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2023年のF1世界選手権
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2023年のF1世界選手権は、国際自動車連盟(FIA)フォーミュラ1世界選手権の第74回大会として開催された。
2023年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 2022 | 翌年: | 2024 |
一覧: 開催国 | 開催レース |

概要
3月5日のバーレーンGPにて開幕、11月26日のアブダビGPにて閉幕する。当初のカレンダーではF1史上最多の24戦を予定していたが、開幕前に中国GP新型コロナウイルス感染症の影響により中止となり全23戦となった[1]。また、5月21日に開催予定だった第6戦のエミリア・ロマーニャGPは、豪雨により発生した洪水により中止となり、代替開催もないため2022年と同じく全22戦となった[2]。初開催となるGPは第22戦のラスベガスGPで、決勝は土曜日に行われ、これは1985年南アフリカGP以来となる[3]。
レギュレーションの変更
要約
視点
技術規定
- ポーパシング制限ルール[4]
- 安全上の懸念を理由とした変更のため、チームによる投票はなくFIA単独で決定したとされている。
- フロア・エッジ高を15mm引き上げ[注 1]。
- ディフューザー・スロート高の引き上げ。
- ディフューザー・エッジの剛性強化。
- 振動を監視するセンサーの追加義務付け。
- フロントウイングの形状[6]
- メルセデスのF1 W13で使用される予定だったスロットギャップ・セパレーターは、不公平な空力優位性を与える可能性があると認識したためFIAにより空力規定の文言が変更された[注 3]。しかし、セパレーターが各エレメントを『構造的に接続』している事を証明さえすれば使用できるようになったため、フェラーリはSF-23で使用した。
- ミラーの形状[7]
- 後方の視認性を向上させるために変更される。
- ミラーのサイズの幅が150×50mmから200×60mmに拡大。
競技規定
タイヤ
FIAが「週末に使用されるタイヤ本数を削減したい」という考えから、試験的に2大会において供給するタイヤのセット数が『13』から『11』に変更。その大会では供給されるタイヤセットの配分の変更や、予選において使用タイヤが義務づけられた(雨天時を除く)[10]。またピレリは、元々のC1とC2の間に新たなタイヤを導入することを発表。この変更は他と比較し、グリップが大幅に低下するC1タイヤへの批判を受け、各チームにより柔軟な戦略を提供することが出来るようになった[11]。さらに、雨天時のレース性に対する批判を受け、ピレリはウェットレースでのセーフティカーと赤旗の必要性が減少することを期待し、新たなフルウェットタイヤを導入した。新たなフルウェットタイヤは、第6戦のエミリア・ロマーニャGP以降に運行される予定[12]。また、遅くとも来季開始までには完全に導入することを目標とし、今年中に視認性を向上させ、飛沫を減少させるために設計されたドライ固有のボディワークを試験することを目指している。
- 供給されるタイヤセット
- 予選での使用タイヤ
- Q1:ハード
- Q2:ミデイアム
- Q3:ソフト
プレシーズンテスト
シーズン前に行われるプレシーズンテストは、6日間から3日間と削減された。今年のプレシーズンテストはバーレーン・インターナショナル・サーキットで2月23〜25日の間に行われる予定。
無線
短縮レース時に付与されるポイントの規約変更
2022年の競技規定により、赤旗にて終了したレースはラップリーダーが消化した周回数に応じて付与されるポイントが変動することになった。しかし、2022年の日本GPにて、レース消化率は52.8%だったのにもかかわらず、チェッカーフラッグが振られレースが終了したためフルポイントが付与された[14]。その後、規定を見直すと発表され規定の文言が修正された[15][16]。
スプリント
2022年9月27日の世界モータースポーツ評議会にて、開催数を3回から6回へ増やすことが承認された[17]。開催地は、アゼルバイジャンGP、オーストリアGP、ベルギーGP、カタールGP、アメリカGP、サンパウロGP[18]。
スプリントが実施されるグランプリのフォーマットは2022年とは異なり、新たな形式が採用された。従来のスプリントでは、土曜日のFP2の意味がなくなることや決勝に向けて積極的に攻められない点などが指摘されていた。新たなスプリントは決勝のグリッドを決めるためではなく、独立したイベントとして実施される。新たなスプリントのレースフォーマットは、金曜日にFP1と決勝にむけた予選、土曜日はスプリントにむけた予選のスプリント・シュートアウトとスプリント、日曜日に決勝が行われる。スプリント・シュートアウトは通常の予選より、時間が短くSQ1は12分、SQ2は10分、SQ3は8分となる。また、タイヤに関する規定により、SQ1,2はミディアム、SQ3はソフトをそれぞれ新品のセットでの使用義務がある[19]。
政治的ジェスチャーの制定
FIAの国際スポーツ規定が更新され、ドライバーとチームが『政治・宗教・個人的声明』を発表する事に対し、より厳しい管理が含まれるようになった[20]。第12.2.1条では、『ドライバーとチームは政治的声明や抗議を行う前にFIAへの許可を受けなければならず、許可のない抗議はFIAの中立性規則の違反とみなされる。』と述べられている[21]。FIAは国際スポーツ法(ISC)のこの更新は、2013年にオリンピック憲章を通じ、公式に認められている国際オリンピック委員会の政治的中立性の倫理的原則に沿って行われたと述べている。FIAの会長モハメド・ビン・スライエムは、『個人的な議題』を満たすために使用されないようルールを変更したと述べている。
これらの規則が、ドライバーとチームから『表現の自由、ドライバーとチームが価値のある原因であると信じているものについての見解を表明する能力』についての懸念を受け、FIAは今年の2月に、以下を『政治・宗教・個人的声明』を発表する事が禁止されることを明らかにした。『政治に敏感な人々・生死・軍事的・政治的な紛争・分離主義運動・各国の政府・重要な宗教人物についての声明』また各レースのスチュワードは、ドライバーが『それぞれ個別にFIAの中立性規則に違反したかどうか』を判断する必要がある。ドライバーはレース外やFIAの記者会見でのメディアとの質疑応答、個人のソーシャルメディアで潜在的な制裁に直面することなく、政治的・宗教的なトピックに関する意見を自由に共有することができる。中立性規則に違反する可能性のある声明を出すために、FIAからレースの4週間前に通知する必要がある。
新型コロナウイルス規約の緩和
FIAは2020年に導入された新型コロナウイルス規約を緩和するため、さらなる措置を講じる予定[22]。制限の緩和には、パドックで働く人々のための予防接種証明の必要性の除去が含まれる。FIAは以前、2022年に必須のマスクとコロナ検査を取り下げていた。
金融規定
予算の上限は1億3500万ドルに削減された[23]。前年は元々1億4000万ドルに設定されていたが、様々なインフレーションを考慮し、1億4240万ドルに増加した。当初F1委員会により、ヨーロッパでのレースと比較してヨーロッパ以外でのレースの高額出費を考慮するため、カレンダーが21戦を超える場合、将来のコストキャップの増加を1レース120万ドルから180万ドルに引き上げることに合意した。また、チームがコスト上限をより簡単に遵守できるように、コスト上限監査が実施されている際にFIAに工場へのアクセスを容易にすることに合意した。ファクトリーの冬季閉鎖は、既存の夏季閉鎖と同じように導入された[24]。
コスト上限
アストンマーティンとレッドブルは、2021年のコスト上限の違反を行っていた。だが監査と違反の発見は前年だったため、本年に罰則が課された。アストンマーティンは、FIAと手続き違反に対する45万ドルの罰金の違反契約(ABA)を締結した。後に予算上限は超えていないことが判明したが、FIAとの手続き規則には違反していた。レッドブルは、会計ミスと過剰支出の組み合わせにより、コスト上限を約180万ポンド超過したことが判明した。イギリスの税額控除が正しく計上されていた場合、総過剰支出は43万2652ポンドまたはコスト上限の0.37%だった。レッドブルは、700万ドルの罰金と空力テストの許容量の10%削減のABAを締結した。レッドブルは、2022年のコンストラクターで1位になったため、基本のテスト時間が70%から63%に減少した[25]。
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その他
運営組織の変更
2023年2月、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムが、FIA内部のF1運営組織の再編が完了したと発表した。最高経営責任者(CEO)に元ボルボ・カーズCEOのナタリー・ロビンが就任し、ニコラス・トンバジスがシングルシーターレーシング担当ディレクター、スティーブ・ニールセンがスポーティングディレクターとなる[26]。トンバジスの後任のテクニカルディレクターには、副ディレクターのティム・ゴスが昇格する[27]。一方でスライエム自身は、今後はF1の運営業務からは離れる。
またこれらの動きとは別個に、リバティメディア(フォーミュラワン・グループ)側のマネージングディレクターだったロス・ブラウンが、2022年限りで同職を退任している。
参戦チーム・ドライバー
エントリーリスト
- 前年度チャンピオンのマックス・フェルスタッペンはカーナンバー「1」を継続して使用する[28]。2014年に固定ナンバー制度が導入されて以来、カーナンバー「1」を継続使用するのはフェルスタッペンが初となる。
チーム名・ドライバーの変更
チーム名の変更
ドライバーの変更
- 開幕前
- アストンマーティン:2022年をもって現役を引退するセバスチャン・ベッテルに代わり、フェルナンド・アロンソを起用する[68]。そして、フェリペ・ドルゴヴィッチをリザーブドライバーとして起用し、ストフェル・バンドーンをリザーブ兼テストドライバーとして起用した[69]。
- マクラーレン:チームから離脱したダニエル・リカルドに代わり、オスカー・ピアストリを起用する[53]。そして、アレックス・パロウをリザーブドライバーとして起用し[55]、メルセデスのリザーブドライバーであるシューマッハを兼任でリザーブドライバーに起用し[56]、アストンマーティンのリザーブドライバーであるドルゴヴィッチと、リザーブ兼テストドライバーであるバンドーンを兼任でリザーブドライバーとして起用した[57]。
- アルピーヌ:アストンマーティンに移籍したアロンソに代わり、ピエール・ガスリーを起用する[50]。そして、ジャック・ドゥーハンをリザーブドライバーとして起用した[49]。
- アルファタウリ:アルピーヌに移籍したガスリーに代わり、ニック・デ・フリースを起用する[76]。
- ハース:チームから離脱したミック・シューマッハに代わり、ニコ・ヒュルケンベルグを起用する[74]。
- ウィリアムズ:チームから離脱したニコラス・ラティフィに代わり、ローガン・サージェントを起用する[83]。
- レッドブル:マクラーレンから離脱したリカルドをテスト兼サードドライバーとして起用した[33]。また、今年からレッドブル・ジュニアのドライバーとなったゼイン・マロニーをリザーブドライバーとして起用した[34]。
- メルセデス:ハースから離脱したシューマッハをリザーブドライバーとして起用した[44]。
- フェラーリ:アントニオ・フォコとダビデ・リゴンを開発ドライバーとして起用した[40]。
- アルファロメオ:テオ・プルシェールをリザーブドライバーとして起用した[65]。
- 開幕後
フリープラクティスドライバー
昨シーズン以降F1チームには、レース出場が2回以下のルーキーを金曜日のFP1で走行させる義務が年間2回(各車1回)課せられている[87]。ルーキーには過去に出走2回以下の新規レギュラードライバーも含まれ、マクラーレンのオスカー・ピアストリ、アルファタウリのニック・デ・フリース、ウィリアムズのローガン・サージェントがこれに該当する。 一方でアルファタウリから出場したリアム・ローソンはレース出走回数が2回以下ではあったが、デ・フリース車として義務を果していたので対象とはならない。
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開催予定地
要約
視点
第4戦として予定されていた中国GPは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、プロモーターおよび関連当局との対話を経て中止となった[92]。1月に中国GPの主催者側はカレンダー復帰に向けて協議を開始したが[93]、F1は1月17日に中国GPの代替レースは行わず、全23戦で選手権を開催することを発表した[94]。
5月17日、第6戦として予定されていたエミリア・ロマーニャGPは、イタリア北部で記録的な豪雨による洪水が発生し、ファン、チーム、関係者にとって安全にイベントを開催することが出来ないため中止となった[95]。
- Sスプリント(決勝前日実施) - 第4戦アゼルバイジャンGP(17周)、第10戦オーストリアGP(24周)、第13戦ベルギーGP(11周)、第18戦カタールGP(19周)、第19戦アメリカGP(19周)、第21戦サンパウロGP(24周)
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シーズン結果
要約
視点
レース
- Sprint : スプリントレース
- Race : 決勝レース
ドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップ(選手部門)
- 決勝レースの上位10台とスプリントの上位8台には以下のポイントが与えられる。
(略号と色の意味はこちらを参照)
- S : スプリントレース
- R : 決勝レース
コンストラクターズ・ワールド・チャンピオンシップ(製造者部門)
- ポイントシステムおよび以下の書式はドライバー部門と同一である。
- S : スプリントレース
- R : 決勝レース
ペナルティポイント
- ペナルティポイントが12ポイントに達すると1戦出場停止。ポイントは12ヶ月間有効となる[97]。
- 前年度繰越の()内の数字は、開幕時点の有効ペナルティポイント。
戒告処分
- 戒告処分が1シーズン中に5回に達し、5回のうち4回がドライビングに関する違反に対する戒告の場合、5回目の戒告が発せられたグランプリの決勝グリッド(5回目の戒告が決勝レース中の場合は次戦の決勝グリッド)において10グリッド降格となる[120]。
- ● : 有効戒告処分。
- ○ : ペナルティ消化後の戒告処分。
- ▲ : 有効戒告処分 (非ドライビング)。
- △ : ペナルティ消化後、もしくは累積に含まない戒告処分 (非ドライビング)。
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カーナンバー
これまでに使用されたカーナンバーのうち、2023年から使用可能となるのは以下の通り。番号以下は以前の使用者。
- 8:ロマン・グロージャン
- 26:ダニール・クビアト
- 51:ピエトロ・フィッティパルディ
- 89:ジャック・エイトケン
テレビ放送・インターネット配信
日本
脚注
関連項目
外部リンク
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