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宍戸錠

日本の俳優 (1933 - 2020) ウィキペディアから

宍戸錠
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宍戸 錠(ししど じょう、(英:Joe Shishido1933年昭和8年〉12月6日 - 2020年令和2年〉1月18日[1][2][3][4])は、日本俳優タレント司会者血液型はB型。宍戸錠事務所所属。愛称は「エースのジョー」。

概要 ししど じょう 宍戸 錠, 本名 ...
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妻はエッセイスト、宍戸游子。宍戸開は長男、宍戸史絵(現・紫しえ)は長女、郷鍈治は実弟、ちあきなおみは義妹(実弟・郷鍈治の妻)。大阪府桜宮(現在の大阪市都島区)出身[5][4]宮城県白石高等学校卒業、日本大学藝術学部演劇科中退。

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来歴

要約
視点

父親は現在の福島県伊達市の出身[5]。錠によれば母親は神奈川県横浜市出身だが[5]、母親自身の話では父が台湾総督の副官であり、台湾で生まれ[6]、父の転勤で日本へ戻り、静岡県浜松市で育ったと述べている[6]横浜高女時代に関東大震災に遭い、一家で滋賀県大津市に疎開したが、田舎暮らしを嫌い、20歳の時に単身大阪に出て、海上火災という会社に勤める。この時期に、自身と同じく関東大震災で大阪に居を移し、大阪のアーサー・バルファーという商社に勤めていた父が同じビルで働いていたことで知り合い、結婚したという[5][6]。父はその後、工作機械を扱う会社を起業して独立し[5][6]満州事変特需で250万円[注釈 1]の収益を得た[5]。この後、「錠」は大阪で出生[5]。「錠」という名前の由来は宍戸家が子沢山だったため、『この子を最後の子にしたい(子作りに錠前を掛ける)』という両親の思いがあったからだという[注釈 2][7]。家のあった桜宮は下請けの町工場と温泉マークがあったため、環境に悪いと3歳[5]から5歳の頃[4]、家族で東京滝野川へ移り住む[6]。父は仕事を辞めその後は亡くなるまで定職に就かず、1300ほどの家を建て、一家は裕福な生活を送る[5][4][6]。当時は300円で家が一軒買えた時代だったが、滝野川の家は10万円で購入した[6]。1970年頃の価値で、5~6億円はしたという[6]

小学6年生の頃に東京大空襲で敷地に焼夷弾240発が落とされて自宅が全焼し[6]、跡地はドサクサに紛れた何者かに居座られ、奪われてしまう。遠い親戚を頼り宮城県斎川村(現在の白石市)に疎開する[5][6]。当地に父が家を建て[5]、高校卒業まで当地で育つ。

勉強もスポーツもよく出来、高校ではバスケットボール部に所属。映画鑑賞にも熱心で、プロ野球選手か、実業団で野球をやるか、俳優になるか考えた末、1952年の高校卒業後、早稲田で演劇をやろうと決意する。しかし受験に失敗[5]日本大学藝術学部に進む[5]。同期にケーシー高峰砂塚秀夫赤江瀑嵐徳三郎[5]

大学2年の1954年、日活ニューフェイス(第1期生)に合格[5]、大学を中退し3月15日付で日活に入社[5]

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警察日記』(1955年)

1955年、『警察日記』での若い巡査役で銀幕デビュー。この頃は線の細い美青年だったが、1956年にトレードマークとなる豊頬手術を受ける。本人は「それはそれでいいんですが、一方ではもし整形しなかったら、もっとすごい俳優になれていたかもしれないっていう意識も常にあったんですよ」と述懐するが、これを機に「アクの強い役=悪役」への転向を果たした。

1962年に游子(昌子)と結婚し、3人の子を儲ける。宍戸開は長男である。

1966年鈴木恂の設計で邸宅を建てる。

1992年、弟の郷鍈治が病死。

2001年、豊頬の際に注入された異物(オルガノーゲン)を摘出手術で取り除いた[注釈 3]。摘出手術に踏み切った理由を「理由の一つに、僕は70歳を前にして普通のジジイの顔になりたくてやっただけ」と語っていた[8]

映画や創生期のテレビドラマ『事件記者[注釈 4]』などに出演。タフでハードボイルドな役柄で小林旭らと共に名を知られ、日活アクション映画の需要もあって、「エースのジョー」と呼ばれて親しまれた。エースのジョーのニックネームは日活の宣伝部員によって名付けられ、これは宍戸が「ハリウッドの3流ギャング映画的な『殺し屋ジョー』でやりたい」というリクエストに応えたものだった[9][注釈 5]

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宍戸が考案した「チッチッチッ」のジェスチャー[10](他人の発言や行動をたしなめる仕草)

1971年、日活との専属契約を打ち切りフリーとなる。テレビへと活動の場を移し、テレビドラマの他に『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』に出演したり息子と『くいしん坊!万才』のレポーターを務めた。

2006年、息苦しさを感じ、心臓血管研究所付属病院での検査の結果、虚血性心不全と診断されて即入院。冠状動脈カテーテル・バルーン手術を受けた。

2010年4月16日、妻・游子が癌のため死去。

2013年2月4日、1966年に建築した自宅が全焼[11][12]、妻の死去後は独り暮らしで外出時の出火だった[13]。直後のホテル住まいを経て、翌月からは賃貸マンションで暮らした。消防署の調べでは古い電熱器のコードが原因だと判明。この火事で思い出の品々や過去の衣装、日用の衣類までほぼすべて失い[14]、本人は「しょうがない、今後の衣服はユニクロで我慢するか」と語った[15]

2020年1月18日、虚血性心疾患のため東京都内の自宅で死去[1][16]86歳没[2][3]1月21日未明に東京都世田谷区にある自宅で倒れている宍戸が発見され、警察や救急隊により死亡が確認された。

2021年、第44回日本アカデミー賞会長特別賞を受賞。

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人物

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ヒッチコック・マガジン』1961年5月増刊号より
  • 洋画吹替の仕事もこなしており、デニス・ウィーバーバート・ランカスターを担当している。小原乃梨子によると缶ビールを飲みながら収録を行うこともあったが、誰一人として「エースのジョー」に物申すスタッフはいなかったという[17]
  • 英国のファッションブランド「トムモリス」のファンで愛用者。
  • 愛称「エースのジョー」は自身がトランプを趣味としていたことから[18]
  • 豪快な性格でも知られた。飼い犬の名前も「俺は強い名前が好きなんだ」と豪語していた通り、パグに「ムサシマルコ」、シェパード「サダムフセインコ」と命名した[18]
  • 自宅全焼については当初、その2年前に自身の飼っていた番犬が既に死んでいたことから放火である事を主張した。宍戸は取材に対して「(犯人を)捕まえて犬に食わしてやる!」と怒りを露わにしていた[19]
  • 整形による役作りだけではなく身体能力にも定評があり、日活でも小林旭とともに一、二を争うアクションの腕前の持ち主であった。野球選手を演じた映画『川上哲治物語 背番号16』で、「ジャイアンツの二軍でなら通用する」と言われたほど若い頃の宍戸の身体能力は抜群だった[20]
  • 一番の役者は宮根誠司であると、生前語っていた。宮根は「ビビった」と番組の中で語っている。また宮根は「事務所の社長から住所を聞いて、お手紙を書いた」と礼状をしたためて「ご覧になっているんだと、嬉しかった」とも語っている[21]
  • 巨泉・前武ゲバゲバ90分!」で一緒に仕事をした喰始によると、宍戸はコントの収録中、プロデューサーに怒鳴られても、決して言い返さず次に活かしていた。また、忘年会の2次会の店も率先して予約するなど腰の低い人であったと語っている[22]
  • 殺し屋を演じることにずっとこだわってきた宍戸錠の「最も好きな出演作」は『拳銃は俺のパスポート』(1967年野村孝監督)。最後の夢は「90歳で殺し屋の役をやること」だった[23]
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出演作品

映画

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渡り鳥いつまた帰る』(1960年)
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大草原の渡り鳥』(1960年)
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『ろくでなし稼業』 (1961年)
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『現代悪党仁義』(1965年)

テレビドラマ

Vシネマ

  • ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ〜(1990年、東北新社=東映ビデオ)- 水田順一
  • コードネーム348 女刑事 サシバ(1990年、原作:篠原とおる、SHVシネマ第1回作品、松竹ビデオ事業部=獅子プロ)
  • 野獣駆けろ(1990年、東映ビデオ) - 佐伯
  • 汚れし者の伝説(1991年、日本ビデオ映画)
  • ネオチンピラ 続・鉄砲玉ぴゅ〜(1991年、東映ビデオ)
  • 神様のピンチヒッター(1991年、にっかつビデオ)
  • DANGER POINT 地獄への道(1991年、東映ビデオ)
  • 狼たちの賭け JACK KNIFE(1993年、東映ビデオ) - 平田(ジャズピアニスト)
  • 雀鬼3 治外法権麻雀(1994年、竹書房)鈴銀グループ会長 鈴木銀次郎
  • 組織暴力 流血の抗争2(1999年、東映ビデオ) - おでん屋台の主人
  • 日本極道史 仁義絶叫 シリーズ(1999年・2000年、シネマパラダイス/SHV) - 天馬大瀬組組長 大瀬直次郎
    • 日本極道史 仁義絶叫(1999年1月)
    • 日本極道史 仁義絶叫2 修羅の仁義(1999年8月)
    • 日本極道史 仁義絶叫3 仁義関東嵐(1999年9月)
    • 日本極道史 仁義絶叫4 仁義の挽歌(2000年2月)
  • 渋谷ミッドナイト・ウォー 暗黒街(2001年、ミュージアム) - 神尾重光の実父
  • 誇り高き野望 1 - 5(2005年、2006年 アネック) - 森田組 徳丸房次郎

舞台

  • 「サーカス殺人事件」
  • 「リリーとリリー」
  • 「シュガー」
  • 「マジック狂時代」
  • 「馬喰一代」
  • 「花咲ける騎士道」

劇場アニメ

  • カッパの三平(1993年、にっかつ児童映画=ロマン企画=にっかつビデオ) - 一角鬼 役 ※特別出演

吹き替え

担当俳優

映画

ドラマ

バラエティ

ラジオ

CM

その他

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著作

脚注

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参考文献

外部リンク

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