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ワンワールド

航空アライアンス ウィキペディアから

ワンワールド
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ワンワールド: oneworld)は、世界規模の航空連合の1つである。アライアンス・スローガンは「Travel bright.」。

概要 設立日, 加盟数(正会員) ...
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ワンワールド塗装機(ブリティッシュ・エアウェイズ
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ワンワールド塗装機(アメリカン航空
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概要

ワンワールドは世界170カ国、1,012カ所の目的地に達し、便数は毎日13,000便を超える。2025年6月時点で3つ存在する航空連合の中で第3位と、アライアンス自体の規模や加盟会社数としてはスターアライアンススカイチームの後塵を拝しているものの、他のアライアンスと比べ、上質かつ安定したサービスを受けられるのが特徴である。メンバー航空会社及びその関連会社は、運航計画、航空券発行、共同運航、乗継便運用、マイレージサービス空港ラウンジの共有、経費節減、及びベストプラクティスにおいて高度な協力関係を有している。

正規メンバー会社の子会社はアフィリエイトメンバーと位置づけられ、利用者側には正規メンバー会社と同等の特典が受けられるようにする事が出来るが、かつてスターアライアンスに存在したリージョナルメンバーや、スカイチームでのアソシエイトメンバーといった、正会員会社と資本関係のない提携会社を議決権を持たない準会員として扱う事はしていない。

ワンワールドは、中央管理機構を確立した最初の航空連合である。発足当初はカナダバンクーバー2010年よりアメリカ合衆国ニューヨークに本部を置き[1]、加盟航空会社各社の最高責任者で構成されるアライアンス委員会への報告を担当する責任者が本部に駐在する。アライアンス委員会の議長は基本的に持ち回り制である。業務担当者への報告は、営業・情報技術・広報、空港・顧客サービス、並びにグローバルプロジェクトディレクターの職務長によって行われている。また、2010年にはアジア地域における営業・広報活動の拠点として東京にアジア地区本部を設置した[2]

メンバー航空会社は、技術・整備事業、方針・手順調整、開発・支援ソリューション連携などで航空業界を通して使用できる可能な限り広範囲に亘る共通規格も開発した。また経費も一括購入と部品の相互共有によって削減されている。

ワンワールドは、2006年度までの過去3年間の加盟航空会社の総収支が黒字である唯一の航空連合であった[3]が、この記録も2008年には途絶えた。加盟会社全てが黒字というわけではなく、数社が足を引っ張っている構図になっている[4]。かつて大きく赤字を計上していたアメリカン航空は、後に収支が改善した。

インターネットユーザーが、投票によって賞を与えるワールド・トラベル・アワーズでは、ワンワールドは2019年度までの17年連続でベスト航空連合に選出されている[5]

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ネットワーク

要約
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ワンワールドに加盟している航空会社の1つである日本航空(JAL)。

メンバーのネットワーク

就航都市数はアメリカン航空、就航国・地域数はカタール航空が最大である[6]

さらに見る 航空会社, 就航都市数 ...

アジア

設立当初はキャセイパシフィック航空が拠点とする香港国際空港から、中国本土や東南アジア各国への幅広いネットワークを構築していた。

2007年4月1日日本日本航空が正式加盟し、北東アジアおよび北太平洋地域のネットワークが強化された。

日本航空の加盟によって成田国際空港におけるワンワールド加盟航空会社の再配置が行われ、第2旅客ターミナルビルに集約された。同ターミナルを「北東アジアでのワンワールドのハブ」と考え、チェックインカウンターのクラス別での共用化や、空港ラウンジの改修などサービス機能を加盟就航会社共同で強化している。

2010年2月23日に加盟予定を発表したインドキングフィッシャー航空はその後の経営難により加盟保留状態となり、2013年に倒産。ワンワールド加盟が消滅した。

2013年2月1日ASEANにも幅広い路線網を持つマレーシア航空が加盟。これにより、東南アジア地域の更なるネットワーク強化が行われた。

2014年5月1日南アジア中東西アジア)に幅広い路線網を持つスリランカ航空が加盟。

この他、中華民国スターラックス航空2025年末に申請予定[7]2019年スカイチームを脱退した中華人民共和国最大の航空会社、中国南方航空[8]が加盟を検討している。

中東・西アジア

2007年4月1日に、ロイヤル・ヨルダン航空が中東では初となるワンワールドメンバーとして加盟した。

2013年10月30日、豊富な機材で世界各地にネットワークを有するカタール航空が加盟。ヨーロッパから中東西アジア)への便が多いブリティッシュ・エアウェイズの路線を含め、中東内のみならず中東とヨーロッパ間などのネットワークがさらに拡充される。

オマーン・エア2025年6月30日に加盟[9]中東西アジア)ネットワークにおいてターキッシュ エアラインズ1社のスターアライアンスサウディアミドル・イースト航空の2社を率いるスカイチームに対しワンワールド加盟会社が3社となり、更に優位に立つ見込みである。

オセアニア

オセアニアでは最大規模のネットワークを誇るオーストラリアカンタス航空が加盟している。

2018年にはフィジー・エアウェイズが「ワンワールド・コネクト」として加盟。

オセアニア方面にメンバーを持たないスカイチームや、オーストラリア内で国内線を持たないニュージーランド航空1社のスターアライアンスに比べ優位に立っている。

2025年3月31日にはフィジー・エアウェイズが正式メンバーとして加盟した。

ヨーロッパ・ロシア・CIS諸国

2010年末にインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)として経営統合したブリティッシュ・エアウェイズイベリア航空、加えてフィンエアーがヨーロッパの東西南北の主要国をほぼ網羅するネットワークを持つため、ほぼ全土へ路線網を伸ばしている。

一方、マレーヴ・ハンガリー航空が2012年に、エア・ベルリンが2017年に経営破綻して消滅、さらに2022年にはS7航空ロシアのウクライナ侵攻を受けて一時会員資格停止となったため、中東欧・ロシアの加盟会社が皆無となり、チェコ・ルーマニアの航空会社が加盟するスカイチームやルフトハンザドイツ航空を盟主としたドイツ語圏各国の航空会社、加えてポーランド、クロアチア、ギリシャ、トルコに加盟会社を持つスターアライアンスに比べると中東欧ネットワークはかなり脆弱となっている。そのため、ヨーロッパにおけるシェアは3位と、スカイチーム、スターアライアンスの後塵を拝している。

2010年2月13日、米国運輸省がアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空、フィンランド航空、ロイヤル・ヨルダン航空の5社が共同で申請していたヨーロッパと北アメリカを結ぶ大西洋路線の反トラスト法適用除外 (ATI) を暫定的に認可することを決定[10]。その後同年7月14日には欧州委員会 (EC) からもATI認可がおり、米国運輸省も同年7月20日までに5社への認可を正式に決定した。これを受けて、今後5社共同で大西洋路線の運営・管理を行う方針である[11]

ロシア・CIS諸国においては、2022年9月時点で加盟会社は無い。

かつては、ロシア第2位の航空会社であるS7航空(2010年加盟)が加盟していたが、2022年ロシアのウクライナ侵攻より、2022年4月19日よりワンワールドの資格を一時停止されている。

アフリカ

2020年4月1日にロイヤル・エア・モロッコが加盟し、ワンワールドでは初となるアフリカの航空会社となったほか、ブリティッシュ・エアウェイズイギリスの旧植民地を中心に多くの路線網を有している。かつては同社の傘下にある南アフリカコムエアーがアフィリエイトメンバーとして参加していたが、2022年6月9日に会社清算を発表した。エジプト航空南アフリカ航空エチオピア航空の3社を擁するスターアライアンスに比べるとネットワークは小さい。

南北アメリカ

北アメリカにおいてはアメリカン航空アラスカ航空が加盟している。アメリカン航空USエアウェイズとの合併で世界最大の航空会社になったことにより、米国国内線はもとより中央南アメリカ路線など米国を拠点とする国際線のネットワークが充実した。また、2021年3月31日にアラスカ航空が加盟し、これによりアラスカハワイなどの米国西海岸路線が更に強化される形になった。

設立メンバーの1社であったカナディアン航空が2002年にエア・カナダ(スターアライアンス)に吸収合併され、2009年に加盟したメキシカーナ航空が2010年に経営破綻して消滅したことで、北米大陸におけるプレゼンスは、他のアライアンスと比較して高まっていない。

ヨーロッパのブリティッシュ・エアウェイズがイギリスと北アメリカ間に多くの路線を持つ他、2010年10月の羽田空港の国際線増便以降は、羽田空港-米国間の直行便数では、ワンワールドが最多になる。

南アメリカにおいては、かつてはLATAM航空グループLATAM チリ(2000年加盟)、LATAM ブラジル[12](2014年加盟)が加盟していたが、2020年4月30日をもってワンワールドを脱退しており[13]加盟会社は無い。

以後はラテンアメリカ諸国におけるネットワークはテキサス州を本拠地とするアメリカン航空が中心となりカバー、加えてアラスカ航空も一部を補完している状態になっている。しかしながら、LATAMグループの脱退によりアビアンカ航空コパ航空を擁するスターアライアンス、アルゼンチン航空アエロメヒコ航空を率いるスカイチームと比較してワンワールドは劣勢に立たされている。

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歴史

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加盟航空会社

要約
視点

本会員

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日本の日本航空(JAL)も2007年4月1日よりワンワールドに加盟している。写真はoneworld塗装のエアバスA350-900型機。

太字は創立時のメンバー。

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資格停止中の航空会社

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加盟予定航空会社

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加盟の可能性が報道されている航空会社

元加盟航空会社

太字は創立時のメンバー。

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加盟保留となり、のちに加盟破棄となった航空会社

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ハブ空港

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フリークエント・フライヤー・プログラムの共用

ワンワールドにおけるマイレージサービスのランクはワンワールド・エリート・ステータス・レベルと呼ばれ、ルビー、サファイア、エメラルドの3段階がある。ワンワールド・エリート・ステータスは利用者が直接取得するものではなく、各加盟会社がそれぞれ設定するマイレージサービス(日本航空であればJALマイレージバンク)の各ランクと対応付けて利用できる[41]。また加盟会社の相互利用でもマイルが加算されるよう規格化されているが、自社便最低搭乗回数など条件は各社異なる。

ワンワールド・エリート・ステータス

  • ワンワールド・エメラルド特典
    • ファーストクラスカウンターでのチェックイン
    • ファーストクラス・ビジネスクラス用ラウンジの利用
  • ワンワールド・サファイア特典
    • ゲートでの優先搭乗
    • ビジネスクラス用ラウンジの利用
  • ワンワールド・ルビー特典
    • ビジネスクラスカウンターでのチェックイン
    • 優先空席待ち
    • 事前優先座席予約
さらに見る 運営航空会社, マイレージサービスの名称 ...
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関連項目

脚注

外部リンク

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