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カタール航空
カタールのフラッグキャリア ウィキペディアから
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カタール航空(カタールこうくう、アラビア語: الخطوط الجوية القطرية; al-khuṭūṭ al-jawwīya al-qaṭarīya, 英語: Qatar Airways)は、カタールの国営航空会社でカタールのフラッグ・キャリア。航空連合「ワンワールド」に加盟しており、アラブ航空会社機構の一員でもある。
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概要
カタールの首都ドーハのハマド国際空港をハブ空港とし、乗り継ぎ需要を取り込む戦略をとっている。イギリスのスカイトラックス社による航空会社の格付けでは、「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている[1]。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[2]。

歴史
要約
視点
設立前のカタールの航空会社
1974年から、 カタール、
オマーン、
アラブ首長国連邦のアブダビ州、バーレーン王国とともに、ガルフエアを合同フラッグキャリアとして共同運営していた。カタール航空設立後も共同運営に参画していたが、2002年に撤退した。なお、オマーンもオマーン航空、アブダビもエティハド航空を設立して共同運営から撤退しており、現在、ガルフエアはバーレーンのフラッグキャリアになっている。
設立
- 1993年11月22日、カタール政府によって設立された[3]。
- 1994年1月20日、2機のエアバスA310を使用して、ドーハ-アンマン線で運航を開始した[4]。
- 1995年、全日本空輸(ANA)の中古機のボーイング747型機2機をボーイング社から購入し[5][6]、1996年にモーリシャス航空から中古のボーイング747SPを導入、1997年に中古のエアバスA300-600R型機を2機導入するなど、急速に規模を拡大した[7]。
- 1997年4月、元々王族の一族が所有者であったが、CEOのアクバル・アル=バーキル[注釈 1] (أكبر الباكر; ’akbar al-bāker, Akbar Al Baker) 率いる株式会社となった。株の50%はカタール政府が保有し、残り半分は民間投資家が保有する。
- 2001年、世界最大の旅客機エアバスA380を導入した。導入は9社目[8]。
- 2002年5月、カタールはカタール航空の発展に注力するため、ガルフエアの経営から撤退。
- 2003年6月、ドーハ-バスラ線を就航した。イラクへの国際線を再開した最初の航空会社となった[9]。
- 2003年6月、初の貨物機として、貨物機に改造したエアバスA300-600R型機を導入[10]。
- 2003年6月のパリ航空ショーで、エアバスA321型機2機、エアバスA330型機14機、エアバスA340-600型機2機を51億米ドルで発注した[11][12]。
- 2007年は大規模な機材発注を行った。6月のパリ航空ショーでは、エアバスA350型機80機、ボーイング787型機30機など、合計160億ドルにも及ぶ大規模機材発注を行った[13][14][15]。11月には、ボーイング787-8型機30機の追加発注に加え、ボーイング777-300ER、ボーイング777-200LR、ボーイング777Fをオプション発注した。この受注総額は135億米ドルでした。
- 2007年に行われたドバイ航空ショーにおいて、カタール石油、シェル石油、エアバス、ロールス・ロイス、カタール・サイエンス&テクノロジー・パークの5社と提携し、天然ガス由来液体燃料を開発することを決定した[16]。実際、2009年10月12日、天然ガスを燃料に使用した商業旅客飛行を、世界で初めて達成した。
- 2009年には、初のオセアニア地域路線となる、オーストラリアのメルボルン線に就航した[17]。
- 2010年5月18日、ボーイング777Fを就航させ、ドーハからアムステルダムに飛行した。
- 2012年10月8日、ワンワールド加盟を発表し、2013年10月30日、 ワンワールドに加盟した[18]。ワンワールド特別塗装をまとったボーイング777-300ER(機体番号:A7-BAA)のお披露目も行なわれた[19]。
- 2012年11月12日、ボーイング787を導入した。787導入は世界で7番目で、中東の航空会社では初。当初、787はドーハ-ドバイ線に使用された[20]。
- 2013年6月、ボーイング777-300ER型機を確定2機、オプション7機発注し[21]、ドバイ航空ショーの2013年11月17日には、ボーイング777-9X型機50機を発注した。
- 2014年5月、ロンドン/ヒースロー路線で、全席ビジネスクラスのエアバスA319LR型機の運航を開始[22][23]。
- 2014年5月27日の発着便から、ドーハの発着空港をドーハ国際空港からハマド国際空港に移転した[24][25][26]。
- 2014年9月17日、世界最大の旅客機であるエアバスA380を受領し、ロンドン/ヒースロー線に投入[27]。
- 2014年12月22日、エアバスA350-900を受領し、2015年1月15日からドーハ-フランクフルト線で運航を開始した[28][29]。
- 2017年2月5日よりドーハ - オークランド線を就航[30]。17時間30分の世界最長フライトとなる。
- 2017年6月5日、一部のイスラム諸国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦・バーレーン・エジプト・イエメン・モルディブなど)がカタールと国交断絶を表明したこと(カタール外交危機)により、対象国との運航便は運航停止され運休扱いとなったほか、サウジアラビア・エジプト・バーレーン・アラブ首長国連邦に関しては領空通過も禁止された。このため、北アフリカ向けの便については、イランやトルコ上空から地中海上空に、またサブサハラアフリカ向けの便については、オマーン上空からアデン湾上空に抜けるなど、アラビア半島を大きく迂回する形で飛行するようになっている。
- 2018年12月、同じワンワールドメンバーのカンタス航空、アメリカン航空がカタール航空に対して「敵対的なビジネス慣行」に関与しているとして、2019年2月にはワンワールド撤退を示唆した[31]。
- 2019年4月30日、バンコクからの到着便をもって、エアバスA340-600型機が退役した。
- 2021年1月、クウェートとアメリカ合衆国の仲介によりカタール外交危機が終焉を迎えた。この外交危機による運休及び領空通過禁止措置は順次終了、運航再開している[32][33]。
- 2023年7月、ブリスベン、メルボルン、パース、シドニー線を増便する計画が、オーストラリア政府によって阻止された。同じワンワールドに加盟するカンタス航空が「市場を歪める」と主張して反対していたこともあり、カンタス航空との不仲が表面化した。
- 2023年10月、高速な機内インターネットを提供するため、スターリンクとの提携を発表した[34]。
- 2025年2月、ヴァージン・オーストラリア・ホールディングスの株式25%を取得した。あわせて、ヴァージンオーストラリア航空がカタール航空機をウェットリースするという形で、ドーハ-オーストラリア路線を拡大した。オーストラリアでの提携相手を、ワンワールドパートナーのカンタス航空に選ばなかったことは大きく話題を呼び、一層カンタス航空との不仲がささやかれている[35]。
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機材
要約
視点
同社が発注したボーイング社製の航空機の顧客番号(カスタマーコード)はDZで、航空機の形式名はB777-2DZLR、B777-3DZERなどとなる。
備考
- エアバスA350 XWBのローンチカスタマーで-900型 / -1000型を発注。2014年12月に最初の1機を受領。2015年1月15日からドーハ - フランクフルト線に就航させた[36]。
- しかし、2021年8月にカタール航空当局の指示により、保有するA350のうち13機(-900型: 11機 / -1000型: 2機)の塗装の劣化が判明したため飛行停止措置を取り、代替機としてA350導入により整備保管していたA330を運用に復帰させる形で対応した[37]。
- 当初はエアバスA321neo型機を50機発注していたが、上記のA350塗装剥離問題からエアバス社とカタール航空の対立が激しくなり、エアバス側からオーダーをキャンセルされた[38]。その後19機発注されていたA350-1000型機に関してもオーダーキャンセルとなった[39]。
- 事実上エアバス社との関係が破綻して「出入り禁止」状態となったカタール航空はA321neoの代替機材としてボーイング737-10 MAX[40]の導入を予定していた。
- エアバスとは2023年2月に和解し、改めてA321neo及びA350の購入契約を締結しており、同年5月より納入が再開されている[41]。一方737-10の発注はキャンセルされた[42]。
現在の運用機材
カタール航空の機材は以下の航空機で構成される。
- エアバスA320-200
- エアバスA330-200
- エアバスA330-300
- エアバスA350-900
- エアバスA350-1000
- エアバスA380-800
- ボーイング777-200LR
- ボーイング777-300ER
- ボーイング777F
- ボーイング787-8
- ボーイング787-9
過去の運用機材
- エアバスA300-600R/RF
- エアバスA310-200
- エアバスA319-100
- エアバスA321-200
- エアバスA330-200F
- エアバスA340-600
- ボーイング727-200Adv
- ボーイング737-200
- ボーイング747SR
- ボーイング747-SP
- ボーイング747-8F
- ボーイング757-200
- ボーイング767-200ER
- エアバスA300-600R
- エアバスA300-600RF
- エアバスA321-200
- エアバスA340-600
- ボーイング747-8F
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就航都市
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日本との関係
運航便
2025年3月現在。機材などは変更となる可能性があるので、詳細は公式ホームページを参照。
※コードシェア
歴史
- 2005年3月31日、ドーハ - 大阪/関西線就航。
- 2010年4月25日、ドーハ - 東京/成田線就航。当初は関西国際空港経由で運航していたが、2012年10月28日より直行便化された[113]。
- 2014年6月18日、ドーハ - 東京/羽田線就航[114][115]。
- 2016年1月12日、ドーハ - 関西線を週7便から週5便に減便[116]、同年3月31日、ドーハ - 関西線を運休[117]。
- 2020年4月6日よりドーハ - 関西線を運航再開予定[118]であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2020年6月15日まで就航が延期された[119]。
- 日本航空の東京/羽田~ドーハ線の開設に伴い、2024年夏スケジュールから羽田-ドーハ線を運休[120]。なお、日本航空の便にはコードシェアを行う。
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サービス
要約
視点
機内サービス

カタール航空の機内サービスの評価は国際的にも非常に高く、イギリスのスカイトラックス社による「5つ星航空会社」に認定されている。2007年にファーストクラス「世界第1位」の称号を受賞。中東地域におけるベストキャビンクルーの称号については6年連続獲得している(2008年現在)。さらに、「エアライン・オブ・ザ・イヤー」賞では、2011年、2012年、2015年、2017年と4回1位を獲得しており、キャセイパシフィック航空、シンガポール航空、エミレーツ航空などと共に高い評価を受けている。また、保有機就航年数も平均約4年と世界の中で最も新しい飛行機を所有・運航しており、設立以来1度も重大事故起こしていないことから安全性も高いと言える。
座席構成は、エアバスA380とエアバスA330(※-200、-300の一部)がファーストクラス・ビジネスクラス・エコノミークラスの3クラス、その他の機材はビジネスクラスとエコノミークラスの2クラスで運航されている。

機内食は豚肉を使わないムスリム食。日本路線においては、和食、ウエスタン、アラビア料理の3つのチョイスがある。事前予約が必要な特別食も充実している。また、エコノミークラスにおいてもビール、ワイン、ウイスキー、ウォッカ、ブランデーなど多様なスピリッツが無料で提供されている。
客室乗務員は世界100カ国以上出身の多国籍で構成されており、日本路線には日本語話者も常時2~3人程度乗務している。また、日本就航以前から日本人客室乗務員を採用しており、日本路線のみならず就航している全路線に乗務している。
地上サービス
ハマド国際空港にて、ビジネスクラス、ファーストクラスの乗客には、アル・ムルジャン ビジネスラウンジにて、食事やシャワーのサービスを提供している[121]。 乗り継ぎ時間が5時間から12時間ある乗客には、無料の市内観光ツアーが実施されている[122]。乗り継ぎ時間が8時間を超える乗客には、ホテルを提供している[123]。
ドーハ国際空港を利用していた当時は、世界初となる、ファースト・ビジネスクラス専用「プレミアム・ターミナル」を2006年にドーハ国際空港に開設していた。スパ、サウナ、ジャグジ、マッサージ、仮眠室や、最先端の会議室、ビジネス施設、保育所、ビデオゲームルーム、レストラン、デューティーフリー・ショップなども設けられている。また、ドーハ国際空港にてヨーロッパ路線に乗り継ぐファーストクラス利用者には「プレミアムターミナル」から搭乗機まで、BMW・7シリーズでの送迎をしていた[124]。
マイレージサービス
カタール航空のマイレージサービス「プリヴィレッジクラブ」は、ワンワールド加盟航空会社でコードシェア便を運航している日本航空やアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズなどのほか、以下の会社とも相互協定を結んでいる。
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受賞歴
- 中東ベストキャビンクルー7年連続受賞(2009年時点)
- ファーストクラス世界第1位(2007年)
- 中東ベストエアライン(2009年)
- ベストエコノミークラス(2009年)
- Skytrax エアライン・オブ・ザ・イヤー[125](2015年)
その他、エアライン・オブ・ザ・イヤーにも毎年、上位にランクインしている。
アメリカのフライトスタッツ社の調べによると、定時到着率は83.64%[126]と高い。
その他
コードシェア
ワンワールド加盟航空会社
その他
アシアナ航空
フィリピン航空
ミドル・イースト航空
ルフトハンザドイツ航空
中国南方航空
ヴァージン・オーストラリア(カンタス航空による豪州増便妨害を受け出資、豪当局及びカンタス認可により2025年6月から)
スポンサーシップ
カタール航空は現在、リーグ・アンのパリ・サンジェルマンと2020-21シーズンからスポンサー契約を締結しており、2022-23シーズンからは公式ジャージパートナーとしてユニフォームの全面に「QATAR AIRWAYS」のロゴが掲出されている[131]。他にはドイツ・ブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘンとプラチナムパートナー契約も締結してる。
2012年11月、カタール航空はFCバルセロナのスポンサーになるとともに商業スポンサーとしては史上初のユニフォーム胸スポンサーとなり[132]、2016年シーズン末で契約満了となった。
過去には2014年10月にサウジアラビアのサッカークラブ、アル・アハリ(Al-Ahli)が推定年間1600万ドル(約17億6000万円)の3年契約を締結していたが、2017年6月に国交断絶が発表されたわずか数時間後に契約を打ち切ると表明した。そのほか2018-19から2020-21シーズンまでイタリア・セリエAのローマとの胸スポンサー契約を、アルゼンチンのボカ・ジュニアーズとのメインスポンサーにも指定されていた。
2017年から国際サッカー連盟(FIFA)パートナーおよびオフィシャルエアラインとなり、当初2022年までの契約を2030年までに更新[133]。また2018年アジア競技大会・UEFA EURO 2020/2024でもオフィシャルエアラインを担当した。
2019年から2022年まで南米サッカー連盟(CONMEBOL)が主催するクラブチームの大会コパ・リベルタドーレス、コパ・スダメリカーナ(レコパ・スダメリカーナも含む)の公式スポンサーを担当。
テニスでは2014年に開催されたインターナショナルプレミアテニスリーグの共同スポンサーとしてコカ・コーラとともに支援していた。
競馬でも、世界最高峰級レースである凱旋門賞のスポンサーを長年にわたり務めている。
2023シーズンよりフォーミュラ1世界選手権のグローバルパートナーに就任[134]したほか、同年12月よりAFCアジアカップ2023を皮切りに、AFCの公式グローバルパートナーに就任[135]。更に2024年にはMotoGPやプレミアパデルの公式エアライン・タイトルパートナーにも就任した。
2024年9月には前述のUEFA EURO 2020/2024の公式スポンサーシップでの成功を機に、UEFAチャンピオンズリーグの公式スポンサー契約[136]を2024/25から2029/30シーズンまでの長期に渡る契約を締結している[137]。
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注釈
- 日本語のメディアでは「アクバル・アル・バクル」「アクバル・アル・ベイカー」「アクバル・アル・バケル」などと表記されることがある。
参考文献
外部リンク
Wikiwand - on
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