインとの絡みも加藤が中心であり、実質的なシリーズの主人公であった。
後期からは小憎らしい役割に転じ、主に志村とコンビを組んで動くことが多くなっている。
荒井注
1973年公開の『大事件だよ全員集合!!』までの出演。
メンバーでは最年長と言うこともあってか、いかりや以外のメンバー4人におけるリーダー格であり、特に仲本、高木を率いていかりや・加藤と別行動をとることが多かった。
松竹ドリフ映画では半端なやくざ者や、賭博の好きな若旦那といった役が多く、マドンナの兄となることもあった。
仲本工事
基本的に浪人生として描かれ、学生服姿の出演が多かった。基本的にはいかりやに媚を売ったり雑学を披露したりと風見鶏、インテリ役を演じることが多かった。その一方で『チョットだけよ全員集合!!』で病院助手を演じた時は「院長(いかりや)より腕が立つ」と言及され、『誰かさんと誰かさんが全員集合!!』では一人で車を作るなど、4人に比べると比較的能力のある設定となることも少なくなかった。
後期に入るといかりやの年下上司になることが多く、いかりやを顎でこき使うと言ったシーンも見られた。
高木ブー
頭は回らず、少し情けないが温和な性格で描かれることが多かった。他のメンバーに比べると脇役に回ることも多く、幼稚園の園長、大家、屋台引きなどを演じた。
志村けん
メンバーとしての出演は1974年公開の『超能力だよ全員集合!!』からだが、1968年公開の『ドリフターズですよ!冒険冒険また冒険』以降、複数の作品に端役で出演している。
シリーズ末期からのメンバーでの出演という事もあり、映画内でのキャラクターを確立することはできなかった。主に加藤の親友役で出演することが多く、シリーズ内では加藤と比較的絡みが多い。

マドンナ

ミヨちゃん
演 - 生田悦子倍賞美津子早瀬久美、石原亜希子
全員集合シリーズのマドンナ枠であり、第3作(生田)、第4作(倍賞)、第6作(早瀬)、第7作(倍賞)に登場する。
しかし各作品の「ミヨちゃん」に関連性はなく、他作品のマドンナと大きく変わらない。第14作にも石原亜希子演じるミヨちゃんが登場するが、マドンナの友人役に留まっている。
役名は平尾昌晃の曲でドリフがカバーした『ミヨちゃん』から。

準レギュラー

左とん平
東宝ドリフ映画:第2作第3作第4作 松竹ドリフ映画:第3作第4作第5作第7作第8作第11作
東宝・松竹通して多くのドリフ映画に出演し、特に松竹の全員集合シリーズでは悪役として重要な役割を担うことが多かった。
クレージーキャッツ
松竹ドリフ映画:第2作犬塚石橋安田)、第3作(犬塚)、第4作ハナ)、第7作)、第9作(ハナ、犬塚、安田、桜井
渡辺プロの先輩であるクレージーキャッツは植木等を除き全員が出演経験を持っている。中でも第4作のハナ、第7作の谷はストーリーの中心人物となっている他、犬塚も刑事役などでストーリーに関わっている。
若水ヤエ子
松竹ドリフ映画:第1作第2作第5作第6作第7作
松竹ドリフ映画の多くの作品に登場し、第1作、第7作ではいかりやの妻を演じた他、第6作では荒井の妻(いかりやの妹)役を演じた。他作品では大家役での出演だった。
三木のり平
松竹ドリフ映画:第1作第3作第4作
松竹ドリフ映画の第1作『なにはなくとも全員集合!!』では事実上の主人公・白坂駅長を演じた。他作品での出演はセリフは多いものの、ストーリーに大きく関与しない端役である。
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キャスト

凡例
  • ドリフ側キャスト
    • ザ・ドリフターズのメンバーは姓のみ表記。
    いかりや=いかりや長介、加藤=加藤茶、荒井=荒井注、高木=高木ブー、仲本=仲本工事
    志村=志村けん、すわ=すわ親治、井山=井山淳
    • 太字は主役(ドリフメンバー以外の場合もあり)。
    • ○はリーダー役、△は映画のストーリー途中でリーダー役が交代した者。無印は、リーダー格が居なかった映画。
  • マドンナとの絡み
    • マドンナとの絡み役(加=加藤茶、い=いかりや長介)。
    • ×はマドンナに振られた映画、○はマドンナと結ばれた映画、?はマドンナとの結末がはっきりしない映画。
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参考文献

  • 戒王東京編集部著『完全ドリフ映画本』(垂脇書店)
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