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2017年のF1世界選手権
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2017年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第68回大会として開催された。
2017年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 2016 | 翌年: | 2018 |
一覧: 開催国 | 開催レース |

概要
要約
視点
メルセデス4季連続、ハミルトン4回目のタイトル獲得
2014年のレギュレーション変革によりエンジンが「パワーユニット(以下PU)」に変更されて以降、独走を続けるメルセデスが第17戦アメリカGPで4年連続4回目のコンストラクターズチャンピオンを獲得[1]した。この年はホイールベースの長さからテクニカルコース中心に苦戦したものの、メルセデスはチーム全体で20戦中12勝を飾り、今年も他チームを大きく上回る勝利数を記録したが、4年連続ドライバーズランキング1-2独占は達成できなかった。
ドライバーズチャンピオンシップは前年王者のニコ・ロズベルグが引退し、今年はメルセデスのルイス・ハミルトンとフェラーリのセバスチャン・ベッテルとの2人で争われた。開幕戦オーストラリアGPではベッテル・第2戦中国GPをハミルトンが制すると以降も一進一退のランキング争いが展開されたが、サマーブレイク後にはハミルトンが3連勝でベッテルを突き放した。一方ベッテルはアジアラウンドに入り第14戦シンガポールGPと第16戦日本GPの2戦でリタイアとなったことで大きく引き離され、第18戦メキシコGPでハミルトンが2年ぶり4回目のタイトルを獲得し[2]、全戦完走も達成した。
引退したロズベルグに代わってメルセデスに移籍したバルテリ・ボッタスは移籍3戦目となる第3戦バーレーンGPで初のポールポジションを獲得。続く第4戦ロシアGPで初優勝を飾った[3]。そしてハミルトンがチャンピオンを確定した後、第19戦ブラジルGPでポールポジションと2位、最終戦アブダビGPでポール・トゥ・ウィンを飾った。フェラーリのキミ・ライコネンはモナコGPで2008年フランスGP以来となるポールポジションを獲得。表彰台に安定して上り、復帰直後の2012年以来となる200ポイント越えを記録してランキング4位を獲得、チームのランキング2位にも貢献した。
一方、レッドブルはエースドライバーのダニエル・リカルドが1勝・昨年史上最年少優勝者となったマックス・フェルスタッペンが2勝を挙げたものの、シーズンを通じてPUやマシンのトラブルが多発しリタイア数が大幅に増加。終盤はPUコンポーネント交換によるグリッドペナルティを何度も受けながらの出走を強いられ、上位2チームに大差をつけられたコンストラクターズランキング3位でシーズンを終えた。
中団グループの争い
フォース・インディアは両ドライバーが安定した走りを見せ、2人でモナコGP以外すべて入賞という安定した成績を残しランキング4位を維持した。ランキング5位となったウィリアムズは新人ランス・ストロールがアゼルバイジャンで3位表彰台を獲得、ボッタスのメルセデス移籍に伴って引退を撤回したフェリペ・マッサが堅実な走りで入賞を繰り返すなどポイントを稼ぎ、6位以下のチームを大きく引き離した状態でシーズンを終えた。マッサは11月4日、改めて2度目の引退を表明した[4]。
その一方で6位以下はルノー、トロ・ロッソ、ハースが最終戦まで順位を争った。その中でトロ・ロッソはシーズン中にダニール・クビアトが解雇、カルロス・サインツJr.がルノーへレンタル移籍したことでピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレイの新人2人に交代するという大きな人事異動が行われた他、来年以降ホンダのPU搭載が発表される(後述)など変革の一年となった。
マクラーレンとホンダの提携終了
2015年から手を組んだマクラーレン・ホンダ。前年にコンストラクターズランキング6位となりさらなる飛躍が期待された今シーズンだったが、2015年と同様にプレシーズンテストからトラブルが多発。開幕後も性能と信頼性の不足を露呈し、シーズン序盤からPUコンポーネントを何度も交換した結果4戦目ロシアGPでストフェル・バンドーンが規定数を超え、グリッドペナルティを受ける事態となった。フェルナンド・アロンソはメディアを通してホンダPUへの不満を繰り返し述べ、第12戦ベルギーGPの終了後には「ホンダエンジンでなければフロントローを取れた」と発言した。
結果、9月15日にマクラーレンはホンダとの提携を2017年をもって解消、翌2018年はルノーからパワーユニットの供給を受けることを発表。一方ホンダはトロ・ロッソにパワーユニットを供給することになった[5]。「マクラーレン・ホンダ」の第2期にとって最後のシーズンとなった本年は30ポイントを獲得しランキング9位で終えた。
その他のトピック
- この年にデビューしたドライバーは前述したウィリアムズのストロールが開幕戦からエントリーした他、スポット参戦でザウバーのアントニオ・ジョヴィナッツィ、途中からの参戦でトロ・ロッソにてガスリーとハートレイがデビュー。トロ・ロッソの2人は次年度フル参戦することが決定している。逆にクビアトとジョリオン・パーマーがシーズン途中でシートを失った。
- 1月23日、リバティメディアによるフォーミュラワン・グループ買収手続きが完了したことに伴い、バーニー・エクレストンが同社のCEOを退任し名誉会長となった[6]。
- 1月6日、マノー・レーシングが破産を申請[7]。同月27日になっても売却先は見つからず、チーム消滅が決定した[8]。これにより2010年から参戦開始した新規3チーム(ロータス・レーシング[9]、HRT、ヴァージン[10])は全て消滅した。
- 4月12日、フェルナンド・アロンソがインディ500への参戦を表明。代役として前年引退し本年はマクラーレンのリザーブドライバーを務めるジェンソン・バトンが出走した。
- 4月30日、ホンダが2018年からザウバーへのパワーユニット供給を発表。しかし、ザウバーは7月27日に契約の白紙撤回を発表し[11]、翌28日にフェラーリの最新仕様パワーユニット供給契約を発表した[12]。
- 7月19日、2018年からコクピット保護システムとして「Halo」を導入することを発表[13]。
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レギュレーションの変更
技術規定
- 従来パワーユニット(エンジン+MGU)の開発を制限していたトークンシステムが廃止された[14]。
- タイヤ幅がフロント305mm・リア405mmにワイド化され、それに伴いフロントウィングが最大1800mm幅に、フロア及びサイドポッドは最大1600mm幅に拡大。またリアウィングの高さが最高800mmに下げられ、前年と比べると全体的に「ロー&ワイド」な形になる[15]。マシンの最低重量も20kg増の722kgとなる予定だったが[15]、開幕直前になりタイヤ重量増によりさらに6kg増やされ728kgとなった。
- FIAは、空力パフォーマンスの向上を図るように設計されたサスペンションシステム(トリックサスペンション)は違法であると判断。これによりトリックサスペンションを採用する予定だったメルセデスとレッドブルは、開幕戦を前にサスペンションのデザイン変更を余儀なくされた[16]。
- 燃料ブレンドは1シーズン5つしかノミネートできず、レースが行われる週末はそのうちの2つしか使用できない。
- モナコGPより、FIAがリアのジャッキポイントについて修正を通達。イギリスF4で両足切断の重傷を負ったビリー・モンガーの事故を受けてのもの。
- レッドブルが「一部のチームがエンジンオイルを燃料の一部としてエンジン内で燃焼させている」として、FIAに調査と規制を行うことを求めた結果、同年のアゼルバイジャンGPから「エンジンオイルに使用できる成分を明示する」規制が追加された他[17]、イタリアGPからは「エンジンオイルの消費量を100kmあたり0.9リットル以下に制限する」規制が設けられた[18]。ただしイタリアGPより前から使用しているエンジンを継続使用する場合はこの規制の対象外となる[19]。
競技規定
- この年は年間20戦に減ったため、ドライバー一人につき使用できるパワーユニット(PU)数は年間4基に減らされる[20][21]。
- 搭載PUが未定のコンストラクターが存在する場合に、FIAがPUマニュファクチャラーに対し年間1200万ユーロでPUを供給することを義務付けることができるようになった[21]。対象となるのは原則として「カスタマー数が最も少ないマニュファクチャラー」で、そのようなマニュファクチャラーが複数存在する場合はくじ引きで供給元を決める[21]。
- 前年まで行われていた「一度のグランプリでペナルティをまとめて受けることで、本来のPU基数制限を超えてPUのストックを作る」ような行為が禁止される[22]。
- ドライバーがヘルメットのカラーリングを変更できる条件が「チームを移籍した場合」もしくは「年間1イベントのみの特別カラーリング」に変更[22]。
- タイヤ選択ルールは前年と同様だが、開幕5戦については「プレシーズンテストの前に選択期限が来てしまう」ため[23]、ピレリから全ドライバー共通のタイヤセットが供給される(ドライバー側での選択不可)[22]。
- レーススタート時にウエットコンディションだった場合でもスタンディングスタート方式が採用される[24]。また、セーフティカー終了後のレース再開時も毎回スタンディングスタートを行う。
- ドライバー同士が接触した際、どちらの過失か完全に明らかになった場合のみペナルティを科せられることになった。また、前年のアメリカGPから採用された「ブレーキング時のライン変更禁止」についてはレギュレーションから消えた[25]。
- ブルーフラッグに関する手順を変更。シーズン開始当初は周回遅れとなるドライバーへ警告を出すタイミングを1.0秒差に変更された。しかし、空力面の変更により周回遅れの処理が難しくなったため、アゼルバイジャンGP以降は1.2秒差に再変更された[26]。
- バーレーンGP以降、グリッド枠から外れた位置でスタートした場合はペナルティが科されることになった[27]。
- スペインGP以降、ドライバーの名前やカーナンバーの視認性を高めるため、スポーティングレギュレーションをより厳格に適用することになった。
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参戦チーム・ドライバー
要約
視点
エントリーリスト
前年度チャンピオンのニコ・ロズベルグが電撃的に引退を発表したため、1994年以来23年ぶりに前年度のチャンピオンが不在となった。また、3年連続でカーナンバー「1」が不在のシーズンとなる。
マノーの撤退に伴い10チーム20台のエントリーとなった[28]。
ドライバー変更
- メルセデスはニコ・ロズベルグの引退に伴い、バルテリ・ボッタスがウィリアムズから移籍。代わってフェリペ・マッサが引退を撤回し、再びウィリアムズで走ることになった[36]。
- パスカル・ウェーレインはROCでの負傷によるトレーニング不足を理由に、オーストラリアGPと中国GPを欠場。ザウバーは代役として、アントニオ・ジョヴィナッツィを起用した。
- フェルナンド・アロンソはインディ500参戦のため、モナコGPを欠場。代役としてジェンソン・バトンを起用[59]。
- マッサはハンガリーGPのフリー走行で体調不良を訴え欠場。ウィリアムズはリザーブドライバーのポール・ディ・レスタを予選以降の代走に起用した。
- トロ・ロッソは、ダニール・クビアトに代えてピエール・ガスリーをマレーシアGPと日本GPの2戦で起用。アメリカGPでは、ガスリーがスーパーフォーミュラに出場するため欠場、サインツがルノーに移籍し、ブレンドン・ハートレイとクビアトを起用[65]。メキシコGP以降はハートレイとガスリーが起用され、クビアトはチームを解雇された[83]。
- ルノーはアメリカGP以降、ジョリオン・パーマーに代わりトロ・ロッソから移籍したカルロス・サインツを起用。
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開催予定地
要約
視点
2016年11月30日のFIA世界モータースポーツ評議会において、日程が正式決定した[84]。前年より開催枠が1つ減り、全20戦でシーズンが進行する。
前年からの変更点
- バーニー・エクレストンがホッケンハイムリンク代表との交渉決裂を受け、ドイツグランプリが開催されないことが決まる[85]。
- 前年バクー市街地コースで開催されたヨーロッパグランプリが、アゼルバイジャングランプリへ名称変更となる。
- アゼルバイジャンでの開催は、暫定版より1週間遅れとなる6月25日に行われることになった。前年はカナダグランプリとの連戦で長距離移動を伴う厳しいスケジュールとなっていたが、2週間の間隔が空いたためその問題は解消される形となる[84]。また前年はル・マン24時間レースとスケジュールが重なり大きな波紋を呼んだが、このスケジュール変更によりバッティングは回避された。
- アゼルバイジャンの日程変更およびドイツグランプリの未開催が決定し、続くオーストリアグランプリ・イギリスグランプリ・ハンガリーグランプリが暫定版より1週間後ろにずれることになった[84]。よって、4週間のサマーブレークは予定どおり確保される。
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シーズン結果
要約
視点
レース
ドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップ(選手部門)
上位10台には以下のポイントが加算される。
(略号と色の意味はこちらを参照)
コンストラクターズ・ワールド・チャンピオンシップ(製造者部門)
ポイントシステムおよび以下の書式はドライバー部門と同一である。
ペナルティポイント
ペナルティポイントが12ポイントに達すると1戦出場停止。ポイントは12ヶ月間有効となる。
- 前年度繰越の()内の数字は、開幕時点の有効ペナルティポイント。
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カーナンバー
固定ナンバーで使用されていたナンバーで、最後に使用されてから2年以上経った場合、別のドライバーが使用できるようになっている。そのため、4(マックス・チルトン)、10(小林可夢偉)、25(ジャン=エリック・ベルニュ)、99(エイドリアン・スーティル)はこのシーズンから別のドライバーが使用可能となる。
テレビ放送
日本
→日本におけるテレビ放送の詳細については「F1グランプリ」を参照
- テレビ
- 2016年10月14日にフジテレビが2017年の放映権を獲得したことを正式発表した。CS放送のフジテレビNEXTで全レースをフリー走行から決勝まで完全生中継する。前年に引き続き、日本GPの決勝をBSフジで録画中継する。
- ストリーミング配信
- 下記のいずれかでフジテレビNEXTに加入すると、インターネット経由でF1生中継を視聴できる。
- スカパー! - スカパー!オンデマンド
- J:COM - J:COMオンデマンド
- ひかりTV - ひかりTVどこでも
- 下記のいずれかでフジテレビNEXTに加入すると、インターネット経由でF1生中継を視聴できる。
-
- DAZNでもF1生中継の視聴が可能で、NTTドコモの契約者は2月15日より開始される「DAZN for docomo」を利用すると、月額980円でDAZNのサービスを利用できる(NTTドコモ以外でDAZNを利用する場合は月額1750円)[121]。スマートフォン、タブレット、PCの他、Amazon Fire TV、Fire TV Stick、Chromecast、ひかりTVに対応している。
イギリス
チャンネル4がFOMと2019年までの契約を結び、前年と同様に年間10レース(2017年はバーレーンGP、モナコGP、イギリスGP、アブダビGPなど)を生中継する(残り10レースはハイライト)。モナコGPについては5年ぶりに地上波での生中継が復活した[122]。なお、Sky Sportsは引き続き全レースをフリー走行から決勝まで完全生中継する[123]。
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脚注
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