神戸大学 (こうべだいがく、英語 : Kobe University )は、兵庫県 神戸市 灘区 六甲台町 1番1号に本部を置く日本 の国立大学 である。1902年 創立、1949年 大学設置。略称 は神大 (しんだい)あるいは神戸大 (こうべだい)[注釈 1] [注釈 2] 。
戦前の旧制 時代からの歴史を持つ旧官立大学 の一校であり、一橋大学 、大阪公立大学 と共に旧三商大 の一校である。
建学の精神(理念・学是)
「学理と実際の調和」を理念としている。神戸高等商業学校設立以来、「真摯」「自由」「協同」の精神で、社会に貢献するような指導的人材を育成する世界的研究・教育機関 たることを目指している。
ビジョン
「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」
教育および研究
イギリス の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社」によるQS世界大学ランキング 2020(2019年)では、第395位、アジア第59位である[5] 。
2007年 (平成 19年)に、理学 ・工学 ・システム情報学 ・農学 ・海事科学 の5研究科に加え、自然科学 系の5つの研究センターが参加する学際組織、「自然科学系先端融合研究環 」を設置。2016年 (平成28年)に「先端融合研究環 」へと改組。2011年 (平成23年)には神戸ポートアイランド に先端的・融合研究を集積する目的で「統合研究拠点 」を設置している。このように、文理・分野融合を意識した横断的な研究開発、人材育成に力を入れている。
EUインスティテュート関西 のコンソーシアムメンバーとして参加しており、通常の留学 支援だけでなく、専門教育と留学の双方を中心に据えた独自性の高い少数精鋭教育プログラム「EUエキスパート人材養成プログラム (KUPES)」[6] 「5年一貫経済学国際教育プログラム (IFEEK)」[7] 「KIBER Program」[8] 等を実施している。
年表
旧制神戸商業大学(1930年頃)
1949年 国立学校設置法施行に伴い、神戸地区に所在していた神戸経済大学 ・神戸経済大学予科 ・神戸工業専門学校 ・姫路高等学校 ・兵庫師範学校 ・兵庫青年師範学校 を包括して神戸大学を設立。文理学部、教育学部、法学部、経済学部、経営学部、工学部を設置。
1953年 大学院法学研究科・経済学研究科・経営学研究科(修士課程・博士課程)を設置。
1954年 文理学部を文学部と理学部に分離。
1955年 工学専攻科を設置。
1957年 理学専攻科を設置。
1958年 文学専攻科を設置。
1963年 教養部 設置。
1964年 兵庫県立神戸医科大学 (旧制兵庫県立医科大学 )が神戸大学へ移管され、同大学を母体に医学部を設置。工学専攻科を改組して大学院工学研究科(修士課程)を設置。
1965年 理学専攻科を改組して大学院理学研究科(修士課程)を設置。教育専攻科を設置。
1966年 兵庫県立兵庫農科大学 が神戸大学へ移管され、同大学を母体に農学部を設置。
1967年 大学院医学研究科(博士課程)を設置。
1968年 文学専攻科を改組して大学院文学研究科(修士課程)を設置。
1972年 大学院農学研究科(修士課程)を設置。
1980年 大学院文化学研究科(博士課程)を設置。
1981年 大学院自然科学研究科(博士後期課程)を設置。教育専攻科を改組して大学院教育学研究科(修士課程)を設置。
1992年 教養部と教育学部を統合改組して国際文化学部と発達科学部を設置。大学院国際協力研究科(修士課程)を設置。これまでの小学校・中学校の教員養成機能は新設された兵庫教育大学 が担うことになった。
1994年 大学院農学研究科・工学研究科・理学研究科を統合改組して大学院自然科学研究科(博士前期課程)を設置。医療技術短期大学部 を改組して医学部保健学科を設置。
1995年 大学院国際協力研究科(博士課程)を設置。阪神・淡路大震災 により、44人(学生・留学生39人、教職員3人・生協職員2人)の神戸大学関係者が死亡する。大学の校舎は一つも倒壊しなかったが、研究用の機械・機器類の破損や建物や路面のひび割れなどで約770億円の被害が出る。
1997年 大学院総合人間科学研究科(修士課程)を設置。
1999年 大学院総合人間科学研究科(博士課程)を設置。経営学部を大学院重点化。
2000年 経済学部・法学部を大学院重点化。百年記念館が竣工。
2001年 医学部を大学院重点化。
2002年 創立百周年記念式典を挙行。
2003年 神戸商船大学 と合併し、同大学を母体に海事科学部 を設置。
2004年 国立大学法人法の規定により国立大学法人 へ移行。法科大学院 (大学院法学研究科実務法律専攻)を設置、法学部夜間主コース募集停止。
2006年 経営学部夜間主コース募集停止。
2007年 大学院自然科学研究科を改組して大学院理学研究科・工学研究科・農学研究科・海事科学研究科を設置。自然科学系先端融合研究環を設置。大学院文化学研究科・文学研究科を統合改組して大学院人文学研究科を設置。大学院総合人間科学研究科を改組して大学院国際文化学研究科・人間発達環境学研究科を設置。大学院重点化が完了。
2008年 大学院医学系研究科を改組して大学院医学研究科・保健学研究科を設置。経済学部夜間主コース募集停止。
2010年 大学院工学研究科から情報知能学専攻が独立。「システム科学」「情報科学」「計算科学」の3専攻構成の大学院システム情報学研究科を設置。
2016年 大学院科学技術イノベーション研究科を設置。自然科学系先端融合研究環を先端融合研究環に改組。
2017年 発達科学部と国際文化学部を再編統合した国際人間科学部を設置[10] 。
2018年 医学部推薦入試の地域特別枠で、募集要項に明記せずに過疎地域出身者に有利な配点をしていたと発表した[11] [12] [13] 。100点満点の書類審査において、出身地域ごとに最大25点を段階的に配点していた[11] [12] [14] [15] 。出身高校の所在地や保護者の居住地が医師が少ない地域だった場合は最大25点が得られ、都市部出身者は0点になる仕組みだった[14] [16] 。(詳細は2018年に発覚した医学部不正入試問題 の項目を参照のこと )。
2021年 海事科学部を改組し、海洋政策科学部 を設置[17] [2] 。
水島銕也
神戸高等商業学校
神戸商業大学
神戸経済大学
神戸大学
初代:田中保太郎 (1949年 5月 - 1953年12月) 出身部局:法学部
第2代:古林喜楽 (1953年 12月 - 1959年12月) 出身部局:経営学部
第3代:福田敬太郎 (1959年 12月 - 1963年12月) 出身部局:経営学部
第4代:柚木馨 (1963年 12月 - 1965年11月) 出身部局:法学部
学長事務取扱:國歳胤臣 (1965年 11月 - 1966年2月) 出身部局:法学部
第5代:八木弘 (1966年 2月 - 1969年1月) 出身部局:法学部
学長事務取扱:戸田義郎 (1969年 1月 - 1971年2月) 出身部局:経営学部
第6代:戸田義郎 (1971年 2月 - 1975年2月) 出身部局:経営学部
第7代:須田勇 (1975年 2月 - 1981年2月) 出身部局:医学部
第8代:堯天義久 (1981年 2月 - 1985年2月) 出身部局:工学部
第9代:新野幸次郎 (1985年 2月 - 1991年2月) 出身部局:経済学部
第10代:鈴木正裕 (1991年 2月 - 1995年2月) 出身部局:法学部
第11代:西塚泰美 (1995年 2月 - 2001年2月) 出身部局:医学部
第12代:野上智行 (2001年 2月 - 2009年4月) 出身部局:発達科学部
第13代:福田秀樹 (2009年 4月 - 2015年3月) 出身部局:自然科学系先端融合研究環
第14代:武田廣 (2015年 4月 - 2021年3月) 出身部局:大学院理学研究科
第15代:藤澤正人 (2021年 4月 - ) 出身部局:大学院医学研究科
(この節の出典[18] )
象徴
ロゴマーク
神戸大学のロゴマーク は2002年 (平成14年)の創立百周年を機に制定されたもので、「Kobe University」の頭文字「K」を2羽の鳥に象徴化し、それぞれが大きな軌跡(個性)を描きながら山 や海 を渡り、大空(世界 )へと自由に羽ばたき、時にはお互いに助け合いながら進みゆく様子を表現している。
配色は、鳥 を大学のシンボルカラー のブリックカラー (RGB :R196 / G0 / B0) とし、緑 は山、青 は海をイメージしている。
ロゴタイプ
ゴシック 系フォントを用い、未来 にまっすぐ進む堅実なイメージを表現。世界に発信する神戸大学を、広がりのあるデザインでアピールしている。
校歌
1992年 (平成4年)、神戸大学創立90周年を機に制作された。作詞は詩人の安水稔和 (1954年文学部卒)、作曲は中村茂隆(名誉教授)。
前身の旧制神戸高等商業学校時代の1906年 (明治39年)に学友会歌として作られ、戦後も神戸大学愛唱曲・準校歌として長く歌い継がれた。歌詞は8番まである。「商神」とはギリシア神話 のヘルメス (ローマ神話 のマーキュリー )を指す。作詞は詩人の生忠田兵造、作曲は米田虎之助。
学園祭
六甲祭
六甲台キャンパス の学園祭 。毎年11月上旬に行われる。来場者数は約4万人(六甲祭実行委員会調べ)。
歴史
1980年 (昭和 55年) 第1回六甲祭開催。
1995年 (平成 7年) 震災 があったものの、第16回六甲祭開催。
2002年 (平成14年) 学生の抗議によりミスコンが廃止される。
2011年 (平成23年) 六甲祭実行委員会によりミスコンが復活。
2013年 (平成25年) 六甲台第一キャンパスが工事のため、深江キャンパスにて開催。
2020年 (令和 2年) 新型コロナウイルス感染症の影響で第41回六甲祭中止。
2021年 (令和3年) 前年に引き続き第42回六甲祭中止。
2022年 (令和4年) 3年ぶりに対面で第43回六甲祭開催。
主な企画
プロコンサート
講演会
King of Stage:KUBC(神戸大学放送委員会)が企画・運営。
園遊会ステージ:応援団総部が企画・運営。
六甲祭実行委員会
厳夜祭
夜間主コースの学園祭。六甲祭1日目終了後の午後5時より2日目の午前7時までオールナイトで開催される、異色の学園祭となっている。神戸大学の学園祭としては最も長い歴史を持つ。当初は夜間主コース(当時の名称は第Ⅱ課程)と生協学生委員会・医学部医学科等による「合同祭」として開催されていた。夜間主コースはすでに廃止されており、所属学生も順次卒業していることから、大学側は厳夜祭の廃止を求めている。昼間主コースの学生で構成される厳夜祭実行委員会は存続を求めるための署名活動の他、六甲祭とは異なる基軸として学生ボランティア団体「学生震災救援隊」らとの協力や地域社会との連携・交流を打ち出している。2014年度前期で夜間主生が全員卒業したことを受け、2015年6月に実行委員会は厳夜祭を六甲祭の一企画として実施することを決めた。
歴史
1974年 (昭和 49年) 第1回厳夜祭開催
2014年 (平成 26年) 第41回厳夜祭開催。アルコール提供の廃止・午後10時までの開催に縮小
2015年 (平成27年) 単独開催を断念し、六甲祭に吸収される
主な企画
プロコンサート
講演会
King of Stage:KUBC(神戸大学放送委員会)が企画・運営。
園遊会ステージ:応援団総部が企画・運営。
名谷祭
名谷キャンパス (医学部保健学科)の学園祭。毎年10月中旬に行われる。
深江祭
深江キャンパス(海事科学部)の学園祭。
毎年5月に行われる。深江祭実行委員会が企画・構成を行う。体験乗船、ビンゴ大会、お笑いライブ、模擬店など。
スポーツ
アメリカンフットボール 部はチーム名を神戸大学レイバンズ という。立命館大学 や関西学院大学 など、強豪ひしめく1部リーグの関西学生リーグ Division 1 に1997年から2016年までの20年間連続して所属していた。1990年にはリーグ優勝の期待が高まったが、俗に「国立決戦」と呼ばれる1敗同士の京都大学 とのリーグ最終戦に敗れ、甲子園ボウル 出場はならなかった。1990年代中盤以降低迷し2部リーグに陥落した。1997年の1部リーグ復帰以降は中 - 下位を前後した。2016年の入れ替え戦で21年ぶりに2部に降格したが、1シーズンでDivision1への復帰を決めた。
京都大学 との間で「神京戦」(京大では「京神戦」)という体育会 中心にクラブ活動での対抗試合などが行われている。硬式野球 の旧関西六大学リーグ 構成校は関関同立 4校と京都大学と旧神戸商業大学 (旧神戸経済大学を経て、戦後は神戸大学)の6大学であったが、その中の官立大学 同士の好カードとして人気を集めていたことに由来する。旧関西六大学リーグの改編と解体後、京都大学とリーグが分かれ神戸大学は近畿学生野球連盟 に所属したため、現在の「神京戦」として復活させたもの。なお、応援団 による「神京戦前夜祭」も行われ、毎年多くの学生が昼休みの時間帯に見物をしている。
大阪市立大学および一橋大学との間で「三商大 戦」という体育会中心にクラブ活動での対抗試合など春から秋にかけて行われている。詳細は後述 。
フットサル 部は、全日本大学フットサル大会 において全国大学最多計4回の優勝 を誇る強豪である。
タッチ・フットボール 部女子は、全国大学最多計23回(さくらボウル9回・シュガーボウル3回・プリンセスボウル11回)の優勝 を誇る強豪である。
大学関係者
神戸大学の同窓会 は略歴にあるような事情から学部・学科・研究科別に複数の組織が存在している。神戸大学の同窓組織としてマスメディアなどでよく名前の挙がる社団法人凌霜会 は旧神戸高等商業学校・旧神戸商業大学・旧神戸経済大学とその系譜を組む経済学研究科・経営学研究科・法学研究科・国際協力研究科の4部局ならびに関係する各学部の卒業生と在学生のみを対象とした同窓組織であり、他研究科・学部の卒業生は入会できない組織となっている。そのため、神戸大学全体を代表する同窓組織ではない。
全学横断型の各同窓会の連合体として、神戸大学学友会 が1979年に設立されている。
神戸大学が公式に存在を認めている同窓会と、その対象となる学部学科は以下の通り。(それぞれ、前身となる学校・学部・研究科等を含む)
文窓会(文学部・人文学研究科)
翔鶴会(国際文化学部・国際文化学研究科)
紫陽会(発達科学部・人間発達環境学研究科)
社団法人凌霜会 (経済学部・経営学部・法学部・経済学研究科・経営学研究科・法学研究科・国際協力研究科)
くさの会(理学部・理学研究科)
社団法人神緑会 (医学部医学科・医学研究科)
就進会(医学部保健学科・保健学研究科)
社団法人神戸大学工学振興会 (工学部・工学研究科・システム情報学研究科)
六篠会(農学部・農学研究科)
海神会(海事科学部・海事科学研究科)
神戸大学のキャンパスは全て神戸市内に所在し、一部を除いて殆どの付属施設が神戸市内のキャンパスに存在する。
キャンパス
大学公式ホームページ等では「地区」または「キャンパス」という呼称が並存している。キャンパス名に関しては、医学部・医学系研究科と海事科学部・海事科学研究科のキャンパスは所在地の地名があてられている。それ以外の学部・研究科のキャンパスの場合、キャンパス名は学部名を冠したものや地名を冠したものとで揺れがある。
六甲台地区
六甲台キャンパス正門
本地区は六甲山 とその山の手に広がる住宅地に接しており、事務局・附属図書館・医学部と海事科学部を除く各学部・研究科および付属施設が存在する。この地区へ行く際には、阪急 六甲駅 、JR 六甲道駅 および阪神 御影駅 から徒歩、神戸市バス といった方法がある。学生の車通学は禁止されているため、下宿生を中心にバイクで通学する者が多い。地区内の移動は基本的には徒歩である。
六甲台地区の敷地面積は、435,378 m2 。
鶴甲第2キャンパス
本キャンパスは全学のキャンパスの中で最北に位置し、南東側に鶴甲第1キャンパスがある。この両キャンパスの間には神戸市立鶴甲小学校 があり、そのさらに南東を兵庫県道95号灘三田線 が通る。
鶴甲第1キャンパス
使用学部:国際文化学部、国際人間科学部(グローバル文化学科)
使用研究科:国際文化学研究科
使用付属施設:国際コミュニケーションセンター、大学教育推進機構、総合・国際文化学図書館
所在地:兵庫県神戸市灘区鶴甲1丁目2番1号(北緯34度43分48.7秒 東経135度14分11.5秒 )
最寄のバス停留所は、神戸市営バス16系統 「神大国際文化学研究科前」
本キャンパスでは語学、一般教養、総合教養、教養原論等の全学共通授業科目の講義が行われている。本キャンパス側から灘三田線を跨ぐ歩道橋を渡った所に学生会館があり、その西側に六甲台キャンパスが、南側に工学部キャンパスがある。2008年5月に工学部店に次ぐ2店目のセブン-イレブン 国際文化学部店が開店した(場所はA棟1階)[117] 。
六甲台第1キャンパス
使用学部:法学部、経済学部、経営学部
使用研究科:法学研究科、経済学研究科、経営学研究科、国際協力研究科
使用付属施設:経済経営研究所 、社会科学系図書館、経済経営研究所図書館、学生会館など
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲台町 2番1号(北緯34度43分42.2秒 東経135度14分5.3秒 )
最寄のバス停留所は、主に神戸市営バス36系統「神大正門前」。法学部および図書館などへ直接向う場合は「六甲台」。
旧神戸経済大学(神戸商業大学)以来のメインキャンパス。旧神戸商業大学正門 も、現在の神戸大学正門として引き継がれている。
1929年(昭和4年)に大学昇格を果たした旧神戸商業大学が、手狭になった旧葺合校地から、南北朝時代 に築かれた赤松城址 (現在の六甲台 キャンパス)に順次移転。1935年(昭和10年)には新学舎竣工式を挙行。
社会科学系の学部および大学院研究科を指して、「六甲台」と呼ぶことが多い。
本キャンパス内の旧神戸経済大学(神戸商業大学)学舎群、現在の六甲台本館(1932年、昭和7年築)・社会科学系図書館(1933年、昭和8年築)・兼松記念館(1935年、昭和10年築)・講堂(同じく1935年、昭和10年築)・武道場(艱貞堂)は登録有形文化財 になっている[118] [119] 。
2009年、上記六甲台講堂の改修工事にあたって出光興産 社より多額の寄付を受け、同社の要望によりOBである創業者出光佐三 (旧制神戸高等商業学校 卒:第三期生)の名を冠し、改修完了後の正式名称を「出光佐三記念六甲台講堂」とした。
なお、兼松記念館は二代目。神戸商業大学の六甲台移転後の葺合校地は、旧制神戸市立中学校の校地となり、戦後はその後身校たる神戸市立葺合高等学校 に継承され現在に至っている。旧神戸高等商業学校時代に寄贈・竣工された初代兼松記念館(1921年、大正10年竣工)は、長らく旧市立中の本館として使用されていたが、戦災により大破、その後損傷の激しい2階部分を除去し1階建に改築して神戸市立葺合高等学校の本館として長く使用されていた(なお旧神戸高等商業学校時代の石造の正門は、現在も神戸市立葺合高等学校正門として使用されている)。現在は改築され、第一体育館として使われている。
1995年 1月17日 に発生した阪神・淡路大震災 で犠牲になった神戸大学関係者の霊を悼むため、兵庫県南部地震神戸大学犠牲者慰霊碑が六甲台本館の前庭に建立されており、毎年同日に献花が行われている。
ごく一部に「六甲台キャンパス」という呼び方がある。
南東側に工学部 キャンパスが、西側に神戸松蔭女子学院大学 や六甲中学校・高等学校 が位置する。
六甲台第2キャンパス
新制神戸大学の誕生後、第2次世界大戦後の進駐軍 の居住区域であった六甲ハイツ 跡地を利用し、姫路市 、明石市 、西代 ・松野(神戸市長田区)、赤塚山 ・御影 (神戸市東灘区)に分散されていた各学部の学舎を1960年代に移転配置させてできたキャンパス[120] [121] 。工学部棟、文理農各学部棟、先端融合研究環を含む自然科学総合研究棟がある。(北緯34度43分34.7秒 東経135度14分7.1秒 )
工学部棟周辺
使用学部:工学部
使用研究科:工学研究科、システム情報学研究科
使用付属施設:学術情報基盤センター、都市安全研究センター、研究基盤センター機器分析部門、保健管理センター、自然科学系図書館など
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲台町1番1号
最寄のバス停は、主に神戸市営バス36系統「神大本部工学部前」、都市安全研究センターや研究基盤センター機器分析部門へ直接向う場合は16系統「神大国際文化学研究科前」も。
工学部棟周辺のみを指して「工学部キャンパス」とも呼ぶ。2007年4月、ここに関西の大学の中で初めてセブン-イレブン が出店した。西隣に文理農学部棟があり、少し隔てた東側には親和女子中学校・高等学校 がある。
文理農学部棟周辺
使用学部:文学部、理学部、農学部
使用研究科:人文学研究科、理学研究科、農学研究科、科学技術イノベーション研究科
使用部局:学術・産業イノベーション創造本部、先端融合研究環(自然科学・生命医学系融合研究拠点)
使用付属施設:バイオシグナル総合研究センター、分子フォトサイエンス研究センター、研究基盤センターアイソトープ部門・極低温部門、環境管理センター、神戸大学百年記念館(国際教育総合センター留学生教育部門、神大会館)、瀧川記念学術交流会館、山口誓子 記念館、人文科学図書館など
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲台町1番1号
最寄のバス停は、神戸市営バス36系統「神大文理農学部前」
文理農学部棟周辺を単独で「文理農学部キャンパス」、あるいは「文理農キャンパス」とも呼ぶ。また、文学部 (Letters)、農学部 (Agriculture)、旧自然科学研究科 (Nature Sciences)、理学部 (Science) の頭文字をとって「LANSキャンパス」とも呼ばれている。
名谷地区
名谷キャンパス
名谷キャンパス
深江地区
深江キャンパス
深江キャンパス
学生寮
住吉寮(〒 658-0063 神戸市東灘区住吉山手7丁目3番1号)- 男子寮。鉄筋コンクリート4階建。1人部屋。収容定員194人
住吉国際学生宿舎(〒 658-0063 神戸市東灘区住吉山手7丁目3番1号)- 鉄筋コンクリート5階建。1人部屋。収容定員は男子78人、女子58人
白鴎寮(〒 658-0015 神戸市東灘区本山南町1丁目4番50号)- 鉄筋コンクリート3階建、4階建、6階建。1ユニット4個室。収容定員は男子192人、女子24人
国維寮(〒 657-0813 神戸市灘区高尾通3丁目2番33号)- 鉄筋コンクリート5階建。男女共用。1人部屋。収容定員134人
女子寮[注釈 7] - 鉄筋コンクリート4階建。1人部屋。収容定員78人
学生会館
学生会館 には文化系サークルの部室 や書籍販売・アルバイトの情報を提供する生協書店が存在する。六甲台キャンパス内にあり、位置的には六甲台5部局(経済学研究科、経営学研究科、法学研究科、国際協力研究科、経済経営研究所)・工学研究科・国際文化学研究科の各校舎の中間地点である。
その他の施設
神戸市外にある神戸大学関連の施設としては、上述の神戸大学ビーフを開発した農学研究科附属食資源教育研究センターが加西市 に、基幹研究推進組織内海域環境教育研究センターのマリンサイトが淡路市 に、海事科学研究科附属国際海事教育研究センターの淡路海洋実験実習場が南あわじ市 に、そして、神戸市中央区には、先端融合研究環統合研究拠点、神戸医療産業都市構想 に関わる神戸バイオテクノロジー研究・人材育成センターおよびインキュベーションセンターが存在する。
地方自治体との協定
立地している地域の関係で、主に兵庫県や県下の市町との協定締結が大半[122] である。
(「地域福祉向上、産業振興、教育・文化・スポーツの振興及び発展、人材育成、まちづくりのための連携」を目的としている)
(「文化・教育及び学術の分野で援助・協力し、生涯学習等に関する諸課題や文化遺産を活用した地域との連携事業について協同で研究等に参画」することを目的としている)
(「文化・教育及び学術の分野で援助・協力し、生涯学習等に関する諸課題や文化遺産を活用した地域との連携事業について協同で研究等に参画」することを目的としている)
兵庫県 (まちづくり担当部)(締結日2005年12月2日)
(「県下の市町や県民が取り組むまちづくり、文化及び学術の分野で連携し、地域の歴史的資源の活用、優れた景観の形成等を通じたまちづくりに関する調査・研究」を目的としている)
(県と共同で医療行政の研究を実施することで、地域医療に貢献することを目的としている)
(文化・教育・学術の各分野で連携することで、生涯学習等に関わる諸問題や文化遺産を活かした地域との連携事業について協力・共同して研究等へ参画することを目的としている)
(地域の課題に迅速かつ適切に対応し、活力ある個性豊かな地域社会の形成や発展を支援を目的としている)
(長年培われてきた協力連携実績や信頼関係を活かし、さらなる地域活性化と発展を目的としている)
その他、学部や学科ごとに、連携協定を締結している場合もある。こちらも主に兵庫県下の自治体や病院等との提携がほとんどである。例外的に自治体ではないが、国立療養所邑久光明園 (岡山県 瀬戸内市 )等の、県外公共施設との連携協定締結を行っている学科(発達科学部人間発達環境学研究科等)もある[122] 。
国内他大学との協定など
旧制商科大学 (一橋大学 、大阪公立大学 、神戸大学)
第二次世界大戦前の旧制商科大学からの流れを汲む一橋大学(旧制東京商科大学 )と大阪公立大学(旧制大阪商科大学 )の間では毎年体育会系部活動や文科系ゼミの交流が行われている。 これらの交流会やスポーツ対戦はいずれも「旧三商大柔道大会」などのように「旧三商大」という名称が使用されている。また、単純に「三商戦」ともいわれる。
2010年からは、上記の3大学間の交流関係を、実際の学術・教育面にも展開するための協定が締結された。
放送大学学園 と単位互換協定を結んでおり、放送大学で取得した単位を卒業に要する単位として認定することができる[123] 。
交流協定校
共同研究や研究者・学生の交流を行うため、176の大学・機関と大学間交流協定を結んでいる(2019年5月1日現在)。また、237の大学・機関と部局間協定を締結している(2019年5月現在。以下のリストには含まれていない)。
※大学・機関名(締結年)
学生に対するハラスメント事件
2022年 3月4日 、神戸大は、指導するゼミの学生に暴言を吐くなどしたとして、いずれも40代の男性准教授2人を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した[124] 。1人は2021年1月、卒業研究の指導を無断で欠席した4年生の女子学生に「お前不可だぞ。なめてんのか。殺すぞ」と怒鳴り、椅子を蹴飛ばすなどした。もう1人は2020年10月ごろ、4年生の男子学生に「幼稚すぎて指導するレベルにない」などと人格を否定する発言を繰り返し、他大学の大学院に合格した別の男子学生にも「研究内容を持ち出される。もう指導しない」などと発言した[125] 。
非公認サークルによる旅館での迷惑行為
2024年 3月、神戸大学非公認のバドミントンサークルの学生が旅館の設備(障子や天井)を破壊している様子をSNSに投稿・拡散する事案が発生し、ネット上では多くの批判が殺到した。これを受けて、同大学は関係者への聴取などから迷惑行為が確認できたとして、公式ホームページに謝罪文を掲載した[126] [127] [128] [129] 。
人事担当者からの評価
2021年日本経済新聞社 と日経HR が実施した、「企業の人事担当者からみたイメージ調査」[130] (全上場企業 と一部有力未上場企業4,850社の人事担当者を対象に、2019年4月から2021年3月までの間に採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた調査)において、神戸大学は、「全国総合」で788大学[131] 中、第8位[130] にランキングされた。
出世力
『週刊エコノミスト 』(2010年8月31日号)に掲載された、「卒業生数の割に役員・管理職の人数が多い度合い」で、神戸大学は、2010年時点で存在する全国の778大学[137] 中、第29位にランキングされた[138] 。
ウィキメディア・コモンズには、
神戸大学 に関連するカテゴリがあります。
ウィキブックスに
神戸大学 関連の解説書・教科書があります。