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2015年のF1世界選手権
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2015年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第66回大会として開催された。
2015年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 2014 | 翌年: | 2016 |
一覧: 開催国 | 開催レース |

シーズン概要
要約
視点
メルセデスとハミルトンの2連覇

昨年に続きメルセデスが好調を維持し、19戦中16勝、18ポールポジション、ワンツーフィニッシュ12回を記録。ドライバーズチャンピオンはルイス・ハミルトン、コンストラクターズチャンピオンはメルセデスがそれぞれ2連覇を達成した。ハミルトンは昨年チームメイトのニコ・ロズベルグと最終戦まで王者を争ったのとは対照的に、今年は19戦中17戦で表彰台に上る安定感を見せ、開幕からトップを譲ることなくシーズンを独走した。
メルセデスに次ぐ位置につけたのはフェラーリだった。レッドブルから移籍したセバスチャン・ベッテルはマレーシアGPで移籍後初優勝。その後も2勝を挙げ、中盤ではロズベルグとのランキング2位争いも展開した。現役最年長のキミ・ライコネンはなかなか結果が出せず解雇の噂も流れたが、最終的にウィリアムズのバルテリ・ボッタスとのランキング4位争いを制した。
2008年以来の未勝利に終わったレッドブルはルノー製のパワーユニット (以下、PU) への不満を募らせ、他メーカーへの乗り換えを模索するもワークスレベルでの供給を断られ、F1撤退の可能性まで示唆したが[1]、最終的には2016年もルノーPUをタグ・ホイヤーのバッジネームのもとで搭載することになった[2]。
「マクラーレン・ホンダ」の復活
2013年の表明通り、ホンダが2008年以来7年ぶりにF1に復帰し、エンジンサプライヤーとしてマクラーレンにPUを供給した。1988年〜1992年に多くの勝利を挙げた「マクラーレン・ホンダ」の復活に注目が集まったが、テスト段階から信頼性の問題とパワー不足が解消されず、下位を何とか走るだけの苦しいシーズンを過ごした。シーズン中に開発は進んだもののなかなか結果に繋がらず、日本GPではフェルナンド・アロンソが「GP2エンジン!」と声を荒らげるシーンもあった。最終的にランキングは9位と1980年以来の最低記録となったが、最終戦ではアロンソが全ドライバー中3番目に早いラップタイムを記録し、次年度に期待をつないだ。
財政難による影響
ここ数年深刻化している参加チーム、参加サーキットの財政難がシーズン当初から各方面に影響を与えていた。
- 正式な開催カレンダーに入っていたドイツGPは契約不成立のため中止され、全19戦で行われることになった[3]。
- 昨年末に破産した下位2チームのうち、ケータハムはF1から撤退。マルシャは投資家により救済され、チーム名を「マノー・マルシャ・F1チーム」に変更して参戦した(コンストラクター名は「マルシャ」)。シーズンを通してバックマーカーに徹したが、翌年も参戦できる目処が付きエントリーされている[4]。
- たびたび危機的状況が報じられたロータスは、ルノーに買い戻される形で存続が決まり、2016年はルノーワークスとして参戦することになった。
- パワーユニット供給価格の高さがカスタマーチームの財政を圧迫するとして、FIAは2017年より安価なクライアントエンジン(2.2l V6ツインターボ)を導入する案を提起した[5]。しかし2種類のエンジンが混走することへの抵抗もあり、最終的にF1委員会において否決された[6]。
2015年デビューの新人
この年はフェルスタッペン、カルロス・サインツJr.、フェリペ・ナスル、ロベルト・メリ、アレクサンダー・ロッシの5名がデビューした。トロ・ロッソはフェルスタッペン(17歳)とサインツ(20歳)の若いラインナップで臨んだが、両者ともコンスタントにポイントを獲得し、経験不足に対する懸念を払拭した。ザウバーのナスルもデビュー戦で5位に入賞するなど一定の成績を残した。
F1デビュー年齢の若年化が進む中、当時まだ17歳で普通自動車免許の取得資格が無かったマックス・フェルスタッペン(元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンの息子)のデビューは議論を呼んだ[7]。しかし、マレーシアGPで最年少入賞(17歳180日[8])を果たすと決勝4位2回などルーキー中最高の成績を収め、FIA表彰式の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に選出された[9]。FIAは2016年からスーパーライセンスの発行条件を満18歳以上などの項目を追加することを決定し、今回のフェルスタッペンの事例は再び発給要件が緩和されない限りは不可能となった。
シーズン後にはマルシャの3人(スティーブンス、メリ、ロッシ)とスポンサーマネーのトラブルでパストール・マルドナドがシートを失った。
その他のトピック
- 前年の日本GPの事故で意識不明となっていたジュール・ビアンキが、意識を取り戻すことのないまま7月17日に死去[10]。グランプリ開催期間中の事故に起因する死亡は1994年サンマリノグランプリのアイルトン・セナ、ローランド・ラッツェンバーガー以来21年ぶり、その他のF1マシンドライブ中でも2013年のマリーア・デ・ヴィロタ以来となった。7月20日、FIAはビアンキのカーナンバー17を永久欠番とすることを決めた。F1の永久欠番は史上初となる[11]。
- ザウバーでドライバーの多重契約問題が発生。レギュラーにはマーカス・エリクソンとフェリペ・ナッセを起用したが、実際にはエイドリアン・スーティルとギド・ヴァン・デル・ガルデと以前から契約済みだったことが発覚。ヴァン・デル・ガルデは裁判で勝訴し、ザウバー側が多額の違約金を払って和解したが、スーティルとの問題は2016年まで尾を引いている(詳細はザウバー#ドライバー多重契約騒動を参照)。
- 開幕戦は欠場したアロンソに替わり、昨年マクラーレンでデビューし今シーズンのシートを失っていたケビン・マグヌッセンが代役出走した。しかし予選は最下位・決勝はウォームアップ走行中にパワーユニットが白煙を吹き、スタートすら出来なかった。
- この年の表彰式だが、全戦でコンストラクターズ部門もしくはドライバーズ部門での国歌斉唱でドイツ国歌が流れることとなった。その理由は19戦中16戦でドイツのチームであるメルセデスが優勝。残りの3戦もドイツ人のベッテルが優勝したためである。ちなみにこのドイツ国歌が流れる連続記録は2014年イタリアグランプリから続いており、翌年のロシアグランプリまで、30戦連続で続いた。
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レギュレーションの変更
要約
視点
以下の内容は今後変更される可能性がある。
技術規定
競技規定
- コスト抑制のため、チームの予算に対する制限が実施される。
- ドライバーズポイントとコンストラクターズポイントの獲得を倍増させる最終戦のダブルポイントが廃止された。
- 前年の日本GPでのジュール・ビアンキの事故を受け、バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入。レース中に事故が起こった際、コース上でダブルイエローフラッグを振る必要はあるがセーフティカーを出動させる必要のない状況で使用する[14]。
- パワーユニット(以下PU)の年間使用数制限が強化される。各ドライバーは1シーズンに4基のエンジンを使用できる。5基目以上のエンジンを使用する場合は10グリッド降格ペナルティが科せられる。また、エンジンを除くPUの構成要素(規約では、MGU-K、MGU-H、ターボチャージャー、エネルギーストア、制御エレクトロニクスのエレメントに分けられている)が制限数を超えた場合は、各エレメントごとに5グリッド降格ペナルティが科せられる。ただし、新規参入したエンジンメーカー(2015年はホンダのみ)については、ドライバーにつき1基のPUを追加で使用できるとイギリスGPより改正された。
- グリッド降格ペナルティを当該レースで全て消化しきれない場合は、決勝で以下のペナルティが別途科せられるように変更された[15]が、ハンガリーGP以降は最大でもグリッド最後尾への降格に制限されることになった[16]。
- 残りグリッド数が1から5の場合:5秒加算ペナルティ
- 残りグリッド数が6から10の場合:10秒加算ペナルティ
- 残りグリッド数が11から20の場合:ドライブスルーペナルティ
- 残りグリッド数が21以上の場合:10秒ストップ・ゴーペナルティ
- ベルギーGPよりドライバーエイドの規制が強化され、スタートの手順が変更された[17]。ドライバーはグリッドに着くためガレージを出てからは、チームから無線で情報を得ることはできなくなる[18]。
- カーナンバーの規定変更。ドライバーの番号の保有期間がそのドライバーが最後に参戦してから2年間とされた。小林可夢偉を例にとると(カーナンバー「10」)、最後に参戦したのが2014年の最終戦だったので、2016年の最終戦までは小林がカーナンバー「10」の所有権を持っていたが、2017年の開幕戦以降は「そのドライバーのF1キャリアは終了した」と判断され、他のドライバーがカーナンバー「10」を選択できるようになった。ただし、2年以内に1戦でもF1レースの予選・決勝(P1のみの参加は参戦にはカウントされない)に参戦すれば、カーナンバーの保有期間はそこから更に2年間延長される。この規定に沿い、2017年シーズン途中にF1デビューしたピエール・ガスリーは参戦時に小林が所有権を失ったカーナンバー「10」を選択している。
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参戦チーム・ドライバー
要約
視点
エントリーリスト
FIAから発表された内容[19]および各チームがメディアを通し発表し報道された内容に基づく。
前年度チャンピオンのルイス・ハミルトンはカーナンバー「1」を付ける権利を行使せず、パーソナルナンバー「44」を使用することを選択したため1994年シーズン以来のカーナンバー「1」不在のシーズンとなった。
ドライバー変更
- マクラーレンのNo.14 フェルナンド・アロンソは開幕戦オーストラリアGPをプレシーズンテスト中のクラッシュの影響により欠場し、No.20 ケビン・マグヌッセンに交代[35]
- マノー・マルシャのNo.98 ロベルト・メリは第13戦シンガポールGPからNo.53 アレクサンダー・ロッシに交代
開催地
- メキシコGPが、1992年以来23年ぶりに復活する。
- 韓国GPが開催予定として上げられたが、開催契約がある為に法的理由によって予定に加えられただけであった[58]。実際には韓国GPのオーガナイザーですら開催を望んでおらず、最終的には予定から外された[59]。
- 2014年は開催を休止したインドGPがふたたび開催されるとされてきたが、2016年度以降にずれ込む。
- アメリカニュージャージー州のポート・インペリアル市街地コースでの開催が検討されつづけている。本来は2013年からの開催予定であったが、2年以上延期されている。少なくとも、2015年度の開催はない。2016年度の開催を望んでいるが「あくまでも最速」とのことで、もしもポート・インペリアル市街地レースが開催された場合はオースティンサーキットと交代される予定。
- タイGPが初開催される予定とされてきたが、延期され続けている。
- 正式な開催カレンダーに入っていたドイツGPはニュルブルクリンクで行われる予定だったが交渉不成立、また交互開催を行っているホッケンハイムリンクとも契約はまとまらず、シーズン開幕後に中止が決定された。ドイツ国内でF1が開催されないのは1960年以来であり、55年ぶり4回目。[3]
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結果
要約
視点
レース
ドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップ(選手部門)
上位10台には以下のポイントが加算される。
(略号と色の意味はこちらを参照)
太字 - ポールポジション、斜体 - ファステストラップ
† 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
コンストラクターズ・ワールド・チャンピオンシップ(製造者部門)
ポイントシステムおよび以下の書式はドライバー部門と同一である。
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ペナルティポイント
ペナルティポイントが12ポイントになると1戦出場停止。ポイントは12か月有効
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テレビ放送
日本
2015年の放送は、
- フジテレビNEXT(スカパー!・CATV等 / 有料 / 全セッション完全生中継、再放送あり)
- フジテレビONE(スカパー!・CATV等 / 有料 / 決勝翌日に全セッション連続一括放送)
- BSフジ(BS / 無料 / 予選・決勝を録画放送)
- NOTTV(マルチメディア放送 / 有料 / 予選・決勝を録画放送)[83]
で放送される。
フジテレビ(地上波・関東ローカル)は昨年に引き続き、日本GPの決勝を録画放送する。また、数戦ごとにまとめたダイジェスト版の放送も昨年に引き続き行われる。
脚注
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